overview/documents/jp_ai_senryaku_5eb91d1a
JPJapananalyzedStrategy paper

Document

第14回 AI戦略会議 議事要旨

The document consistently frames AI governance around Japan becoming the world's most AI-friendly nation, maintaining international competitiveness especially in content/IP industries against China, Korea, and the US, and balancing innovation promotion with risk management. Economic competitiveness language dominates, with specific references to export industries, startup creation, and competitive threats from foreign AI tools.

normalized text

1 section

  1. 01

    Full text

    -1- 第14回 AI戦略会議 議事要旨 1.日 時 令和7年6月2日(月)18:30~19:00 2.場 所 総理大臣官邸 4階 大会議室 3.出席者 座 長 松尾 豊 東京大学大学院工学系研究科 教授 構成員 岡田 淳 森・濱田松本法律事務所 外国法共同事業 弁護士 川原 圭博 東京大学大学院工学系研究科 教授 佐渡島 庸平 株式会社コルク 代表取締役社長 山口 真一 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授 政府側参加者 石破 茂 内閣総理大臣 城内 実 科学技術政策担当大臣 穂坂 泰 デジタル副大臣 野中 厚 文部科学副大臣 川崎 ひでと 総務大臣政務官 加藤 明良 経済産業大臣政務官 他 4.議題 1. 人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律( AI法)について 2. 統合イノベーション戦略 2025 AIパート(案)について -2- 5.資料 資料 1-1 AI法の概要 資料 1-2 今後のAI政策の進め方 資料 2 統合イノベーション戦略 2025 AIパート(案)【非公開】 参考資料 AI戦略会議 構成員名簿 6.議事要旨 〇 議論に先立ち、城内科学技術政策担当大臣より挨拶があった。挨拶は以下のとおり。 【城内科学技術政策担当大臣】 構成員の皆様には、本日もご多忙のところ、 AI戦略会議にご出席いただき、感謝申し 上げます。本日は石破総理にも、ご出席いただいております。 本年2月に策定いただいた「中間とりまとめ」を踏まえ、 AI法案を今国会に提出し、 先週5月28日(水)に法律が成立いたしました。 松尾座長はじめ、これまで制度検討や法 案審議にご尽力いただいた皆様に、改めて厚く御礼申し上げます。 AI法案の国会審議では、人間中心の考え方、 AIイノベーション政策のあり方、国や 地方におけるAIの活用策、人材育成、ディープフェイクや偏見・差別等のリスクへの対 応、といったことが主な論点となりました。こうした国会での御議論も踏まえ、今後、 A I法において規定されている、 AI戦略本部の設置、AI基本計画の策定、指針の整備、 情報収集・調査といった取組を、関係省庁と緊密に連携しながら、スピード感を持って進 めてまいります。 本日の会議では、AI基本計画の下地となる「統合イノベーション戦略 2025」のAIパ ートの案をご紹介するほか、今後の基本計画等に 活かしていくため、AIが進化していく 中で、「人類あるいは日本人が守るべきものは何か」、「私達の暮らしや産業が具体的に どう変わるのか」といった点も含めて、構成員の皆様からご意見・アイデアをいただきた いと考えています。 本日も忌憚のないご議論をよろしくお願いいたします。 〇 会議進行の関係上、 穂坂デジタル副大臣 、野中文部科学副大臣 、川崎総務大臣政務官 、 加藤経済産業大臣政務官 の挨拶は書面にて机上配布となった。 内容は以下のとおりである。 -3- 【穂坂デジタル副大臣】 人口減少という喫緊の課題に直面する我が国において、行政サービスの質を維持・向上 させるためには、デジタル技術と AIの全面的な実装が必要不可欠です。 日本のAI政策は、「世界一AIフレンドリーな国」になることを目指して、 AIによ るイノベーションを促進しつつ、リスクにもしっかりと対応することが重要であります。 先月末に成立した「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」( AI法) はこれらを推し進める上で不可欠なものと考えております。 同法においては、「国の行政機関における人工知能関連技術の積極的な活用を進める」 とされており、政府が積極的に AIの利活用を進めなければなりません。 これを踏まえ、デジタル庁では5月 27日、「行政の進化と革新のための生成 AIの調 達・利活用に係るガイドライン」を策定いたしました。 AIのリスク管理を適確に行いつ つ、政府におけるAI実装を強力に進めてまいります。 また、デジタル庁では、セキュリティにも配慮した生成 AI検証環境を構築し、5月 7 日から、庁内全職員がAIを利活用できる環境を整備いたしました。今後、まずはデジタ ル庁内でどのような業務に AIが利活用できるかを検証し、機能を充実させた上で、他の 府省に展開させていきたいと考えています。 引き続き、デジタル庁では関係省庁と連携して、 AIに関する競争力強化と安全性確保 に取り組んでまいります。 【野中文部科学副大臣】 今般成立した「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」( AI法) の基本施策では、研究開発の推進や人材確保、教育の振興等が掲げられております。また、 今年度も策定される統合イノベーション戦略においても、同様の施策が盛り込まれること になると承知しております。 AI法の成立と、まもなく策定される統合イノベーション戦略を踏まえ、文部科学省と して引き続きAIの研究開発・活用等を進めてまいります。具体的には、研究データの適 切な保存・管理、流通、活用を促進する情報基盤等の強化やこれを活用した科学研究向け AI基盤モデルの開発・共用等の AI for Scienceの加速を通じた科学研究の革新に取り 組んでまいります。 また、AI人材の育成・確保に取り組むとともに、「初等中等教育段階における生成 A I利活用に関するガイドライン」の周知や「 AIと著作権に関する考え方について」の普 -4- 及・啓発を図ってまいります。 「世界で最もAIの研究開発・活用しやすい国」の実現に向け、今後設置される AI戦 略本部の下、AI基本計画の策定や適性性の確保のための指針の整備など、 AI政策の更 なる推進に向けて、文部科学省としても引き続き貢献してまいります。 【川崎総務大臣政務官】 今般成立した「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」( AI法) に基づき、今後、AI戦略本部の立ち上げやAI基本計画の策定、指針の整備等、大変重 要な取組が進められるものと認識しております。総務省では、 AIに係る幅広い取組を推 進していますが、これらの成果や知見を活かし、 AI法に基づく施策の具体化・実行にお ける役割を積極的に果たしてまいります。 例えば、広島AIプロセスの「国際行動規範」に係る「報告枠組み」について、本年 2 月より運用が開始されています。 AI法に基づき国が行う情報収集や調査は、この「報告 枠組み」の結果も活用し、国際的な整合性の確保や企業負担の軽減を図ることが重要と考 えており、内容の具体化に貢献してまいります。 また、「広島AIプロセス・フレンズグループ」の活動や、民間企業や国際機関等が参 画する枠組みである「パートナーズコミュニティ」の活動を通じて、各国及び AI関連組 織等との国際連携を強化してまいります。 さらに、AI法に基づく指針の整備に当たっても、密接に関係する「 AI事業者ガイド ライン」の更新を経済産業省と連携して進めるとともに、その検討にも貢献してまいりま す。 以上の取組と並行し、AI法の趣旨を踏まえ、信頼できる AIの開発を促進するための 学習用日本語データの整備・提供や評価基盤の構築、 AIの開発・利用を支えるオール光 ネットワークを中核とした次世代情報通信基盤の構築に向けた取組を加速化してまいりま す。 総務省においては、このような取組を通じて、安全・安心な AIの開発・提供・利用の ための環境作りをしっかりと支えるとともに、 AI等のデジタル技術を活用した地方創生 の好事例の創出・普及に向けた取組等も積極的に推進し、 AI法が目指す「世界で最も A Iを開発・活用しやすい国」の実現に貢献してまいります。 -5- 【加藤経済産業大臣政務官 】 AIについては、「イノベーションの促進」と「規律の確保」の両立を図りながら、経 済成長や社会課題解決につなげていくことが重要です。 イノベーションの促進に向けては、計算資源の確保やデータの活用促進、コミュニティ 活動の支援を行うプロジェクト「 GENIAC」等を通じ、人材育成やスタートアップの創出 等を進めてまいります。 特に、AIとロボティクスの融合が期待される中、オープンなデータ基盤を構築し、ロ ボティクスAIの開発を加速する事業を開始しました。 先月には、様々な地域や業種における AIアプリケーションの開発と活用を促進するた め、懸賞金事業「GENIAC-PRIZE」を開始しました。 一方、規律の確保に向けては、特に、 AIサービスの契約時にデータの扱い等を確認す る重要性が増していることを踏まえ、「 AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」 を公表しました。 また、総務省とともに昨年公表した「 AI事業者ガイドライン」について、最新の動向 を踏まえ、4月に更新しました。 AIセーフティ・インスティテュート( AISI)につい て、AI安全性評価手法に関する国内外のハブとなるよう、内閣府等と連携しながら、そ の活動を引き続き支えてまいります。 変化の著しいAIについては、不断に対応策を検討し、迅速に実行していくことが重要 です。今般成立した「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」( AI 法)の下、政策の検討・実施について、経済産業省としても積極的に貢献してまいります。 〇 次に、各構成員から、AI法に基づく今後の政策の進め方について 意見が述べられた。主 な意見は以下のとおりである。 【構成員】 ・ AI規制をめぐっては、欧州では過剰規制に対する揺り戻しの動きも指摘され、米国では 政権交代の影響や連邦と各州間での方向性の相違など、混乱も見られるところです。 ま た、安全保障の観点からも、AIへの対応が一層複雑さを増しています。 ・ そのような中で、今回の日本版AI法に見られるような日本流のAI規制をめぐるアプロ ーチというのは、イノベーション促進とリスク対応の両立を達成する手段として従来から 方向性が一貫していて、そのぶれない姿勢と柔軟なフレームワークは高く評価できると考 -6- えております。 ・ 今回成立した日本版AI法には罰則がないなど、法執行面での裏付けが弱い点については 様々な意見もあると思いますけれども、逆にそれを強みとして最大限生かした運用を進め ていただきたいと考えています。 ・ AIのような新技術の下で生じる白黒はっきりしにくい問題では、たとえ罰則付きの法律 であったとしても、かえって当局が強力な執行に慎重になってしまうケースもこれまで散 見されてきたところであります。 ・ むしろ今回のように罰則のない柔構造のフレームワークの下では、逆に当局も事業者も委 縮せずプロアクティブに問題提起をし、実態調査をしていくチャンスと捉えることができ ると考えています。 ・ 特に、横断的規律がなければ監督官庁が機動的に対処し難い問題、例えば 、異なる法分野 に横断的にまたがる問題 のほか、現行法ではグレー領域にとどまる問題 やこれまで主に民 事的解決が想定をされてきて行政刑事的な執行が活発的に行われてこなかった領域などに 対して、AI戦略本部の強力なリーダーシップの下、積極的に切り込んでいただきたいと 考えています。 ・ 各国での規制が振り子のように迷走する中で、大手事業者である例えばOpenAI、D eepSeek、Metaなどに対する諸外国の執行であるとか訴訟などの動きも含め、 諸外国の対応は、反面教師となる場合もあれば、手本となる場合もあります。いずれにし てもそこで得られた教訓というのは大変に参考になるところです。 ・ 是非今後も継続的にそういった知見も集約しつつ、日本版AI法の運用を蓄積していただ きたいと考えております。 ・ AIだけでなく、データの利活用や保護についても重要であり、現在は個人情報保護法の 改正に向けた議論が盛んになっています。また、データ利活用については、デジタル行財 政改革の下で基本方針に向けた検討が進んでまいりました。AIとデータは切っても切り 離せない関係にあります。 ・ 個人情報保護法の改正に向けた議論を見ていても、法改正には莫大なエネルギーが必要で あることを実感しています。今議論している内容が、法改正が成立し施行されるまでに 数 年かかると、かなり過去の話になってしまう懸念があ ります。AIだけでなくデータにつ いても、スピーディーかつ機動的に動ける仕組みを実現することが重要であると考え てお ります。 -7- 【構成員】 ・ AI戦略会議の発足以降、AI法の成立した今日に至るまで、AIの進化は技術的にも加 速度的に進んできました。このスピードは目まぐるし いものがあります。もはやAIとい うのは単一の政策として議論することが難しい領域にも達しているのではないかと感じて います。 ・ この新たな技術が次々と登場するという局面においては、何か施策を事前に詳細設計をし ても、それを固定することも難しい局面になっている と思います。 ・ このため、包括的な指針の提示にとどまらず、政府、そして国民一人一人がAIの利活用、 これを自分ごととして主体的に関与するという意識改革も不可欠な 局面が迫りつつあるの ではないかと感じております。 ・ 今回のAI戦略本部、それから統合イノベーション戦略に関しては、これは国が方向性を 明確に示して、実効性のある仕組みを構築するための強力なリーダーシップを発揮できる よい座組になったと思います。 ・ これまでAIの研究開発、それから利活用に関しては、様々な手段、政策が取られてまい りましたが、その一つ一つを見てみると、法的な課題が必ずしもない場合でも、社会的な 要因によって停滞しているものがあるように 思います。 ・ 特に、人材育成、よいAIを作るためのデータの共有、経済的なインセンティブ、それか ら人々のマインドを動かす仕掛け、これらが成否を左右すると考えております。 ・ これらの施策に関しても新たに政府のリーダーシップをもって点検と戦略の見直しという のが必要な局面になっていると思っておりまして、AI戦略本部に期待を寄せております。 ・ 2週間ほど前に 海外の会社のAI製品発表会に参加し たのですが 、驚くような新製品が 次々と発表されて おりました。2年前のAI戦略会議発足当初には不可能と思われていた 技術課題が、ほぼ解決されているように感じ ました。一方で、開発現場は非常に地味な積 み重ねで成り立って いることもわかりました。 AI開発の派手な印象とは裏腹に、地道な 研究開発の積み上げによって新技術が生まれていることを実感し ました。 ・ 意識改革については、皆がそれぞれできることがあるという認識を持っており、 AI法と AI戦略本部がその後押しになることを期待して おります。 【構成員】 ・ 日本のエンタメ、IP産業は大きな輸出産業になろうとしていると思います。しかし、産 業を拡大するには深刻な人手不足と長時間労働という二重の課題を抱えていると、感じて -8- います。この構造的な苦境を打破する鍵こそAI技術の導入です。 ・ しかし、多くのクリエーターがAIへの理解不足から導入に否定的です。AIにいまだ弊 害はあるものの、産業を大きく発展させる鍵となることを広く理解してもらえるようにす ることが必要だと思います。 ・ また、プロフェッショナルとして現場感覚から申し上げますと、AIに求められる精度と 安定性には多くの課題が残っています。その背景には主に二つの課題があります。 ・ 第一に、著作権などIPをめぐる権利ルールの整備がいまだ追い付いていないこと。ここ にクリエーターは不安を感じています。 ・ 第二に、日本が世界に誇る漫画、アニメ、その創作技術はかなり細部のところの技術が高 いものですが、それをAIに学習させるファインチューニングというものが十分にできて いない状況です。その点でもクリエーターは効率化を優先して質が下がることに抵抗感が あります。 ・ しかし、この状況を放置すれば、権利処理が曖昧な海外製AIツールが市場を席巻してい く可能性があると思います。漫画は韓国のウェブトゥーンが力を伸ばしていますけれども、 そこは個人単位ではなく、会社単位でやって いるため、AIの導入にかなり積極的です。 ・ 中国やアメリカは、日本の漫画、アニメを学習させて、それをAIとして使えるようにし ていくということをかなりの勢いで進めていて、日本はクリエーターに考慮して、そこに 対応できていないような状況です。 ・ 権利を保護しつつ、現場主導でのファインチューニングを可能とする権利のガイドライン と学習用データ基盤の更なる整備を、経産省や文科省などが横断して進めていき、クリエ ーターを啓もうしていく必要があると考えています。これこそがエンタメIP ×AI分野 において、日本の国際的存在感を示す打ち手になるのではないか、そのように考えており ます。 ・ AIへの学習は自由となって おり、それはAIを進めていくためには非常に重要だとは思 います。しかし、国内のAIの会社 のみならず、海外の会社においても自由に学べてしま う状況になってしまう 。現在、多くのコンテンツがある中で、それをどのように 輸出に変 えていくのかが重要だと思 います。 ・ 日本のAIベンチャーや大手企業が、どのようにしてコンテンツを学習させる流れを作 るかが、日本のコンテンツ輸出と同等に重要であり、緊急性の高い課題 であると思います 。 -9- 【構成員】 ・ AIを日々活用しておりますが、その進化のスピードと力には驚かされます。AIは人と 共働する、つまり共に働く道具として適切に生かせば、日本の経済成長や少子高齢化とい った社会課題の解決に大きく寄与します。 ・ 自治体など、政策の現場でも既にAIの活用が進みつつあり、専門性を持った人材がAI と共働することでよりよい社会を築けると確信しております。 ・ 一方で、AIの力がこれほど巨大であるからこそ、そのリスクも無視できません。情報空 間では、ディープフェイクをはじめとする偽情報が増加しており、誰もがAIツールを作 ってフェイクを作れるウィズフェイク2.0時代というものが始まっています。 ・ また、2024年以降、日本でもSNSや動画共有サービスが選挙に大きな影響を与える ようになり、SNSとAIの組合せによって民主主義の基盤が揺らぐ可能性というものも 指摘されております。 ・ こうした課題に対応するには、技術、制度、教育を統合した総合戦略が不可欠です。安全 保障の観点からもフェイク対策などの重要領域では特に国産技術の確保が必要です。今後、 AIがAIを使い始め、情報社会は指数関数的に変化していくでしょう。 ・ だからこそ我々は人間の尊厳や多様性、言論の自由、信頼できる情報環境といった人間中 心の価値と民主主義の前提条件を見失わず、AIとの共存 協働のビジョンを持って、引き 続き国家としてその戦略を主体的に描くことが重要だと考えております。 【構成員】 ・ 総理が先日AIの講義を受講したように、 日本の中でリーダーがこうしてAIを勉強して いただくことは、日本全体でAIを進める上で非常に重要なことだと思っております。 ・ 生成AIが出てきて、ここまでの日本政府の政策というのはすばらしいものであると、取 るべき手をしっかり取ってきていると思います。 ・ 私はここからが攻めの局面ではないかと考えており、ここまでしっかりついていったわけ ですので、ここからは日本の独自性を出しながらしっかり攻めていくという時期ではない かと思います。 ・ その際に、日本なりの独自性というのがキーになってくるわけですけれども、先日、とあ る人材の大手の経営者の方に聞きましたら、米国では明らかにホワイトカラー、特にプロ グラマーの求人が減っているということを聞きました。これは、生成AIの活用によって 人の雇用に既に影響が出始めているということです。こうしたことがより多くの領域で起 -10- こってくると思います。 ・ そうした中で、日本は生産性を上げないといけない。労働力不足であって、例えば地方で 人手が不足しているという中で、こういった生成AIの活用というのは日本が一番有利で はないかと感じます。 ・ また、ロボットとAIの掛け算も相当大きな範囲で活用が進んでくると、そこにおいても 日本の状況というのはよいのではないかと思っています。 ・ こういった攻めの一手を繰り出していくためにも、今回のAI法案、非常に重要だと思い ますし、AI戦略本部が中心になってこうした政策をしっかり進めていっていただきたい と考えております。 ○ ここで、松尾座長より次の発言があった。 【松尾座長】 本日は、石破総理はじめ、関係閣僚、構成員の皆様にご出席いただき、ありがとうござ います。本日は、今後の基本計画の策定も見据えて、 ①私たちの暮らしや産業は AIによ ってどう変わるのか、②AIが劇的に進化する中で我々が守るべきものは何か、などにつ いて構成員の皆様からご意見・アイデアをいただき、感謝 いたします。 本日のご議論を振り返りますと、例えば、 ・イノベーションの促進とリスク対応を両立させる日本型の AI法を高く評価。 A I戦略本部のリーダーシップの下、政府も事業者も、罰則のない強みを活かした、 委縮のない、切り込んだ運用をして欲しい 。 ・AIの加速度的な進化に対応するには、国の指針に加え、一人一人が自分ごとと して関わる意識改革が不可欠。また、人材育成やデータ共有を促すために、イン センティブなど実効性のある仕掛けが必要 。 ・日本のエンターテイメント・ IP産業では、現場主導でファインチューニングを 可能とするため、厳格な権利ルールや学習用のデータ基盤を整備すべきで、これ が日本の国際的な存在感を示す打ち手となる 。 ・ディープフェイク等の偽情報には、技術と制度、教育を統合した 戦略と、国産技 術が必要。人間中心と民主主義の価値を見失うことなく、 AIと共存するビジョ ンを持って戦略を作ることが重要 。 といった、ご意見がございました。 衆議院の参考人質疑でも申し 上げましたが、私は、日本はデジタル化や AI活用が進ん -11- でいない分、伸び代は大きいと考えています。例えば、医療の質の向上や医療従事者の負 担軽減、行政事務の効率化、ロボットの高度化などへの AIの活用が期待されます。また、 大学や高専等における人材の育成、スタートアップの創出などにより、 AI開発力を強化 し、デジタル赤字解消を目指す必要があります。広島 AIプロセスの実績を活かしながら、 グローバルサウスやアジアにおける人材育成や AI開発に協力することも重要です。 政府におかれましては、本日のご議論も踏まえ、基本計画の策定など、今後の AI政策 を着実に推進していただきたいと考えております。 ○続いて、石破内閣総理大臣より締め括り挨拶として、以下の発言があった。 【石破内閣総理大臣】 去る5月28日に、AI新法が成立をいたしました。皆様方のこれまでの御尽力に、心 から感謝を申し上げます。ありがとうございました。 イノベーションの促進とリスク対応を両立させる AI法により、『世界で最も AIの研 究開発・実装がしやすい国』を目指してまいります。今日がその出発点であります。今後 の法律の運用が極めて重要であり、城内大臣を中心に、具体的な取組を加速していただき たく存じます。 本年の秋までに、AI法に基づくAI戦略本部と有識者会議を設置いたします。 本年冬までに、本部や有識者会議での議論や、国民の皆様の御意見を踏まえ、国の基本 的な方針を示す基本計画を策定してください。基本計画には、私たちの暮らし、特に、地 方の暮らしがどう変わるのか、分かりやすいビジョンを盛り込んでください。日本が競争 力を持つ分野であり、かつ、人手不足対策や生産性向上に資するロボットと AIとの融合、 いわゆる『フィジカルAI』に関する競争力強化策についても盛り込んでください。 本年冬までに、国際協力や、国際的な情報発信に取り組むとともに、『 AIを開発・活 用する者が遵守すべき指針』の整備を進めてください。 偽情報の拡散など生成AIをめぐるリスクが指摘される中、 AIによって国民の権利や 利益が侵害される事案が発生した場合には、 AI法に基づき、国が調査し、必要に応じて 事業者への指導や助言などを行っていく必要があります。 有識者の皆様におかれましては、引き続き、新たに設置する有識者会議等での御協力を お願いいたします。本日は誠にありがとうございました。 以上