Document
生成AIの導入・活用に向けた実践ハンドブック 実証結果報告書
The document is primarily framed around enabling practical adoption of generative AI in government (child and family services), with the stated purpose of advancing 'appropriate use' and sharing best practices via a handbook. Risk governance is subsidiary—security and data handling are addressed as operational concerns within the pilot, not as the central rationale. The driving logic is to demonstrate how AI can improve public service efficiency and quality, making innovation_enablement the dominant frame, with consumer/public safety secondary due to attention to data privacy and child-related sensitive information.
normalized text
1 section
- 01
Full text
令和7年3月31日 生成AIの導入・活用に向けた実践ハンドブック 別添 実証結果報告書 1 目次 1. 実証事業の概要 1. 本事業の目的と実証事業の位置づけ 2. 実証事業の概要 3. 公募概要 4. 実証事業の進め方 2. 実証事業の結果 1. ユースケースの全体像 2. 自治体職員向けユースケースの総括 3. 保育施設職員向けユースケースの総括 4. 住民向けユースケースの総括 5. 実証における課題とリスクの総括 6. セキュリティ総括 3. 実証団体ユースケースの成果 1. 奈良県 2. 栃木県 小山市 3. 千葉県 木更津市 4. 千葉県 印西市 5. 石川県 加賀市 6. 大阪府 富田林市 7. 長野県 中野市 8. 宮城県 仙台市 9. 奈良県 奈良市 10. 大阪府 豊中市 11. 愛知県 名古屋市 12. 東京都 狛江市 13. 岩手県 北上市 14. 神奈川県 横須賀市 Appendix 中間報告会意見交換のサマリ 最終報告会意見交換のサマリ 1.実証事業の概要 本章では実証の目的や実証団体の紹介及び実証の進め方といった実証事 業の概要を取りまとめた。 3 1.実証事業の概要 1.1. 本事業の目的と実証事業の位置づけ 本事業では、こども・子育て分野を中心に生成AIを利活用した事例の調査や、自治体や保育施設担当者等の生成AIへのニーズを調査するとともに、 生成AIを利用した取組を実証的に実施した。また、調査と実証から生成AI利用時の論点・課題・効果等を整理し、ハンドブックとして公開することで、 自治体や子育て関連事業者等における生成AIの適切な利用等を進めることを目的としている。 本資料では、生成AIを利用した取組の実証について概要と結果を取りまとめている。 (2) 生成AIの 事例調査 (3) 生成AI を利用した 取組の実証 • 生成AI の動向調査 こども・子育て分野を中心に生成AI を利活用した事例を調査し、考えら れるユースケース及び論点を整理。 • 生成AI に関するニーズ調査 こども・子育て分野に関連する自治 体の業務及び保育施設等の業務に おいて生成AI の利用に向けた課題・ ニーズを調査し取りまとめ、考察・論 点を整理。 • 生成AI等技術の利活用動向に係 る調査結果報告書 • ニーズ調査(アンケート)報告書 業務内容 • 実証の推進 自治体や保育施設等において 、生成AI を利用した取組みを実証的に行い 、論 点、課題、効果等を整理。 ① 実証事業参画団体の公募と決定 ② 実証事業に必要な環境の整備 ③ 生成AI 利用のユースケースの検討 ④ 実証実施 ⑤ 実証結果の取りまとめ ⑥ 報告会の開催 • 公募要領、公募審査結果 • 実証環境(プログラム、設計書等) • ユースケース一覧 • 実証事業計画書 • 実証結果報告書(本資料) • 報告会向け資料 成果 (アウトプット) (5) 成果報告書の 作成 • 報告書作成 (2)~(4)の内容の取組みや 成果等をまとめた「成果報告書」を 作成。 • 生成AI実践ハンドブック • 自治体が生成AIを構築する際の調達 仕様書サンプル • 検討委員会向け資料 • 検討委員会議事録 • 委員からの助言・提言一覧 (4) 検討委員会の 設置・運営 • 生成AI実践ハンドブックの作成 事例調査・実証の結果を踏まえ、こども・ 子育て分野における生成AIの適切な利 用に向けたハンドブックを作成。 (※概要版も含め) • 調達仕様書サンプル作成 自治体が生成AIを構築する際の調達 仕様書サンプルを作成。 • 検討委員会の設置・運営 委員7名の検討委員会を立ち上げ、委 員会運営等の各種ロジを実施。 検討委員会での議論を踏まえて実証事 業の実施及びハンドブックの作成。 • 成果報告書(本編、概要版) (1) 本事業の 運営管理 • 業務実施計画書の作成。 • 業務実施計画書に基づき 、事 業を推進し、 進捗管理・課題管 理・リスク管理、ステークルダー管 理等の各種プロジェクトマネジメン トを実施。 • 業務実施計画書 • 各種プロジェクト管理資料 実証事業 本事業の 取組み 4 1.実証事業の概要 1.2. 実証事業の概要 実証事業では、自治体においてこども・子育て分野を中心に生成AIを利用した実証を行い、実施内容を検証・考察し、アビームコンサルティング株式 会社(以降 ABeam)にて報告内容を取りまとめた。 ① こども・子育て分野を中心に生成AIを利用した取組みを行う。 ② 実施した内容を検証・考察し、報告書として取りまとめる。 ※ 本事業では「生成AI」を主な実証対象とするが、 AI技術は日々進歩しており、また「生成AI」の該当性の判断が難しい場合もあるため、必ずしも「生成AI以 外のAI技術」の実証事業の実施を排除するものではない。 ※ 生成AIの実証環境は、ABeamにおいて当該実証環境の説明や採択団体ごとの検証ユースケースに応じた必要な機能を提供する。 ※ なお、採択団体が指定する事業者が同等の環境を準備する、又は採択団体において同等の既存環境を活用することも可能とする。 こども・子育て分野を中心に生成AIを利用した取組みを実証的に行う。 生成AI利用時の論点・課題・効果等を整理し、ハンドブックとして公開することで、自治体や子育て関連事業者等における生成AIの適切な利用等を進める。目的 実施内容 実証事業の概要 自治体(都道府県及び市町村(特別区を含む。)) なお、複数の自治体による共同応募や地方自治法上の一部事務組合や広域連合による応募も可とした。主体 2024年6月~2025年3月31日 実証期間 5 1.実証事業の概要 1.3. 公募概要 応募条件と応募方法 2024年4月30日に実証の公募を開始し5月17日に公募説明会を開催した。 公募要領として下記の応募条件と応募方法を公開し、応募者からは①実証事業計画書②補足説明資料を2024年6月14日までに提出があった。 ① 実証事業計画書 実証への参加目的、取り組む課題及び効果、実施体制、検証方法を明確にしてそれぞれ の内容を含む実証事業計画書を作成し提出する。 なお、実証事業計画書は、別添の実証事業計画書テンプレートに沿って作成する。 ② 補足説明資料 実証事業計画書のほか、応募者において、実証事業に関連した事業を実施している場合 には、必要に応じて関連資料等を添付する。 公開資料等、既存資料を適宜活用しても差し支えないが、当該資料のどの要素が実証事 業に関連するか明記する。 提出書類 応募条件 提出方法 実証事業計画書 補足説明資料 提出先へ電子メールにより提出する。 送信メール件名は「【団体の名称(例:○○県○○市)】実証事業計画書(こども・子育 て分野における生成AI利用実証)」とする。 ファイルを含めメールの容量が 10MB を越える場合は、メールを分割し、件名に通し番号を 付して送信する。 2024年6月14日(金)17時までに提出する。 応募者 要件 応募時 留意事項 応募者の要件 応募者は、地方公共団体とする 。なお、複数の地方公共団体による共同応募や 、地 方自治法上の一部事務組合や広域連合による応募も可とする。 その場合は、幹事となる地方公共団体を定めた上で、当該地方公共団体が実証事業 計画書を提出する。 応募時の留意事項 実証の参加者は、実証事業計画を策定し、本事業にあたる。 地方公共団体におけるこども・子育て分野以外の分野と連携した取組みを妨げるものではな い。 採択時の留意事項 実証の参加者は、実証事業計画を策定し、本事業にあたる。 提出する実証事業計画書の公開を了承する。 採択団体における業務や情報システムの運用及びこれに伴う通常業務への影響、 関係法 令等の運用については、当該採択団体が責任を担う。 こども家庭庁、関係省庁及び検証受託事業者との連携を密にし、検証に協力する。 こども家庭庁及びこども家庭庁が指定する者による採択団体への現地調査( 実証状況や 現場の実態などを正確に把握するために行う調査)を受け入れる。 採択団体の担当職員は会議( オンライン会議含む )で定期的(最低でも1か月に1回以 上を想定)に進捗状況等を報告する。 また上記に限らず、こども家庭庁の求めがあった際には会議に出席する。 本事業の効果検証に関するデータ提供に協力する。 採択団体の実証事業計画において 、協力事業者が開発を担うシステム等の中間生成物が 必要な場合、当該システム等に係る責任は協力事業者において負うものとし 、検証受託事 業者は採択団体に対し責任を負わない。 本事業において得られた知見・ノウハウ等は、報告書として公開するため、その権利はこども家 庭庁に帰属することを了承する 。ただし、本事業に参加する以前から保有する権利はその限 りではない。 応募方法 6 1.実証事業の概要 1.3. 公募概要 採択団体一覧(1/2) 採択された実証団体は全14団体であり、合計45のユースケースを実施した。 ユースケースは34種類あり、木更津市・印西市と狛江市・北上市・横須賀市ではそれぞれ類似したユースケースを実施した。 № 団体名 ユースケース 保育施設等の 関係機関 協力事業者名 1 奈良県※ 住民と支援制度の適切なマッチング業務支援 自治体職員の庁内子育て関連情報の収集業務支援 ベースレジストリ登録のための支援制度情報のデータ整形業務支援 ー デロイト トーマツ コンサル ティング合同会社 2 栃木県 小山市 5歳児(年中児)健康相談記録等の作成業務支援 支援方針会議における会議記録の作成業務支援 健診結果・アンケート等の傾向分析業務支援 ー 富士通Japan株式会社 3 千葉県 木更津市 住民を模した自治体職員によるチャットボットを用いた子育て関連情報の収集 支援 応対支援チャットボットを用いた自治体職員の庁内子育て関連情報の収集業 務支援 ー EYストラテジー・アンド・コ ンサルティング株式会社 4 千葉県 印西市 5 石川県 加賀市 保育園職員のこどもごとの姿を起点とした連絡帳文面の作成業務支援 保育園職員のこどもごとの姿を起点としたクラス日誌の作成業務支援 保育園職員のこどもごとの姿を起点とした探究的な学びを促す明日の活動のデ ザイン業務支援 保育園職員のこどもごとの姿を起点とした教育的ドキュメンテーションの作成業 務支援 保育園 株式会社エクサウィザーズ 株式会社VisionWiz まちの研究所株式会社 6 大阪府 富田林市※ こどもの権利条例の制定過程の周知に向けた広報物の文章案の作成業務支 援 こどもの権利条例の制定過程の周知に向けた広報物のイラストの作成業務支 援 条例検討委員会におけるシナリオ案の作成業務支援 条例検討委員会における議事録要約案の作成業務支援 各種調査結果の整理・分析及び報告書の作成業務支援 各種イベント内容等の企画及び資料の作成業務支援 各種文書の多言語版の作成業務支援 ー なし 7 長野県 中野市※ 保育園職員の事故発生時のアラート通知及び映像の分析業務支援 保育園職員の保護者説明資料・保育課報告資料の作成業務支援 保育園 NTTコミュニケーションズ 株式会社 採択団体及びユースケース一覧(1/2) ① ⑨ ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑩ ⑦ ⑧ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ※生成AIの実証環境はABeam提供 7 1.実証事業の概要 1.3. 公募概要 採択団体一覧(2/2) 採択された実証団体は全14団体であり、合計45のユースケースを実施した。 ユースケースは34種類あり、木更津市・印西市と狛江市・北上市・横須賀市ではそれぞれ類似したユースケースを実施した。 № 団体名 ユースケース 保育施設等の 関係機関 協力事業者名 8 宮城県 仙台市 児童館職員の内部資料の作成業務支援 児童館職員のエンターテインメントコンテンツ企画・創出業務支援 児童館職員の心理状態把握・カウンセリング業務支援 児童館、児童クラブ 株式会社セレンディカ 9 奈良県 奈良市 児童相談所職員の専門的な相談内容に対する相談記録の作成業務支援 児童相談所 富士通Japan株式会社 株式会社オプテージ 10 大阪府 豊中市 チャットボットを用いた住民の子育て相談支援 ー 株式会社サイバーエー ジェント 株式会社AI Shift 株式会社メリル 11 愛知県 名古屋市 児童相談所職員の当事者からの相談対応記録の作成業務支援 児童相談所職員の関係機関との連絡対応記録の作成業務支援 児童相談所 株式会社NTTデータ経 営研究所 西日本電信電話株式会 社 NTTスマートコネクト株式 会社 12 東京都 狛江市 保育園職員の保育ICTシステムを用いたおたより文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICTシステムを用いた連絡帳文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICTシステムを用いたおたより・連絡帳の外国語翻訳業務 支援 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個別写真の整理業務支援 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェックによる園児個別写真の整理 業務支援 保育園 ユニファ株式会社 13 岩手県 北上市 14 神奈川県 横須賀市 採択団体及びユースケース一覧(2/2) ① ⑨ ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑩ ⑦ ⑧ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ※生成AIの実証環境はABeam提供 8 1.実証事業の概要 1.4. 実証事業の進め方 実証事業全体スケジュールと会議設計 各団体に対して月次定例会・中間報告会・最終報告会の計6回の会議を計画した。 月次定例会は、進捗状況管理を目的とし、団体個別で会議体を設け計56回(14団体×4回)実施した。 実証結果の取りまとめ報告と実証団体間の意見交換を目的とした中間報告会・最終報告会は3~4団体合同の4グループで会議体を設け計8回 (4グループ×2回)実施した。 実証事業全体スケジュールと会議設計 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 1 2 4 53 6 定例会 定例会 定例会 定例会中間報告会 最終報告会 1,2,4,5. 月次定例会 3. 中間報告会 6. 最終報告会 会議内容 目的 団体 ・実証事業の進捗状況報告 AB ・連絡事項の共有 ・実証内容に関するヒアリング 実証事業の進捗状況管理 連絡事項の共有 中間時点での実証結果の報告 今後の実証事業を効率化する知見の意見 交換 団体個別 ・実証事業の概要説明 ・KGI・KPIの中間結果及び考察の報告 ・特筆すべき課題・リスクの報告 合同 ・実証を円滑にするためのディスカッション 実証結果の報告 今後の生成AI活用にむけた意見交換 団体個別 ・実証事業の概要説明 ・KGI・KPIの最終結果及び考察の報告 ・今後の生成AI活用に向けた所感の報告 合同 ・今後の生成AI活用にむけたディスカッション 開催形式 オンライン開催(Teams) ・一部団体のみZoomにて開催 オンライン開催(Teams) ・一部グループのみZoomにて開催 オンライン開催(Teams) 3月 9 中間報告会は実証を通して得られた知見を類似したユースケースの団体へ共有し実証事業を促進するため、ユースケースの類似性を基に3~4団体 で4グループを設定し実施した。 1.実証事業の概要 1.4. 実証事業の進め方 中間報告会の概要 グループ 団体名 ユースケース概要 ABeam以外の協力事業者 グループA (画像情報利用) 加賀市 画像を利用した保育施設で利用する文書の作成 まちの研究所(株)、エクサウィザーズ(株)、 VisionWiz(株) 狛江市 画像を利用した写真選定、資料作成 ユニファ(株)北上市 横須賀市 グループB (音声情報利用) 小山市 音声情報を用いた資料作成、健診結果・アンケート等の分析 富士通Japan(株) 奈良市 音声情報を用いたデータ加工・分析 仙台市 音声情報を用いた資料作成、施設で実施する企画のアイデア出し等 セレンディカ(株) 名古屋市 音声情報を用いた住民からの相談・連絡記録の作成支援 NTTデータ経営研究所(株)、西日本電信電話 (株)、NTTスマートコネクト(株) グループC (チャットボット導入) 豊中市 生成AIを用いたチャットボットの導入 サイバーエージェント(株)、AI Shift(株)、 メリル(株) 印西市 EYストラテジー・アンド・コンサルティング(株) 木更津市 グループD (AB環境利用) 奈良県 自治体支援制度データの整形業務等 デロイト トーマツ コンサルティング(同) 中野市 映像を利用したインシデント判定・資料作成 NTTコミュニケーションズ(株) 富田林市 自治体内外に向けた資料・イラスト作成 ー 中間報告会グループ分け 10 中間報告会は複数団体合同での報告・議論を通じた、情報の共有と最終報告会に向けた実証事業の促進を目的として実施した。 実証内容に関する意見交換では生成AI利用を促進するための方法やセキュリティリスク対応の工夫について情報共有が行われた他、次年度以降の 進め方といった実証事業終了後の方針についても議論した。 1.実証事業の概要 1.4. 実証事業の進め方 中間報告会の概要 アジェンダ KGI・KPIを中心に団体ごとに実証事業の進捗状況について報告すること 意見交換の中で今後の実証事業をより円滑・効果的なものとするためのヒントを得ること 中間報告会のゴール オープニング 実証状況の報告 実証内容に関する意見交換 クロージング 議論概要 議論概要 詳細 生成AI利用促進 生成AIの利用を促進するための工夫についての議論 セキュリティリスク対応 生成AI活用のリスクの共有・同意取得の工夫・個人情報の取扱い方法といったセキュ リティリスク対応についての議論 音声情報利用の工夫 音声情報取得時の部屋の環境やデバイスの工夫や同意取得についての議論 チャットボット回答精度向上の工夫 チャットボット回答精度を向上させるための学習データ選定 ・RAG※等の工夫について 議論 次年度以降の進め方 次年度以降の計画についての議論 目標設定の工夫 実証におけるKGI・KPIといった目標指標の設定方法や取得方法についての議論 庁内外・利用職員との合意形成 実証を進める上で庁内・ 保育施設及び実際に利用する職員 ・保育施設職員との合 意形成の工夫についての議論 実運用を想定した工夫 今後ユースケースを運用していくときに気を付ける点についての議論 ※RAG(検索拡張生成):生成AIが外部の知識を取り込んで回答の精度を向上させる手法 11 最終報告会は実証を通して得られた知見を幅広く共有するため、異なるユースケースの組み合わせとなるよう3~4団体で4グループを設定し実施した。 1.実証事業の概要 1.4. 実証事業の進め方 最終報告会の概要 グループ 団体名 ユースケース概要 ABeam以外の協力事業者 グループA 富田林市 自治体内外に向けた資料・イラスト作成 ー 印西市 生成AIを用いたチャットボットの導入 EYストラテジー・アンド・コンサルティング(株) 木更津市 グループB 加賀市 画像を利用した保育施設で利用する文書の作成 まちの研究所(株)、エクサウィザーズ(株)、 VisionWiz(株) 豊中市 生成AIを用いたチャットボットの導入 サイバーエージェント(株)、AI Shift(株)、 メリル(株) 名古屋市 音声情報を用いた住民からの相談・連絡記録の作成支援 NTTデータ経営研究所(株)、西日本電信電話 (株)、NTTスマートコネクト(株) グループC 小山市 音声情報を用いた資料作成、健診結果・アンケート等の分析 富士通Japan(株) 奈良市 音声情報を用いたデータ加工・分析 中野市 映像を利用したインシデント判定・資料作成 NTTコミュニケーションズ(株) 北上市 画像を利用した写真選定、資料作成 ユニファ(株) グループD 奈良県 自治体支援制度データの整形業務等 デロイト トーマツ コンサルティング(同) 仙台市 音声情報を用いた資料作成、施設で実施する企画のアイデア出し等 セレンディカ(株) 狛江市 画像を利用した写真選定、資料作成 ユニファ(株) 横須賀市 最終報告会グループ分け 12 最終報告会は実証事業の最終成果の報告と今後の生成AI活用の促進を目的として実施した。 意見交換では実証を通じた生成AI活用への所感や生成AIへの指示文(以降 プロンプト)作成に関する工夫等の他団体取組みについて議論され た。 1.実証事業の概要 1.4. 実証事業の進め方 最終報告会の概要 KGI・KPIを中心に団体ごとに実証事業の最終成果について報告すること 意見交換の中で今後の生成AI活用を促進するためのヒントを得ること 最終報告会のゴール アジェンダ オープニング 実証状況の報告 今後の生成AI活用に向けた意見交換 クロージング 議論概要 議論概要 詳細 実証を通じた生成AI活用への所感 生成AIの利用促進についての所感 セキュアで個人情報が扱える生成AI環境についての所感 人間と生成AIの協業についての所感 他団体取組みへの質問 プロンプト作成に関してどのような工夫をしていたか 保育施設への生成AI・DX・ICT導入に際してどのような工夫をしていたか 13 1.実証事業の概要 1.4. 実証事業の進め方 実証事業における進捗及びセキュリティの管理方法 実証事業における団体進捗及び団体セキュリティの管理は、ABeamと自治体を窓口とし、定例会議に加えて9つの報告資料とコミュニケーションツー ルを用いて実施した。 こども家庭庁 ABeam 自治体 協力事業者 ・保育施設 事務局 実証団体 窓口 窓口 カテゴリ 団体報告資料 ABeam管理内容 報告頻度 進捗管理 進捗管理報告書 ユースケース単位での進捗状況や実証推進上の課題・リスクを報告してもらい、実証がス ケジュール通りに進捗し、阻害要因がないかを把握した。 隔週 月次定例会資料 進捗管理報告書をベースに詳細部分を報告してもらい、実証団体と実証オーナーとで認 識齟齬がないかを確認、また共有すべき他団体の取組みを横展開した。 月次 中間報告会資料 中間報告時点での団体が設計したKGI・KPIの取得状況を報告してもらい、KGI・KPIが 実証初期の想定通り取得できそうかを把握した。 1回 (11月) 生成AIシステムに対する フィードバックの月次結果 実証期間中の利用者の生成AIシステムに対するフィードバック結果を報告してもらい、利 用者がどの程度の頻度で生成AIを利用しているかを把握した。 月次 セキュリティ管理 デジタル庁への申請書 実証に用いた生成AIサービス詳細及びデジタル庁指定のリスクとその対応策を講じている かを報告してもらい、本事業全体のセキュリティ方針に照らして適切であることを確認した。 1回 (9月) セキュリティ及び要機密情報 の取扱い 団体が想定するセキュリティリスクと使用するデータに対して対応策や取扱い方針を講じて いるかを報告してもらい、本事業全体のセキュリティ方針に照らして適切であることを確認し た。 1回 (9月) 実証結果管理 生成AIシステムに対する フィードバック指標取得可否 実証期間中の生成AI利用状況に関する指標の定義・取得可否及びその理由を報告し てもらい、生成AIの利用者のシステムに対するフィードバックが把握できるかを確認した。 1回 (9月) 最終報告会資料 実証事業の最終的な成果・考察を報告してもらい、実証事業計画書に記載したKGI・ KPIに対応した報告内容で抜け漏れがないかを確認した。 1回 (2月) 実証に関するアンケート 実証事業の計画段階~実証前準備における検討事項や留意事項を報告してもらい、 抜け漏れがないか確認した。 1回 (1月) 進捗管理 報告 カテゴリ ツール 連絡 メール・電話 資料授受 SharePoint・メール 会議 Teams・Zoom 報告資料 コミュニケーション ツール 連携 連携 2.実証事業の結果 本章では利用者ごとの実証結果総括及び実証の課題とリスクの総括といった 実証事業の結果を取りまとめた。 15 2. 実証事業の結果 2.1. ユースケースの全体像 本事業では自治体職員及び保育施設等職員、住民を利用者と想定し、4つの生成AIカテゴリ※1に関するユースケースを実証した。 次頁以降では、利用者ごとに実証成果と考察を整理している。 ユースケースの全体像※2 自治体 (18) 保育施設 (24) 住民 (3) コンテンツ作成(3) データ加工・分析(2) アイデア出し(1) 翻訳(1) 情報収集(4) コンテンツ作成(1) 画像認識 コンテンツ作成 アイデア出し コンテンツ作成(5) データ加工・分析(1) コンテンツ作成(7) データ加工・分析 アイデア出し(2) 翻訳(3) 情報収集 コンテンツ作成 画像認識※3(7) コンテンツ作成(2) アイデア出し(2) コンテンツ作成(1) データ加工・分析 コンテンツ作成 データ加工・分析 アイデア出し 翻訳 情報収集(3) コンテンツ作成 画像認識 コンテンツ作成 アイデア出し コンテンツ作成 データ加工・分析 利用者 生成AI カテゴリ※1 文章(27) 画像(8) 画像→文章(4) 音声→文章(7) ※1 生成AIが生成する出力情報の種類ごとに分類。なお、本資料では画像又は音声データを基に文章情報を生成するものをそれぞれ「画像→文章」「音声→文章」と整理。 ※2 ()内は実証にて実施したユースケースの数を記載。 ※3 保育施設における画像認識ユースケースでは、生成AIは使用しておらず画像の判別AIを用いている。 16 2. 実証事業の結果 2.2. 自治体職員向けユースケースの総括 (1/3) 自治体職員向けの文章ユースケースにおいては、業務負担が大きい一から文章を作成する業務や一人で品質を担保することが難しい業務に対して、生成 AIは品質向上や時間削減などの効果を発揮することが確認された 。一方で生成AIからの出力情報の確認に専門的な知見が必要な業務は生成AI の 価値が実感されにくいことも確認された。 ユースケース ポジティブな結果 ネガティブな結果 コンテンツ作成 (3) 富田林市 委員会シナリオ案・調査報告書・広報 物文章案等の作成支援 文章生成により作業時間が最大75%(2時間→30分)削減された。 生成された文章について、誤字脱字の修正作業が必要なかった。 プロンプトが適切に伝わらず求めている文章が出力されないことが あった。 データ加工・分析 (2) 奈良県・小山市 支援制度情報のデータ整形・アンケート 等の傾向分析業務支援 手作業で一からデータベースを更新・加工するよりも業務負担が軽減した。 分析結果として可読性・理解度の高い情報が出力された。 生成AIに投入するための前処理に時間がかかった。 職員にデータサイエンスに関する知識が不足しているため 、生成AI による回答の信頼性を確認できなかった。 アイデア出し(1) 富田林市 イベント企画の資料作成業務 支援 イベント企画のアイデア出しにより作業時間が最大約65% (7.5時間→2.5 時間)削減された。 生成AIが多彩なアイデアを素早く提案してくれるため 、アイデア出しに係る業 務負担が軽減された。 クイズを作成する際に、正解になる回答が複数個あることや 、回答 が間違っている場合があった。 翻訳(1) 富田林市 自治体が実施するアンケート等の 多言語版の作成業務支援 業者に依頼せずとも生成AI が素早く翻訳するため 、作業時間の効率化につ ながった。 翻訳後の確認作業に時間がかかりった。 生成AIは直訳のニュアンスで翻訳するため 、業者の翻訳より低い 品質だった。 情報収集(4) 奈良県・木更津市・ 印西市 自治体職員の庁内子育て関連 情報の収集支援 利用者満足度が10点中7.7点であり高評価だった。 カテゴリを複数回選択することにより結果が決定される回答仕様から 、自由記 述を用いた検索による回答仕様することで相談解決率が高くなった。 UIや利用フロー等の使用いにくさなどユーザビリティに課題があった。 1 2 3 4 5 文章 自治体 資料やデータベースの作成、多言語翻訳といった職員の業務負担が大きい一から文章を作成する業務や多様な表現が求められる業務において、 生成AIの文章生成能力が時間削減や品質向上をもたらすことがわかった。【 ① ② ④ 】 文章校正・アイデア出し・庁内情報収集といった一人で品質を担保することが難しい業務において、一人では達成困難な品質の向上をもたらすことがわかった。【 ① ③ ⑤ 】 ポジティブな 考察 データ分析・多言語翻訳といった文章生成のみでは解決できない専門性の高い分析や正確性が重要な業務では、人による適切な指示と出力情報の検証が必要であり、 かつ検証作業自体に専門性が必要となるため職員の負担になっていることが明らかになった。【 ② ④ 】 ネガ ティブな 考察 17 2. 実証事業の結果 2.2. 自治体職員向けユースケースの総括 (2/3) 自治体職員向けの画像ユースケースにおいては、生成AIへの指示が簡易にできるイラスト作成業務において、生成AIは適切な品質の画像を提供 することが確認された。一方で生成AIへの指示が難しい抽象的なイラスト作成業務や作業が短時間で完了する業務では、生成AIの価値が実感 されにくいことも確認された。 自治体 ユースケース ポジティブな結果 ネガティブな結果 コンテンツ作成 (1) 富田林市 広報物のイラスト作成業 務支援 人物イラストの生成については、生成AIのプロンプト作成ツールや生成AIによ るプロンプト作成により、比較的イメージ通りの画像が出力された。 フリーサイトから適したイラストを検索する時間とあまり変わらなかった。 こどもの権利など抽象的な概念に関するイラストは生成AIにうまく伝わらず、 詳細な指示が必要となり、プロンプトを考案・検討するのに手間がかかった。 生成AIは、単純な人物イラスト作成など生成AIへ的確に指示ができる業務においては価値を発揮し、作業者が求める品質の出力情報を提供することがわかった。【 ① 】 ポジティブな 考察 抽象的な概念(こどもの権利条例など)をイラスト化する場合、生成AIに的確に指示することが難しく、プロンプトの作成自体に時間がかかるため作業効率が落ちることがわかった。【 ① 】 フリーサイトからイラストを検索するといった従来作業時間が短い業務では、生成AIを介しても作業時間短縮にはならないため、生成AIがあまり利用されず、従来の方法が好まれる傾向があった。 【 ① 】 ネガ ティブな 考察 画像 1 18 2. 実証事業の結果 2.2. 自治体職員向けユースケースの総括 (3/3) 自治体職員向けの音声→文章ユースケースにおいては、長時間の会話の記録・要約業務や一定の業務経験が求められる相談内容のアセスメント 業務に対して、生成AIは時間削減や業務経験を補完するなどの効果を発揮することが確認された。一方で作業時間が短い業務・センシティブな 内容を扱う生成AI利用は生成AIの価値が実感されにくいことも確認された。 自治体 会議記録要約・5分以上の相談記録の作成といった長時間の会話の記録・要約業務において、生成AIの文章作成・要約能力が時間削減をもたらすことがわかった。【 ① ② 】 専門的な相談内容のアセスメントといった一定の業務経験が求められる相談内容のアセスメント業務において、生成AIの文章作成・分析能力が業務経験を補完することが確認された。【 ① 】 ポジティブな 考察 ユースケース ポジティブな結果 ネガティブな結果 データ加工・分析 (1) 奈良市 専門的な相談内容を分 析しアセスメントシートを作 成する業務支援 会話に集中してメモができなかった部分を補完できたことで記憶の想起作業 への負担が軽減された。また客観的な視点で精度の高い経過記録を作成で きるため、業務全体の効率化が期待できた。 相談内容を生成AIが要約したアセスメントシートに関して、約72%の担当者 が根拠のある精度の高い内容になっていると評価した。 テンプレートを用いることで誰でも一定の質のアセスメントシートの作成が可能 となるためキャリア差を埋めよりよい支援につながった。 音声録音に対して不安や疑念があり相談者からの同意が得られないケースが あった。 担当者は同意取得について相談者との関係性が崩れるかもしれないなどの 心理的負担が生じた。 生成AIの出力結果は発言の意図やニュアンスが反映されず文字化され 、相 談履歴からわかる状況が含まれていないため 、実際の状況とは異なった内容 として出力されることもあった。 コンテンツ作成 (5) 富田林市・小山市・ 名古屋市 委員会議事録の要約・健 康相談記録の作成・相談 対応記録の作成業務支 援 長時間の会議や5分以上の相談の場合は、作業時間が短縮され業務効率 化効果が見込めた。 文字起こしの精度・ 生成AIの精度の二つの壁によって、 出力情報の内容が 誤っており、業務上活用できる品質まで達していないケースもあった。 5分未満の相談対応では生成AI を介さない方が業務効率が良いため 、あま り利用されなかった。 相談内容が非常にセンシティブな内容の場合、 コンテンツフィルタによって生成 結果が出力されなかった。 1 2 5分未満の相談記録といった作業時間が短い業務では、生成AIを介しても作業時間が変わらないため、生成AIがあまり利用されないことがわかった。【 ② 】 児童相談所での相談記録といった生成AI活用に対面での同意取得が必要な業務では、相談者・担当者共に心理的に負担となることが確認された。【 ① 】 音声文字起こし(テキスト化したデータ)を入力情報にした生成AI利用では、発言のニュアンスや文字起こし・生成AIの精度によって出力結果が誤っているケースがあることがわかった。 【 ① ② 】 児童相談所での相談記録といった生成AIにセンシティブな内容を入力する場合、コンテンツフィルタによって生成結果が出力されないケースがあることがわかった。【 ①② 】 ネガ ティブな 考察 音声 文章 19 2. 実証事業の結果 2.3. 保育施設職員向けユースケースの総括 (1/4) 保育施設職員向けの文章ユースケースにおいては一定の業務経験が求められる業務・品質を担保することが難しい業務・現状担当人材が不在だが必要 な業務に対して、生成AIは業務経験の補助・品質向上・簡易的に代用することへの安心感等の効果を発揮することが確認された。一方で作業時間が短 い業務では生成AIの価値が実感されにくいことが確認された。 児童館のイベント企画や保育施設のおたより作成など、ある程度の業務経験が必要な業務において、生成AIの文章作成・アイデア出し能力が経験不足を補完することがわかった。【 ① ② 】 文章校正・アイデア出しなど、一人では品質担保が難しい業務において、生成AIの活用が一人では達成困難な品質の向上をサポートすることが示された。【 ① ② 】 保育施設でのおたよりの翻訳や児童館職員へのカウンセリングなど、現状専門人材が不足している必要業務において、生成AIが基本的な機能を担うことで利用者に安心感を与えることが明らかに なった。【 ② ③ 】 ポジティブな 考察 業務経験が豊富な職員によるおたより・日報作成といった熟練者にとって作業時間が短い業務では、生成AIを介しても作業時間が変わらないため、生成AIがあまり利用されないことが確認された。 【 ① 】 ネガ ティブな 考察 保育施設 ユースケース ポジティブな結果 ネガティブな結果 コンテンツ作成 (8) 中野市・仙台市・ 狛江市・北上市・ 横須賀市 保護者説明会資料・ 日 報・おたより・ 連絡帳の作 成支援 生成AIにより作成文章のダブルチェック (誤字脱字・表現・情報欠落)が簡 単にでき、保育士の文章力向上と管理職の業務削減につながった。 自分の文章に季節感や敬語などの多角的視点を取り入れ、読みやすく丁寧な 表現にする参考となった。 おたよりや近隣挨拶の手紙の素案づくり 、保護者のクレーム対応・行事や身体 計測など全体へのお知らせなど、ある程度決められた文書やフォーマルな文章を 作成する際の利便性を評価する声が比較的多くあった。 生成された文案に、意図しない内容や表現があるというコメントが一定数存在 し、修正作業の手間が発生した。 自分で文章を作成した方が早いと感じる職員もおり 、生成結果の精度や指示 出しの難しさにより、業務削減効果を実感できないという意見もあった。 短い文章ならAIを使うより自分で作った方が効率的という意見もあり 、場面に 応じた使い分けには習熟が必要となることがわかった。 アイデア出し(2) 仙台市 児童館職員のエンターテイ ンメントコンテンツ企画創 出業務 ・カウンセリング支 援 生成AIによりイベント企画のアイデアが増えこどもたちにも好評だった。 経験の浅い職員がこどもからの専門的な質問に答える際に役立ち 、イベント企 画の業務負担が軽減した。 「気軽に相談や雑談ができる点」や「ストレス対策としての有用性」が評価され、 全体的な満足度が上昇した。 アンケート結果より、生成AIの出力が冗長で長すぎる、不要な場面でも質問さ れるなど、かえってストレスになるケースがあった。 シンプルな問いかけをすると 、その後質問をされるばかりで 、ストレスを感じるとの 意見が出た。 翻訳(3) 狛江市・北上市・横須賀市 おたより・連絡帳等の外国 語翻訳業務支援 外国語翻訳サポートが必要な保護者に対応する際、翻訳作業する敷居が低 くなり、今後必要な場面にすぐに利用できるという安心感を提供できた。 日本語は主語が省略されることが多いため、外国語翻訳時に間違った代名詞 が使用されるケースがあった。 1 2 3 文章 20 2. 実証事業の結果 2.3. 保育施設職員向けユースケースの総括 (2/4) 保育施設職員向けの画像ユースケースにおいては保育現場における安全対策業務や画像を用いた単純作業で量の多い業務に対して、AIは保育 士業務の補完・品質向上や業務時間の削減等の効果を発揮することが確認された。一方で性的姿態への配慮が求められるため新規の作業が増え、 保育士の負担が増えるケースもあった。尚、本ユースケースは生成AIではなく画像認識AIを活用した。 保育施設 ユースケース ポジティブな結果 ネガティブな結果 画像認識(7) 狛江市・北上市・ 横須賀市・中野市 事故発生時のアラート通 知及び映像分析・不適切 写真チェック・園児写真枚 数のばらつきチェック支援 インシデントは発生しなかったものの、保育士が気付かなかったヒヤリハットな事象を検知できてお り、AIによる保育業務の安全性の向上が期待された。 園児が嘔吐した際に 、該当映像確認により迅速かつ正確な状況把握ができ 、保護者への適 切な説明が可能になった。 ブレ/ピンボケ・暗い・顔が写っていない写真のチェックについて 、シーンごとにOn/Off機能が追加 されたことで、保育士が写真の取捨選択を容易にできるようになり、利便性が向上した。 園児ごとの写真バラつきチェック機能の実装により 、園児ごとの写真枚数の確認・ 整理などに係 る手間が削減された。 アンケートから、「チェックスピードが早い 」、「一枚ずつチェックしなくてもよくなった 」、「機能が使い やすかった」、「横向きや小さい顔もしっかりと判別できていた 」、「一目で園児ごとの写真枚数が 把握できる」という効果を実感しているコメントが多数あった。 写真チェック業務の時間の削減により 、「こどもとのコンタクトタイム (関わりや見守り等)が増え た」、「写真の撮影枚数が増えた」という回答も多く、保育者・保護者が共にこどもの姿・興味関 心などを発見・共有することにつながる可能性が確認できた。 性的姿態に配慮した映像撮影が求められるため 、着替えの際 はカーテンなどでカメラレンズを覆う運用をした 、新しいオペレー ションの習熟が手間だった。 一部利用者の意にそぐわない検出結果が出るシーンがあった 。 AIでチェックできるシーン (観点)を追加することができれば 、 更なる利便性の向上と業務負荷の軽減が期待できた。 保育施設でのインシデント・ヒヤリハット検知といった保育現場における安全対策業務において、AIの画像検知が保育士業務を補完することが確認された。【 ① 】 保育施設での不適切写真チェックや園児の写真枚数のばらつきチェックといった画像を用いた単純作業で量の多い業務において、AIの画像認識が品質向上や業務時間の削減をもたらし、こどもとの コンタクトタイムの増加といった保育の質の向上にも寄与することがわかった。【 ① 】 ポジティブな 考察 AIがこどもの画像を用いる業務では性的姿態に配慮した映像撮影が求められるため、着替えの際はカメラレンズをカーテンで覆うといった新しい作業が増え、保育士の業務負担が増加することが見 受けられた。【 ① 】 ネガ ティブな 考察 画像 1 21 2. 実証事業の結果 2.3. 保育施設職員向けユースケースの総括 (3/4) 保育施設職員向けの画像→文章ユースケースにおいては日々の業務時間内では手が回せない保育の質を向上させる業務に対して、生成AIは保育現場 の負担を増やすことなく保育の質を向上させる可能性が確認された。一方で個人を識別できる画像や個人情報を生成AIで利用する場合、自治体によっ てはセキュリティポリシー上利用できないケースがあることも確認された。 保育施設 ユースケース ポジティブな結果 ネガティブな結果 コンテンツ作成 (2) 加賀市 保育施設のこどもの写真 から、一人の姿を生成 AI が読み取り文章化すること で、保育士の連絡帳文 面・クラス日誌の作成業 務を支援する ※1 商用利用可能なフリー画像を用いて 、1.こどもの顔を登録2.保育活動時の写 真を登録3.写真からこどもの様子をドキュメンテーション化する技術検証は実施 し、画像から連絡帳文面・クラス日誌の作成が可能なことは確認できた。 文書の作成時間短縮等の業務効率化に活用でき 、残業時間の削減が期待 できた。 全ての利用者から継続意向を確認できた。 団体のセキュリティ方針として実証で個人情報を扱わない方針となったため 、 実際の保育施設のこどもの画像は使用せず 、保育施設職員が記述したこども の姿を基に生成AIが文書を作成するユースケースに変更となった。 保育現場のオペレーションを最大限考慮したシステムでなかったため実感値を もった業務負担軽減までは至らなかった。 アイデア出し(2) 加賀市 保育施設のこどもの写真 から、保育内容を生成AI が読み取り文章化すること で、保育士の保育計画と 計画書の作成業務を支 援する ※2 1 2 画像 文章 ※1:自治体が報告したユースケース名は右記「こどもごとの姿を起点とした連絡帳文面・クラス日誌の作成業務支援」 ※2:自治体が報告したユースケース名は右記「こどもごとの姿を起点とした探究的な学びを促す明日の活動デザイン・教育的ドキュメンテーションのデザイン業務支援」 セキュリティ上の壁はあるが、保育施設のこどもの写真から保育内容を生成AIが読み取り文章化することで、保育士の保育計画と計画書の作成業務を支援するなど、日々の業務時間内では手が回 せない保育の質を向上させる業務において、生成AIの画像から文章を作成する能力が保育現場の負担を増やすことなく保育の質を向上させる可能性が示された。【 ② 】 ポジティブな 考察 個人を識別できる画像や個人情報を生成AIに利用するユースケースでは自治体によってはセキュリティポリシー上利用できないケースがあることがわかった。【 ① ② 】 ネガ ティブな 考察 22 2. 実証事業の結果 2.3. 保育施設職員向けユースケースの総括 (4/4) 保育施設職員向けの音声→文章ユースケースにおいてはPC作業に不慣れな職員による正確性・一貫性を要する文章作成業務に対して、生成AIはPC 作業の補完・業務時間削減・品質向上等の効果を発揮することが確認された 。一方で音声から文章化するテンプレートが従来の文書に適合していない 場合は作業効率が向上しないケースがあることも確認された。 保育施設 PC作業に不慣れな職員がいる児童館における日報・議事録作成のなど、正確性と一貫性を要する文章作成業務において、生成AIのテキスト化した音声情報から文章作成する能力がPC作業を 補完し業務時間削減・品質向上をもたらすことがわかった。【 ① 】 ポジティブな 考察 音声から文章化するテンプレートが従来の文書に適合していない場合は作業効率が向上しなかったことが確認された。【 ① 】 ネガ ティブな 考察 ユースケース ポジティブな結果 ネガティブな結果 コンテンツ作成 (1) 仙台市 児童館職員の音声入力 による日報 ・内部資料作 成業務支援 音声入力による日報機能によって日報作成の作業時間は最大で 50%(60 分→30分)削減できた。 音声入力による日報機能 ・議事録作成機能の実装により 、PCに不慣れな職 員の日々の日報、議事録作成時間の削減はもちろん記載情報の正確性が向 上し、文書のレビュー時間の短縮にも一定の成果が得られた。 児童館運営団体ごとに独自のフォーマットで管理している文書が多く 、各児童 館のフォーマットを平準化したものをシステムとして採用したため 、生成AI実証 前の日報等の文書と、生成AI機能の日報等の文書がマッチしていない児童館 では作業効率が向上していなかった。 音声 文章 1 23 2. 実証事業の結果 2.4. 住民向けユースケースの総括 住民向けの文章ユースケースには、職員が住民のサポートを行う、若しくは自治体職員が住民を模しての実証となった。 回答の正確性が求められる自治体サービスに対して、生成AIは相談解決率(解決数/相談件数)の向上を発揮することが確認された。 チャットボットによる子育て関連情報の提供といった、回答の正確性が求められる自治体サービスにおいて、生成AIのRAG等の検索拡張性が相談解決率(解決数/相談件数)の向上をもたらす ことがわかった。【 ① 】 ポジティブな 考察 住民を模した自治体職員からは、より高い満足度を得るポイントとして、異音同義語として登録する単語の拡充やの向上といった施策が示された。【 ① 】 ※今回は職員が住民のサポートを行う、若しくは自治体職員が住民を模しての実証となったため、住民が自由に生成AIを使用した際の解決率や満足度とその理由や原因の意見は取得できていない。 ネガ ティブな 考察 ユースケース ポジティブな結果 ネガティブな結果 情報収集(3) 豊中市・印西市・ 木更津市 チャットボットを用いた子育 て関連情報の収集支援・ 子育て相談支援 10段階評価の満足度で6.45と高い満足度だった。 現行チャットボットのカテゴリを複数回選択することにより結果が決定される回答 仕様から、自由記述を用いた検索による回答仕様になったことで 、幅広い回答 ができた。 相談解決率(解決数/相談件数)は72.7%で現行チャットボットの 9%と比 較して63.7%と大幅に改善した。※実証では、職員からの相談のみを受け付 け、その解決数を計測した。 検索精度、検証用初期版にて解決率の悪いテーマや質問に対するプロンプト の調整を中心に改修を実施し解答精度が向上したことで一定の満足度が得ら れた。 住民が自由に生成AIを使用できないように、住民の横で自治体職員がサポー トする、若しくは自治体職員が住民を模しての実証となったため、住民が自由に 使用した際の解決率や満足度は取得できなかった。 意味合いは似ているが正式名称でないと生成 AIが正確に回答しないケース (例:正式名称は「 母子健康手帳」 だが、略称「母子手帳」や異音同義語 「妊産婦手帳等」で質問すると生成AIが正確に回答しない)は限られた言葉 のみの対応であったため、回答の満足度が上がらなかったことが想定される。 満足度は6.45と高い水準ではありましたが 、ユーザビリティの向上が限定的と なってしまったことで満足度がもう一段上がらなかったことが想定される。 住民 文章 1 24 2. 実証事業の結果 2.5. 実証における課題とリスクの総括(1/5) 実証を通じて生成AIの利用者が自治体職員・保育施設職員・住民の場合に想定される課題とリスクとして、①構築する生成AIが自治体のセキュ リティポリシーに反する②意図せず個人情報が適切に取り扱われないリスク③プロンプト起因により生成AIの回答精度が低いことがあげられた。 利用者 課題とリスク 対応策 ①構築する生成AIが自治体のセキュリティポリシーに反する 自治体の情報セキュリティポリシーのすべてを一般の事務職員が理解するのは難しく、 また生成AIについての記載項目がない場合、意図せずセキュリティポリシーに反して しまう可能性がある。 庁内のセキュリティ関連部署・協力事業者との協力 自治体セキュリティポリシーを遵守した生成AI構築するために、生成AIを構築す る協力事業者に加えて、実証初期からセキュリティ関連部署の職員ともと協力・ 連係する対応が考えられる。 生成AIのセキュリティ強化 自治体セキュリティポリシーに反しないよう、生成AIで取りうるセキュリティ強化とし て下記対応が考えられる。 入力した情報が生成AIの学習に利用されない生成AIサービスを選定する。 オプトアウト申請等により、クラウドサービス事業者など第三者が情報を取得・ 閲覧できないようにする。 入力情報が海外に流出しないよう国内サーバで処理が完結する生成AIサー ビスを選定する。 ②意図せず個人情報が適切に取り扱われないリスク 音声ファイルや議事録をテキスト化し情報をそのまま生成AIに渡す場合など、個人 情報を用いるシーンにおいて意図せず適切に取り扱われない可能性がある。 個人情報の削除・匿名加工 生成AIシステムに情報を入力する前に、ツールを用いて個人情報を削除・匿名 加工しリスクを低減する対応が考えられる。 生成AI入力前のオペレーション強化 生成AIの入力時に利用者自身が目検で個人情報が含まれていないかを確認 するオペレーションやマニュアルを作成する対応が考えられる。 生成AIのシステム画面での注意喚起 生成AIのシステム画面上で生成AIを利用しているシステムであること、個人情 報を入力しないよう免責注意事項を表示する。 ③プロンプト起因により生成AIの回答精度が低い 生成AIへ具体的ではない指示をした場合、利用者が想定している文章量・形式 での回答が得られない可能性がある。 プロンプト定型文(テンプレート)・マニュアルの作成 利用者が希望する回答を得られるためのプロンプトの定型文(テンプレート)や、 利用マニュアルを作成する対応が考えられる。 自治体 保育施設 住民 25 2. 実証事業の結果 2.5. 実証における課題とリスクの総括(2/5) 実証を通じて生成AIの利用者が自治体職員・保育施設職員・住民の場合に想定される課題とリスクとして、④出力情報の二次利用が権利侵害 の可能性がある・住民へ不快感を与える⑤専門用語・独自用語の誤変換起因により生成AI精度が低いことがあげられた。 利用者 課題とリスク 対応策 ④出力情報の二次利用が権利侵害の可能性がある・住民へ不快感を与える 生成AIが出力した文章や画像に著作権・肖像権を侵害する可能性のある内容が 意図せず含まれており、その内容が一般に公開されてしまうことで法的な問題に発 展する可能性がある。また、著作権・肖像権を侵害せずとも生成した画像に不自 然な描写があることで、住民へ不快感を与える可能性がある。 インターネット検索機能による類似画像・文章の確認 インターネット検索機能を用いて類似画像や文章がないかを確認する対応が考 えられる。 人による加工・修正 文章・画像の出力情報をそのまま利用せず、人によって加工や修正を加える対 応が考えられる。 ⑤専門用語・独自用語の誤変換起因により生成AI精度が低い 自治体・児童館・保育園・地域特有の独自の言い回しや略語を生成AIが理解で きず誤った変換で生成してしまう可能性がある。 単語登録機能による用語の変換 単語登録機能によって、生成AIでの文章生成前後で単語の変換を行う対応が 考えられる。 自治体 保育施設 住民 26 2. 実証事業の結果 2.5. 実証における課題とリスクの総括(3/5) 実証を通じて生成AIの利用者が自治体職員・保育施設職員の場合に想定される課題とリスクとして、⑥庁内や保育施設における実証参加者の生 成AI利用への不安感⑦生成AIによる効果と利用者期待感の乖離⑧生成AI利用の停滞⑨音声文字起こし精度が低いことがあげられた。 利用者 課題とリスク 対応策 ⑥庁内や保育施設における実証参加者の生成AI利用への不安感 生成AI利用に関して庁内のセキュリティ関連部署や実証に参加する市町村・保育 施設・職員が不安を抱く可能性がある。 生成AI利用者との密なコミュニケーション 生成AI利用者との密なコミュニケーションとして具体的に下記の対応が考えられる。 利用者に対して生成AI利用の目的を明確に伝える。 庁内・保育施設での生成AI利用に関する質問会や説明会を実施する。 庁内・保育施設でのAI機能のデモンストレーションを実施する。 ⑦生成AIによる効果と利用者の期待感の乖離 生成AIのこども・子育て分野の活用事例が少ないため、どのように活用され業務効 率化を実現できるのかのイメージが沸かない一方で、生成AIへの期待感は高く乖 離が生じる可能性がある。 平易な表現での生成AI活用の説明資料作成と説明会の実施 利用者に生成AI活用イメージを正確に理解してもらえるように、専門用語などは 極力使わない、活用ユースケース例も盛り込んだ生成AI利用に関する資料の作 成と説明会の実施が考えられる。 ⑧生成AI利用の停滞 生成AIが使える状態にはなったものの、業務において具体的にどのよう活用すれば よいかわからず生成AIの利用が進まない可能性がある。 生成AI業務活用イメージの具体化 生成AIの業務活用イメージを具体化する対応として下記の対応が考えられる。 生成AIシステムの操作に関する説明動画を共有する。 生成AI活用に関する勉強会を企画する。 他保育施設や自治体での好事例を横展開する。 初期段階で利用者の要望を聞き取り、業務実態に即した生成AI機能を開 発する。 利用者が直感的に利用できるようUIを簡易化する。 ⑨音声文字起こし精度が低い 音声取得を実施する部屋の環境・音声取得するデバイス・音声文字起こしツール 等多岐にわたる要因で音声文字起こしの精度が低くなる可能性がある。 音声取得実施環境・デバイスの工夫 音声は取得環境やデバイスの少しの工夫で精度が改善される。具体的に下記対 応が考えられる。 部屋の換気をオフにする。 会議では話者の声量を大きくし、発話を明瞭にする。 机の反響音を防ぐため、ICレコーダーをハンカチなどの上に置く。 音声文字起こしサービスの工夫 音声文字起こしサービスや利用している音声認識モデルのパラメータを調整する。 自治体 保育施設 27 2. 実証事業の結果 2.5. 実証における課題とリスクの総括(4/5) 実証を通じて生成AIの利用者が自治体職員・保育施設職員の場合に想定される課題とリスクとして、 ⑩録音されることへの抵抗感⑪生成AIへの 指示ごとのトークン数※不足⑫コンテンツフィルタによって生成物が出力されないことがあげられた。 利用者 課題とリスク 対応策 ⑩録音されることへの抵抗感 児童相談所の相談等、録音の同意取得が対面で必要となるケースでは、録音に 対して対象者が抵抗感を抱く可能性がある。 対象者が録音の意図を理解しやすい資料の作成と説明 実証の趣旨や録音の意図を対象者が視覚的に理解しやすい資料の作成や職 員による丁寧な説明といった対応が考えられる。 ⑪生成AIへの指示ごとのトークン数不足 生成AIへ長時間の会議や会話の文字起こしの要約を指示する際に、トークン数の 上限に達してしまい使用できなくなる可能性がある。 生成AIモデルの変更 より大容量のトークン数が扱える生成AIモデルへの変更が考えられる。 分割方法の改善 入出力文字数の上限を守りつつ、文章を分割し生成AIで要約すると前後の文 脈がわからず、結果として繋がりのない文章を生成することを防ぐために、前後の 文章と重複する部分を持たせて分割する方法が考えられる。 ⑫コンテンツフィルタによって生成物が出力されない 児童相談所の相談内容や心理的ケアに関する相談内容など、生成AIにセンシティ ブな内容を入力する場合、生成AIコンテンツフィルタによって生成結果が不適切な 表現(嫌悪・性的・自傷行為・暴力)と判断され出力されない可能性がある。 コンテンツフィルタの調整 利用者に対して不適切な表現を出力すべきか否かを見極めたうえで、コンテンツ フィルタのレベルを調整する対応が考えられる。 システムプロンプトの最適化 利用者に対して不適切な表現を出力すべきか否かを見極めたうえで、システムプ ロンプトで事前に、生成AIに不適切な表現の生成を調整する指示を与える対 応が考えられる。 コンテンツフィルタに該当するワードを変換するマスタの作成 コンテンツフィルタに該当しそうなワードを特定し、柔らかい表現に変換するマスタ を作成し、生成AI投入前に該当ワードをマスタで柔らかい表現に変換させる対 応が考えられる。 自治体 保育施設 ※生成AIモデルに入力した、もしくは生成AIから出力される文字数 28 2. 実証事業の結果 2.5. 実証における課題とリスクの総括(5/5) 実証を通じて生成AIの利用者が保育施設職員の場合に想定される課題とリスクとして⑬実証におけるこどもの画像利用による性的姿態等撮影罪 に抵触すること、生成AIの利用者が住民の場合に想定される課題とリスクとして⑭住民向け生成AIの不正確な回答によって住民が不利益を被る ことがあげられる。 利用者 課題とリスク 対応策 ⑬実証におけるこどもの画像利用による性的姿態等撮影罪に抵触する 保育施設において、本来の保育目的以外でこどもの画像を利用する際には性的 姿態等撮影罪に抵触する可能性がある。 実証段階におけるリスク回避対応 実証段階においては下記対応が考えられる。 保護者へ同意を取得する。 極力性的姿態が映らないように着替える際にはカメラにカーテンを掛ける等の オペレーションを実施する。 ⑭住民向け生成AIの不正確な回答によって住民が不利益を被る 住民向けチャットボット等で生成AIが誤った情報を回答したがゆえに、本来対象の 支援制度が受けられない・対象ではない支援制度が提示される等、住民が不利 益を被る可能性がある。 回答出典元URLの表示 生成AIの回答だけでなく、回答の根拠となる出典元のURLを表示することで回 答内容の正確性を担保する対応が考えられる。 実証段階におけるリスク回避対応 実証段階においては生成AIの不正確な回答が住民に直接伝わらないような下 記対応が考えられる。 市のイベントに生成AIが利用できる端末を用意し、職員がサポートをしながら 住民が生成AIシステムを利用する。 自治体職員(子育て関連部署以外の職員)が住民を模して生成AIを利 用する。 住民 保育施設 29 2. 実証事業の結果 2.6. セキュリティ総括 国のセキュリティポリシーと自治体のセキュリティポリシーを踏まえて、今回の実証において検討したセキュリティ論点は以下の通りとなる。 各セキュリティ論点に対し、今回の実証において守るべき方針を定めたうえで、各団体にはその範囲内で実証を実施してもらった。 実証におけるセキュリティ論点と自治体の対応方針 # 実証におけるセキュリティ論点 団体の対応方針 1 クラウド利用における政府統一基準群の準拠 各団体は政府統一基準群を確認のうえ、準拠した。 2 デジタル庁申請書の承認 約款型ではないサービスを利用した上で、デジタル庁の承認を得た。 3 利用するサービスのISMAP登録の確認 原則ISMAPに登録されているサービスを用った。 4 住民向け実証の取扱い 住民が生成AIを自由に利用できる形式の実証は避けた。 5 保育施設でのこどもの画像や動画を用いたユースケースにおける性的姿態等 撮影罪への対策 保護者同意など実証において守るべき対策基準に準拠した。 6 生成AIモデルの利用可能なデータセンタ及びデプロイ方式 取扱う情報の自治体機密性レベルに応じて利用可能なデータセンタ及びデプロイ方式を用いた。 7 生成AIモデルのログ保存への対策 クラウド事業者にデフォルトでログが保存される場合は、ログが保存されないよう対策を講じた。 8 生成AIモデルの入力情報の学習への対策 入力情報が生成AIモデルに学習されないサービスを用いた。 9 想定されるセキュリティリスクの洗い出しと対策 情報システム一般のリスク・クラウド特有のリスク・生成AI特有のリスクを洗い出し対策を講じた。 10 想定されるセキュリティリスクの洗い出しと対策へのセキュリティ関連部署の承認 洗い出された情報システム一般のリスク ・クラウド特有のリスク・生成AI特有のリスクと対策に関して、セ キュリティ関連部署の承認を得た。 3.実証団体ユースケースの成果 本章では実証団体の最終報告会資料をもとにユースケースの概要と結果、 実証の課題とリスクといった実証団体ユースケースの成果を取りまとめた。 31 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 1.実証概要 課題と解決イメージ 子育て家庭に対して 、必要なときに必要な支援情報を届ける 。 一人ひとりの住民に適した支援情報を届けることができる 。 住民視点では自身が受けられる支援制度を見つけることができようになり 、職員視点では住民 からの問い合わせの対応時に回答の参照元となる資料や支援制度の候補を収集することがで きる。 制度情報の更新時における 、データベースへの自動反映が可能になる 。 ①住民視点の課題 ひとり親家庭を含む子育て家庭は 、各行政機関での対応が一貫せず 、適切な窓口や相談先 が不明確。 そもそも自身の悩みを客観的に把握できず 、必要な支援を特定することが困難。 ②職員視点の課題 住民の悩みを紐解いて適切な支援策を案内することができる熟練の職員の数には限りがあり 、 必要な人に必要な支援が届けられていない 。 高頻度で変わる制度変更に対するメンテナンスが追い付いていない 。 現状の課題 解決イメージ 奈良県 奈良県 人口約129.6万人 15歳未満人口約14.5万人 ※e-statの2020年度人口から取得 32 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 住民と支援制度の適切なマッチング業務支援 自治体職員 生成AIに回答の参照元となる資料を読み込ませ、利用者の属性(年齢、住所、職業等)に応じた適 切な情報をマッチングさせるためのラベル(対象年齢、学区、業種等)を付与した。 2 自治体職員の庁内子育て関連情報の収集業務 支援 自治体職員 生成AIに回答の参照元となる資料を引用させ、回答素案を作成した。 3 ベースレジストリ登録のための支援制度情報の データ整形業務支援 自治体職員 生成AIに回答の参照元となる資料を読み込ませ、チャットボットや情報発信の元となるデータベース用の データに整形した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC 33 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー こども・女性課 実証事業全体の統括(2人) 協力事業者 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 実証事業進行の協力(3人) 協力市町 桜井市 こども政策課、こども支援課 実証に参加(6人) 協力市町 広陵町 こども政策課、けんこう推進課、子育て総合支援 課、デジタル推進室 実証に参加(4人) 協力市町 宇陀市 健康福祉部 実証に参加(1人) 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 1.実証概要 実証体制 実証体制 34 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 1.実証概要 実証スケジュール 【 】 ス ル 26 30 28 25 30 27 24 2025年1月 2025年2月 6 13 20 3 10 17 2024年12月 2 9 16 23 2024年11月 4 11 1821162 UC1: 制度情報の利用者マッチング UC2: 相談業務の回答支援 UC3: 支援制度情報のデータ整形 5週 マイルストン 12 19 9 23 2024年10月 7 14 年月 2024年8月 2024年9月 事前要件検討 /協定書の各種調整 ユースケース 要件定義 生成AI環境の作成 登録データの準備 内部実証事前調整 教育コンテンツ準備 内部実証 結果とりまとめ 教育コンテンツ準備 外部実証事前準備 外部実証 結果とりまとめ ユースケース 要件定義 生成AI環境の作成 登録データの準備 内部実証事前調整 教育コンテンツ準備 内部実証 教育コンテンツ準備 外部実証事前準備 外部実証 結果とりまとめ ユースケース 要件定義 生成AI環境の作成 登録データの準備 内部実証事前調整 教育コンテンツ準備 内部実証 教育コンテンツ準備 外部実証事前準備 外部実証 結果とりまとめ プロンプト作成 スケジュール 協力事業者主担当 ABeam主担当 実証団体主担当 35 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 1.実証概要 実証イメージ図 自治体職員 実証イメージ図 留意事項 1 2 奈良県内の3つの市町の職員も実証に参加した。 実証用に作成したダミーデータを参照した。 制度情報 相談・支援履歴 ユースケース 1: 住民へのマッチングのためのラベル情報 ユースケース 2:住民からの問い合わせ情報 ユースケース 3:データ整形フォーマット情報 入力情報 ユースケース 1:ラベル付けされた制度情報 ユースケース 2: 問い合わせへの回答案とその参考情報 ユースケース 3:データ整形された制度情報 出力情報 1 2 参照情報 36 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック ユースケース1、2、3共通 利用者数:生成AIシステムを利用した利用者ID数 利用回数:1つの連続した対話につき1回とカウント Good/Bad評価:回答に対するGood/Badの評価回数 Good評価が75%以上を記録しており、良い評価を得ていると思 われた。 回答に対する懸念:回答に懸念事項が含まれた回数 各ユースケースで回答に対する懸念に値する回答は倫理違反を含 む回答、虚偽の情報を含む回答が1回ずつだった。試行回数に対し て回答に対する懸念があると思われる回答が少ないため、コンテンツ フィルタの変更などは検討する必要はないと思われた。 ユースケース2(相談業務の回答支援) Badの評価理由にて回答結果の正確性、網羅性、参考情報の正 確性、網羅性に問題がある回答とフィードバックがあった。RAGに登 録したデータの登録方法等を検討する必要があると思われた。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× テキスト生成AI チャット機能 ユースケース2× テキスト生成AI チャット機能 ユースケース3× テキスト生成AI チャット機能 基礎情報 利用者数 人数 9 8 4 利用回数 回 69 342 17 Good/Bad評価 回/回 20/4 61/17 12/1 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 1 35 0 回答結果の網羅性 回 2 17 1 参考情報の正確性 回 0 19 0 参考情報の網羅性 回 0 4 0 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 1 0 0 虚偽の情報を含む回答 回 1 1 0 権利侵害を含む回答 回 0 0 0 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 37 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 2.ユースケース結果 ユースケース1 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①アプリ登録に係る満足度が向上 有効性・効果に関する高評価割合、有効性・ 効果に関する低評価割合 満足度は高い 有効性・効果に関する高評価割合:43% 有効性・効果に関する低評価割合:0% 職員が提示したラベルの種類に対して、正しくラベリ ングできていた。 現時点では、ラベルを用いたプッシュ型情報配信 は開始されていないため、ラベルについての意味が あまり理解できないという声もあった。 ②登録情報の属性に対する正確性 正確性に関する高評価割合、正確性に関す る低評価割合 満足度は高い 正確性に関する高評価割合:25% 正確性に関する低評価割合:13% 提示されたラベリングは、正しくできていた。 正しいラベルは出力されていたが、対象年齢が、 こどもの情報か利用者本人(親)の情報かの定 義をはっきりさせておく必要がある。 1 住民と支援制度の適切なマッチング業務支援 自治体職員を利用者として、制度情報のラベリングを生成AIが支援するユースケースを実証した。 回答の参照となる資料をもとに、利用者の属性等に応じた適切な情報をマッチングさせるためのラベル(対象年齢、学区、業種等)を 生成AIが付与した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及びヒアリング結果によって評価した。 対象年齢ラベルの定義が明確でないことに対して、奈良スーパーアプリ(奈良県民向けの手元のスマートフォンなどで行政手続きが完結することを目指したウェブアプリ)の保有するデータと生成AIが持 つデータを突合しラベルの定義を行うことが考えられる。【 ② 】改善案 制度情報のラベリング作業において、生成AIの文章要約・分析機能が、アプリ登録に係る満足度や情報の正確性といった利用者満足度や生成AIの有効性に寄与することが示された。【 ① ② 】考察 自治体 文章 KGI KPI 38 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 2.ユースケース結果 ユースケース2 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①問い合わせ対応満足度が向上 回答精度に関する高評価割合、回答精度に 関する低評価割合 回答精度の満足度は高い 回答精度に関する高評価割合:44% 回答精度に関する低評価割合:22% 制度の趣旨の解説や 、担当部署の振り分けなどは おおむね正しいため、総合受付のようなところでの活 用等のアイデアも聞かれた。 わざわざ生成 AIの画面を開いて問い合わせをす るという工程を踏む人はいないという声があった 。 ②生成AIの有効性・効果 有効性・効果に関する高評価割合、有効性・ 効果に関する低評価割合 有効性・効果の満足度は高い 有効性・効果に関する高評価割合:67% 有効性・効果に関する低評価割合:11% ポジティブな意見や原因はなかった。 個別具体的な案件への対応ができなかった 。 入力したい情報が画像形式の場合、 テキストがう まく抽出されないまま登録され 、他の市町村の情 報や一般的な回答が行われる場合があった 。 従来の問い合わせ対応と異なる手順に負担感があることに対して、窓口対応記録の文字起こしや要約等に複合的に生成AIを活用することが考えられる。【 ① 】 個別具体的な問い合わせに対応できないことに対して、自治体としては匿名化した個人データを生成AIに読み込ませることが考えられる。【 ② 】 改善案 問い合わせ対応業務において、生成AIの庁内情報を参照した回答作成機能が、問い合わせ対応満足度や生成AIを活用した問い合わせ件数といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② 】考察 自治体 KGI KPI 文章 2 自治体職員の庁内子育て関連情報の収集業務支 援 自治体職員を利用者として、問い合わせ対応を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの質問に対し、過去の相談・支援履歴及び支援制度をもとに生成AIが問い合わせの回答案を作成した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及びヒアリング結果によって評価した。 39 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 2.ユースケース結果 ユースケース3 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①データベースの更新に係る負荷削減 有効性・効果に関する高評価割合、有効性・ 効果に関する低評価割合 満足度は高い 有効性・効果に関する高評価割合:60% 有効性・効果に関する低評価割合:0% おおむね正しい回答が導出できており 、人が一から データベースを更新するよりも、負担の軽減が認めら れた。 ベースレジストリの整備がまだ実行されていないた め、どのように活用されるのか 、イメージできないと いう声があった 。 ②データの出力形式の正確性 回答精度に関する高評価割合、回答精度に 関する低評価割合 満足度は高い 正確性に関する高評価割合:80% 正確性に関する低評価割合:0% データの出力結果が正しく表示されていた。 提出先に 「首長に提出する」 と表示され 、本来欲 しい情報であるどの課に行けば良いのかという情 報が出力されなかった 。 3 ベースレジストリ登録のための支援制度情報のデー タ整形業務支援 自治体職員を利用者として、支援制度データの整形を生成AIが支援するユースケースを実証した。 回答の参照となる資料をもとに、チャットボットや情報発信のもととなるデータベース用のデータに生成AIが整形した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及びヒアリング結果によって評価した。 整形後データを登録するデータベースが未整備であることに対して、部局横断的なデータ活用推進の理解促進やオープンデータの活用が考えられる。【 ① 】 求めている情報が出力されないことに対して、より多くの制度情報や住民向けのパンフレットを読み込ませることが考えられる。【 ② 】 改善案 制度データの整形作業において、生成AIのデータ整形機能が正確に活用され、データベース更新に係る負荷削減といった業務効率性に寄与することが示された。【 ① ② 】考察 自治体 KGI KPI 文章 40 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 精度面について、今後の内部への実導入 (職員間のやり取りや新人 教育の補佐など)に向けては実用的な水準だが 、住民への利用へ向 けてはまだ改善の余地がある。 生成AIを用いたユースケース2については、相談への回答を行うヒントを 掴むことができる点が有効だった。 実証前は生成AIのことをうまく活用していきたいという漠然とした想いは あったが、何から進めたらよいのかわからなかった。「実証を通して、奈良 県がリードすることで 、上席の方にも 『生成AIを活用していく必要があ る』、という認識ができた点が大きく 、私たちも勉強できた」という意見を ある協力市町の担当者からヒアリングができた。 生成AIへの認識 特にない。 「今後は自分たちの部署で生成AI サービスを利用したい」 といったポジ ティブな反応が得られた。担当部署以外 からの認識 デジタル部門からは、生成AIを導入するための法的・セキュリティ面での 対応の難しさについてのコメントがあった。財政部門からは、単独部署、 単独自治体での導入に対するコストへの懸念があった。 【既存ユースケース】:ユースケース1、2、3 【詳細】:生成AIにより、どの人に送るべき情報発信内容であるか、という分類を担当者が変わって も同じ基準で実施するのは難しいため。 【新規ユースケース】:支援情報やイベント情報等の発信先のラベリングと対象者とのマッチング 【詳細】:奈良スーパーアプリ(奈良県民向けの手元のスマートフォンなどで行政手続きが完結する ことを目指したウェブアプリ)に格納されている個人情報を匿名化し、支援情報やイベント情報を読 み込み、誰に配信すべきかを抽出・マッチングし、メッセージ配信を行う。 文字起こしと要約機能、相談結果の要約を帳票にして出力できること 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 2.ユースケース結果 実証に対する所感 41 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/4) 入力イメージ 出力イメージ 42 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/4) 入力・出力イメージ詳細(ユースケース1) 43 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(3/4) 入力・出力イメージ詳細(ユースケース2) 44 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(4/4) 入力・出力イメージ詳細(ユースケース3) 45 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 生成AIを利用したことがないため利用後のイメージ合わせができないリスクがあったが、手厚く説明することで過度な期待を払拭できた。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 導入後のイメージができない課題 今まで利用したことがない生成AIについて、どのように活用が され、業務効率化を実現できるのかをイメージできなかった。 展示会やセミナーなど、外部の情報を収集し、仮説を立ててユースケースを設定した。 体制・オペレーション 利用後のイメージ合わせができないリスク 生成AIについて、活用がされている事例がないため、過度な 期待や実態と乖離したイメージが実証を妨げる可能性があっ た。 前提となる背景情報についての説明を手厚くし 、生成AIに対する過度な期待を払拭 できた。 46 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 現場の納得感不足により活動が停滞するリスクがあったが、説明資料の作成や説明会を実施し、理解が得られるように工夫した。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 生成AIへの過度な期待がある課題 生成AIに対する過大な期待やデジタルに対する苦手意識 について、留意して説明を進めた。 専門用語などは極力使わずに説明し 、「デジタル技術の説明 」は省略し、「現場での 作業負担をどのようにすれば軽減できるか 」という点を意識した。ただし、より詳しく知り たいという方向けには、説明動画を送信し、理解を深めてもらい、生成AIのシステムを 操作してもらった。 体制・オペレーション 現場の納得感不足により活動が停滞するリスク 市町を巻き込んで進める活動のため、現場の納得感を得ら れないと、生成AIへの期待と現実の乖離が大きいと正しい 評価が進まず、停滞するリスクがあった。 現場が納得感を持ってもらえるような説明資料や説明会を実施した 。実証の目的を 明確に伝え生成AIへ指示する際は、新人職員と同じように指示内容を詳しく記載す るといった説明をし、現場部門の理解が進みやすいように工夫した。どのような点であれ ば活用ができるかというアイデアが出やすくなった。 47 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件、リスクは1件見られた。 PDF画像形式が入力できない課題があったが、OCR機能を利用することでテキスト情報を抽出する対応をした。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 生成AIにおける回答生成時のエラーが発生する課題 回答生成中にエラーが発生した。 プロキシを回避することで解決した。協力団体である市町に向けて、事前に対策方針 を案内した。 実証環境 PDF画像形式が入力できない課題 生成AIへの入力情報に対して、PDF画像形式だと情報を 抽出することができなかった。 Microsoft OneNoteにおけるOCR機能を利用することで 、画像データ内のテキスト 情報を抽出して、テキストデータを生成AIに入力することで対応した。 体制・オペレーション ユースケース3における複数回プロンプト実行に伴う利便 性イメージが低下するリスク ユースケース3のベースカテゴリ情報を抽出する際に、一回の プロンプトで実行すると精度が低いため、複数回実行して精 度を向上することを検討した。しかし、市町に複数回処理を 実施してもらうと利便性が低い印象を持たれてしまう可能性 があった。 プロンプトを含めた一連のパイプラインを作成して、機械的に処理を行うことで対応する かどうか検討した。実証プロセスの決まったマニュアルとして案内することによって 、利便 性が低いという印象を軽減した。 企画 実証前 準備 実証 48 3.実証団体ユースケースの成果 3.1. 奈良県 4.セキュリティ概要 奈良県は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 Azure OpenAI 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-4o(グローバル標準デプロイ)、GPT-3.5-Turbo モデルリージョン:東日本 3.外部サービスの提供者の名称 Microsoft 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性1情報相当 自治体の基準における機密性1情報相当 5.利用者の範囲 奈良県職員数名 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 運用等にあたっては統一基準に基づくデジタル庁のセキュリティポリシーを遵守した。 上記に加えて自治体のポリシー・条例を踏まえた運用を行う必要がある旨を自治体へ周知した。 生成AIに係る固有のリスクを踏まえ、出力情報はあくまで参考として取扱い、内容の十分な確認や参考情報で ある旨の明示を行った。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 WebアプリのHOME画面に生成AIを利用している旨を明示し、生成AIの出力には虚偽が含まれる可能性が ある旨の忠告を表示した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 生成AIの出力情報を二次利用する場合においては、利用者の責任において利用する必要がある旨を利用者 に周知した。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 入力するプロンプト、出力情報の利用に関しては利用者の責任において利用する旨を通知した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み 検証受託事業者と実証団体との協定書を結ぶ中で 、検証受託事業者が利用者からの問い合わせやフィード バックを受け、環境を運用する主体であることを明記した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 一般利用者を対象としていないため、検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得は不要とした。 セキュリティ概要 49 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①5歳児(年中児)健康相談文書作成業務の省力化及びデータ化 現状の「手書きメモをベースに帰庁後に文書に起こす 」という時間のかかっているプロセスに代えて 、 録音データから文書案が作成され 、文書作成業務時間が削減できる 。 ②支援方針会議における会議記録作成等の業務の省力化及び平準化 会議の録音データから文書案が作成され 、文書作成業務時間が削減できる 。また、平準化さ れることで議事録作成者による差異が少なくなる 。 ③母子に関する健診結果やアンケート結果についての短時間での分析・ 活用 母子に関する健診結果 ・アンケート結果から 、データサイエンティストではない自治体職員の手で 短時間で分析し 、施策の実施、継続の判断に活用できる 。 ①5歳児(年中児)健康相談における専門職員の手による文書作成業務の負荷 小山市では 、5歳児を対象に 、こどもの発達上の課題を早期に発見し 、適切な対応や関係機 関との情報共有することを目的とし 、5歳児( 年中児) 健康相談( いわゆる5 歳児健康診 査)を実施している 。実施にあたっては 、保健師及び心理士で 、市内計49の幼稚園及び保育 園(所)、認定こども園 、保健福祉センター (以下「保育施設等」)にそれぞれ年に 1回順次 訪問して行う 、いわゆる巡回方式を主として採用している 。この実施に際して 、専門職である保 健師が自ら会議内容等を記録様式及び結果通知という文書に落とし込む必要があるが 、この 作成にあたって負荷が大きく 、保健師のより専門的な業務遂行の妨げとなっている 。 ②支援方針会議における会議記録作成等の業務負荷 小山市では 、家庭児童相談を受けている進行中のケースについての状況確認等を行う支援方 針会議を定期的に実施しており 、アセスメント案の策定 、会議記録の作成を行っている 。支援 方針会議では複数のこどもに関するケースについて取扱うことにより 、同記録の作成は業務負荷 の高い作業であり 、担当職員の業務負荷軽減が課題。 ③母子に関する健診結果やアンケート結果の有効活用 小山市では母子に関する健診結果 ・アンケート結果を健康管理システム上で保持しているが 、 それらデータを統計等の形で施策の立案や改善のために有効活用することは 、現状必ずしも実 施できていない 。業務負荷と分析スキルの観点から 、職員の手によるデータ活用は困難な状況 にある。 現状の課題 解決イメージ 小山市 栃木県小山市 人口約16.7万人 15歳未満人口約2.1万人 ※e-statの2020年度人口から取得 50 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 5歳児(年中児)健康相談記録等の作成業務 支援 自治体職員 5歳児(年中児)健康相談における会話・会議の録音データを生成AIへの入力情報とし、対象のこど もごとに必要となる記録様式等を生成した。 2 支援方針会議における会議記録の作成業務支 援 自治体職員 支援方針会議の録音データを生成AIへの入力情報とし、個々のこどもの話題ごとに振り分けられた会議 記録を生成した。 3 健診結果・アンケート等の傾向分析業務支援 自治体職員 健康管理システム等の母子に関する健診結果 ・アンケート結果等について 、地域別の傾向や、特定施 策の効果と関連性について、生成AIにより抽出した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC、ICレコーダー 51 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー 保健福祉部 実証研究事業全体の統括責任者(2人) プロジェクトマネージャー 保健福祉部 実証研究事業の全体管理(2人) プロジェクトリーダー 保健福祉部 協力事業者との連絡調整、作業担当者への指示出し (1人) 担当者 保健福祉部 作業担当者(1人) システム利用者 保健福祉部 業務担当者(3人) 情報システム担当者 総務部 情報政策課 システムインフラに関する担当者(2人) 実証環境構築 協力事業者(富士通Japan株式会社) 実証環境構築を担当(3人) その他事務を担当(2人) 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 1.実証概要 実証体制 実証体制 52 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 協力事業者主担当 実証団体主担当 53 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 1.実証概要 実証イメージ図 自治体職員 ユースケース 1:文字起こしされた健康相談の会話 ユースケース 2:文字起こしされた支援方針会議の会話 ユースケース 3:健診結果・アンケート結果の分析方針 入力情報 ユースケース 1:健康相談の相談記録 ユースケース 2:支援方針会議の会議記録 ユースケース 3:健診結果・アンケート結果の分析レポート 出力情報 事前情報 実証イメージ図 留意事項 1 ユースケース1、2は機械による音声テキスト化や個人情報の 匿名加工に加えて、人手による個人情報の確認を行った。 文字起こしデータ 1 健診結果 アンケート結果 相談の会話 会議の会話 2 ユースケース 3は検診結果・アンケート結果を統計情報に変 換処理して使用した。 統計情報 2 ※:次頁「利用者の生成AIシステムに対するフィードバック」は団体からの要望で非公開とした。 54 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 ユースケース1(1/2) KGI/KPI 結果※ ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①従来手法に比べた総作業時間の削 減 総作業時間 作業時間は変化なし 総作業時間:30分→30分 実証環境は使用しやすいよう設計されており 、簡単 に利用することができた 。今回の事業に合わせて事 務作業の見直しを行っており 、全体として見た場合 、 作業時間を削減することができた。 音声テキスト化に係る時間が、録音した時間の1/3 程度ででき、生成AIによるレポート作成は数分で出 力され、機械的な処理時間が短かった。 音声テキスト化したデータに対して個人情報をマス キングする際に自動でのマスキング精度が高く手動 マスキングはほとんどせずに済んだ。 録音環境による音質の違いが音声テキスト化の 品質に大きな影響を与えた 。音声テキスト化の 品質が低いと 、職員による修正作業に時間がか かった。 ②目標水準の文書品質評価の達成 品質満足度評価 品質の満足度は低い ポジティブな意見や原因はない。 生成AI に入力する以前の文字起こしの誤変換 の修正や 、テキストそのものの情報の不足から 、 出力される文書の品質にバラつきがあり 、全体と しては満足できる品質と言えなかった 。 1 5歳児(年中児)健康相談記録等の作成業務支 援 自治体職員を利用者として、5歳児(年中児)健康相談における記録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 5歳児(年中児)健康相談における会話・会議の録音データをもとに、こどもごとに必要となる記録様式等を生成AIが作成した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及び総作業時間の変化によって評価した。 相談記録の作成業務において、生成AIの文章要約機能が、総作業時間や文書品質評価といった業務効率性や生成AIの有効性にあまり効果を発揮しないことが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 録音の音質による音声テキスト化の悪影響に対して、高性能のマイクを使用することやノイズの少ない録音環境を整備することが考えられる。【 ① ③ 】 録音時の情報欠如に対して、録音時の発言内容のルール化や発言内容以外の外部情報を入力することが考えられる。【 ② ④ 】 改善案 自治体 音声 文章 KGI KGI ※:一部結果は団体からの要望で非公開とした。 55 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 ユースケース1(2/2) KGI/KPI 結果※ ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③1文書当たりの作成時間 総作業時間 作業時間は変化なし 総作業時間:30分→30分 ポジティブな意見や原因はない。 生成AI に情報を投入する前処理である録音 データのテキスト化処理 (個人情報マスキングや 誤字の修正) に時間を費やしてしまい作業時間 は変化しなかった 。 ④作成文書の有用性 負担軽減の評価、品質の評価 作成文書の有用性は低い こどもごとの情報を生成AIで分離して記録できた。 負担軽減評価について 、生成 AIによる作成時 間は短くて済むことが確認できたものの 、文字起 こしにおける誤変換の多さや生成AI への入力情 報の不足により従前と比べての負担軽減が実現 しなかった 。 品質評価について 、音声テキスト化情報だけでは 入力情報として不足しており 、出力すべき情報が 出力されず 、結果的に人力で作成したものより高 品質ではなかった 。 1 5歳児(年中児)健康相談記録等の作成業務支 援 自治体職員を利用者として、5歳児(年中児)健康相談における記録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 5歳児(年中児)健康相談における会話・会議の録音データをもとに、こどもごとに必要となる記録様式等を生成AIが作成した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及び総作業時間の変化によって評価した。 相談記録の作成業務において、生成AIの文章要約機能が、総作業時間や文書品質評価といった業務効率性や生成AIの有効性にあまり効果を発揮しないことが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 録音の音質による音声テキスト化の悪影響に対して、高性能のマイクを使用することやノイズの少ない録音環境を整備することが考えられる。【 ① ③ 】 録音時の情報欠如に対して、録音時の発言内容のルール化や発言内容以外の外部情報を入力することが考えられる。【 ② ④ 】 改善案 自治体 KPI KPI 音声 文章 ※:一部結果は団体からの要望で非公開とした。 56 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 ユースケース2(1/2) KGI/KPI 結果※ ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①従来手法に比べた総作業時間の削 減 総作業時間 作業時間は変化なし 総作業時間:2時間→2時間 音声テキスト化に係る時間が、録音した時間の1/3 程度ででき、生成AIによるレポート作成は数分で出 力され、機械的な処理時間が短かった。 音声テキスト化したデータに対して個人情報をマス キングする際に自動でのマスキング精度が高く手動 マスキングはほとんどせずに済んだ。 録音環境がよい会議では、専門用語以外はある程 度の精度を保ってテキスト化できた。 録音環境による音質の違いが音声テキスト化の 品質に大きな影響を与えました 。音声テキスト化 の品質が低いと 、職員による修正作業に時間が かかった 。 ②目標水準の文書品質評価の達成 品質満足度の評価 品質の満足度は低い こどもごとの情報を生成AIで分離し、全体の情報か らこどもごとの記録を作成することができた。 会話の内容からセンシティブな内容やカテゴリの分類 分けが生成AIによって的確に行われていた。 議事録は専門職がその場で要約してまとめており 高い品質が求められているため 、音声テキスト化 の情報を生成 AIに入力して作成された議事録は 高い要求に答えることができなかった 。 2 支援方針会議における会議記録の作成業務支援 自治体職員を利用者として、支援方針会議の会議記録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 支援方針会議の録音データをもとに、こどもごとに振り分けられた会議記録を生成AIが作成した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及び総作業時間の変化によって評価した。 会議記録の作成業務において、生成AIの文章要約機能が、総作業時間や文書品質評価といった業務効率性や生成AIの有効性にあまり効果を発揮しないことが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 録音の音質による音声テキスト化の悪影響に対して、高性能のマイクを使用することやノイズの少ない録音環境を整備することが考えられる。【 ① ③ 】 録音時の情報欠如に対して、録音時の発言内容のルール化や発言内容以外の外部情報を入力することが考えられる。【 ② ④ 】 改善案 自治体 KGI KGI 音声 文章 ※:一部結果は団体からの要望で非公開とした。 57 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 ユースケース2(2/2) KGI/KPI 結果※ ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③1文書当たりの作成時間 総作業時間 作業時間は変化なし 総作業時間:2時間→2時間 ポジティブな意見や原因はない 生成AI を使用する前段として実施する録音デー タテキスト化処理(個人情報マスキングや誤字 の修正)に時間を費やしてしまい事業時間と同 程度だった。 ④作成文書の有用性 負担軽減の評価、品質の評価 作成文書の有用性は低い 録音データからこどもごとの情報を生成AIで分離し、 こどもごとの記録を作成することができた。 会話の内容からセンシティブな内容やカテゴリの分類 分けが生成AIにより的確に行われていた。 会議の内容以外に行動観察の結果や過去の健 診結果や相談結果を合わせて考察しているため、 会議の音声だけを利用した情報からだけでは、記 載すべき情報が不足していた。 2 支援方針会議における会議記録の作成業務支援 自治体職員を利用者として、支援方針会議の会議記録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 支援方針会議の録音データをもとに、こどもごとに振り分けられた会議記録を生成AIが作成した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及び総作業時間の変化によって評価した。 会議記録の作成業務において、生成AIの文章要約機能が、総作業時間や文書品質評価といった業務効率性や生成AIの有効性にあまり効果を発揮しないことが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 録音の音質による音声テキスト化の悪影響に対して、高性能のマイクを使用することやノイズの少ない録音環境を整備することが考えられる。【 ① ③ 】 録音時の情報欠如に対して、録音時の発言内容のルール化や発言内容以外の外部情報を入力することが考えられる。【 ② ④ 】 改善案 自治体 KPI KPI 音声 文章 ※:一部結果は団体からの要望で非公開とした。 58 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 ユースケース3 KGI/KPI 結果※ ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①可読かつ理解しやすい分析レポート 出力方法の確立 満足度評価 満足度は高い 専門用語が出てきましたが 、見慣れない統計グラフ について生成 AIで解説をしてくれるのでわかりやす かった。 ワンクリックで、 グラフデータをJSONファイルに変更し て出力された。 統計データにする前に 、データの正規化をする必 要があり前処理に時間がかかった 。 ②レポートの可読性/理解度評価 分析の評価、可読性/理解度の評価 可読性/理解度の評価は高い レポートは可読性及び理解度の高いものが出力さ れた。 大量のデータを解析するにあたり 、検討したい項目 名を選択するだけで 、統計グラフとして表示してくれ た。 職員がデータサイエンスに対して知識不足なため 生成AI による回答の信頼性を確認することがで きなかった 。 3 健診結果・アンケート等の傾向分析業務支援 自治体職員を利用者として、母子に関する健診結果・アンケート結果等の傾向分析を生成AIが支援するユースケースを実証した。 母子に関する健診結果・アンケート結果等について、地域別の傾向や特定施策の効果と関連性について生成AIが抽出した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及び総作業時間の変化によって評価した。 健診結果・アンケート結果等の傾向分析において、生成AIのデータ分析機能が、満足度評価やレポートの可読性/理解度といった生成AIの有効性に寄与することが示された。【 ① ② 】 データ分析といった専門性が高く正確性が重要な業務では、人による適切な指示と出力情報の検証が必要ですが、専門性人材がいないと検証が難しいことが示された。【 ② 】 考察 データの前処理に時間を要することに対して、専門家に相談のうえ専門知識にもとづいて処理を行うことが考えられる。【 ① 】 職員のデータサイエンスについての知識不足に対して、専門家に相談することが考えられる。【 ② 】 改善案 自治体 文章 KGI KPI ※:一部結果は団体からの要望で非公開とした。 59 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 機械的な音声テキスト化後の人手によるテキスト修正に時間がかかり 総合的に時間短縮できなかった。 生成AIモデルにおいてのリクエストごとのトークン数※上限があるため、大 量の統計データを活用した生成AI によるレポート作成をすることができ なかった。 対象者ごとに会話を分離してくれるため希望する形式で出力され有効 に活用できた。 専門知識がない職員でも理解できる内容でデータ分析結果が出力さ れるため、保有しているデータの理解を深めることができた。 実証前は生成AIの渡すプロンプトを調整することにより希望の結果が 出てくると思っていましたが 、実際にはプロンプトの調整より 、前段として 生成AIに渡すデータの調整に時間がかかった。生成AIへの認識 特になし。 庁内で生成AIを導入しているため、生成AIを利用した業務改善に対 して興味を示した。担当部署以外 からの認識 特になし。 【既存ユースケース】:ユースケース1、2 【詳細】:プロンプトの改良により他業務でも使用できるようにし、生成AIを含めて構築したシステム に向いている業務で継続して使用したいため。 【既存ユースケース】:ユースケース3 【詳細】:データサイエンティストでなくても生成AIを使用することにより、統計情報から傾向分析等 できる見込みがあるため。 個人情報をマスキングできること クラウド事業者がデータを閲覧できないこと 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 ※生成AIモデルに入力した、もしくは生成AIから出力される文字数 60 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/4) 入力イメージ(ユースケース1、2) 出力イメージ(ユースケース1、2) 61 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/4) 入力イメージ詳細(ユースケース1) 出力イメージ詳細(ユースケース1) 以下の会話内容は保育施設におけるこどもの健康相談や支援方針について 、保健師や心理士 などの職員による会議です。会話内容を読み取り、各園児に関連する情報を整理し、指定の記 録様式に基づいて園児ごとの記録を作成してください。 【全体の注意事項】 事実に基づく記述:特に指定がない限り、生成AIによる所感や推測を含めず、事実のみを記載 してください。 会話内容への忠実性:~~~~~~~~ 【手順】 1.会話文を読み、各園児に関連する発言を抽出します。 2.各園児について、記録様式の項目に沿って情報を整理します。 3.~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【記録様式】 出力は、園児ごとに以下の項目を設け、情報を整理してください。 ***園児名:〇〇〇〇*** 事後カンファレンス 1.園児情報 ・園児名、~~~~、~~~~ 2.行動観察の結果 ・行動観察結果の要約 ・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 3.今後のアセスメントと支援計画 ・必要なフォローアップ ・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 4.親への保健指導 ・健康維持・向上のためのアドバイス ・~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【注意事項】 1.複数のこどもに関する内容が含まれている場合、 会話文を適切に整理し、 こどもごとに明確に 分割してください。 2.~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 相談名:テスト 相談日時:2024/12/06 20:06 レポート作成日時:2024/12/17 14:56 使用テンプレート:事後カンファレンス_テンプレート レポート作成者: Test User ***園児名:○○○○*** 事後カンファレンス 1.園児情報 ・園児名:○○○○ ・生年月日:不明 ・クラス:不明 2.行動観察の結果 ・行動観察結果の要約:朝から座っていられず 、いつも動き回っている。元気に動いているが、 集中できる活動としてはレゴやパズル 、運動が挙げられる。家庭でも座れないことを気にしている 。 体操やタイマーを取り入れることで少しずつ座れるようになってきた。 ・注意が必要な点:なし 3.今後のアセスメントと支援計画 ・必要なフォローアップ:行動観察の継続、集中力の向上を図るためのアセスメント ・支援計画:レゴやパズル 、運動など、集中できる活動を積極的に取り入れる 。家庭でも体 操やタイマーを利用して座る練習を続ける。 4.親への保健指導 ・健康維持・向上のためのアドバイス:適度な運動や集中力を高める活動を取り入れることが 大切。 ・保護者の心身の健康や育児態度への配慮:家庭でも座る練習を続けるようにサポートする ことが重要。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 62 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(3/4) 入力イメージ詳細(ユースケース2) 出力イメージ詳細(ユースケース2) 以下の会話内容は保育施設におけるこどもの支援方針についての、保健師や心 理士などの職員による会議です。会話内容を読み取り、各こどもに関する情報を 会話に含まれる事実のみに基づいて整理・分類し、指定の【記録様式】に基づい てこどもごとの記録を作成してください。 【全体の注意事項】 事実に基づく記述:特に指定がない限り、生成AIによる所感や推測を含めず、 事実のみを記載してください。 会話内容への忠実性:~~~~~~~~ 【手順】 1.会話文を読み、各こどもに関連する発言を抽出します。 2.各園児について、記録様式の項目に沿って情報を整理します。 3.~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【記録様式】(※で記載されているのは記録を生成する際の注意点・ 説明です。 出力には含めないでください。) 氏名: 〇〇〇〇 1.カテゴリー ・「新規」「検討」「終結」のいずれかを選択してください。 ※説明: ~~~~~~~~~~ 2.要約 ※説明: 会話内容に基づき、該当者に関する記述を箇条書きで記載してくだ さい。 ※※以上の形式で各こどもごとに記録を記載※※ 相談名:支援方針会議サンプル 相談日時:2025/01/16 17:49 レポート作成日時:2025/01/16 17:56 使用テンプレート:支援方針会議テンプレート レポート作成者: Test User 【Aくん】 1.カテゴリー:検討 2.内容:心理、ネグレクト 3.要約: - 学校での様子が落ち着かない、授業中に集中できないという報告あり - 母親は夜勤の仕事が多く、帰りが深夜になることがある - 食事はお弁当や冷凍食品が中心で栄養バランスが心配 - 父親は3年前に離婚して別居中で、連絡もない - 母親一人で育児するには限界があり、近くに頼れる親族や友人はいない ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 63 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(4/4) 入力イメージ(ユースケース3) 出力イメージ(ユースケース3) 64 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は3件、リスクは2件見られた。 個人情報を取扱うにあたりセキュリティリスクがあったが、個人情報を機械的と人的にマスキングする対応をした。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 実証に参加する職員との調整が必要である課題 実証に参加するにあたり、年度当初予定していた業務の他 に新たに本業務が追加になるため、協議・調整に時間を要 した。 協力事業者を交えた説明会や担当職員との密なコミュニケーションを実施した。 体制・オペレーション 実証の対象事業を抽出する課題 対象事業の抽出にあたり事業のヒアリング内容と実務に乖 離があり、対象事業について深堀できていなかったため実証 にあまり向いていない課題を抽出してしまった。 気づいたのが事業期間の後半だったため、本来の生成AIの役割と生成AI部分を分け て考えて実施することにした。 実証環境 個人番号系ネットワークで管理している情報を取扱う課題 個人番号系ネットワークで管理している情報をそのまま生成 AIに渡すことはセキュリティポリシー上できなかった。 個人番号系ネットワーク内の環境で統計データにし、個人情報が含まれていない統計 の数値データを生成AIに渡すようにした。手間がかかるが、専用端末で個人番号系か らLGWAN系へデータを移行し、LGWAN系からインターネット系へ持ち出した。 実証環境 個人情報を取扱うリスク 音声ファイルや議事録をテキスト化したそのままのデータを生 成AIに渡す場合、個人情報が含まれてしまい意図せず個 人情報が流出してしまう可能性があった。 音声ファイルや議事録等のテキスト化したデータにおいては 、生成AIを利用する前に、 利用者自身が目検で確認するオペレーションルールを定めて 、必要に応じてマニュアル 等を整備する対応が考えられる。 実証環境 セキュリティリスク 録音データを扱う場合、録音データには個人情報が含まれ る可能性があり、システムが意図せず機密性に関してセキュ リティポリシーに反してしまう可能性があった。 セキュリティポリシーに違反しないように、録音データはテキスト化し個人情報をマスキン グしてから生成AIに渡す方法とした。しかし、機密性を保つために生成AIにデータを渡 す前に機械的と人的にマスキングを行っていたが 、マスキングが漏れ、個人情報が含ま れる可能性があった。そのため、自治体機密性3情報として取扱い、機械的と人的に マスキングし確認すること 、使用する生成AIはオプトアウトされていることを条件に 、本 事業で生成AIサービスを使用する許可を得た。 65 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 生成AIによる出力の精度が不十分である課題がありましたが、入力情報の分割を最適化することで対応した。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 ユースケース1、2において生成AIによる出力の精度 が不十分である課題 実データにて開始前にテストを実施した。生成AIモデル のトークン数※1上限を考慮した会話文の分割・要約プ ロセスで、こどもの振り分けが不十分となるなど期待する 精度でない状態のものが出力された。 リクエストごとのトークン数 ※1上限を守りつつ、文章を分割し生成AIで要約する と前後の文脈がわからず 、結果として繋がりのない文章を生成することを防ぐた めに、前後の文章と重複する部分を持たせて分割する方法を採用した。 また、分割用要約テンプレート(チャンク※2ごとの要約専用)と最終版要約テ ンプレート(分割後の要約群を統合する専用) を最適化した 。さらに、生成 AIモデル入出力文字数のバランスを最適化し、要約精度の向上を目指した。 実証環境 録音データ取得の機会を損失するリスク カンファレンス日程が決まっているため、実証に使う録音 データの録音ができず、実証ができない可能性があった。 事前に実証開始前からカンファレンスの音声録音を実施した。 ※2 文章を小さく切り分けた意味のかたまり ※1 生成AIモデルに入力した、もしくは生成AIから出力される文字数 66 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は3件見られた。 雑音による音声文字起こしの精度が不十分である課題があったが、雑音・ノイズの軽減や発話の明瞭化のような録音環境を改善することで対応した。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 ユースケース1、2において音声文字起こし精度が不十分 である課題 人物名のマスキング確認、統一作業に時間を要した。ユース ケース1においては、施設内で録音しているため雑音が入った。 音声認識モデルのパラメータの調整と録音環境の改善を行いました 。録音環境の改 善では、周辺の雑音やノイズを軽減し、話者の声量や発話の明瞭さなどによる改善を 行った。 実証環境 ユースケース2において、生成AIの出力に対象のこども以 外の情報が含まれる課題 ユースケース2において文字起こしにはこどもの名前のほか、 職員名も含まれるため、生成AIの分析時にこどもの名前で あるかどうかの判別精度が低く、職員についての情報も出力 に含まれるケースがあった。こどもの名前とそれ以外の名前と の振り分けが必要だった。 生成AIがこどもの名前とそれ以外の名前を区別しやすくなる工夫を行った。職員名など ごどもの名前以外の名前は、こどもの名前と混同しないよう辞書登録とマスク機能を用 いてこどもの名前とは異なる分類に置き換えた(辞書登録、マスク機能の操作)。 実証環境 ユースケース1、2において、生成AIの出力精度、文章量 が不十分である課題 テンプレート内で分析項目を細かく指定すると、項目に該当 する限られた情報を出力する傾向があった。職員が作成した 議事録に含まれる内容が、生成AIの出力には含まれていな いケースがあった。 テンプレートの最適化を行った 。新規テンプレートとして 、分析項目を簡略化し 、該当 者に関する内容を幅広く出力に含めるように改善したものを追加した。 企画 実証前 準備 実証 67 3.実証団体ユースケースの成果 3.2. 小山市 4.セキュリティ概要 小山市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 Azure OpenAI 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-3.5-Turbo モデルリージョン:東日本 3.外部サービスの提供者の名称 Microsoft 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性3情報相当 5.利用者の範囲 実証事業関係者及びシステム開発担当者に限定 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 入力した要機密情報がクラウド事業者の学習データに転用され情報漏えいとなるリスクに対し 、API接続に限 定して利用したため、入出力された内容は学習データに使用されなかった。 利用者のプロンプトインジェクション(生成AIに対して悪意のある指示や質問を入力することで 、本来意図され ていない動作を引き起こす攻撃手法)による情報の窃取・改ざんのリスクに対し、規定の入力情報チェック機能 を使用し、インジェクション攻撃を防止した。あわせてプロンプトによる情報搾取等の攻撃を防止した。 間違った情報(ハルシネーション )を利用してしまうリスクに対し 、結果データを職員が確認した 。また、ハルシ ネーション発生確率を低下させるために、プロンプトの改善を実施した。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 利用開始前に対象職員に対して、生成AIを利用していることを説明した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 実証では生成AIの出力情報の2次利用はしなかった。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 職員向けに実証開始前に、システム(生成AI)利用の事前説明を行い、業務運用に社会的影響が発生し ないよう対策した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み アンケート等による利用者からのフィードバックを実施した。また、ハルシネーション発生確率を低下させるために、 プロンプトの改善のフィードバックも実施した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 実証では一般利用者を対象としなかった。 セキュリティ概要 68 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①チャットボットの高度化 =「子育て問い合わせ対応生成 AIチャットボット」 子育て世帯向けの現行チャットボットの利用満足度を向上させる為に 、生成AIを用い入力者 の入力意図や状態に合った回答をする機能を実証する 。 この機能は、「子育て応援サイト 」のサイト上にある情報を取り込んだ上で 、利用者の入力情報 の意図を生成 AIが解釈して 、意図に沿う形で情報を整形して提示する 。本課題の要因として 想定している複数の意図が含まれる場合であれば 、生成AIが個別入力に分解 、曖昧な入力 の場合は生成AIから意図を特定する為に質問を返す機能を想定している 。この結果、「子育て 応援サイト 」上で利用者の解決効率と質が向上し 、利用者満足度向上が期待できる 。また、 Web上で課題解決する件数が増加する事で 、子育て支援課担当者の対応が件数が削減さ れる事も期待できる。 ②子育て支援課職員向けの応対支援チャットボットの導入 子育て世帯からの問い合わせ対応を行う子育て支援課職員向けに 、育成と質的な支援を目 的として、応対時に利用できる応対支援チャットボットを導入する 。 子育て支援課職員が受けた問い合わせ内容をチャットボットに入力すると 、問い合わせ内容に 関連する情報に加え 、過去記録に基づく回答を生成 AIが提示する機能を想定している 。本機 能を利用することで 、類似内容がある場合は過去ノウハウを活用して応対ができ 、応対の質の 底上げが期待できる 。1度入力するだけで 、「子育て応援サイト 」上の情報と類似問い合わせの 両方を同時に参照できるようにする想定。 また、複数のテーマに跨る問い合わせでも 、解決策1 と同様に生成 AIが問い合わせ意図に沿って 、ピンポイント回答を子育て支援課職員に提示す る事を想定している 。 ①子育て世帯からの問い合わせへの対応力の強化 子育て世帯(利用者)がポータルサイト 「子育て応援サイト 」を訪問した際、チャットボット 「おし えてきさポン 」に質問を投げるも 、適切な回答が得られず 、アクションにつながることなくポータルサ イトを離脱している 。現行のチャットボットは利用者に体系的な選択をさせることを想定している ため、曖昧な質問や、複数テーマ・FAQに跨るような複雑な質問に対しては適切な回答の提供 が難しく、またルールベースであるがゆえに利用者のケースのみをピンポイントで回答する機能がな い。特に、手続きや手当受給等に係る電話問い合わせ等が多いことから 、手続きや手当受給 等に係る利用者負荷が高いものと想定される 。 結果的にチャットボットで解決できなかった利用者は 、子育て支援課担当者に対して電話問い 合わせ等を実施する事で 、職員の業務負荷が高くなっている 。 ②問い合わせ対応ナレッジを活かせておらず、 問い合わせ対応職員のもつ経験・ スキルへの属人化 子育て支援課担当者による問い合わせ対応においても 、「子育て応援サイト 」の情報や各種通 知等を参照しながら回答する事がある 。その際に、複数テーマに跨るような質問に対しては個別 に検索や情報取得をする必要があり手間となっている 。 また、子育て支援課担当者の育成と質的支援の観点でも 、担当者のノウハウが有効な形で利 活用できていないという課題がある。 本来であれば 、過去に類似事例があるような相談があった 際に回答・応対方法を参照して応対に活かすべきだが 、過去応対記録を応対時に参照する仕 組みがない状況 。その結果として 、子育て支援課担当者個人の経験とスキルへの依存度合い が高くなっている。 現状の課題 解決イメージ 木更津市 千葉県木更津市 人口約13.6万人 15歳未満人口約1.7万人 ※e-statの2020年度人口から取得 69 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 住民を模した自治体職員によるチャットボットを用 いた子育て関連情報の収集支援 自治体職員 (住民を模した自 治体職員) 自治体職員からの質問に対し 、子育て関連の自治体HP情報や公開可能なFAQ等の情報をもとに生 成AIが回答を作成した。ユースケース2における検証用初期版のフィードバックを基に改修を行った市役 所職員版を用いて、実証を行った。 2 応対支援チャットボットを用いた自治体職員の庁 内子育て関連情報の収集業務支援 自治体職員 (子育て応援サイト 関連課市役所職員、 プロジェクトメン バー) 自治体職員からの質問に対し、「子育て応援サイト」上の情報と過去の応対履歴、FAQ情報をもとに生 成AIが回答を作成した。検証用初期版を作成し、それを用い実証を行った。その後、検証用初期版で のフィードバックを基に改修を行った改修版を作成し、それを用いて実証を行った。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC 70 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー 子育て支援課 課長 実証事業全体の統括(1人) プロジェクトマネージャー 子育て支援課 係長 実証事業におけるスケジュール管理 、効果検証の実施等 (1人) プロジェクトリーダー 子育て支援課 実証事業における課題及び解決案等の作成、 各種事務 作業等の実施(2人) 統括責任者 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 協力事業者提供サービス全般における品質管理の最終 責任者(1人) プロジェクトマネージャー EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 協力事業者における専門官としての助言を行う(1人) アドバイザー EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 協力事業者提供サービスにおける責任者(2人) プロジェクトメンバー EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 協力事業者提供サービスにおける作業の実施(1人) 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 1.実証概要 実証体制 実証体制 71 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール EY主導実証団体副担当 EY主導実証団体主導 72 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 1.実証概要 実証イメージ図 実証イメージ図 留意事項 1 2 事前にHP情報・過去の質問相談履歴等を生成AIシステム に登録した。 自治体職員が生成AIチャットボットに質問した。 住民※ 自治体職員 ユースケース 1:住民からのこども ・子育て関連情報に関する質問 ユースケース 2:自治体職員からのこども ・子育て関連情報に関 する質問 入力情報 ユースケース 1:事前登録した情報を用いて住民へ回答 ユースケース 2:事前登録した情報を用いて自治体職員へ回答 出力情報 参照情報 1 HP情報 過去応対履歴 等 2 ※ユースケース1は住民に生成AIチャットボットを利用してもらう予定だった が、リスクを鑑みて自治体職員が住民を模して生成AIチャットボットを利用 73 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 分類 集計項目 単位 ユースケース 2× チャット機能 検証用 初期版 ユースケース 2× チャット機能 改修版 ユースケース 1× チャット機能 市役所 職員版 基礎情報 利用者数 人数 13 25 62 利用回数 回 270 129 278 Good/Bad評価 回/回 147/55 75/16 59/10 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 33 10 3 回答結果の網羅性 回 15 2 2 参考情報の正確性 回 9 0 3 参考情報の網羅性 回 4 0 1 回答に対す る懸念 倫理違反を含む回答 回 15 8 2 虚偽の情報を含む回 答 回 0 0 0 権利侵害を含む回答 回 0 0 1 検証期間 ユースケース2の検証用初期版:11月~12月に検証を実施 ユースケース2の改修版:1月に検証を実施 ユースケース1の市役所職員版:1月に検証を実施 利用者数:生成AIシステムを利用した人数 利用回数:機能ごとの利用回数 Good/Bad評価:回答により解決したかどうかの判断基準 ユースケース2改修版 解決率:Good/(Good+Bad) 82.4%と、ユースケース2検証用初期版より向上したものの、回答結果の正確性が低く なっていることが考えられ、原因を調査している。 Bad評価の理由:参考情報の正確性・ 網羅性よりも回答結果の正確性・網羅性が最 も選択されていることから、システムプロンプトの調整やRAGにおける検索パラメータの調整 を行うことでより回答精度の向上が見込まれた。 回答に対する懸念:「 虚偽の情報が含まれている可能性」 が最も多く選択され 、かつ唯 一選択されていた。その他の観点については特段問題視するものでは ないと解釈した。こ れは、足切り処理機能が有効に働くことで倫理的問題への回答がなされにくいことが有効 であったものと解釈した。 ユースケース1市役所職員版 利用者数:多くの利用者数・利用回数を得ることができた。 解決率:85.5%と、ユースケース1検証用初期版より向上したものの、回答結果の正確 性・参照情報の正確性が低くなっていることが考えられ、原因を調査している。 Bad評価の理由:参考情報の正確性、 回答の正確性が最も選択されていることから 、 正しい情報を検索できていないケースが多く存在しているものと考られた。 回答に対する懸念:ユースケース1,2でも選択されていた「虚偽の情報が含まれている可 能性」に加え、「差別や偏見など倫理に違反する回答が含まれている可能性」 の選択が 確認された。内容は、多数あるこども食堂のうち、3件のみをおすすめとして表示しており 、 それが偏見に該当するものとして選択されていた。 74 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 2.ユースケース結果 ユースケース1 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①利用者の満足度の向上 NPSスコア-検証用初期版、NPSスコア-市役 所職員版 利用者の満足度は高い NPSスコア-検証用初期版:7.39 NPSスコア-市役所職員版:7.69 ※検証初期版:11月~12月に利用した生 成AIチャットボット ※改修版:1月に利用した生成AIチャット ボット ユースケース2の検証用初期版において検索精度に 対する改修要望が多く寄せられていた。そのため、検 証用初期版にて解決率の悪いテーマや入力情報に 対して正確に回答ができるように改修を実施した 。 それにより解答精度が向上したことで 、満足度も増 加したものと考えられた。 大きく向上できなかった理由としては 、限られた期 間での対応であり異音同義語(妊産婦手帳、 母 子手帳)などの検索対応が限られたもののみの 対応の為、 回答の満足度が上がらなかったことが 想定された 。 改修フェーズにおいては検索精度の向上に工数 をかけていたため 、利便性の向上が限定的となっ てしまったことで満足度が上がらなかったことが想 定された。 ②相談解決率 相談解決率-現行チャットボット、相談解決率 -市役所職員版 ※現行チャットボットと市役所職員版の解決 率を比較する 相談解決率は向上 相談解決率-現行チャットボット:39% (解決数/相談数 106/271件) 相談解決率-市役所職員版:85.5% (解決数/相談数 59/69件) 現行チャットボットに比べて解決率は大きく向上した (39%→85.5%)。理由としてはカテゴリを複数 回選択することにより結果が決定される回答仕様か ら、自由記述を用いた検索による回答仕様になった ことで、幅広い回答ができることが要因と考えられた 。 ネガティブな意見や原因はない 。 1 住民を模した自治体職員によるチャットボットを用 いた子育て関連情報の収集支援 住民を模した自治体職員を利用者として、市HPからの情報収集を生成AIが支援するユースケースを実証した。 住民を模した自治体職員からの質問に対し、市HPの子育て関連情報の情報をもとに生成AIが回答を作成した。 住民を模した自治体職員からの生成AIチャットボットへの質問に対する解決率により評価した。 生成AIチャットボットを用いた情報収集作業において、生成AIの問い合わせ回答機能に検索精度が向上するような工夫を施すことで、利用者満足度や相談解決率の向上に寄与しており、生成AIの 有効性が示された。【 ① ② 】考察 登録情報や異音同義語(妊産婦手帳、母子手帳)などの対応範囲が限定的であったことに対して、すべてのHP情報・FAQ等のRAGへの登録情報に対する改修、異音同義語の対応範囲を広くす ることが考えられる。【 ① 】改善案 住民 文章 KGI KPI 75 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 2.ユースケース結果 ユースケース2 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①子育て支援課職員の満足度の向上 NPSスコア-検証用初期版、NPSスコア-改修 版 ※利用者の満足度を0~10の10段階で評価 し、その平均値を算出 職員の満足度は高い NPSスコア-検証用初期版:7.39 NPSスコア-改修版:7.68 ※検証初期版:11月~12月に利用した生 成AIチャットボット ※市役所職員版:1月に利用した生成AI チャットボット 検証用初期版において検索精度に対する改修要望 が多く寄せられていた 。そのため、検証用初期版にて 解決率の悪いテーマや質問に対して正確に回答がで きるように改修を実施した 。それにより解答精度が向 上したことで、満足度も増加したものと考えられた。 ネガティブな意見や原因はない。 ②相談解決率 相談解決率-検証用初期版、相談解決率- 改修版 ※利用時のリアクション集計による解決数/相 談数から算出 相談解決率は向上 相談解決率-検証用初期版:72.8% (解決数/相談数 147/202件) 相談解決率-改修版:82.4% (解決数/相談数 75/91件) 解決率8割を超えた理由として 、カテゴリの選択機能 等の実装により 、自由記述の質問に対し 、意図に 沿った回答を生成できているためと考えられた。 改修フェーズでは解決率が悪かった文書に対するパラ メータの調整に加え、事前に登録した情報に対する検 索方法の改修を行うことにより解決率が向上した。 ネガティブな意見や原因はない。 2 応対支援チャットボットを用いた自治体職員の庁内 子育て関連情報の収集業務支援 自治体職員を利用者として、市HPの子育て関連情報と過去応対履歴からの情報収集を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの質問に対し、市HPの子育て関連情報と過去の応対履歴の情報をもとに生成AIが回答を作成した。 自治体職員からの生成AIチャットボットへの質問に対する解決率により評価した。 生成AIチャットボットを用いた情報収集作業において、生成AIの問い合わせ回答機能に検索精度が向上するような工夫を施すことで、利用者満足度や相談解決率の向上に寄与しており、生成AIの 有効性が示された。【 ① ② 】考察 特にない。改善案 自治体 文章 KGI KPI 76 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 生成AIを用いた回答の質が安定せず効果的に利用できなかったケース が見受けられた。 既存のチャットボットと比較し、より直感的な質問のやり取りで回答でき ており利用者満足度の向上が見込めると感じた 。また、複数の情報を 参照しなければならない質問に対しても一定の回答が得られており、利 便性が高まったと思われた。 生成AIについては、木更津市内でもChatGPT等の利用が解禁されて きているものの、業務で日常的に使えるまでに落とし込んでいた職員は 少なかったと思われた。ユースケースの一例ということで、今回具体的に 子育て関係のデータを入れた生成AIチャットボットを利用できたことは今 後の利活用に向けた展望の一助となったと考えた。 生成AIへの認識 特にない。 DX推進部門からは、庁内で先進的な取り組みを行うことに対して前向 きな意見があった。また、特に制度関連に係る軽微な問い合わせについ ては、窓口担当での大きな課題の一つであったため、それに対応した実 証ということでおおむね好意的に受け止められた。 担当部署以外 からの認識 生成AIの利活用においては明確な利用ガイドライン等がないこと、また、 コスト対効果の見えなさから導入に対するネガティブな反応もあった。 【新規ユースケース】:職員向け問い合わせチャットボットの学習データ蓄積 【詳細】:庁内職員が利用できる問い合わせチャットボットとして、電話応対等のやり取りを連携し学 習データへ取り込むことで相談履歴の蓄積及び類似案件の検索を容易にするため。 HP情報の内容がCMS(市HP等のWebサイトを一元管理するシステム)などから自動連携で きること 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 77 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ 入力イメージ(ユースケース1、2) 出力イメージ(ユースケース1、2) 木更津市内で休日に3歳のこどもを預けられる施設はありますか。 木更津市内で休日に3歳のお子さんを預けられる施設について、以下の情報を 伝えます。 休日保育を実施している施設 1. 〇〇保育園 連絡先:xxxx-xx-xxxx 利用時間:日曜日・祝日午前9時~午後6時 利用対象:3歳児 注意:休日保育の実施場所は〇〇保育園となります。 78 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は1件見られた。 業務改善策の検討に関して苦労したが、協力事業者の協力の下に検討することができた。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 業務改善策を検討する課題 業務改善事業に係る解決策として、前年度実施していた内 容をもとに再度検討を行ったものの 、自治体職員のみでは 実施することが困難だった。また、生成AIに対するリサーチが なかなかうまくいかず 、業務改善として実施したいイメージと 生成AIを利用した解決策のすり合わせに苦労した。 。協力事業者に特にどの層に向けた課題解決をしたいのか、というイメージや将来像を 共有し、解決策の検討にあたった。結果、自治体職員の利用だけでなく、将来的に利 用者自身に活用していただくことを見据えることで互いに良い結果となるような事業を 検討することができた。 79 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは4件見られた。 生成AIチャットボットが誤った情報を回答した場合、法的な問題に発展する可能性があった。生成AIに登録した情報にリスクレベルを設定し、リスクレ ベルに応じた回答をするように対策を講じた。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 住民実証の実証方法変更する課題 プロジェクト開始当初からの計画事項であった住民に対する 公開についてリスクを鑑み再検討した。 住民公開をとりやめ、自治体職員(子育て支援課以外の職員含む)が住民を模し て利用する方針に変更した。 体制・オペレーション ハルシネーションが発生するリスク 生成AIチャットボットが誤った情報を回答 (ハルシネーショ ン)した場合、市役所から誤った情報を提供されたとして法 的な問題に発展する可能性があった。 生成AIの回答に誤りが含まれている可能性があることを明記する対応を実施した 。生 成AIに登録した情報に対してリスクレベルを設定して 、リスクレベルに応じて回答方法 を変更した。事前に市プロジェクトメンバーで様々な情報を入力してテストを実施した。 体制・オペレーション 個人情報が流出するリスク 生成AIに質問を入力する際にこどもや家庭等の個人情報 が含まれてしまい、意図せず個人情報が流出してしまう可能 性があった。 Azure OpenAIを利用することで、入力された個人情報がモデルの学習に利用され、 モデルの出力として出てくる可能性に対して予防した。 生成AIを利用しているシステムであること、個人情報を入力しないよう免責注意事項 を表示する仕様とした。 体制・オペレーション 意図しないセキュリティ違反が発生するリスク 生成AIシステム及びシステム内での利用に際し 、意図せず セキュリティポリシーに反してしまう可能性があった。 関連部署にレビュー、確認してもらったうえで要機密情報の取扱いなどを検討した 。ま た、学習データとする情報はポータルサイト上のデータ及び問い合わせ対応の集約デー タのみとしたため、機密性に係る問題はない旨、関連部署より回答をもらった。 体制・オペレーション 権利侵害するリスク 生成AIが出力した文に著作権・肖像権を侵害する可能性 のある内容が意図せず含まれている可能性があった 。また、 生成AIに実証とは無関係な質問をして、著作権・肖像権を 侵害する可能性のある内容を意図的に出力させる可能性 があった。 RAG方式を用いたことと 、プロンプトの調整を行うことで RAGからの登録情報のみを 使って回答するよう制御を行った。また、無関係な質問には回答しないようにプロンプト 制御を行った。 80 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件見られた。 住民実証のKPI・KGIとして住民からデータを取得する予定だったが、自治体職員(子育て支援課以外の職員含む)が住民を模す方針に変更と なったことで当初予定していたデータの属性群ではなくなった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 比較対象データサンプル群を変更する課題 ユースケース1のKPI・KGIとして現行チャットボットの住民から のGood/Bad評価と比較を行う予定だったが、自治体職員 (子育て支援課以外の職員含む)が住民を模して利用す る方針に変更となったため 、データ取得元が計画していた属 性群でなくなった。 実証においては事務局と協議し許容されることを確認した。 体制・オペレーション 信頼性のあるデータ量が収集できない課題 ユースケース1のKPI・KGIとして現行チャットボットの住民から のGood/Bad評価と比較を行う予定だったが、自治体職員 (子育て支援課以外の職員含む)が住民を模して利用す る方針に変更となったため 、データ取得元が計画していた属 性群でなくなった。そのため、データの信頼性を確保するのに 十分なデータが集まらないリスクがあった。 実証においては事務局と協議し許容されることを確認した。 81 3.実証団体ユースケースの成果 3.3. 木更津市 4.セキュリティ概要 木更津市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 Azure OpenAI 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-4o mini モデルリージョン:米国東部 3.外部サービスの提供者の名称 Microsoft 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性1情報相当 自治体の基準における機密性1情報相当 5.利用者の範囲 木更津市健康こども部子育て支援課 3名 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 情報漏えいのリスクに対して、入力情報においては、自動学習ではなく手動でのデータ取捨選択を行ったうえで フィードバックした。 正確性のリスクに対して、職員利用に絞りチェックを行うことで正確性の担保を行うとともに 、必ず市HPの該当リ ンク等を案内し情報源を明示した。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 生成AIが利用されているサービスであることを明記した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 実証事業の目的、概要、活用方法等をポータルサイトに明文化し 、出力情報が全て正しいとは限らないこと 、 ファクトチェックをしっかり行うことを明記し利用させることとした。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 学習データについては既に公開されている市HP 、FAQデータを基本とし、職員向けにおいては過去の問い合わ せデータ等を追加する予定だったが、いずれにおいても個人情報は含まず、またこれらの情報は自治体機密性1 情報に該当すると考えられる。学習データは、文書ごとにリスク評価を行い、リスクレベルに応じた返答をするよう にした。あわせて、入力情報が学習データへ転用されるリスクについてはAzure OpenAIを利用することで、モデ ルの学習に利用されることを防いだ。出力情報については市HPの該当URLを必ず示し、利用者側の確認を容 易にするとともに既に公開済みの情報しか使わないこととした。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み 利用者からのフィードバックとして、「質問が解決した/しなかった」の回答を求めるとともに、一部の利用者は更に 詳細な満足度やコメントを受けた。また、入力された情報及び出力情報のロギングを行った。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 実証では一般利用者を対象としなかった。 セキュリティ概要 82 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①チャットボットの高度化 =「子育て問い合わせ対応生成 AIチャットボット」 子育て世帯向けの現行チャットボットの利用満足度を改善する為に 、生成AIを用いて利用者 の入力意図や状態に合ったピンポイントな回答をする機能を実証する 。 「いんざい子育てナビ 」のサイト上にある情報を取り込んだ上で 、利用者の入力情報の意図を生 成AIが解釈して 、取込み済みの情報から適切なものを取得し 、意図に沿う形で情報を整形し て提示している 。複数の意図が含まれる場合であれば生成 AIが個別質問に分解 、曖昧な情 報を入力した場合は生成AI から意図を特定する為に質問を返す機能を想定している 。この結 果、「いんざい子育てナビ 」上で利用者の解決効率と質が向上し 、利用者満足度向上が期待 できる。また、回答精度向上に伴い 、「いんざい子育てナビ 」等のWeb上で課題解決する件数 が増加する事で 、子育て支援関係各課の担当者の対応件数が削減される事も期待できる 。 ②子育てコンシェルジュ向けの応対支援チャットボットの導入 子育てコンシェルジュの育成と質的な支援を目的として 、応対時に利用できる応対支援チャット ボットを導入する 。 子育てコンシェルジュが子育て世帯から受けた相談内容をチャットボットに入力すると 、(ユース ケース①と同様に)相談内容に関連する 「いんざい 子育てナビ」のHP情報(各種制度の情報 等)及び、過去相談記録に基づくアドバイスと参考事例を生成 AIが提示する機能を想定して いる。本機能を利用することで 、類似相談がある場合は過去ノウハウを活用して応対ができ 、応 対の質の底上げが期待できます 。また、相談内容を 1度入力するだけで 、「いんざい 子育てナ ビ」上の情報と類似相談の両方を同時に参照できるようになる 。 ①子育て世帯からの問い合わせに対する現行チャットボットの回答品質の低さ 相談窓口として、ポータルサイト 「いんざい子育てナビ」 上に、チャットボット「AIスタッフ」を用意して いるものの、適切な回答が得られず 、アクションにつながることなくポータルサイトを離脱してしまうと いう課題が一定発生しており 、それが利用者の満足度の低下を起こしている 。特に曖昧な質問 や、複数テーマ・FAQに跨るような複雑な質問に対しては 、現行チャットボットでは適切に回答提 供できていない。 また、現行のチャットボットは 、回答が記載されている 「いんざい子育てナビ 」上の ページを案内する形式となっている。 そのため、利用者自身で該当ページの情報を理解して自分 のケースに当てはまる部分を考える等をする必要があり 、利用者負荷の高い作業となっている 。 ②問い合わせ対応ナレッジを活かせておらず、 問い合わせ対応職員のもつ経験・ スキルへの属人化 チャットボットのほかに「 子育てコンシェルジュ 」を設置し、相談員が妊娠 ・出産から就学前までの 子育てに関する相談に乗っている 。「子育てコンシェルジュ 」に寄せられる相談としては 、個別具 体的なものが多く 、相談員が事前調査の実施、 相談者と一緒に調査しながら回答している 。そ のため、画一的な回答が難しく 、熟練の相談員の対応が必須となっている 。しかし、子育てコン シェルジュには熟練の相談員による丁寧な対応が求められている一方で 、育成や質的支援の観 点での施策が不足している 。 現在、熟練相談員のノウハウが有効な形で利活用できていないという課題がある 。相談日誌と して子育てコンシェルジュに寄せられた相談内容とその対応アプローチ等が記録 ・管理の目的で つけられているが 、応対時に利活用できていない 。 現状の課題 解決イメージ 印西市 千葉県印西市 人口約10.2万人 15歳未満人口約1.7万人 ※e-statの2020年度人口から取得 83 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC ユースケース 利用者 内容 1 住民を模した自治体職員によるチャットボットを用 いた子育て関連情報の収集支援 自治体職員 (住民を模した自 治体職員) 市役所職員からの質問に対し 、市の子育てポータルサイト「いんざい子育てナビ」の情報をもとに生成AI が回答を作成した。ユースケース2における検証用初期版のフィードバックを基に改修を行った市役所職 員版を用いて、実証を1回行った。 2 応対支援チャットボットを用いた自治体職員の庁 内子育て関連情報の収集業務支援 自治体職員 (子育て支援課内 関係職員( 子育て コンシェルジュ含む)、 プロジェクトメン バー) 子育て支援課関係職員からの質問に対し、市の子育てポータルサイト「いんざい子育てナビ」の情報と子 育てコンシェルジュの過去の相談記録の情報をもとに生成AI が回答を作成した。検証用初期版を作成 し、それを用い実証を1回行った。その後、検証用初期版でのフィードバックを基に改修を行った改修版を 作成し、それを用いて実証を1回行った。 84 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 1.実証概要 実証体制 実証体制 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー 子育て支援課長 実証事業全体の統括(1人) プロジェクトマネージャー 子育て支援課こども政策係 実証事業におけるスケジュール管理、効果検証の実施等 (1人) プロジェクトリーダー 子育て支援課こども政策係 実証事業における課題及び解決案等の作成、各種事務 作業等の実施(1人) アドバイザー 子育て支援課こども政策係、総務部DX推進課 ユースケースやテストケース等に対する助言等 環境構築等における技術的助言等 (2人) 統括責任者 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 協力事業者提供サービス全般における品質管理の最終 責任者(1人) プロジェクトマネージャー EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 協力事業者における専門官としての助言を行う(1人) アドバイザー EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 協力事業者提供サービスにおける責任者(2人) プロジェクトメンバー EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 協力事業者提供サービスにおける作業の実施(1人) 85 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール EY主導実証団体副担当 EY主導実証団体主導 86 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 1.実証概要 実証イメージ図 実証イメージ図 留意事項 1 2 事前にHP情報・過去の質問相談履歴等を生成AIシステム に登録した。 自治体職員が生成AIチャットボットに質問した。 住民※ 自治体職員 ユースケース 1:住民からのこども ・子育て関連情報に関する質問 ユースケース 2:自治体職員からのこども ・子育て関連情報に関 する質問 入力情報 ユースケース 1:事前登録した情報を用いて住民へ回答 ユースケース 2:事前登録した情報を用いて自治体職員へ回答 出力情報 参照情報 1 HP情報 過去応対履歴 等 2 ※ユースケース1は住民に生成AIチャットボットを利用いただく予定だったが、 リスクを鑑みて自治体職員が住民を模して生成AIチャットボットを利用 87 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 分類 集計項目 単位 ユースケース 2× チャット機能 検証用 初期版 ユースケース 2× チャット機能 改修版 ユースケース 1× チャット機能 市役所 職員版 基礎情報 利用者数 人数 19 10 78 利用回数 回 354 52 185 Good/Bad評価 回/回 162/72 24/6 69/27 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 26 1 5 回答結果の網羅性 回 7 5 7 参考情報の正確性 回 3 2 0 参考情報の網羅性 回 6 6 4 回答に対す る懸念 倫理違反を含む回答 回 26 4 8 虚偽の情報を含む回 答 回 0 0 0 権利侵害を含む回答 回 0 0 1 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 検証期間 ユースケース2の検証用初期版:10月~12月に検証を実施 ユースケース2の改修版:1月に検証を実施 ユースケース1の市役所職員版:1月に検証を実施 利用者数:生成AIシステムを利用した人数 利用回数:各機能の利用回数 Good/Bad評価:回答により解決したかどうかの判断基準 ユースケース2改修版 解決率: Good/(Good+Bad) 解決率は検証用初期版の 69%から80%に向上した 。改修版では 、検証にてフィード バックの多かった検索精度向上に注力した。回答率の悪かったコンテンツに対しての改修を 行っていったため、回答率が高くなったと考えられた。 回答に対する懸念:「 虚偽の情報が含まれている可能性」 が唯一選択されていた 。その 他の観点については特段問題視するものではなく、改修の優先度が低いものと解釈した。 これは、足きり処理機能が有効に働くことで倫理的問題への回答がなされにくいことが有効 であったものと解釈した。 ユースケース1市役所職員版 利用回数:検証用職員版に比べて多く利用されました。2つのシステムがある中で、どちら かというと住民向けの使用感を試す傾向が多かったことが原因と考えられる。 解決率:解決率は71.8%だった。現行チャットボットの解決率 9%と比較して高い数値 を得られた。現行のチャットボットはルールベースで回答されていることから 、生成AIの方が 利用者の入力情報に対して的確に回答し解決に導いていると推察された。 回答に対する懸念: 「虚偽の情報が含まれている可能性」 が最も多く選択され、次いで 「差別や偏見など倫理に違反する回答が含まれている可能性」が1件選択された。後者の フィードバック内容を確認したところ 、幼稚園の例を求めた際におすすめとして 2~3件など 限られた件数のみが表示されることを偏見と捉えたためであると考えられた。 88 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 2.ユースケース結果 ユースケース1 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①利用者の満足度の向上 NPSスコア-検証用初期版、NPSスコア-市役所 職員版 ※利用者の満足度を0~10の10段階で評 価し、その平均値を算出 利用者の満足度は検証用初期版と同等 NPSスコア-検証用初期版:6.52 NPSスコア-市役所職員版:6.45 ※検証初期版:11月~12月に利用した生 成AIチャットボット 改修版:1月に利用した生成AIチャットボット 質問に対して関連する情報を整理したうえで正しい回 答を出力できており 、情報の収集に掛かる時間を短 縮できると感じた。 満足度が向上しなかった原因として 、保育園ガイド ブックに関する質問が多数あった 。保育園ガイドブッ クは検索精度向上のための改修等、 開発工数を かけていないサブ機能であったため 、学習データの 登録方法の改善や 、正確に情報の検索ができるよ うなプロンプトの工夫ができておらず 、回答ができな いケースが影響したものと考えられた 。 ②相談解決率 相談解決率-現行チャットボット、相談解決率- 市役所職員版 ※現行チャットボットと市役所職員版の解決率を 比較する 相談解決率は向上 相談解決率-現行チャットボット:9% (解決数/相談数 23/246件) 相談解決率-市役所職員版:72.7% (解決数/相談数 72/99件) 現行チャットボットに比べて解決率は大きく向上した (9%→72.7%)。理由としてはカテゴリを複数回 選択することにより結果が決定される回答仕様から 、 自由記述を用いた検索による回答仕様になったことで、 幅広い回答ができることが要因と考えられた。 ネガティブな意見や原因はない 。 1 住民を模した自治体職人によるチャットボットを用 いた子育て関連情報の収集支援 住民を模した自治体職員を利用者として、市HPからの情報収集を生成AIが支援するユースケースを実証した。 住民を模した自治体職員からの質問に対し、市HPの子育て関連情報の情報をもとに生成AIが回答を作成した。 住民を模した自治体職員からの生成AIチャットボットへの質問に対する解決率により評価した。 生成AIチャットボットを用いた情報収集作業において、生成AIの問い合わせ回答機能に検索精度が向上するような工夫を施すことで、利用者満足度や相談解決率の向上に寄与しており、生成AIの 有効性が示された。【 ① ② 】考察 改修や検索パラメータの調整が限定的であった情報を参照すると回答できないことに対して、学習データ拡充、プロンプトの調整を実施することが考えられる。【 ① 】改善案 住民 文章 KGI KPI 89 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 2.ユースケース結果 ユースケース2 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①子育て支援課職員の満足度 NPSスコア-検証用初期版、NPSスコア-改修 版 ※利用者の満足度を0~10の10段階で評価 し、その平均値を算出 職員の満足度は向上 NPSスコア-検証用初期版:6.52 NPSスコア-改修版:6.67 ※検証初期版:11月~12月に利用した生 成AIチャットボット 市役所職員版:1月に利用した生成AIチャッ トボット 検索精度が向上するように改修を加えたほか 、要望 の多かった日常会話対応機能を追加実装したことに より満足度が向上したのではないかと推測した。 ネガティブな意見や原因はない 。 ②相談解決率 相談解決率-検証用初期版、相談解決率- 改修版 ※利用時のリアクション集計による解決数/相 談数から算出 相談解決率は向上 相談解決率-検証用初期版:67.8% (解決数/相談数 139/205件) 相談解決率-改修版:80% (解決数/相談数 24/30件) 改修フェーズにおいて検索精度が向上するように改修 を加え、似たような言葉であるが全くの別制度のもの (児童手当、児童扶養手当) についてそれぞれ適 切に検索されるよう対策を講じた。 ネガティブな意見や原因はない 。 2 応対支援チャットボットを用いた自治体職員の庁内 子育て関連情報の収集業務支援 自治体職員を利用者として、市HPの子育て関連情報と過去応対履歴からの情報収集を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの質問に対し、市HPの子育て関連情報と過去の応対履歴の情報をもとに生成AIが回答を作成した。 自治体職員からの生成AIチャットボットへの質問に対する解決率により評価した。 生成AIチャットボットを用いた情報収集作業において、生成AIの問い合わせ回答機能に検索精度が向上するような工夫を施すことで、利用者満足度や相談解決率の向上に寄与しており、生成AIの 有効性が示された。【 ① ② 】考察 特にない。改善案 自治体 文章 KGI KPI 90 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 生成AIを用いた回答の質が安定せず効果的に利用できなかったケース が見受けられた。 生成AIを用いたチャットボットのユースケースのうち、 相談への回答を検 討するための情報収集機能が業務時間短縮に有効に働いており効果 的だと感じた。 実証前は生成AIに関して、情報を入力すればある程度想定する通り の回答を出力してくれるものだと思っていたが、実証を通してプロンプトを うまく調整しなければ思うような結果が得られないことを理解した 。万能 な機械ではないという認識に関する気付きはあったが 、生成AI自体が ネガティブな印象になるものではなかった。 生成AIへの認識 特にない。 生成AIを使うことで業務負荷を軽減できるという期待が大きく、実証で あったとしても実際に市の業務で生成AI に触れることでイメージしやすく なったことは一因としてあった。 担当部署以外 からの認識 今回の実証事業に関しては 、チャットボットという住民に直接触れる場 面であったため、ハルシネーションのリスクが非常に大きいといったネガティ ブな声が上がっていた。 【新規ユースケース】:生成AIによる24時間音声相談対応ができる仕組み 【詳細】:本事業では、子育て当事者の相談相手となるコンシェルジュ側の育成と質的支援の向上 が目的の一つでもあった。子育て当事者側にたつと、コンシェルジュと対面で相談することで気持ちが 楽になる方もいる一方、ただ話を聞いてもらいたいという人も少なからずいた。 HP情報の内容がCMS(市HP等のWebサイトを一元管理するシステム)などから自動連携で きること。 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 91 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ 入力イメージ(ユースケース1、2) 出力イメージ(ユースケース1、2) 先月こどもが生まれました。印西市の幼児検診について教えてください。 お問い合わせありがとうございます。 印西市の幼児検診について、以下の情報をお伝えします。 幼児検診について 1. 対象となる健診 1歳6か月児健診 対象月齢:1歳6か月から7カ月頃 内容:内科健診、身体測定、歯科健康診査受 診票の配布など 92 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は2件件見られた。 プロジェクト開始時期が遅延することで、要件定義、設計、開発のフェーズを大幅に短縮する必要があった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション プロジェクト開始時期の遅延による課題 契約関連等によってプロジェクト開始時期が当初想定より遅 くなった事と、中間報告や最終報告の時期が当初想定より も早い段階であったこともあり 、要件定義、 設計、開発の フェーズを大幅に短縮する必要があった。 要件定義、設計、開発のフェーズを大幅に短縮するなどのスケジュールの工夫を行うこ とへの労力や、学習データの準備や各種検討内容の討議の時間や判断にかけられる 時間が短くなり、単位時間あたりの負荷が増えることにより労力がかかった。 体制・オペレーション 生成AI活用イメージに関する課題 生成AI等活用やその内容をどのようにして庁内の業務に落 とし込むことができるかイメージすることが難しく、実現性を欠く 解決策になってしまうことが多数あった。 DX推進課や協力事業者に課題解決後の業務イメージを説明し 、どのような解決策 がよいかを共同して検討した。その結果、現実的かつ実証後も活用が見込まれる解決 策を創出することができた。 93 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は2件、リスクは4件見られた。 生成AIにおける学習データのデータ形式が文書ごとに異なり、統一した検索システムの構築が困難なため、文書ごとに検索インデックスを分けて構築し た。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 学習データのデータ形式に関する課題 生成AIにおける学習データのデータ形式が、文書ごとに異な るため、RAGにおける統一した検索システムの構築が困難 だった。 「令和6年度 幼稚園・認定こども園・保育園等 ガイドブック」、「ポータルサイトコンテン ツ」の検索インデックスを分け、検索を独立させることで対応した。 実証環境 相談記録系データの自治体機密性の解釈に関する課題 相談記録系データについて 、自治体機密性2、又は1情報 と解釈していたが、自治体機密性3情報の扱いに変更となっ た。それに応じて、相談記録系データを含むプロンプトのリクエ スト先を、国内に変更した。 相談記録系データを含んだプロンプトを用いて生成AI による回答をさせる場合は海外 リージョンにデプロイしたモデルでなく、国内リージョンにデプロイしたモデルにリクエストを投 げる方針とした。 実証環境 ハルシネーションが発生するリスク 生成AIチャットボットが誤った情報を回答 (ハルシネーショ ン)した場合、市役所から誤った情報を提供されたとしてさ まざま問題に発展する可能性があった。 生成AIの回答に誤りが含まれている可能性があることを明記する対応を実施した 。登 録情報に関してリスクレベルを設定して、リスクレベルに応じて回答方法を変更した。事 前に市プロジェクトメンバーで様々な情報を入力してテストを実施した。 実証環境 個人情報が流出するリスク 生成AIに状況を入力する際に個人情報が含まれてしまい 、 意図せず個人情報が流出してしまう可能性があった。 Azure OpenAIを利用することで予防した。生成AI を利用しているシステムであること、 個人情報を入力しないよう、免責注意事項を表示する仕様とした。 体制・オペレーション セキュリティポリシーに違反するリスク 生成AIシステム及びシステム内で利用に際し 、意図せずセ キュリティポリシーに反してしまう可能性があった。 関連部署にレビュー、確認してもらったうえで要機密情報の取扱いなどを検討した。 体制・オペレーション 権利侵害するリスク 生成AIが出力した文に著作権・肖像権を侵害する可能性 のある内容が意図せず含まれている可能性があった。 RAG方式を用いたことと、プロンプトを調整することによりRAGの登録情報のみを使って 回答するよう制御を行った 。また、無関係な質問には回答しないようにプロンプト制御 を行った。 94 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件見られた。 住民実証のKPI・KGIとして住民からデータを取得する予定だったが 、自治体職員(子育て支援課以外の職員含む )が住民を模す方針に変更と なったことで当初予定していたデータの属性群ではなくなった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 比較対象データサンプル群を変更する課題 ユースケース1のKPI・KGIとして現行チャットボットの住民から のGood/Bad評価と比較を行う予定だったが、自治体職員 (子育て支援課以外の職員含む)が住民を模して利用す る方針に変更となったため 、データ取得元が計画していた属 性群でなくなった。 実証においては事務局と協議し許容されることを確認した。 体制・オペレーション 信頼性のあるデータ量が収集できない課題 ユースケース1のKPI・KGIとして現行チャットボットの住民から のGood/Bad評価と比較を行う予定だったが、自治体職員 (子育て支援課以外の職員含む)が住民を模して利用す る方針に変更となったため 、データ取得元が計画していた属 性群でなくなった。そのため、データの信頼性を確保するのに 十分なデータが集まらないリスクがあった。 実証においては事務局と協議し許容されることを確認した。 95 3.実証団体ユースケースの成果 3.4. 印西市 4.セキュリティ概要 印西市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 Azure OpenAI 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-4o mini、GPT-3.5-Turbo モデルリージョン:米国東部、東日本 3.外部サービスの提供者の名称 Microsoft 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性3情報相当 5.利用者の範囲 印西市健康こども部子育て支援課 (9名) 印西市総務部DX推進課(3名) 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 生成AIモデルに入力した要機密情報がクラウド事業者の学習データとして転用され、 他の利用者への出力に 含められてしまうことで情報が漏えいする懸念に関しては、Azure OpenAIを利用することで、入力情報はモデ ルの学習に利用されることはなく、そのため、入力した情報が他利用者への出力に含められてしまうことはなかった。 利用者のプロンプトインジェクションにより、システム内に組み込まれた内部情報が窃取・改ざんされる懸念に関し ては、プロンプトにおける利用者入力文章の明示し、システムとしての命令がリセットされないようにした。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 生成AIが利用されているサービスであることを明記した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 実証事業の目的、概要、活用方法等を明文化し、利用者にあらかじめ同意を取ったうえで利用させることとす る。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 学習利用データについては既に公開されている市HP を基本とし、職員向けにおいては個人情報をマスキングし た過去の問い合わせデータ等を追加した 。あわせて 、入力情報 が学習データへ転用されるリスクについては Azure OpenAIを利用することで、生成AIモデルの学習に利用されることを防いだ。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み 利用者からのフィードバックとして、「質問が解決した/しなかった」の回答を求めるとともに、一部の利用者は更に 詳細な満足度やコメントを受けることとした。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 実証では一般利用者を対象としなかった。 セキュリティ概要 96 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①生成AIを用いた各種活動記録文面の作成支援( 課題①に対応): 保育士が記述したこどもの姿をもとに 、生成AIが連絡帳、クラス日誌 、ドキュメンテーションの文 面案を作成することで 、保育士の活動記録作成業務を支援する 。一つの記述を起点に複数の 記録を作成可能にすることで 、書類作成業務の負荷軽減を図る 。 ②生成AIを用いた探究的な学びを促す明日の活動のデザイン支援( 課題②に対応): 保育士が記述したこどもの姿をもとに 、生成AIがこどもの興味 ・関心を捉え、探究を深める活動 を提案することで 、保育士の明日の活動デザイン業務を支援する 。生成AIが様々な教育学や 研究メソッドに基づく提案をすることで 、保育士は自身の知見や経験を超えて 、幅広い選択肢 を検討できる 。 ①ドキュメンテーションの作成やカリキュラムの随時更新といった新たな書類作成業務による保育士 への負荷の増加 ②探究的な学びをデザインするノウハウの積み上がり不足 現在、加賀市ではこれからの保育・ 教育において大切にしたい保育ビジョンと行動計画を 「加賀 市保育ビジョン 2024―2026」として定め、公立保育園全園での 「創造性を育む保育・ 教育」 の導入・実践を進めている 。そして、こどもごとの探究的な学びを充実させるべく 、学びのプロセス を記録し可視化する教育的ドキュメンテーションを取り入れ 、またこどもの興味関心に合わせられ るようにカリキュラムに柔軟性を持たせつつ 、継続的に保育の質を高める取り組みを始めている 。 その一方で、取り組みが始まった初期の段階であることもあり 、課題が存在する 。 現状の課題 解決イメージ 加賀市 石川県加賀市 人口約6.3万人 15歳未満人口約7千人 ※e-statの2020年度人口から取得 97 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容※1 1 保育園職員のこどもごとの姿を起点とした連絡帳 文面の作成業務支援 保育施設職員 保育施設職員が記述したこどもの姿をもとに、生成AIが連絡帳文面案を作成した。 2 保育園職員のこどもごとの姿を起点としたクラス日 誌の作成業務支援 保育施設職員 保育施設職員が記述したこどもの姿をもとに、生成AIがクラス日誌文面案を作成した。 3 保育園職員のこどもごとの姿を起点とした探究的 な学びを促す明日の活動のデザイン業務支援 保育施設職員 保育施設職員が記述したこどもの姿をもとに、生成AIが探究的な学びを促す明日の活動案を作成した。 4 保育園職員のこどもごとの姿を起点とした教育的 ドキュメンテーションの作成業務支援 保育施設職員 保育施設職員が記述したこどもの姿をもとに、生成AIがドキュメンテーション案を作成した。 ※1:団体のセキュリティ方針として実証で個人情報を扱わない方針となったため 、実際の保育施設のこどもの画像は使用せず、保育施設職員が記述したこどもの姿を基に生成AIが文 書を作成するユースケースに変更となった。一方で、商用利用可能なフリー画像を用いて、①こどもの顔を登録②保育活動時の写真を登録③写真からこどもの様子をドキュメンテーション 化する技術検証は実施し、画像から連絡帳文面・クラス日誌の作成が可能なことは確認できた。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:スマートフォン ※2:次頁「実証体制」は団体からの要望で非公開としました。 98 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 協力事業者主担当 実証団体主担当 99 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 1.実証概要 実証イメージ図 保育施設職員 ユースケース 1、2、3、4: こどもの姿を記載した文章 商用利用可能なフリー画像 入力情報 ユースケース 1:連絡帳の文面案 ユースケース 2:クラス日誌の文面案 ユースケース 3:探究的な学び活動のアイデア ユースケース 4:教育的ドキュメンテーションの文章案 出力情報 実証イメージ図 留意事項 1 2 自治体のセキュリティポリシーを踏まえて 、実際の保育施 設のこどもの画像は使用せず、保育施設職員が記述した こどもの姿を入力情報とした 。一方で、商用利用可能な フリー画像を用いた技術検証のみ実施した。 自治体機密性1情報のみを利用した 1 こどもの姿を 観察 保育に関する 参考情報 2 参照情報事前情報 100 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 利用者数:生成AIシステムの利用人数 利用回数:各機能の入力回数 実証で利用したシステムのコンセプトは、「こどもの姿のテキスト文案」 を入力するだけで、ユースケース1、2、3、4の結果が一気にでること だった。そのため、各ユースケースにおける利用者数/利用回数は共 通になっている。 ※ユースケース2の文章生成機能は11月は実装中のため、ユース ケース2の文章生成機能のみ利用者人数/利用回数が異なる。 分類 集計項目 単位 ユースケース 1×文章生成 機能 ユースケース 2×文章生成 機能 ユースケース 3×文章生成 機能 ユースケース 4×文章生成 機能 基礎情報 利用者数 人数 24 9 24 24 利用回数 回 151 15 151 151 Good/Bad評価 回/回 取得なし 取得なし 取得なし 取得なし Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 取得なし 取得なし 取得なし 取得なし 回答結果の網羅性 回 取得なし 取得なし 取得なし 取得なし 参考情報の正確性 回 取得なし 取得なし 取得なし 取得なし 参考情報の網羅性 回 取得なし 取得なし 取得なし 取得なし 回答に対す る懸念 倫理違反を含む回答 回 取得なし 取得なし 取得なし 取得なし 虚偽の情報を含む回答 回 取得なし 取得なし 取得なし 取得なし 権利侵害を含む回答 回 取得なし 取得なし 取得なし 取得なし 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 101 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 2.ユースケース1、2、3、4 資料作成業務において、生成AIの文章作成機能が保育園職員のe-NPSや定性評価といった業務効率性や生成AIの有効性に寄与することが示された。【 ① ② ③ 】考察 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育園職員のe-NPSの向上 システムのe-NPS (10点満点中9点以上を付けた人割合ー 10点満点中6点以下を付けた人の割合) 業界大手と同水準のスコアを取得 システムのe-NPS:-50% (10点満点中、5点から8点に一人ずつ分布 し、業界大手のICTシステムの平均スコアであ る-63%を上回る値。) 資料作成に係る事務作業負担を軽減でき 、それ によって残業時間を削減できた 。 探究活動の検討に掛かる負担を軽減できた。 業務負担軽減の実感値が少ないため 、他者に積 極的に勧めるほどの高い評価は得られなかった 。 生成AI を利活用することを想定した業務オペレー ションになっておらず 、生成AI を十分に活用するた めの時間をとることができなかった 。 ②生成AIの出力情報に対する〇×評 価 生成AIの出力情報に対する〇×評価 出力情報の評価は高い 生成AIの出力情報に対する〇×評価:〇 利用者が規定フォーマット通りに出力できていたと回 答した。 ネガティブな意見や原因はない 。 ③保育園職員による定性評価 システムの継続利用希望者割合 システムの継続意向は高い システムの継続希望者割合:100% 全回答者がいずれかのユースケースに対し 、継続 意向を表明した。 資料作成に係る事務作業負担を軽減でき 、それ によって残業時間を削減できた 。 探究活動の検討に掛かる負担を軽減できた。 生成AI を利活用することを想定した業務オペレー ションになっておらず 、生成AI を十分に活用するた めの時間をとることができなかった 。 生成AIを十分活用するための時間がないことに対して、生成AIを活用することを前提とした業務オペレーションを設計することが考えられる。【 ① ③ 】改善案 1 2 3 4 保育園職員のこどもごとの姿を起点とした 連絡帳文面の作成業務支援 クラス日誌の作成業務支援 探究的な学びを促す明日の活動のデザイン業務支援 教育的ドキュメンテーションの作成業務支援 保育園職員を利用者として、連絡帳文面等の作成と明日の活動のデザインを生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育園職員からの入力情報に対し、現場の写真やテキスト情報をもとに生成AIが連絡帳文面・クラス日誌等の文章案を作成し、明 日の活動のデザイン案を提供した。 保育園職員によるアンケート結果及びインタビュー結果により評価した。 保育施設 画像 文章KGI KPI KPI 102 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 生成AIシステムそのものに対して漠然とした不安感を覚えた。 生成AIシステムを利用するための十分な時間をとることができず、 生成AIの効果を実感できる機会が限られていた。 生成AIを活用することで事務手続きの軽減や探究活動における新た な気付きの取得につながりそうに感じた。 実証前からChatGPTの利用経験などから 、生成AIの活用が保育現 場の問題解決や利便性の向上に繋がると認識していた。 セキュリティ面で課題が生じたが、個人情報を除いたテキストを入力する だけでも実証前に期待していた出力情報を得ることができた。 生成AIへの認識 生成AIシステムに全てを任せるのではなく、生成AIシステムをツールとし て活用していく意識の習熟、職員の情報リテラシの向上が重要であると 感じた。 庁内で生成AI(ChatGPT)を活用してきた中では、文書からの生成 が主であったことに対し、この実証では画像や映像からの文章の生成を 試みたことで、その可能性を感じた。 担当部署以外 からの認識 生成AIに投げかけた内容がどのように処理されているかがわかりづらく、 クラウド技術との組み合わせでさらに理解することが複雑となっていた。 【既存ユースケース】:ユースケース1、2 、3 、4 【詳細】:実証で取り組んだユースケースをブラッシュアップしていくことが大事だと考えているため。 生成AIの活用に関する業務全般において、安全に個人情報を入力できること 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 103 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/5) 入力イメージ 出力イメージ 104 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/5) 入力イメージ詳細(ユースケース1) 出力イメージ詳細(ユースケース1) 今日の保育活動のねらい:伝統行事の由来について知り自分なりに考えてみようとする 今日のポイントとなる活動と援助:こどもたちの声を丁寧にひろい、こどもが主体となる活 動とする こどもの姿の詳細:5歳児クラスでは節分にちなんだ絵本を読んで由来を知って自分の 中にいる鬼について考えました。こどもたちからは「話しを聞かない鬼」「けんかする鬼」がい ると意見が出たのでその意見を元にその鬼ってどんな姿?と問いかけその姿を想像しても らい、墨汁を使って描きました。 (以下自動入力) こどもの姿の詳細より学びの共有を作成してください。 学びの共有とは登場したこどもそれぞれの様子に着目した保護者への連絡帳です。 わかりました。学びの共有を作成します。 Aさん 今日は節分に関連する絵本を読み、自分の中の鬼について考える活動をしました。A さんは「おこりんぼう鬼」を考え、墨汁を使ってその姿を描きました。描きながら「これは僕 の中の怒った時の顔だよ」と話してくれました。自分の感情を絵で表現することに興味を 持ち、とても集中して取り組んでいました。このような活動を通じて、自分の感情を客観 的に見つめる力が育まれているように感じます。家庭でも、どんな時にその鬼が出てくる のか話し合ってみると、さらなる理解が深まるかもしれません。 105 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(3/5) 入力イメージ詳細(ユースケース2) 出力イメージ詳細(ユースケース2) 今日の保育活動のねらい:公共のマナーを知って守ろうとする 今日のポイントとなる活動と援助:公共でのマナーやルールを知り、お互いさまの精神や 交代しながら遊ぶなど、相手を思いやることの気持ちの良さを感じてもらう こどもの姿の詳細:4、5歳児合同で公共の公園に出かけました。声の大きさや譲り合っ て遊ぶことを話しあってから遊ぶと、ルールを守って遊ぼうとする姿が見られました。 (以下自動入力) こどもの姿の詳細より保育日誌を作成してください。 わかりました。保育日誌を作成します。 保育のねらい:公共のマナーを知って守ろうとする 4歳と5歳のこどもたちが合同で公共の公園に出かけ、声の大きさや譲り合いながら遊 ぶことについて話し合いました。こどもたちはそれぞれのルールを守ろうとし、譲り合いなが ら遊ぶ姿が見られました。公園での活動を通して、こどもたちは公共のマナーについての 理解を深めました。実際に体験することで、抽象的な概念が具体化し、彼らの行動に 反映されることがわかりました。 106 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(4/5) 入力イメージ詳細(ユースケース3) 出力イメージ詳細(ユースケース3) 今日の保育活動のねらい:自然現象と出会う・知る 今日のポイントとなる活動と援助:こどもの声を丁寧に広い、身の回りにある自然を考え る活動とする こどもの姿の詳細:空を見て、雨降ってないよと伝える。雨は青色、白色、水色と言う (以下自動入力) こどもの姿の詳細より明日の探究活動案を作成してください。 今日の遊びや遊具でこどもが興味を示した対象を 、より深く掘り下げて分析し 、理解を 深めることができる活動案を目指してください。 わかりました。明日の探究活動案を提案します。 空の色をみんなで探してみるのはいかがですか? 空の色に興味を持つこどもたちと一緒に、空の色を観察しながら、どんな色が見えるかを 探究する活動です。空の写真を撮影してその色を紙に描く活動や、青色、水色、白色 の絵の具を使用して空を描くアート活動を通じて、色の認識や表現力を高めます。 学びのポイント • 観察:空の色の変化を観察する • 色彩:空の色を表現し、色のバリエーションを理解する • 感覚体験:絵の具を使用して色を混ぜる体験 107 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(5/5) 入力イメージ詳細(ユースケース4) 出力イメージ詳細(ユースケース4) 今日の保育活動のねらい:自然現象と出会う・知る 今日のポイントとなる活動と援助:こどもの声を丁寧に広い、身の回りにある自然を考え る活動とする こどもの姿の詳細:空を見て、雨降ってないよと伝える。雨は青色、白色、水色と言う (以下自動入力) こどもの姿の詳細よりドキュメンテーションを作成してください。 こどもの台詞や発した言葉はそのままに、こどもの表現や行動や思いを記述してください。 空と雨の色を探る一日 あるこどもが空を見て「雨降ってないよ」と言い、雨の色を青色、白色、水色と表現しま した。この発言をきっかけに、空や雨の色について考える活動を行いました。こどもたちが 自らの言葉で自然を表現する姿は、感性豊かで素晴らしいです。この探究を通して、 色に対する理解が深まり、創造力も育まれていると感じました。こどもたちの多様な視点 を大切にし、さらに深めていけるよう支援したいです。 108 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 庁内セキュリティポリシーに合わせたセキュリティ対応が必要となることに対して、加賀市担当者と協力事業者で綿密なコミュニケーションを取り、開発方 針を決定した。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 実証結果のデータ取得元変更に関する課題 各種文書のフォーマットを策定する必要があった。 加賀市が今年度検討を進めている保育計画・記録の様式の想定内容を、順次現時 点版として協力事業者に共有した。また、フォーマットが大きく変わらないユースケースか ら先行して開発に着手した。 体制・オペレーション セキュリティポリシーに違反するリスク 加賀市のセキュリティポリシーも満たせない場合、デプロイ方 針を再考する必要があった。 市のセキュリティポリシーは国のガイドラインの更新にあわせてアップデートしつつ 、実証に ついては最低限リスク回避ができるよう 、セキュリティポリシー条文を一つずつ 、協力事 業者と読み合せて開発方針を決定した。 109 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは3件見られた。 推進体制上の調整として、個人情報の取扱いに関する課題・リスクが挙げられたが、本事業では実際のこどもの写真は利用しないことで対応した。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 セキュリティポリシーの設計方針の課題 加賀市のセキュリティポリシーに準じて設計方針を決定する 必要があった。 市の各規準についての検証を中心に確認した。明らかに想定されるリスクについても確 認したが、システムの具体的な設計が固まる過程において 、リスクとなる項目を改めて 整理・確認を実施した。 実証環境 設計の具体化に伴うセキュリティポリシーに準拠できないリ スク 初期段階ではセキュリティポリシーに準拠する利用データ ・生 成AIシステムを構築する想定でしたが 、ガイドライン等の変 更やシステム設計を具体化していく中でセキュリティポリシーに 準拠できない箇所が出てくる可能性があった。 庁内セキュリティポリシー準拠を第一優先とし、リスクが発生する場合は利用データ・生 成AIを含めたシステムのいずれかを変更し対応した。 体制・オペレーション 性的姿態等の撮影対策が必要となるリスク カメラ映像(個人情報)の実証内での取扱いについて、性 的姿態等の撮影対策を含め、十分な検討が必要だった。 実際のこどもの写真を活用せず著作権フリーの写真を用いた精度検証を行う方針に 変更した。 体制・オペレーション 保護者から賛同を得られないリスク 実証を現場の園で実施していくにあたり 、保護者から賛同を 得られない場合に 、想定している実証が推進できない可能 性があった。 実際のこどもの写真を活用せず著作権フリーの写真を用いた精度検証を行う方針に 変更することで、個人情報は扱わないようにし、保護者に対して実証実施の周知のみ を行った。 110 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件、リスクは1件見られた。 実証現場のスケジュールの関係上AIシステムの利用時間が十分とれない可能性があったが、対面にてシステム利用説明会やユースケースの試用会を 行うことで最低限の利用者数を担保した。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 既製品ではないサービス検証を行う課題 市のガイドラインは、既製品が対象の前提で決められており、 製品化前のプロダクトの価値検証においてはセキュリティ面で 満たせない項目(例:ISMSなど)が多く、スムーズな実証 が困難だった。 実証の中ではセキュリティ面を遵守する前提でやり方を模索しつつ、製品化前のサービ スの検証などにむけてのルール整備は別途検討した。 体制・オペレーション 市の個人情報取扱いポリシー等に関する課題 市の新しいガイドラインに紐づく個人情報・ 性的姿態の写真 の取扱いを考慮する必要があった。 加賀市でテストした結果、テキスト入力➔テキスト出力でも十分効果検証ができそうな 見込みがあり、現場においては写真を活用しない前提で検証を行った。写真からテキス トを出力する技術的な検証は実施したが、その際は既に世の中に公開されている著作 権フリーな画像を利用した。 体制・オペレーション 実証に十分な協力を得られない可能性があるリスク 現場での実証が約2週間の想定でしたが、現場が多忙なた め、想定よりもAIシステムに触ってもらえる時間が十分にとれ ない可能性があった。 実証開始時に、園の現場に訪問し、対面にて使い方の説明会や、その場で最低限の ユースケースを試してもらうことで最低限の利用者数を担保した。 111 3.実証団体ユースケースの成果 3.5. 加賀市 4.セキュリティ概要 加賀市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 名称なし(実証用に新たに生成AI環境を構築したため) 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure、Amazon Web Service モデル詳細:GPT-4o (PTU利用) モデルリージョン:東日本 3.外部サービスの提供者の名称 株式会社 エクサウィザーズ 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性1情報相当 自治体の基準における機密性1情報相当 ※実証初期は自治体機密性2情報を扱う予定だったが、自治体機密性1情報に変更した。 5.利用者の範囲 加賀市住民健康部 職員 26名(内訳:管理職3名、子育て支援課5名、加陽保育園18名) アクセス元(IPアドレス)制御・通信の暗号化・情報へのアクセス方法の監視及び管理を行った。 情報を取扱う環境に実証に無関係なアプリケーションはインストールせず、情報の持出しを行わなかった。 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 入出力データがOpenAI社から隔離されたサービスであるAzure OpenAIを利用しました(APIの利用のため 学習データに利用されない)。 生成AIモデルが応答するコンテキストを制限し、特定の領域やトピックに絞った。 利用団体ごとの環境分離を行い、生成AIモデルが生成する内容に他団体の情報が含まれないようにした。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 生成結果を表示している部分を明確にし、該当箇所に「※生成AIによって生成された内容には誤りが含まれて いる可能性があります」という注釈を入れた。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 目的外の利用や第三者へ提供を行わなかった。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 入出力データがOpenAI社から隔離されたサービスである Azure OpenAIを利用し(APIの利用のため学習 データに利用されない)、利用するデータセンタを国内に限定した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み 生成結果を表示している部分を明確にし、該当箇所に「※生成AIによって生成された内容には誤りが含まれて いる可能性があります」という注釈を入れた。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 こどもの保護者からの代諾を得て、承諾を得られたこどもの写真だけの利用になるよう事前のチェックを行った。 セキュリティ概要 112 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 1.実証概要 課題と解決イメージ 生成AIを用いた対話形式による業務支援 各種文章案・イラスト案・イベント企画案の作成、データ分析作業、翻訳作業を生成AI との対 話形式で、生成 AIが作成又は提案することで、職員の業務負荷を削減する。 データ分析や翻訳業務に必要な専門的な知識・能力を生成AI の機能で補う。 ①業務負荷が大きい 少ない職員でいかに膨大な業務を効率的に実施していくかという課題がある。 令和6年度より、「こどもの権利条例」の制定に向けて、①こどもの権利条例の制定過程での周 知、②こどもの権利に関する条例検討委員会の運営、③こどもへのヒアリングの実施、④こども・ 住民アンケート、⑤関係機関のヒアリングなど、多大な業務を 3人体制で実施していかなければ ならず、業務量と業務時間の切迫という課題がある。なかでも、こどもの権利条例の制定過程を 周知するための広報物の作成業務(文章案の作成・画像の作成など)やこどもの権利に関す る条例検討委員会の運営業務における議事録の要約や委員会のシナリオ作成業務、アンケー トなどの各種調査で得たデータ分析業務、各種イベントの企画業務、広報物の翻訳業務の負 荷が大きいと感じている。 ②専門的な知識・能力がない アンケートなどのデータ分析や翻訳作業には専門的な知識や能力が必要なため、一般事務職 が業務を実施することは困難である。 現状の課題 解決イメージ 富田林市 大阪府富田林市 人口約10.8万人 15歳未満人口約1.2万人 ※e-statの2020年度人口から取得 113 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 こどもの権利条例の制定過程の周知に向けた広 報物の文章案の作成業務支援 自治体職員 こどもの権利条例の周知に向けた広報物の文章案を生成AIが作成した。 2 こどもの権利条例の制定過程の周知に向けた広 報物のイラストの作成業務支援 自治体職員 こどもの権利条例の周知に向けた広報物の画像案を生成AIが作成した。 3 条例検討委員会におけるシナリオ案の作成業務 支援 自治体職員 こどもの権利条例検討委員会の資料・シナリオ案を対話形式で生成AIが作成した。 4 条例検討委員会における議事録要約案の作成 業務支援 自治体職員 議事録のテキストデータを読み込み、対話形式で誤字脱字の修正と要約を生成AIが作成した。 5 各種調査結果の整理・分析及び報告書の作成 業務支援 自治体職員 各種調査の意見を読み込み、意見の整理や分析を対話形式で生成AIが行った。 6 各種イベント内容等の企画及び資料の作成業務 支援 自治体職員 イベントの目的やテーマをもとにイベント内容を対話形式で生成AIが企画した。 7 各種文書の多言語版の作成業務支援 自治体職員 アンケート等の多言語版の作成を対話形式で生成AIが行った。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC 114 役割 所属 詳細 管理者 こども政策課 実証研究事業全体の統括責任者(1人) リーダー こども政策課 実証研究事業全体の全体管理と担当者への指示 (1人) 担当者 こども政策課 実証研究事業の 作業担当(2人) 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 1.実証概要 実証体制 実証体制 115 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 116 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 1.実証概要 実証イメージ図 自治体職員 ユースケース 1:広報物の文章の作成方針 ユースケース 2:広報物のイラストの作成方針 ユースケース 3:条例検討委員会のシナリオデータ ユースケース 4:条例検討委員会の議事録データ ユースケース 5:各種調査結果データと分析方針 ユースケース 6:イベントの企画方針 ユースケース 7:翻訳を行う各種文書 入力情報 ユースケース 1:広報物の文章案 ユースケース 2:広報物のイラスト案 ユースケース 3:条例検討委員会のシナリオ案 ユースケース 4:条例検討委員会の議事録要約案 ユースケース 5:各種調査の分析結果 ユースケース 6:イベントの企画案 ユースケース 7:翻訳された各種文書 出力情報 参照情報 実証イメージ図 留意事項 1 ユースケース4は条例検討委員会の音声を録音したデータを 文字起こしして入力情報とした。 2 過去の各種資料 事前情報 文字起こしデータ 条例検討委員会 会議 1 2 ユースケース2は海外サーバでデータ処理を行うため、自治体 機密性1情報のみを利用した。 117 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(1/2) ユースケース1、2、3、4、5共通 利用者数:生成AIシステムを利用した利用者ID数 利用回数:1つの連続した対話につき1回とカウント Good/Bad 評価:回答に対する Good/Bad の評価回数 全てのユースケースにおいて Good評価が75%以上を記録しており、 良い評価を得ていると思われた。 回答に対する懸念:各ユースケースで回答に対する懸念に値する 回答は倫理違反を含む回答 、虚偽の情報を含む回答発生してお らず、コンテンツフィルタが機能していると思われた。 ユースケース2(委員会業務支援) Badの評価理由において回答結果の正確性が 9回、回答結果の 網羅性と参考情報の正確性が 4回、参考情報の網羅性が2回問 題があると評価された。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× テキスト生成AI チャット機能 ユースケース2× 画像生成AI チャット機能 ユースケース 3、4× テキスト生成AI チャット機能 基礎情報 利用者数 人数 2 1 2 利用回数 回 40 14 28 Good/Bad評価 回/回 172/6 113/1 68/2 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 4 1 9 回答結果の網羅性 回 1 0 4 参考情報の正確性 回 0 0 4 参考情報の網羅性 回 0 0 2 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 0 0 0 虚偽の情報を含む回答 回 0 0 0 権利侵害を含む回答 回 0 0 0 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 118 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(2/2) ユースケース1、2、3、4、5共通 利用者数:生成AIシステムを利用した利用者ID数 利用回数:1つの連続した対話につき1回とカウント Good/Bad 評価:回答に対する Good/Bad の評価回数 全てのユースケースにおいて Good評価が75%以上を記録しており、 良い評価を得ていると思われた。 回答に対する懸念:各ユースケースで回答に対する懸念に値する 回答は倫理違反を含む回答 、虚偽の情報を含む回答発生してお らず、コンテンツフィルタが機能していると思われた。 ユースケース5(多言語翻訳) Badの評価理由にて回答結果の正確性、網羅性、参考情報の正 確性、網羅性に問題がある回答とフィードバックがあった。 分類 集計項目 単位 ユースケース5× テキスト生成AI チャット機能 ユースケース6× テキスト生成AI チャット機能 ユースケース7× テキスト生成AI チャット機能 基礎情報 利用者数 人数 2 1 1 利用回数 回 29 6 4 Good/Bad評価 回/回 97/26 20/0 61/12 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 26 0 11 回答結果の網羅性 回 0 0 7 参考情報の正確性 回 0 0 7 参考情報の網羅性 回 0 0 7 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 0 0 0 虚偽の情報を含む回答 回 0 0 0 権利侵害を含む回答 回 0 0 0 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 119 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 ユースケース1(1/2) KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①広報物の作成時間の削減 庁内掲示板の文章案の作成時間、広報誌 の原稿案の作成時間 作成時間の削減 庁内掲示板の文章案の作成時間: 2時間→0.5時間 広報誌の原稿案の作成時間: 1.5時間→1時間 定型的な文章の場合、あらかじめプロンプトのテンプ レートを作成することで、それに合わせた文章内容に 置き換えることができ、人手で広報物の文章を作成 するより業務時間が短縮できた。 ネガティブな意見や原因はない 。 ②生成AIによって作成された広報物の 採用率 庁内掲示板の文章案の採用率、広報誌の 文章案の採用率 採用率は低い 庁内掲示板の文章案の採用率:普通(数 か所採用) 広報誌の文章案の採用率:低い(1か所の み) 生成AIの文章案に対して、人手による誤字脱字の 修正はなかった。 生成AIによってタイトル案・見出し案が例示されるた め、広報物の全体構成やタイトル ・見出し案を考え る時間が短縮できた。 生成AI に対して作成指示がうまく伝わらず 、意図 とは異なる文章案が作成されることが多々あった 。 1 こどもの権利条例の制定過程の周知に向けた広報 物の文章案の作成業務支援 自治体職員を利用者として、広報物の文章の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、過去の広報物の文章やWebサイトをもとに生成AIがテーマにあった文章を作成した。 実証に参加した自治体職員の満足度評価結果及び作業時間の変化によって評価した。 広報物の文章案の作成業務において、生成AIの文章作成機能が、作成時間や満足度といった業務効率性や利用者満足度に寄与することが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 生成AIへ指示が上手く伝わらず意図とは異なる結果が出力されることに対して、試行錯誤してプロンプトを調整することが考えられる。【 ② 】改善案 自治体 文章 KGI KPI 120 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 ユースケース1(2/2) KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③生成AIを使用した職員の満足度 庁内掲示板の文章案作成における職員の満 足度、広報誌の原稿案作成における職員の 満足度 満足度は普通 庁内掲示板の文章案作成における職員の満 足度:普通 広報誌の原稿案作成における職員の満足 度:普通 生成AIが出力した文章案に対して 、人手による誤 字脱字の修正はなかった。 生成AIによってタイトル案・見出し案が例示されるた め、広報物の全体構成やタイトル ・見出し案を考え る時間が短縮できた。 ネガティブな意見や原因はない 。 ④広報物への対象者の満足度 庁内掲示板の文章案の「いいね」の数 「いいね」の数は増加 庁内掲示板の文章案の「いいね」の数:平均 7.8→19 生成AIが出力した文章案に対して 、人手による誤 字脱字の修正はなかった。 生成AIによってタイトル案・見出し案が例示されるた め、広報物の全体構成やタイトル ・見出し案を考え る時間が短縮できた。 ネガティブな意見や原因はない 。 1 こどもの権利条例の制定過程の周知に向けた広報 物の文章案の作成業務支援 自治体職員を利用者として、広報物の文章の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、過去の広報物の文章やWebサイトをもとに生成AIがテーマにあった文章を出力した。 実証に参加した自治体職員の満足度評価結果及び作業時間の変化によって評価した。 広報物の文章案の作成業務において、生成AIの文章作成機能が、作成時間や満足度といった業務効率性や利用者満足度に寄与することが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 生成AIへ指示が上手く伝わらず意図とは異なる結果が出力されることに対して、試行錯誤してプロンプトを調整することが考えられる。【 ② 】改善案 自治体 文章 KPI KPI 121 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 ユースケース2 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①広報物の作成時間の削減 イラストの作成時間 作成時間は変化なし イラストの作成時間:30分→30分 ポジティブな意見や原因はない。 意図しているイラストを作成するためには生成 AI に対して詳細な指示を行う必要があり 、そのプロ ンプトを検討することに時間がかかった 。 一度作成したイラストが保存されなかったことによ り、同じテイストのイラストを作成することに時間が かかった 。 ②生成AIによって作成された広報物の 採用率 イラストの採用率 採用率は高い イラストの採用率:高い 画像生成のプロンプトを検討する際に 、実証環境 外の画像生成 AIのプロンプト作成ツールや 、実証 環境の文章生成AIを利用することによって、比較的 指示通りのイラストが出力された。 生成AI に対して作成指示がうまく伝わらず 、意図 とは異なるイラストが作成されることが多々あった 。 ③生成AIを使用した職員の満足度 イラスト作成における職員の満足度 満足度は普通 イラスト作成における職員の満足度:普通 ポジティブな意見や原因はない。 こどもの権利など抽象的な内容のイラストは特に 作成指示がうまく伝わらなかった 。 2 こどもの権利条例の制定過程の周知に向けた広報 物のイラストの作成業務支援 自治体職員を利用者として、広報物のイラストの作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、過去の広報物の文章やWebサイトをもとに生成AIがテーマにあったイラストを出力した。 実証に参加した自治体職員の満足度評価結果及び作業時間の変化によって評価した。 広報物のイラスト案の作成業務において、生成AIのイラスト作成機能が、採用率といった生成AIの有効性に寄与することが示された。【 ② 】 広報物のイラスト案の作成業務において、生成AIのイラスト作成機能が、作成時間や満足度といった業務効率性や利用者満足度にあまり効果を発揮しないことが示された。【 ① ③ 】 考察 生成AIへ指示が上手く伝わらず意図とは異なる結果が出力されることに対して、試行錯誤してプロンプトを調整することが考えられる。【 ② 】改善案 自治体 画像 KGI KPI KPI 122 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 ユースケース3 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①シナリオの作成時間の削減 シナリオ案の作成時間 作成時間は削減 シナリオ案の作成時間:1時間→0.75時間 シナリオ案を生成AIに作成させることで、人手でゼロ からシナリオを検討するよりも作業時間が短縮できた。 定型的な文章や定型的な内容のシナリオ案を作成 する場合は特に生成AI を有効活用でき 、シナリオ 案の作成時間を削減できた。 箇条書きの情報のように文章化されていないテキ ストを入力する場合は 、プロンプトの検討に時間 がかかった 。 ②職員の満足度 シナリオ案作成における職員の満足度 満足度は高い シナリオ案作成における職員の満足度:高い 誤字脱字の指摘や文章の校正を生成AIが実施す ることで、時間の短縮と資料の正確性の向上につな がった。 望んでいる品質でシナリオ案が作成されたプロンプト をテンプレート化することで、類似のシナリオ案を作成 する際はさらに作成時間を短縮できる可能性があっ た。 ネガティブな意見や原因はない 。 3 条例検討委員会におけるシナリオ案の作成業務支 援 自治体職員を利用者として、委員会のシナリオ作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、生成AIが条例検討委員会のシナリオ案を出力した。 実証に参加した自治体職員の満足度評価結果及び作業時間の変化によって評価した。 委員会のシナリオ案の作成業務において、生成AIの文章作成機能が、作成時間や満足度といった業務効率性や利用者満足度に寄与することが示された。【 ① ② 】考察 文章化されていない資料を入力すると上手く参照できないことに対して、試行錯誤してプロンプトを調整することが考えられる。【 ① 】改善案 自治体 文章 KGI KPI 123 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 ユースケース4 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①議事録の要約の作成時間の削減 議事録の要約の作成時間 作成時間は削減できなかった 議事録の要約の作成時間:平均3.5日→ 測定不能(議事録を上手く作成できなかった ため、測定できなかった) ポジティブな意見や原因はない。 生成AI によって意図した議事録よりも簡潔に要 約され 、住民向けに公開可能な品質ではなかっ たため、修正に時間がかかった。 ②職員の満足度 議事録の要約の作成における職員の満足度 満足度は低い 議事録の要約の作成における職員の満足 度:低い ポジティブな意見や原因はない。 プロンプトの工夫によって解消する可能性はありま したが 、実証内では意図した品質の議事録を作 成できなかった 。 意図通りの議事録が作成できず 、職員にストレス がかかった 。 4 条例検討委員会における議事録要約案の作成業 務支援 自治体職員を利用者として、委員会の議事録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、生成AIが条例検討委員会の議事録の要約を作成した。 実証に参加した自治体職員の満足度評価結果及び作業時間の変化によって評価した。 委員会の議事録要約案の作成業務において、生成AIの文章作成機能が、作成時間や満足度といった業務効率性や利用者満足度にあまり効果を発揮しないことが示された。【 ① ② 】考察 意図しているものよりもさらに議事録を要約されることに対して、試行錯誤してプロンプトを調整することが考えられる。【 ① ② 】改善案 自治体 音声 文章KGI KPI 124 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 ユースケース5 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①職員の作業時間の削減 アンケート分析作業時間、未就学児ヒアリング 分析時間 作業時間は削減 アンケート分析時間:測定未実施→15分 未就学児ヒアリング分析時間:35分→6分 大量のデータのカテゴリ分類や分析を短時間で実施 でき、作業時間を短縮することができた。 大量のデータに対してカテゴリ分類する際に、カテゴリ の例示を行うことによって 、すばやく分類することがで きた。 ネガティブな意見や原因はない 。 ②各種調査の結果・分析・報告書内 容の満足度 アンケート分析における満足度、未就学児ヒア リング分析における満足度 満足度は低い アンケート分析における満足度:高い 未就学児ヒアリングにおける満足度:高い データの総括分析において 、回答頻度の多い意見 を踏まえて総括できた。 カテゴリ分類やデータの総括において 、分析結果が 完結に作成されるため、分析の手助けとなった。 正確なカテゴリ分類を行うために 、カテゴリの例示 等のプロンプトの工夫が必要だった 。 5 各種調査結果の整理・分析及び報告書の作成業 務支援 自治体職員を利用者として、各種調査結果のデータ整理・分析を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、生成AIが各種調査の意見の整理や分析を行い、報告書を出力した。 実証に参加した自治体職員の満足度評価結果及び作業時間の変化によって評価した。 各種調査結果のデータ整理・分析作業において、生成AIのデータ整理・分析機能が、作成時間や満足度といった業務効率性や利用者満足度に寄与することが示された。【 ① ② 】考察 複雑な分析を行う際に意図とは異なる結果が出力されることに対して、試行錯誤してプロンプトを調整することが考えられる。【 ② 】改善案 自治体 文章 KGI KPI 125 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 ユースケース6 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①イベントの企画・資料作成時間の削 減 公民館まつりの企画案の作成時間、条例検 討委員会でのワークショップ企画案の作成時 間 作成時間は削減 公民館まつりの企画案の作成時間:平均8 時間→2.5時間 条例検討員会でのワークショップ企画案の作 成時間:平均8時間→4時間 生成AIによる多彩のアイデアの提案や会話形式に よる企画の深堀をすることで 、イベントの企画・資料 の作成時間を削減することができた。 生成AIが情報収集をすることで 、言葉の意味の調 査や資料作成の時間を短縮できた。 生成AI に対して作成指示がうまく伝わらず 、意図 とは異なる文章案が作成されることが多々あった 。 ②イベントの企画書の採用率 公民館まつりの企画案の採用率 採用率は普通 公民館まつりの企画案の採用率:40% ポジティブな意見や原因はない。 クイズを作成する際に 、複数個の正解があるクイ ズや、間違った回答を正解としているクイズがあっ た。 ③職員の満足度 公民館まつりの企画案作成における職員の満 足度、条例検討委員会でのワークショップ企 画案作成における職員の満足度 満足度は高い 公民館まつりの企画案作成における職員の満 足度:高い 条例検討委員会でのワークショップ企画案作 成における職員の満足度:高い 生成AIが企画を提案すると人手で行うよりも多彩 なアイデアが提案されるため、アイデア出しの時間短 縮につながった。 提案されたアイデアについて、 生成AIとチャット形式 で具体化することができた。 ネガティブな意見や原因はない 。 6 各種イベント内容等の企画及び資料の作成業務 支援 自治体職員を利用者として、イベントの企画・資料作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、イベントの目的やテーマをもとに生成AIがイベント内容を企画し資料を出力した。 実証に参加した自治体職員の満足度評価結果及び作業時間の変化によって評価した。 イベントの企画・資料作成業務において、生成AIの文章生成・提案機能が、作成時間や満足度といった業務効率性や利用者満足度に寄与することが示された。【 ① ② ③ 】考察 具体的なイベント内容を作成する際に想定していない結果や誤っている結果が出力されることに対して、試行錯誤してプロンプトを調整することが考えられる。【 ① ② 】改善案 自治体 文章 KGI KPI KPI 126 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 ユースケース7 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①各種文書の多言語版の作成時間の 削減 アンケートの翻訳の作成時間、外国籍の保護 者あてに向けた手紙の翻訳の作成時間 作成時間は削減 アンケートの翻訳の作成時間:平均9日 →1.5日(全体の4割ほどの作業時点) 外国籍の保護者あてに向けた手紙の翻訳の 作成時間:2週間→1時間15分 生成AIを活用することで素早く翻訳でき 、作業時 間の効率につながった。 長文を一括で翻訳することができなかったため 、 翻訳作業に時間がかかった 。 人手で翻訳結果を確認する手間が大きく 、職員 の直接的な作業時間の削減にはつながらなかっ た。 ②多言語の対応数 アンケートの翻訳の多言語の対応数、外国籍 の保護者あてに向けた手紙の翻訳の多言語 の対応数 多言語の対応数は減少 アンケートの翻訳の多言語の対応数:3→2 外国籍の保護者あてに向けた手紙の翻訳の 多言語の対応数:1→1 ポジティブな意見や原因はない。 ネガティブな意見や原因はない 。 ③職員の満足度 アンケートの翻訳作成における職員の満足度、 外国籍の保護者あてに向けた手紙の翻訳作 成における職員の満足度 満足度は低い アンケートの翻訳作成における職員の満足 度:低い 外国籍の保護者あてに向けた手紙の翻訳作 成における職員の満足度:普通 外国語をやさしい日本語へ翻訳する際は 、翻訳結 果が正しいか容易に確認できた。 生成AI による翻訳結果は原文の直訳であり 、委 託による翻訳結果よりも品質が低くなった 。 翻訳結果の確認作業に時間がかかるため 、職員 の負担が大きくなった 。 7 各種文書の多言語版の作成業務支援 自治体職員を利用者として、文書の翻訳を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、生成AIが各種文書の多言語翻訳を行った。 実証に参加した自治体職員の満足度評価結果及び作業時間の変化によって評価した。 文書の翻訳業務において、生成AIの多言語翻訳機能が、作成時間といった業務効率性に寄与することが示された。【 ① 】 文書の翻訳業務において、生成AIの多言語翻訳機能が、職員の満足度といった利用者満足度にあまり寄与しないことが示された。【 ③ 】 考察 翻訳機能の活用や翻訳内容の確認に手間がかかることに対して、文書の翻訳業務において適切な生成AIの活用方法を検討することが考えられる。【 ① 】 翻訳内容が直訳であり品質が低くなることに対して、試行錯誤してプロンプトを調整することが考えられる。【 ③ 】 改善案 自治体 文章 KGI KPI KPI 127 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 箇条書きの情報からシナリオ案を作成することなど複雑な作業に生成 AIを活用することは有効でないと感じた。 翻訳作業に手間がかかることや 、翻訳結果が正しいか判断が難しいこ とが問題であると感じた。 イベント内容や広報誌のタイトルを考える際に 、生成AIを活用すること で、多彩なアイデアが提案される点が良かった。 定型的な文章を作成する際に 、あらかじめ作成したプロンプトをテンプ レート化することで、人手で文章を作成するよりも業務時間が短縮でき た。 特にない。 生成AIへの認識 実証前は生成 AIのことを質問すれば何でも意図した通りの回答を出 力してくれる機械だと思っていたが 、実証を通してプロンプトをうまく調整 しなければ意図した結果が得られないことを理解し、万能な機械ではな いという認識に変化した。 特にない。 担当部署以外 からの認識 特にない。 特にない。 文書作成時において高い精度の日本語が出力できること 文書内の文章の文字数を調整できること ボタンや操作が直感的にできること プロンプト集やマニュアルにより生成AIを上手く活用できること 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 128 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/8) 入力イメージ 出力イメージ 129 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/8) 入力イメージ詳細(ユースケース1) 出力イメージ(ユースケース1) あなたはプロのSEOライターです。 小学生をターゲットに、ファイルの内容の記事を作成します。 記事を作成するにあたり、ロゴマークのキーワードを入れた記事タイトルを 10個挙 げてください。 以下は、小学生をターゲットにした記事タイトルの例です 。これらのタイトルには 「富田林市こどもの権利条例」のロゴマークに関連するキーワードが含まれていま す。 「こどもの権利条例」のロゴマークが富田林市で話題に! 富田林市のこどもたちが選んだロゴマークとは? 富田林市のロゴマークがこどもたちに大人気! ロゴマークで富田林市のこどもの権利をアピール! 富田林市のロゴマークがこどもたちに愛される理由とは? こどもたちが選んだロゴマークが富田林市を彩る! 富田林市のロゴマークがこどもたちの心をつかむ! ロゴマークで富田林市のこどもの権利を広めよう! 富田林市のロゴマークがこどもたちに希望を与える! こどもたちが選んだロゴマークが富田林市を輝かせる! 130 Create a simple, child-friendly anime-style illustration of a young girl holding a heart. The girl should have big, expressive eyes, a cheerful smile, and be dressed in a cute outfit. The background should be minimalistic, with soft pastel colors to keep the focus on the girl and the heart she is holding. 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(3/8) 入力イメージ詳細(ユースケース2) 出力イメージ(ユースケース2) ハートを持った女の子の画像を生成AIで作成するための英語の指示文を作成して ください。こども向けのアニメ風でシンプルなイラストを作成できる指示文にしてくださ い。 ※富田林市の指示文例を参考にABeamにて類似の入力イメージ・出力イメージを作成 Create a simple, child-friendly anime-style illustration of a young girl holding a heart. The girl should have big, expressive eyes, a cheerful smile, and be dressed in a cute outfit. The background should be minimalistic, with soft pastel colors to keep the focus on the girl and the heart she is holding. 転記 131 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(4/8) 入力イメージ詳細(ユースケース3) 出力イメージ(ユースケース3) 会議で使用する資料の読み原稿を以下のルールに従って、出力する文章の上か ら順番に穴埋めをして出力してください。 ・(#タイトルを出力)には読み込んだファイルのタイトルを穴埋めしてください。 ・(#資料番号を出力)には資料2を穴埋めしてください。 ・それでは、次第●「(#タイトルを出力)」について、ご説明させていただきます。 ・説明は「(#資料番号を出力)(#タイトルを出力)」に沿って行いますので、 ご覧ください。 ・まず、ロゴマーク作成の目的・経緯ですが、~ ・~ ・続いて、ロゴマークのコンセプトは~ ・~ ・「(#タイトルを出力)」についての説明は以上でございます。 それでは、次第●「富田林市こどもの権利条例のロゴマークについて」について、 ご説明させていただきます。 説明は「資料2富田林市こどもの権利条例のロゴマークについて」に沿って行い ますので、ご覧ください。 まず、ロゴマーク作成の目的・経緯ですが、ロゴマークを作成した目的は、ロゴ マークにより、多くの方に条例を知ってもらう(周知)ためです。 ロゴマークの案は、委託業者である〇〇に依頼し5案を作成しました。その後こ どもWebアンケート調査(小学校高学年・中高校生)で、「こどもの権利条 例」のイメージに一番合うイラストは案4ですか。と質問をして、最も投票数の多 かったロゴマークに決定しました。 次に、~~~ 132 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(5/8) 入力イメージ詳細(ユースケース4) 出力イメージ(ユースケース4) あなたは議事録作成のプロフェッショナルです 。自治体の会議議事録を作成しま す。アップロードしたファイルから、指定された制約条件に従い、効果的な議事録 を作成してください。 #前提条件 アップロードしたファイルの内容は、会議の文字起こしデータです。 # 制約条件 ・文字起こしデータに一部の書き起こしミスが含まれている点を考慮して 、文脈を 理解し内容を整理してください。 ・会議での主要な「決定事項」を冒頭でまとめてください。 ・次に、「アクションアイテム」をまとめてください。 ・その後、各議題の見出しを設け、議題ごとに発言内容を詳述してください。 ・見出しや箇条書きを活用し、情報が検索しやすく読みやすい構造で記述してく ださい。 ・文書は簡潔かつ明瞭に記述してください。 ・ケバ取りしてください。 ・文脈として意味が不明な箇所は、文脈的に相応しいと合理的に推測される内 容に修正又は削除してください。 決定事項 会議は原則公開とし、会議記録は要旨記録として作成し、市のWebサイトで 公開することが決定されました。 委員会は成立し、委員の出席状況について報告がありました。 本日の会議には傍聴希望者がいることが確認されました。 アクションアイテム 次回の会議は12月20日に予定されており、こどもの相談と救済機関の設置、 参加意見表明と周知啓発についての会議が開催される予定です。 本日配布予定の資料は準備が遅れており、後日送付される予定です。 議題ごとの詳細 各種取り組みの進捗確認 資料1によると、各種取組みの実施状況が報告されました。 こどもの定義と条例の理念の決定 資料5-1から554には、こどもの定義やこどもの権利条例の理念に関する資料 が含まれています。 資料6では、前回の会議での意見や各種イベントの報告がありました。 その他の報告事項 資料8には、こどもワークショップの第1回案やこどもの相談と救済機関の設置に 関する資料が含まれています。 以上が、富田林市こどもの権利に関する条例検討委員会の会議議事録の要 点です。詳細な内容はアップロードされたファイルを参照してください。 133 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(6/8) 入力イメージ詳細(ユースケース5) 出力イメージ(ユースケース5) 分析内容は、全アンケート回答を要約してどのような回答が多く 、どのような回答が少な かったか教えて下さい。どのような回答が多かったかを記載し、その情報から得られる示唆 を示してください。 以下はアンケート項目です。このアンケート項目を分析してください。 ---------------------------- 「あなたが知っている「こどもの権利」を回答してください。」 アンケート回答を要約し、どのような回答が多かったかを示します。 幸せを奪われない権利: 4回 戦争からの保護: 4回 拷問・死刑の禁止: 3回 守られる権利: 2回 他の国に連れ去られない権利: 2回 社会復帰: 2回 こどもの養育は親の責任: 1回 教育を受けさせる権利: 1回 生きる権利: 1回 人を好きになる権利: 1回 恋をする権利: 1回 裁判時に社会に戻れることを優先してくれる: 1回 生活が厳しかったらお金を寄付してくれる: 1回 その他の回答: 2回 これらの回答から得られる示唆は次の通りです。 幸せを奪われない権利と戦争からの保護に関する回答が最も多かったことから、こどもた ちの安全と幸福を保護することが重要であることが示唆されます。 拷問・死刑の禁止に関する回答も多かったため、こどもたちの身体的な安全と人権の 尊重が重要であることが示唆されます。 社会復帰に関する回答も複数あり、被害にあったこどもたちの回復と社会への復帰支 援が重要であることが示唆されます。 教育を受けさせる権利に関する回答もあり、こどもたちの教育機会の提供が重要であ ることが示唆されます。 以上のように、アンケート回答からはこどもたちの安全と幸福、人権の尊重、社会復帰 支援、教育機会の提供が重要であることが示唆されます。 134 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(7/8) 入力イメージ詳細(ユースケース6) 出力イメージ(ユースケース6) #役割 あなたはプロのイベント企画者です。 #タスク 以下の制約条件から公民館まつりでの「こどもの権利ブース」で行うクイズゲームに参加し てくれる大人とこどもの参加者を増やす工夫を提案してください。 #制約条件 ・公民館まつりとは、高齢者からこどもまで参加し、公民館で活動する団体が活動内容 を発表する場所です。公民館まつりで、こどもの権利を周知・啓発するために、ブースを 出店します。内容はクイズラリーを行います。 ・大人は高齢者と乳幼児連れが多いです。 ・こどもは、乳幼児と小学生が多いです。 提案1: プレゼント付きクイズ こどもたちが参加しやすいように、クイズに参加するとプレゼントがもらえる仕組みを作りま しょう。こどもたちはプレゼントを目当てに参加することで、楽しみながらこどもの権利につ いて学ぶことができます。大人もこどもたちをサポートする役割を果たすことで、参加意欲 が高まるでしょう。 提案2: ファミリークイズチーム 大人とこどもが一緒に参加できるファミリークイズチームを作りましょう。親子や祖父母と 孫など、家族で参加することで、こどもたちの参加意欲が高まります。また、大人もこども たちと一緒に楽しむことができ、こどもの権利についての理解を深める機会となります。 提案3: クイズの難易度調整 こどもたちの年齢に合わせてクイズの難易度を調整しましょう。乳幼児向けの簡単なクイ ズから小学生向けの少し難しいクイズまで、幅広い年齢層のこどもたちが楽しめるように 工夫しましょう。また、大人向けにもこどもの権利に関する難易度の高いクイズを用意す ることで、参加者の興味を引きつけることができます。 提案4: こども向けのアクティビティ クイズだけでなく、こどもたちが楽しめるアクティビティも用意しましょう。例えば、絵を描い たり、クラフト作品を作ったりするコーナーを設けることで、こどもたちがブースに長く滞在し たくなるでしょう。アクティビティを通じてこどもの権利について学ぶこともできます。 以上の提案を参考に、公民館まつりでの「こどもの権利ブース」でのクイズゲームに参加 してくれる大人とこどもの参加者を増やす工夫を行ってみてください。 135 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(8/8) 入力イメージ詳細(ユースケース7) 出力イメージ(ユースケース7) #文章を以下のルールを守って、翻訳してください。 ・擬音語、擬態語は簡単な日本語に直してください。 ・文中の単語と単語の間にはスペースを入れる。 ・文章はできるだけ短くする。 ・回答文はすべて日本語で返すこと。 ・小学校1年生で習う漢字以外は使わない。もし使用する場合は、読みをひらが なでかっこ付きで書いてください。 #文章 英文 To the parents of children using “ ○○ Japanese Language School“. ~~ 「〇〇日本語教室」を利用するこどもの保護者の皆様へ 富田林市こども未来部こども政策課長 富田林市のこどもの権利に関する法律を作るための「こどもの声を聞く取り組み」 にご協力をお願いします。 さて、富田林市では、こどもたちがより楽しく幸せな街になるために、富田林市オ リジナルの「こどもの権利条例」を作ることを目指しています。この条例作りの過 程で、こどもたちの声を大切に聞くことを重視しています。 そのため、こどもの声を聞くことを目的に、〇〇小学校日本語教室の協力のもと、 令和7年●月●日(●)に「こどもの声を聞く取り組み」を実施します。こどもた ちに質問をし、日常の気持ちや考えを聞き、「こどもの権利条例」に活かしていき ます。 ~~~ 136 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 生成AIに個人情報を入力してしまうリスクについて、デジタル部門と協議し個人情報が含まれていないか情報を入力する前に確認するという取扱いを 行った。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 意図せずにセキュリティポリシーに反する可能性がある課題 情報セキュリティポリシーのすべてを一般の事務職員が理解 するのは難しく、また生成AI についての記載項目がないため 、 意図せずセキュリティポリシーに反してしまう可能性があった。 デジタル部門の職員と協力して、契約やシステム構築を行った。 実証環境 生成AIに個人情報を入力してしまうリスク 生成AIに誤って個人情報を入力してしまう可能性があった。 デジタル部門と協議し 、生成AIの利用における個人情報の取扱いを決めた 。実証で は、「個人情報が含まれていないか情報を入力する前に確認する」ように取り決めた。 137 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件見られた。 インターネット接続で利用している仮想環境での使用ができない課題があったが、仮想環境で接続しないネットワークを使用する対応をした。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 仮想環境での使用ができない課題 富田林市のインターネット接続で利用している仮想環境での 使用ができなかった。 暫定対応として、実証用端末の購入を急ぎ進め、仮想環境で接続しないネットワーク を使用することにした 。また、実装前には仮想環境や LGWANで使用できるかの確認 が必要だった。 138 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件、リスクは2件見られた。 生成AIが作成した文章・画像が権利を侵害するリスクが考えられたが、インターネット検索による確認や一部加工の対応をした。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 生成AIのUIが複雑で使用しにくい課題 文書登録・参照チャットなど、ボタンを押す順番によってアク ティブになるボタンが変わるため、慣れるまでに時間がかかった。 利用手順について再度説明をお願いした。操作のしやすいUIへの改善が必要だった。 実証環境 プロンプトの作成の困難さによる生成AIの利用離れが起 こる課題 生成AIに単に文章を打ち込むだけでは、望む結果が得られ ないため、プロンプトを考える必要があった。しかし、なかなか 知識のない人がプロンプトを一から作成するのは困難で、利 用するのが嫌になってしまう可能性があった。 プロンプトの作成方法について説明を受けた 。プロンプトの例を提示してもらい 、それに 沿って実施を行った。プロンプトの定型文が必要と感じた。 実証環境 権利侵害するリスク 生成AIが出力した文章や画像に著作権・肖像権を侵害す る可能性のある内容が意図せず含まれており、その内容が 一般に公開されてしまうことで法的な問題に発展する可能 性があった。 インターネット検索機能を用いて類似する画像や文章の確認を実施した 。また、画像 や文章等の出力情報の一部加工を実施した。 実証環境 生成AIの作成した画像により住民へ不快感を与えるリス ク イラストを作成する際に、細かい絵の部分に不快な内容が 含まれていたり、指や手がおかしくなったりしているなど、生成 AIならではの問題が発生する可能性があった。 作成した画像が問題ないか隅々まで確認した。 139 3.実証団体ユースケースの成果 3.6. 富田林市 4.セキュリティ概要 富田林市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 Azure OpenAI 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-3.5-Turbo、DALL-E-3 モデルリージョン:東日本、米国東部 3.外部サービスの提供者の名称 Microsoft 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性2情報相当 5.利用者の範囲 富田林市職員数名 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 運用等にあたっては統一基準に基づくデジタル庁のセキュリティポリシーを遵守した。 上記に加えて自治体のポリシー・条例を踏まえた運用を行う必要がある旨を自治体へ周知した。 生成AIに係る固有のリスクを踏まえ、出力情報はあくまで参考として取扱い、内容の十分な確認や参考情報で ある旨の明示を行った。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 WebアプリのHOME画面に生成AIを利用している旨を明示し、生成AIの出力には虚偽が含まれる可能性が ある旨の忠告を表示した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 生成AIの出力情報を二次利用する場合においては、利用者の責任において利用する必要がある旨を利用者 に周知した。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 入力するプロンプト、出力情報の利用に関しては利用者の責任において利用する旨を通知した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み 検証受託事業者と実証団体との協定書を結ぶ中で 、検証受託事業者が利用者からの問い合わせやフィード バックを受け、環境を運用する主体であることを明記した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 一般利用者を対象としていないため、検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得は不要とした。 セキュリティ概要 140 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①迅速な初動対応と正確な事実把握 業務が輻輳する場面においてもカメラによって見守り業務を補完し 、事故が発生した場合はア ラート通知によって迅速に対応できる 。また、有事の状況確認として AIにより検知 ・ハイライト化 された映像を確認することで 、状況把握の効率化を図り 、重大性の判定など正確な事実確認 を行うことができる 。 ②事故について、保護者等への正確な状況説明と適切な事後対策が可能となる 検知した映像を確認することで正確な状況を把握できるため 、保護者等に対して客観的な状 況説明を行うことができる 。また、再発防止等の事後対策についても事実に基づいて適切に対 応できる。 ①保育園における事故発生のタイミングや詳細の把握及び重大性の判定が難しい 人手不足及び複数の業務を同時並行で行っていることから 、常時全ての園児を見守ることが困 難であり、その結果、事故発生の瞬間を見逃してしまったり 、軽微なものに気が付かなかったりと いうことが起こり得る 。また、発生した事故に対して客観的な重大性の判定が難しく 、対応に遅 れや誤りが生じる場合がある 。 ②事故について、保護者等への正確な説明が難しく 、トラブルに繋がる可能性がある 発生した事故の詳細について 、保育士の記憶や園児の証言等あいまいな部分が多く 、客観的 に説明可能な物的証拠がないため 、保護者が納得しない等トラブルに繋がる場合がある。 また、 事故の要因が仮説となってしまう場合もあることから 、再発防止策に関しても適切な対応が取れ ない場合がある。 現状の課題 解決イメージ 中野市 長野県中野市 人口約4万人 15歳未満人口約5千人 ※e-statの2020年度人口から取得 141 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 保育園職員の事故発生時のアラート通知及び映 像の分析業務支援 保育施設職員 (保育士)、自治 体職員(保育課職 員) 保育室内にカメラを設置し、あらかじめ要件定義した内容に基づいてAIに映像を分析させ、事故発生の 検知及び保護者等へ正確な説明を行うための事故の重大性の判定や映像のハイライト化を行い、正確 な事実把握や客観的な説明、 業務効率化に繋がるかを検証した 。また、AIによる映像分析で事故発 生を検知した場合、アラートが通知できる仕組みを構築し、園長等の関係者に即座に情報共有すること による、対応の迅速化や業務負荷軽減の可能性を検証した。 2 保育園職員の保護者説明資料・保育課報告資 料の作成業務支援 保育施設職員 (保育士) AIによりハイライト化された映像から状況等を平易な文書で言語化し、説明資料や報告資料の作成支 援を行う生成AIの機能を検証した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:カメラ、AI検知システム用サーバ、PC、スマートフォン 142 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー 保育課 実証研究事業全体の統括責任者(1人) プロジェクトマネージャー 保育課 実証研究事業の全体管理(1人) プロジェクトリーダー 保育課 協力事業者との連絡調整、作業担当者への指示出し (1人) 担当者 保育課 実証研究事業における作業担当(2人) 実証環境構築 NTTコミュニケーションズ株式会社 実証環境の構築を担当(3人) 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 1.実証概要 実証体制 実証体制 143 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 1.実証概要 実証スケジュール 2024年7月 2024年8月 2024年9月 2024年10月 2024年11月 2024年12月 2025年1月 2025年2月 2 9 16 23 30 7 14 21 28 4 11 18 25 2 9 16 23 30 6 13 20 27 3 10 17 24 マイルストン 年月 週 ①AIによる映 像分析及び事 故発生時のア ラート通知 ②保護者説明 資料や保育課 報告資料の作 成支援 ▼中間報告 ▼最終報告 実証環境構築 実証 実証環境構築 映像データ収集 検知パターンの精度評価 効果検証 現地調査 報告書作成 スケジュール 協力事業者主担当 ABeam主担当 実証団体主担当 144 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 1.実証概要 実証イメージ図(1/2) 保育施設等職員 映像を確認し、 状況把握 説明時に 映像提出 自治体職員 保護者 (注) 撮影への 同意取得 カメラ映像から インシデントを検知し、通知 ユースケース1の実証イメージ図 留意事項 1 保護者から同意を取得したうえで撮影を行った。 2 性的姿態等撮影罪への対策を行ったうえで撮影を行った。 1 2 145 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 1.実証概要 実証イメージ図(2/2) 保育施設職員 ユースケース 2: 保育園でのインシデントの発生状況情報 入力情報 ユースケース 2:インシデントの説明資料 出力情報 ユースケース2実証イメージ図 留意事項 1 実証期間内にはインシデントは発生しなかったため 、代わりに ヒヤリハットの発生状況情報を入力した。 1 146 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(1/2) ユースケース1 ヒヤリハットはインシデントに繋がりうる可能性があるため、 インシデン ト検知回数として計上した。 ヒヤリハットについて 、4名に合計60分ヒアリングを実施しシステムへ のフィードバックをもらった。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× インシデント検知機能 基礎情報 利用者数 人数 4 利用回数 回 取得なし Good/Bad評価 回/回 取得なし Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 取得なし 回答結果の網羅性 回 取得なし 参考情報の正確性 回 取得なし 参考情報の網羅性 回 取得なし インシデント検知 インシデント検知回数 回 2 インシデント報告数 件 0 保護者からのクレーム数 件 0 ヒアリング対象者数 人 1 ヒアリング時間 分 5 利用者のAIシステムに対するフィードバック 結果の考察 147 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(2/2) ユースケース2 利用者数:生成AIシステムを利用した利用者ID数 利用回数:1 つの連続した 対話につき 1 回とカウント 利用回数が6回、インシデント検知の報告書を生成AIで求めるため に利用する予定だったが、インシデント検知しなかったために利用回 数も伸びなかったと思われる。 Good/Bad 評価:回答に対する Good/Bad の評価回数 Good評価が100%を記録しており、良い評価を得ていると思われ る。 回答に対する懸念:倫理違反を含む回答、虚偽の情報を含む回 答、権利侵害を含む回答はなかった。 分類 集計項目 単位 ユースケース2× テキスト生成AI チャット機能 基礎情報 利用者数 人数 1 利用回数 回 6 Good/Bad評価 回/回 3/0 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 0 回答結果の網羅性 回 0 参考情報の正確性 回 0 参考情報の網羅性 回 0 回答に対する懸念 倫理違反を含む回答 回 0 虚偽の情報を含む回答 回 0 権利侵害を含む回答 回 0 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 148 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 2.ユースケース結果 ユースケース1 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育士の業務負荷軽減 保護者への説明負荷、業務改善の定性評 価 インシデントが発生しなかった インシデント発生なし 業務負担軽減につながるオペレーションが発生しな かったが、AIカメラがあることで質の良い保育を提供 しようという意識改善につながった。 対象となるインシデントが検知されなかったため 、 検証はできなかった 。 ②保育士の業務効率化 インシデント報告受領数 インシデントが発生しなかった インシデント発生なし ヒヤリハット映像を保育課に共有することで 、映像に よる迅速かつ正確な状況把握を実現できた。 保育課に報告対象となるインシデントが検知され なかったため 、検証はできなかった 。 ③インシデント検知回数 インシデント検知回数、ヒヤリハット検知回数 ヒヤリハットは2件検知された インシデント発生なし ヒヤリハット検知回数:2件 ヒヤリハットは2件の該当映像が確認できており 、保 育士も関知できていなかったものであることから 、AI による保育業務の補完となった。 検知対象となるインシデント自体が発生しなかっ たため、すべて誤検知という結果だった。 ④インシデント報告数 インシデント報告数、ヒヤリハット報告数 ヒヤリハットは2件報告された インシデント発生なし ヒヤリハット報告数:2件 ポジティブな意見や原因はない。 インシデントが発生しておらず 、保育課へ報告対 象となるものがなかった 。 ヒヤリハットとして検知対象に該当するものが 2件 確認できており 、AIの検知精度に課題を残した 。 1 保育園職員の事故発生時のアラート通知及び映 像の分析業務支援 保育園職員を利用者として、映像からの事故検知をAIが支援するユースケースを実証した。 AIが保育園内のインシデントシーンを検知し保育士にリアルタイム通知を行った。 システムによるインシデント/ヒヤリハット検知回数結果及び実際のインシデント/ヒヤリハット発生回数によって評価した。 映像からの事故検知において、AIの映像分析機能が、業務負荷といった業務効率性に寄与するかは判別できなかった。【 ① ② ③ ④ 】考察 インシデントではない誤検知が発生することに対して、システムとしての検知精度を向上することが考えられる。【 ① ② ③ ④ 】改善案 保育施設 画像 KGI KPI KGI KPI 149 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 2.ユースケース結果 ユースケース2 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保護者説明資料や保育課報告資料 の作業時間の削減 作業時間 作業時間は増加 作業時間:10分→20分 作成する資料が明確化され 、報告に係る業務フ ローが整理されれば 、業務効率化に繋がる可能性 がある。 今まで口頭説明で済ませていたことの文字化、 シ ステムへの入力 、出力された回答の精査・ 整形 等、今まで実施していなかったタスクが発生したこ とにより想定していた削減とならなかった 。 表や図が生成できないため 、報告様式が定まって いたとしてもあまり作業時間の短縮に繋がらなかっ た。 ②生成AIによって作成された文書の採 用率及び職員の満足度 素案の採用率、職員の満足度 満足度は低い 素案の採用率:50%程度 職員の満足度:効果的でない 職員が思いつかなかったような出力情報が含まれる ことがあり、参考になる内容もある。 ほぼ入力した情報がそのまま出力されたのみであ るため 、生成された文章を半分程度採用すること ができた 。ただし 、複雑な事象が発生した場合に ついては 、採用率は下がるものと思われる。 画像や動画を入力することができないため 、今回 のケースには適さないと考えられた 。 2 保育園職員の保護者説明資料・保育課報告資料 の作成業務支援 自治体職員を利用者として、検知されたインシデントに対する説明資料・報告資料の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 自治体職員からの入力情報に対し、検知されたインシデントの情報をもとに生成AIが説明資料・報告資料を出力した。 実証に参加した自治体職員に対するヒアリング結果及び作業時間の変化によって評価した。 インシデントに対する説明資料・報告資料の作成において、生成AIの文章作成機能が、作成時間や職員の満足度といった業務効率性や利用者満足度にあまり効果を発揮しないことが示された。 【 ① ② 】考察 インシデントの報告方法・報告様式が定まっておらず生成AIを有効活用できなかったことに対して、インシデントの報告方法・報告様式を検討することが考えられる。【 ① 】 画像や動画を入力できずインシデント情報を人手で入力することへの負担に対して、画像や動画を入力できるようにシステムを改善することが考えられる。【 ② 】 改善案 保育施設 文章 KGI KPI 150 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 インシデントが発生しなかったことから AIカメラの設置場所は見直す必 要があると感じた。 画像や動画を生成AI に入力できないことで、 結局人が画像や動画を 確認した上で言語化する必要があり 、言語化の手間や言語化の際に 主観が入ってしまった。 インシデント通知はわかりやすく、AIカメラによる業務補完の可能性を感 じた。 「後方確認の重要性」についてこどもに伝える方法はと深堀質問をした 際には参考にできる回答があり、活用の可能性を感じた。 特にない。 生成AIへの認識 インシデントの検知精度について期待以下だった。 生成AIに入力できる内容について期待以下だった。 特にない。 担当部署以外 からの認識 特にない。 【既存ユースケース】:ユースケース1 【詳細】:費用の課題をクリアできれば方法を変更し 、継続したいと考えている。AIによる映像分析 の開発に関しては多額の費用と多くの時間がかかり、十分な実証費用や時間がないと検証は難しい と考えている。 インシデント検知精度の向上し、コストとのバランスがとれること 生成AIに画像や動画が入力できること 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 151 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/2) 入力イメージ(ユースケース2) 出力イメージ(ユースケース2) 152 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/2) 入力イメージ詳細(ユースケース2) 出力イメージ詳細(ユースケース2) あなたは役に立つアシスタントです。 できるだけ、ハルシネーションを生成せずに返信してください。入力に対し、可能な 限り主観性を排除し、【タイトル】、【日時】、【場所】、【関係者】、【詳細】を箇条 書きにし、簡潔に回答してください 。なお、同様の事案がインシデントに繋がる可 能性もあることから、今後どういったことに気を付けたらいいか併せて助言をしてくだ さい。 2024年11月18日10時37分、4歳児クラス(りす組)において、A君が手洗 い場で手を洗ってタオルで拭いた後 、背中がB君に当たってしまった。A君の後方 確認不足と思われる。軽く触れた程度であるため、双方ケガはなし。 【タイトル】: 4歳児クラスでの軽微な接触事案 【日時】: 2024年11月18日10時37分 【場所】: 4歳児クラス(りす組) 【関係者】: A君(接触を起こしたこども) B君(接触を受けたこども) 【詳細】: A君が手洗い場で手を洗ってタオルで拭いた後、背中がB君に当たっ てしまいました。A君は後方確認を怠った可能性があります。接触は軽微であり、 双方にケガはありませんでした。 助言: このような事案が起きた場合、まずは関係者の安全を確認しましょう。ケガがな いことを確認した後、関係者の保護者に事案を報告しましょう。 今後同様の事案を防ぐために、こどもたちには後方確認の重要性を教えることが 必要です。手洗い場や他の場所での行動時には、周囲の人々に注意を払うよ うに指導しましょう。 監視カメラの設置やスタッフの配置など、安全管理策を見直すことも検討してく ださい。 153 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は1件見られた。 評価指標の現状値が測定未実施である課題があったが、実証と並行して現状値を測定することで対応した。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 評価指標の測定の未実施である課題 実証事業の効果を検討するために必要となる現状値の測 定が行えていなかった。 実証前後ではなく実証事業と並行して現状値を測定することで対応した。 154 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 カメラ映像の性的姿態等の撮影対策を行う課題があったが、同意の取得や画角の調整等の対応をした。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション カメラ映像の実証利用に伴う性的姿態の撮影等対策が 必要となる課題 カメラ映像(個人情報)の実証内での取扱いについて、性 的姿態等の撮影対策を含め、十分に検討が必要だった。 実証事業への参加については同意書の提出をもって同意取得することとし 、映像の取 扱い方針等を同意書内に明記した。カメラの設置位置について、緊急時等にカーテン でカメラを覆うことが可能な位置とするとともに 、画角を調整し、退避可能な死角を確 保した。予期しない脱衣など性的姿態の撮影等を認識した場合には 、すみやかに映 像削除を行い、作業ログを証跡とした。(映像削除に係るフローを整理) 体制・オペレーション 保護者同意が取れなかった場合の対応が必要となるリス ク カメラ映像の利用について、同意しない保護者が一定数い た場合に使える映像が限られ、事業の実施・進捗に影響が 出る可能性があった。 園長や保育士から保護者宛てに直接声がけし、可能な限り協力いただくように依頼し た。 155 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件見られた。 インシデントが発生しなかった場合の対応が必要となる課題があったが、ヒヤリハット類が検知された場合はインシデントと同様に検証の対象として扱う 対応をした。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 生成AI環境の施行利用を行う課題 中野市担当者にて、生成AIの環境ログイン、利用の試行を 実施した。 対象映像となるインシデントが発生しないため 、AIアプリで検知したヒヤリハット映像を 用いて、今後インシデントの発生に繋がらないようにするための助言等を生成AI環境に より実施した。 体制・オペレーション インシデントが発生しなかった場合の対応が必要となる課 題 インシデントが発生せず、事業の実施に影響が出る可能性 があった。 インシデントの防止(未然防止)の観点から、ヒヤリハット類が検知された場合には、 同様に検証の対象として扱うこととした。 企画 実証前 準備 実証 156 3.実証団体ユースケースの成果 3.7. 中野市 4.セキュリティ概要 中野市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 Azure OpenAI 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-3.5-Turbo モデルリージョン:東日本 3.外部サービスの提供者の名称 Microsoft 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性3情報相当 5.利用者の範囲 中野市職員数名、実証に協力する保育園職員数名 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 運用等にあたっては統一基準に基づくデジタル庁のセキュリティポリシーを遵守した。 上記に加えて自治体のポリシー・条例を踏まえた運用を行う必要がある旨を自治体へ周知した。 生成AIに係る固有のリスクを踏まえ、出力情報はあくまで参考として取扱い、内容の十分な確認や参考情報で ある旨の明示を行った。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 WebアプリのHOME画面に生成AIを利用している旨を明示し、生成AIの出力には虚偽が含まれる可能性が ある旨の忠告を表示した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 生成AIの出力情報を二次利用する場合においては、利用者の責任において利用する必要がある旨を利用者 に周知した。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 入力するプロンプト、出力情報の利用に関しては利用者の責任において利用する旨を通知した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み 検証受託事業者と実証団体との協定書を結ぶ中で 、検証受託事業者が利用者からの問い合わせやフィード バックを受け、環境を運用する主体であることを明記した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 一般利用者を対象としていないため、検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得は不要とした。 セキュリティ概要 157 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①児童館職員の日々の日報や内部文書の作成業務に関する負担 生成AIを活用し、テンプレートに対応した音声入力による日報や事故等報告書の自動生成、 音声議事録の文字起こし 、児童館だよりの素案づくり等の機能を備えた支援システムを活用し 、 業務負荷の削減 ・効率化を実現する 。 ②児童館でのエンターテインメントコンテンツの企画 ・創造業務に関する負担 生成AIがエンタメコンテンツ (クイズやゲーム 、物語、イベントなど )の基本構造を生成し 、職員 が日々の業務に取り入れ 、イベントの企画 、遊びの創出に活用する 。 業務の負担軽減とともに 、職員の創造性を補完し 、インスピレーションを提供する 。 ③職員に対する心理的ケア 不足 「生成AIを活用した対話型簡易カウンセリングシステム 」を活用し、気軽に相談ができる環境を 作。対話を通して生成 AIが、職員の心理状態を把握 、相談事へのアドバイス 、結果をフィード バックする。 職員のパフォーマンス向上に寄与し 、経験の浅い職員においてはこどもとの対話の補完ツールとし ての活用も可能となる 。 ①児童館職員の日々の日報や内部文書の作成業務に関する負担 仙台市では日々こどもとのやり取りを行いながら 、主に手作業による文書の作成に多くの時間と 労力を費やしている 。こどもが来館している間や残業で対応することが求められ 、職員の業務負 担が大きくなっている 。 また、人手不足でシフト体制を組む中、 職員の年代や PCのスキルに差があり 、日々の日報やケ ガ報告等の文書作成を担当できる職員が限られていることが多く 、負担が集中している 。 ②児童館でのエンターテインメントコンテンツの企画 ・創造業務に関する負担 仙台市の児童館では 、児童館まつりなどの季節ごとのイベント開催や日々遊びの提供を行って いる。その一方で 、職員がこどもの興味を維持する新たなイベントを企画し 、準備・構築すること に多くの時間を要している 。職員の経験値にも差があり 、制作に要する時間や発想 ・内容に差 が生じている。 ③職員に対する心理的ケアの不足 児童館職員は 、日々の多忙な業務の中で 、自身をケアするための専門的なカウンセリングを受 ける機会がなく 、技術的なリソースも不足している 。 児童館は、取り巻く関係者が多く 、ニーズも多様化しており 、求められる役割が増えている 。その 中で、職員がより高いパフォーマンスを保ち 、離職防止等の人材確保にも寄与した 、職員に向 けた心理的ケアの取り組み が求められている 。 現状の課題 解決イメージ 仙台市 宮城県仙台市 人口約109.7人 15歳未満人口約12.8万人 ※e-statの2020年度人口から取得 158 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 児童館職員の内部資料の作成業務支援 保育施設職員 (児童館職員、こど も若者局こども若者 支援部児童クラブ 事業推進課) 児童館において、日々の日報等や内部文書の作成をスムーズにするための生成AI 支援システムを活用 し、業務負荷の削減、効率化を検証した。 2 児童館職員のエンターテインメントコンテンツ企画・ 創出業務支援 保育施設職員 (児童館職員) 児童館において、イベントや日々遊びの提供のための企画 ・創造業務として、こどもが興味を維持できる ようなコンテンツ創出に生成 AI支援システムを活用し 、コンテンツ創出における生成AI 活用の有用性を 検証した。 3 児童館職員の心理状態把握・カウンセリング業務 支援 保育施設職員 (児童館職員、こど も若者局こども若者 支援部児童クラブ 事業推進課) 「生成AIを活用した対話型簡易カウンセリングシステム」 を活用し、職員に対し心理的ケア補助ができる 環境を構築し、忙しい業務の中でも、職員が気軽に相談を受けることのできる環境を作り 、ストレスレベ ルの評価を検証した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC、タブレット、スマートフォン、入退館管理システム 159 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 1.実証概要 実証体制 実証体制 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー こども若者局こども若者支援部長 実証研究事業全体の統括責任者 プロジェクトマネージャー こども若者局児童クラブ事業推進課長 実証研究事業の全体管理 プロジェクトリーダー こども若者局児童クラブ事業推進課係長 協力事業者との連絡調整、作業担当者への指示出し 担当者 こども若者局児童クラブ事業推進課主事 実証事業における自治体の作業担当 実証団体 MIYAGIこどもネットワーク 児童館における実証 実証団体 みやぎ・せんだいこどもの丘 児童館における実証 実証団体 仙台YMCAファミリーセンター 児童館における実証 実証団体 ワーカーズコープ・センター事業団 児童館における実証 実証団体 アスイク 児童館における実証 実証環境構築 株式会社セレンディカ 実証環境構築を担当 知見提供者 公認心理士 心理的ケアの助言 160 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 協力事業者主担当 実証団体主担当 161 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 1.実証概要 実証イメージ図 保育施設職員 ユースケース 1:内部資料作成に必要となる情報 ユースケース 2:企画提案に必要となる情報 ユースケース 3:職員の悩みや相談 入力情報 ユースケース 1:内部資料の文章案やイラスト ユースケース 2:児童館イベントの企画アイデアやイラスト ユースケース 3:職員の心理状態や悩みに対する回答 出力情報 参照情報 実証イメージ図 留意事項 1 2 ユースケース1 では日報や内部会議の音声を録音した データを文字起こしして入力情報とした。 過去イベント 資料 心理的ケアに 関する情報 2 画像生成AI を利用する際は個人情報が入力されないよう 対応した。 事前情報 文字起こしデータ 日報 内部会議 1 162 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(1/2) 利用者数:生成AIシステムを利用した人数 利用回数:各機能の入力回数 Good/Bad評価:機能によって違うが、基本的には正当性と妥当 性を基準としている。求めている回答が出力されるかを評価している。 議事録の利用において 、正確性・網羅性の低評価が上がっている が、要約レベルの選択が適切に行われていないと推測できた 。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× 作業日報作成 機能 ユースケース1× 議事録作成機 能 ユースケース1× 報告書作成機 能 基礎情報 利用者数 人数 13 12 6 利用回数 回 245 220 33 Good/Bad評価 回/回 14/0 31/8 4/1 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 0 2 0 回答結果の網羅性 回 0 1 0 参考情報の正確性 回 0 0 0 参考情報の網羅性 回 0 0 0 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 0 0 0 虚偽の情報を含む回答 回 0 0 0 権利侵害を含む回答 回 0 1 0 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 163 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(2/2) 利用者数:生成AIシステムを利用した人数 利用回数:各機能の入力回数 Good/Bad評価:機能によって違うが、基本的には正当性と妥当 性を基準としている。求めている回答が出力されるかを評価している。 児童館便り作成支援の利用はなかったが、機能(児童館便りの掲 載ネタ創出支援)の性質上、年末年始及び長期休暇がある時期 では機能自体を利用する必要性がなかったと推察できた。 コンテンツ作成機能については 、利用数自体は減少していたが 、各 児童館による特色が出てきているように考えられ 、特定の児童館で は、継続的に利用が続いていた。 カウンセリング補助機能については、機能利用の促進の依頼の結果 として利用数が伸びていたが 、今後は継続利用の方策を検討する 必要がある。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× 児童館便り作 成支援機能 ユースケース2× コンテンツ作成 機能 ユースケース3× カウンセリング補 助機能 基礎情報 利用者数 人数 11 10 13 利用回数 回 25 1,108 289 Good/Bad評価 回/回 1/0 26/6 29/3 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 0 0 0 回答結果の網羅性 回 0 0 0 参考情報の正確性 回 0 0 0 参考情報の網羅性 回 0 0 0 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 0 0 0 虚偽の情報を含む回答 回 0 0 0 権利侵害を含む回答 回 0 0 0 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 164 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 ユースケース1(1/2) 内部資料作成作業において、生成AIの文章要約・作成機能が、内部資料の作成時間軽減や児童館職員の業務負担軽減及び資料の正確性・一貫性の向上といった業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ 】考察 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①日報等及び内部文書作成時間の 削減 日報及び文書作成に係る平均作成時間 平均作成作成時間は削減 平均作成時間 導入当初 45分→終了期 30分 実証終了期には各施設で時間短縮を実感する施 設が増加し、改善が顕著になった。 日報機能 ・議事録作成機能の実装により 、特に 日々の日報、議事録作成時間の削減はもちろんの こと、記載情報の正確性が向上したために、文書の レビュー時間の短縮にも一定の成果が得られた。 導入当初は時間短縮の実感が少なく 、一部の施 設では「作成時間が増えた」との声もあった ②児童館職員の業務負担の軽減 職員の業務負担軽減5段階評価 職員の業務負担軽減評価は向上 職員の業務負担軽減5段階評価 導入当初 2.9→終了期 3.8 導入当初は業務負担の軽減については、実感がな い施設が多く 「変わらない 」又は「やや負担増」 との 意見が目立ったが 、終了期は、各施設で「業務負 担が軽減された 」との評価が増加し 、システム導入 の効果が広がった。 児童館運営団体ごとに独自フォーマットの文書が 多く、各児童館のフォーマットを平準化したものを システムとして採用したため 、生成AI実証前の日 報等の文書と 、生成AI機能の日報等の文書が マッチしておらず作業効率が向上していない児童 館もあった 。 資料の整備状況により生成AIによる業務効率化の効果が発揮されないことに対して、各児童館ごとのフォーマットが出力できるように改善することが考えられる。【 ② 】改善案 1 児童館職員の内部資料の作成業務支援 児童館職員を利用者として、資料作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 児童館職員からの入力情報に対し、録音データや参考文書をもとに生成AIが各種文書を出力した。 実証に参加した児童館職員に対する5段階評価アンケート結果と作業時間の変化及びエラー修正割合によって評価した。 保育施設 音声 文章 KGI KGI 165 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 ユースケース1(2/2) KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③日報等及び内部文書の正確性と一 貫性の向上 導入前後にランダムに選んだ日報や文書のエ ラーや修正箇所の割合 正確性・一貫性は向上した エラーや修正箇所の割合 導入当初 12%→終了期 6% 導入当初は入力ミスや修正の必要が多く発生した が、フォーマットの統一が進み正確性の精度が向上 した。 実証終了期では職員の入力精度が上がり 、エラー が大幅に減少した。 誤字脱字、情報欠落のチェックを館長が行う工数も 削減できたとのポジティブな意見が多くあった。 導入当初はエラーも多く情報共有が円滑になったと 実感する施設は少なく 、「改善が感じられない」との 評価が多くあった。 KGI 1 児童館職員の内部資料の作成業務支援 児童館職員を利用者として、資料作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 児童館職員からの入力情報に対し、録音データや参考文書をもとに生成AIが各種文書を出力した。 実証に参加した児童館職員に対する5段階評価アンケート結果と作業時間の変化及びエラー修正割合によって評価した。 保育施設 音声 文章 内部資料作成作業において、生成AIの文章要約・作成機能が、内部資料の作成時間軽減や児童館職員の業務負担軽減及び資料の正確性・一貫性の向上といった業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ 】考察 資料の整備状況により生成AIによる業務効率化の効果が発揮されないことに対して、各児童館ごとのフォーマットが出力できるように改善することが考えられる。【 ② 】改善案 166 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①児童館職員の準備時間の削減 平均準備時間 準備時間は削減 平均準備時間:導入当初 60分→終了期 40分 中間期から施設間で活用方法の横展開を実施し たことで各施設でシステム活用の最適化が進み準 備時間の短縮が実感された。 終了期には、特に1つの児童館では大幅な削減が 確認された。 導入当初は、システムの活用が進まず 、時間短縮 の効果はほぼなかった。 ②児童館職員の準備に係る業務負担 の変化 職員の業務負担軽減5段階評価 職員の業務負担軽減評価は向上 職員の業務負担軽減5段階評価: 導入当初 3.2→終了期 4.0 導入当初は業務負担軽減の実感が少なかったが、 職員がシステムの利用に慣れ 、ニーズを聞きテンプ レートを増やしたことで 、中間期から一部の施設で 負担軽減と創造性向上の評価が出始め 、終了期 に1つの児童館で特に高評価が得られた。 導入当初は、職員の満足度は3.2とやや低めであり、 「準備に手間取る」「活用方法がわからない」との声 が多かった。 ③児童館職員の準備に係る創造性の 変化 新規コンテンツのバリエーション数 新規コンテンツバリエーション数は増加 新規コンテンツのバリエーション数: 導入当初: 5→終了期 10 システムを活用したアイデア創出がスムーズになり 、 業務負担の軽減とこどもの遊び創出に貢献した。 ネガティブな意見や原因はない 。 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 ユースケース2(1/2) エンターテインメントコンテンツ企画・創出業務において、生成AIのコンテンツ企画・提案機能が、準備時間や新規コンテンツのバリエーション数といった業務効率性や生成AIの有効性に寄与することが示 された。【 ① ② ③ ④ ⑤ 】 生成AI入力テンプレートや活用方法の横展開といった利用促進の施策を打つことで、 利用者が生成AIに慣れ効果を実感し業務負担も軽減するという好循環の創出が示された【 ① ② 】 考察 特にない。改善案 KGI 2 児童館職員のエンターテインメントコンテンツ企画・ 創出業務支援 児童館職員を利用者として、イベントの企画提案を生成AIが支援するユースケースを実証した。 児童館職員からの入力情報に対し、施設内で実施するイベントの企画・構築アイデアを生成AIが出力した。 実証に参加した児童館職員とこどもへの5段階評価アンケート結果・作業時間の変化・新規コンテンツ数の変化によって評価した。 KGI KGI 保育施設 文章 167 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ④コンテンツの多様性と新鮮度の向上 新規コンテンツ創出の割合 新規コンテンツが増加 生成AIによる新規コンテンツの創出の割合: 導入当初 生成20%→終了期 45% 中間期から新しいアイデアの活用が進み、終了期に は新規イベントや遊びの創出が活発化し 、こどもが 新しい体験を得る機会が増えた。 児童館職員が操作するものの、こどもと一緒に様々 なコンテンツを創作し、 こどもにも大変好評を得てい るとのフィードバックを得ているため、 特に経験の浅い 職員などは知見のない領域などをこどもから求められ た際に非常に有効だった。 導入当初は既存のイベントが中心で 、生成AIによ る新規の遊びや企画は20%程度だった。 ⑤こどもの満足度の向上 こどもの満足度5段階評価 満足度は向上 こどもの満足度5段階評価: 導入当初 3.5→終了期 4.2 こどもへのアンケートにて、満足度は大変高かった。こ ども同士で遊ぶツールや自主学習の題材へ活用す るなど、職員が想定していたよりも新しい AIとの関わ り方をしていた。 終了期は、新規コンテンツの多様化により 、こどもの 関心度が高まり、満足度が向上した。 導入当初は、新規コンテンツが少なく従来の遊びと 変化がなかったため、特に高評価は得られなかった。 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 ユースケース2(2/2) KGI 2 児童館職員のエンターテインメントコンテンツ企画・ 創出業務支援 児童館職員を利用者として、イベントの企画提案を生成AIが支援するユースケースを実証した。 児童館職員からの質問に対し、施設内で実施するイベントの企画・構築アイデアを生成AIが提案した。 実証に参加した児童館職員とこどもへの5段階評価アンケート結果・作業時間の変化・新規コンテンツ数の変化によって評価した。 KGI 保育施設 文章 特にない。改善案 エンターテインメントコンテンツ企画・創出業務において、生成AIのコンテンツ企画・提案機能が、準備時間や新規コンテンツのバリエーション数といった業務効率性や生成AIの有効性に寄与することが示 された。【 ① ② ③ ④ ⑤ 】 生成AI入力テンプレートや活用方法の横展開といった利用促進の施策を打つことで、 利用者が生成AIに慣れ効果を実感し業務負担も軽減するという好循環の創出が示された【 ① ② 】 考察 168 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 ユースケース3 職員の心理状態把握及びカウンセリング補助において、生成AIのアドバイス機能が、職員の利用満足度向上やストレスレベルの軽減といった利用者満足度に寄与することが示された。 【 ① ② ③ 】 特に、気軽に相談ができる点や人には相談しにくい悩みにも対応する点で有用であることが示された。【 ② ③ 】 考察 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①職員の継続利用率の向上 カウンセリングシステムの月間利用回数 利用回数は増加 カウンセリングシステムの月間利用回数:導入 当初 2回→終了期 8回 実証終了期には 、利用回数が増加し 、継続利用 の定着が確認された。 導入当初は、カウンセリングシステムを利用できる職 員は少なく、月2回程度だった。 ②職員の利用満足度の向上 職員の利用満足度5段階評価 満足度は増加 職員の利用満足度5段階評価: 導入当初 3.0→終了期 4.2 実証終了期には 、特に「気軽に相談や雑談ができ る点」「人には相談しにくい人間関係の悩みに親身 になってくれた」 等ストレス対策としての有用性が評 価された。 初めに詳細なシチュエーション(※個人情報は含ま れない)を入れて発話すると、利用者に寄り添う回 答となり有益だった。 導入当初は、使い方に不慣れなことでカウンセリング システムに対して満足度が低かった。 アンケート結果より、 「AIの回答が冗長 」「必要な い場面でも質問される 」「AIの回答が長く 、逆に ストレスになる 」などの意見があった 。 シンプルな問いかけをすると 、その後質問をされる ばかりで 、ストレスを感じるとの意見があった 。 ③職員のストレスレベルの低減 職員のストレスレベル5段階評価 ストレスレベルは低下し改善 職員のストレスレベル5段階評価: 導入当初 4.0→終了期:3.0 実証終了期には「気軽に相談できることでストレスが 和らいだ」といった職員の精神的負担が軽減する意 見が見られた。 導入当初は、カウンセリングシステムの効果が不明 瞭で業務負担やストレスの軽減実感がなかった。 生成AIの回答が長いことや多数のやり取りが必要になることに対して、より利用者に寄り添ったインタラクションを提供できるようにプロンプトを調整することが考えられる。【 ② 】改善案 KGI 3 児童館職員の心理状態把握・カウンセリング業務 支援 児童館職員を利用者として、職員のカウンセリングを生成AIが支援するユースケースを実証した。 児童館職員の心理状態やお悩みの入力に対し、生成AIが心理状態を把握し悩み相談事へのアドバイスを回答した。 実証に参加した児童館職員に対する5段階評価アンケート結果及び作業時間の変化によって評価した。 KGI KGI 保育施設 文章 169 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 情報漏えいのリスク等により 、個人情報や要機密情報を含む業務文 書への適用が困難でした。 各施設ごとで異なる個別フォーマットで運用されているため 、統一フォー マットに変えることが困難であり、業務効率が低下する可能性があった。 音声認識とテキスト要約などを活用することで、記載時間の削減ができ、 口述記載による情報取りこぼしが低下しエラー率も低減した。 生成AIを利用することで、イベントの準備時間が短縮され、職員 の負担軽減にも寄与した。 日報作成やイベントや遊び企画支援の場面では 、AIを活用することで 作業時間が削減されたり 、新たなアイデアが生まれたりするメリットを感 じた。 カウンセリング補助AIは「話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になる」と 感じる職員が多く、精神的なサポートとしての可能性も認識された。 生成AIへの認識 個人情報や要機密情報を含む業務には適用が難しく、また、施設ごと に異なるフォーマットで運用している業務を統一フォーマットとして出力す ることが適さない場面が多かった。 全庁的に実際に生成AIを導入した事例はまだなかったため 、総じて生 成AIへの期待値が高く、「自分たちの部署や保育関係の施設で利用 するにはどのようなケースが考えられるか」 「コンテンツ作成や相談にAIを 使うのはユニークで、どのように使っているのか教えてほしい 」といったポジ ティブな反応があった。 担当部署以外 からの認識 生成AIの活用を導入・継続するためのコストに対する懸念の声があった。 実証で生成AI導入継続の費用対効果も意識するよう財政部門から 意見があった。 【既存ユースケース】:ユースケース1、2、3 【詳細】:実証を通じて全ユースケースで高い効果を実感できたため。 【新規ユースケース】:AIを活用した保護者対応のサポート 【詳細】:児童館の利用に関する問い合わせ対応や、こどもの成長や活動のフィードバックをAIがサ ポートする。 施設ごとに異なる業務フローに適応できるカスタマイズ性があること 要機密情報を自動でマスキングできること 職員が内容を確認・編集しやすいUIを提供できること イベントの計画段階で提案された内容が実現可能かどうかをチェックできること 職員の過去の相談内容を参照し、個別の状況に応じた回答ができること 相談履歴を一定期間後に自動削除や、データを職員本人だけが確認できること 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 170 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/3) 入力イメージ(ユースケース1) 出力イメージ(ユースケース1) あなたはエキスパートの議事録作成アシスタントです。私の提供する#情報を要約し、# 出力フォーマットの形式に合わせてJSON形式で返却してください。 また、JSON形式以外の内容は回答に含めないでください。 JSONの各項目に設定する内容は#出力条件に従ってください。 #情報に含まれてないJSONの項目は空文字を返してください。 #情報 指示内容 #出力フォーマット #出力条件 ・title:#情報を基に何の議題かを 30文字以内で設定。判別できない場合は空文 字 を設定。 ・text:#情報を解析して議論の内容を箇条書きでわかりやすく整形して設定。 改行 コードは¥nを使用。 ・note:#情報を解析して議題と関係はないが議事録として残すべき内容を設定。 また、要約結果に特定の単語が含まれていたら#単語変換辞書に従って文字を変換。 171 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/3) 入力イメージ(ユースケース2) 出力イメージ(ユースケース2) 水平思考クイズをしましょう。あなたが出題し、私が回答します。 クイズの手順は#手順の通りです。初めに私にルールを教えてください。 #手順 1.あなたは#条件に従った問題と、それに対応する答えを考えてください。問題の み出力し、解答は出力してはいけません。 2.私はこれから質問をするので、その物語に基づいて「はい」又は「いいえ」のみで 回答してください。 3.2.を何回か繰り返します。 4.質問と解答が一致した場合は「正解です」と答えた後、解説してください。 5.私が「答えを教えてください」と入力したら、解答となる物語を教えてください。 #条件 * 問題文は100字程度で作成すること。 * 起承転結がはっきりした物語を作成すること。 * 一般的な視点から見て「奇妙」と思われる物語とすること。 * 例題を参考にして物語を考えること。 * 登場人物や情景が思い浮かぶ内容にすること。 * 日本語で出力すること。 172 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(3/3) 入出力イメージ(ユースケース3) 173 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 外部システム連携元のAPI提供が遅れるリスクがあったが、情報を手入力できる機能を実装することで対応した。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 システム構成の生成AIモデルをOpenAI利用から Microsoft Azure利用に変更する課題 システム構成の生成AIモデルを仙台市のセキュリティ観点か らOpenAI利用からMicrosoft Azureの東日本リージョンに 変更した。 仙台市・協力事業者の協議のもと、実施計画書及び別添資料を更新した。 実証環境 外部システム連携元(児童館入退館情報管理システム 「安心でんしょばと」)のAPI提供が遅れるリスク 実証開始段階で、システム連携間の自動連携が行えなかっ た。 児童館入退館情報管理システム 「安心でんしょばと 」側からのAPI提供が11月中旬 前後になるため、それまでは入退館情報を手入力できる機能を実装し、対応した。 174 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 実証前の現状値を測定したことがない課題があったが、KGI/KPIに基づくアンケート・ヒアリングによって現状値の測定を行う対応をした。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 投入データが不足するリスク 生成AIの学習に利用するデータの収集が実証開始までに 間に合わない可能性があった。 計画時に想定RAG用データはあったが、必要となったものはそれほど多くなく、収集を行 わなくても良いと考えた。 体制・オペレーション 現状値の測定する課題 実証前の現状値の測定をしたことがなかった。 実施前の現状値の測定に関しては、KGI/KPIに基づくアンケート、ヒアリングによって測 定を行う方針とした。 175 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ(1/2) 実証フェーズにおける課題は7件、リスクは1件見られた。 システムやユースケースの利用頻度に差がある課題があったが、各児童館を訪問し利用方法の説明や指導を行うなどの対応をした。 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 通信料の高額化する課題 音声情報から文書を生成するユースケースのニーズが想定 以上であり、施設内で想定よりも多く利用されることで通信 料が高額化してしまう可能性があった。 音声合成(テキスト読み上げ)が必要な用途を現地ヒアリングにて確認できたため 、 音声合成の利用有無の切り替えを行える機能を付加し 、極力通信量上がらないよう に務めた。 体制・オペレーション ユースケース4において、利用が低頻度である課題 ユースケース4が想定よりも利用されておらず、実証結果を報 告できる程度までデータが得られていなかった。 ユースケース4に限らず、10月の利用頻度は少なくなっているため 、生成AIの利用促 進施策を講じて行く一方、各児童館を訪問し利用方法の説明や指導を行った。 体制・オペレーション システム利用率が低い課題 ユースケースの使用頻度に差があり 、機能の使用頻度が低 いものがあった。 利用の促進の施策を講じて行く一方、 各児童館を訪問し利用方法の説明や指導を 行うほかに、UIの簡易化などの改善を行った。 体制・オペレーション ユースケース1、2、3において、児童館ごとに使用頻度に 差がある課題 ユースケースごと児童館ごとでの生成 AIの使用頻度に差が あった。 12月以降の生成AI利用者の児童館職員向けに 、自治体職員と協力事業者が実 施したヒアリング会で利用例の展開を実施した。 企画 実証前 準備 実証 176 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ(2/2) 実証フェーズにおける課題は7件、リスクは1件見られた。 カウンセリングに関する回答のエラーが発生するリスクがあったが、コンテンツフィルタの設定を検討することで対応した。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 単語登録する課題 児童館独自の言い回し 、単語が誤変換するため 、登録が 必要だった。 単語登録機能を搭載し、音声認識ではなく、生成AIでの要約時に単語のリプレイスを 行う対応とした。 実証環境 児童館便り作成支援にて画像生成を提供したいが、画像 生成は海外リージョンを使用しなくてはならない課題 児童館便り作成支援にて画像生成を提供を検討したが 、 画像生成は海外リージョンを使用する必要があった。事前の 調査票で海外リージョンの利用をしない旨を伝えていたが 、 画像生成のみ海外リージョンを利用することを検討した。 画像生成プロンプトは専用の入力ルートを設けて、海外リージョンの生成AIモデルを使 用するようにシステムを調整し、テキスト生成と混濁しないように配慮するUIにて対応し た。 実証環境 カウンセリングに関する回答のエラーが発生するリスク カウンセリングへの生成AI の利用は高リスクであり、利用者の カウンセリング内容がコンテンツフィルタによって不適切表現が 含まれていると判断され、エラーが出力される可能性があった 。 コンテンツフィルタの解除等の方法を Microsoftに相談して情報提供を得てコンテンツ 表現フィルターの設定を検討した。 体制・オペレーション 会議における事録音声取り込みの精度を向上させる課題 会議の場合、周りの音を拾ってしまった。 運用的対応を依頼、可能な限りノイズの少ない環境での利用を推奨して、削減できた。 企画 実証前 準備 実証 177 3.実証団体ユースケースの成果 3.8. 仙台市 4.セキュリティ概要 仙台市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 Seren-Scape 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-4o (グローバル標準デプロイ) 、DALL-E-3 モデルリージョン:東日本、米国東部 3.外部サービスの提供者の名称 株式会社 セレンディカ 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性2情報相当 5.利用者の範囲 仙台市こども若者局児童クラブ事業推進課 3名、児童館 計10名程度 実証事業につき、限定したテスト利用者のみ使用することとした。 児童館職員がサポートしながらこどもも使用した。 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 不正アクセス対策として、MFAによる不正ログイン対策、アクセス可能IPアドレス制御を行った。 入力した要機密情報がクラウド事業者の学習データとして転用され情報 漏えいのリスクに対しては 、生成AIエンジン に問い合わせるプロンプト等において 、規約に基づきオプトアウトし対応した 。 個人情報漏えいの対策として、国内リージョン(生成AIモデルを除く)の利用、設定ミス検知機能の活用を行った。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 株式会社セレンディカが提供するSeren-Scapeというサービスにおける生成AI技術を利用した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 協力事業者(セレンディカ)による生成AIの出力情報の二次利用を禁止しているため 、出力情報を二次利用する 場合の責任は発生しなかった。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評価 自治体機密性2情報を取り扱うため、仙台市のセキュリティポリシーガイドラインで定める取扱い制限に準拠した内容 で実証を行い、入力され得るプロンプト及び出力情報による社会的影響が発生しないような対策を実施した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバックを 受ける仕組み 入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行い、システム上に利用者からのフィードバックを得る仕組みを構築し ました。また、アンケート調査による利用者からのフィードバックを実施した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 保護者に対して実証事業の実施内容の説明と同意を得たうえで 、限定した職員のみを対象に実証を行うことを周知 した。 セキュリティ概要 178 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 1.実証概要 課題と解決イメージ 専門的な相談対応における過度な事務的業務負担 多種多様なこどもに関する相談業務において 、生成AIを活用して相談記録やサマリ 、重要な キーワードの抽出を自動化し 、また、後工程の児童相談システムへの登録に繋げることで 、職員 のバックオフィスの作業負荷軽減と情報共有の効率化を図る 。また、AI要約によるアセスメン トの 高度化、職員のキャリア差の縮小を目指す 。 ①専門的な相談対応における過度な事務的業務負担 奈良市は人口348,427人(令和6年6月1日現在)の中核都市であり 、人口動態は、対前 年比-2,095人(対前年-0.60%)となっています 。人口減少傾向に対し 、「こどもにやさしい まちづくり」を目標に掲げ 、子育て世帯の流入超過、 生産年齢の増加、 若者の転出食い止めを 図ってきており 、一定の成果を上げている 。 職員数が減少傾向にある一方、 支援を必要とするこども ・子育て世帯は増加しており 、また住民 が抱える問題や課題は多様化・ 複雑化している 。このような状況に対応する施策として 、令和4 年4月1日に「奈良市子どもセンター 」を開所した。センターはこどもの安心 ・安全を守るとともに 、 専門職等に子育て相談ができ 、親子のふれあいがはぐくまれる魅力的なスポットがある、 子育て を総合的に支援する施設となっている 。 なかでも要保護児童対策地域協議会を含むこども家庭センターから児童相談所までの機能は センターの中核であり 、個別最適支援プログラムを提供するために 、住民寄り添い型の丁寧な相 談対応を行っているが 、業務は長時間化している 。奈良市の児童虐待相談受付数では 、平成 25年度454件から、令和5年度1,645件と10年間で3.6倍に増加している 。例えばこども支 援課職員の相談対応件数では 、令和5年度の職員平均で 1日7件、多い職員では 1日17件 の記録を取っている 。 相談対応自体が長時間化する一方 、業務フローとしては職員が手書きで記録を取り 、それを手 作業でテキスト化し 、手作業でシステムへの登録を行う等 、大きな業務負担となっている 。本来、 アセスメントや支援等、 住民に向き合う業務に注力すべきところ 、事務的な業務に多くの時間を 割かなければならないことが課題となっている 。 現状の課題 解決イメージ 奈良市 奈良県奈良市 人口35.4万人 15歳未満人口約4万人 ※e-statの2020年度人口から取得 179 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 児童相談所職員の専門的な相談内容に対する 相談記録の作成業務支援 自治体職員 相談業務における面談時の録音データをテキスト化 ・固有表現マスキングを実施し 、そのデータを用いた 生成AIによる相談記録作成支援を行った。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC、ICレコーダー 180 役割 所属 詳細 実証事業統括責任者 子ども未来部 部長 実証事業全体の統括責任者 本事業の全体の統括権限を有する プロジェクトマネージャー 子ども未来部 子どもセンター長 実証事業の全体管理 プロジェクト全体の管理権限を有する アシスタントプロジェクトマネージャー 総合政策部 CIO補佐官 実証事業の実務責任者 プロジェクトマネージャーを補佐する 事務局 子ども未来部 子どもセンター次長 実証事業の実務管理 各種関係者との調整業務 実験データ調整チーム 子ども未来部 子ども支援課職員 実証に用いる相談データの調達・各種調整業務 評価検証チーム 子ども未来部 子ども支援課職員 データの構造化、アセスメントの評価検討業務 実証環境構築運用(システム) 富士通Japan株式会社 実証環境構築・運用、データ加工他取扱い業務 実証環境構築運用(ネットワーク) 株式会社オプテージ 実証環境構築・運用 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 1.実証概要 実証体制 実証体制 181 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 協力事業者主担当 実証団体主担当 182 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 1.実証概要 実証イメージ図 保育施設職員 ユースケース 1: 文字起こしされた住民からの相談内容 入力情報 ユースケース 1:住民からの相談内容記録及びア セスメントに必要なデータ 出力情報 事前情報 実証イメージ図 留意事項 1 文字起こしデータ 2 1 2 相談者から同意を取得したうえで 、相談内容の録音を実施 した。 機械による音声テキスト化や個人情報の匿名加工の後に 、 人手による個人情報の匿名加工の確認を行った 。また、実 証ではダミーデータを用いた。 住民からの相談 183 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 利用者数:生成AIシステムの利用者数 利用回数:各機能の入力回数 音声テキスト化機能は、住民からの相談起因であるため、実証を通 して利用回数を増加させる取り組みを実施できなかった。 生成AI要約機能及びアセスメント例出力機能はテンプレートの追 加・改善等によって利便性が向上したため、実証を通して利用回数 は増加傾向にあった。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× 音声テキスト化 機能 ユースケース1× 生成AI要約機 能 ユースケース1× アセスメント例 出力機能 基礎情報 利用者数 人数 7 8 6 利用回数 回 14 72 15 Good/Bad評価 回/回 取得なし 取得なし 取得なし Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 取得なし 取得なし 取得なし 回答結果の網羅性 回 取得なし 取得なし 取得なし 参考情報の正確性 回 取得なし 取得なし 取得なし 参考情報の網羅性 回 取得なし 取得なし 取得なし 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 取得なし 取得なし 取得なし 虚偽の情報を含む回答 回 取得なし 取得なし 取得なし 権利侵害を含む回答 回 取得なし 取得なし 取得なし 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 184 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 2.ユースケース結果 ユースケース1(1/2) KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①職員の業務効率化 相談記録作成平均時間、業務負担軽減度 5段階評価 相談記録作成時間は削減 相談記録作成平均時間:50分→26分 業務負担軽減度5段階評価:3.9/5 会話に集中してメモができなかった部分を補完でき たことで記憶の想起作業への負担が軽減され 、主 観が入らないため経過記録の精度が高まるとの意 見があった。 作業に慣れれば経過記録を作成する進度が早くな り、業務全体の効率化が期待できるとの意見があっ た。 人手によるマスキング作業等に時間を要したこと で、これまでの作業時間からの短縮が望めなかっ た担当者も一定数いた。 同意が得られるケースを選定する作業や関係性 が崩れるかもしれないなどの心理的負担が生じた 。 ②アセスメント精度、対住民サービスの 向上 アセスメント精度5段階評価、対住民サービス 向上5段階評価 アセスメントの満足度は高い アセスメント精度5段階評価:4.1/5 対住民サービス5段階評価:4.3/5 アセスメントの作成に関して、約72%の担当者が根 拠のある精度の高い内容になっていると評価し、キャ リア差を埋めることやよりよい支援につながる可能性 があると回答した 。これらは簡潔でわかりやすく 、曖 昧な部分を言語化することで、ポイントを絞った上で の情報共有が容易になっていたとの意見があった。 生成AI から出力されたテンプレートの内容は 、発 言の意図やニュアンスが反映されず文字化され 、 かつこれまでの相談歴から見える状況が含まれて いないため 、実際の状況とは異なった内容として 出力されることが多くみられ 、誤解を生む内容に 見えることや表現が厳しく感じる内容となっていた 。 1 児童相談所職員の専門的な相談内容に対する相 談記録の作成業務支援 児童相談所職員を利用者として、住民からの相談の記録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 相談業務の録音データを基に生成AIが相談内のキーワードやアセスメントに必要なデータを抽出・出力した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及び業務時間の変化によって評価した。 住民からの相談の相談記録作成業務において、生成AIの文章作成機能が、作成時間や職員の満足度といった業務効率性や生成AIの有効性寄与することが示された。【 ① ② 】考察 人手によるマスキング作業等に時間を要したことに対して、生成AIを活用した業務に慣れることで作業速度が速くなることが考えられる。【 ① 】改善案 自治体 音声 文章KGI KGI 185 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 2.ユースケース結果 ユースケース1(2/2) KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③相談記録作成の時間短縮率 相談記録作成平均時間 相談記録作成時間は削減 相談記録作成平均時間:50分→26分 生成AIを導入したことによって記録作成時間が平 均49%の削減となったことで 、業務の効率化の効 果は一定みられた。 人手によるマスキング作業等に時間を要したこと で、これまでの作業時間からの短縮が望めなかっ た担当者も一定数いた。 ④業務負担軽減度 業務負担軽減度5段階評価 業務負担軽減の満足度は高い 業務負担軽減度5段階評価:3.9/5 生成AIを利用することで時間的な削減だけでなく 、 業務の心理的な負担が軽減されたと感じており、人 手によるマスキング等の業務はこれまでの手法よりも 軽微な作業であったと考えられる。 テキスト化データの修正や人手によるマスキング 作業に負担を感じる担当者が多く 、出力されたテ ンプレート内容への修正を行うため 、従来と業務 負担が大きく変化しなかったとの意見もあった 。 ⑤アセスメント精度の有用性 アセスメント精度5段階評価 アセスメント精度の満足度は高い アセスメント精度5段階評価:4.1/5 アセスメントの作成が根拠のあるアセスメント例となっ ていると回答した割合は約72%でした。 1度の面接から作成した記録としては適切でも 、 過去の相談歴からわかる内容が含まれていない ため、内容を慎重に精査する必要があった 。 ⑥対住民サービスの向上 対住民サービス向上5段階評価 対住民サービス向上の満足度は高い 対住民サービス5段階評価:4.3/5 すべての担当者が手書きのメモの負担が軽減された と回答した。そのため、目の前の対象者との面接内 容に集中することができ、相談の精度が高まる可能 性が示唆された。 ネガティブな意見や原因はない 。 1 児童相談所職員の専門的な相談内容に対する相 談記録の作成業務支援 児童相談所職員を利用者として、住民からの相談の記録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 相談業務の録音データを基に生成AIが相談内のキーワードやアセスメントに必要なデータを抽出・出力した。 実証に参加した自治体職員に対する5段階評価アンケート結果及び業務時間の変化によって評価した。 住民からの相談の相談記録作成業務において、生成AIの文章作成機能が、作成時間や職員の満足度といった業務効率性や生成AIの有効性寄与することが示された。【 ① ② 】考察 人手によるマスキング作業等に時間を要したことに対して、生成AIを活用した業務に慣れることで作業速度が速くなることが考えられる。【 ① 】改善案 自治体 音声 文章KPI KPI KPI KPI 186 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 音声を要約した際に 、必要以上にまとまりすぎており 、残したい情報が 残っていないことがあった。 自動的に音声を文字化・ 要約化する機能が業務時間の短縮、 効率 化、相談対応の質の向上に繋げることができた。 生成AIの精度向上により、相談内容の要約やアセスメント案の作成が 行えることがわかった。生成AIへの認識 特にありません。 DX推進担当課とは、実証の企画・運用のそれぞれのフェーズにおいて 協働して取り組んだ。担当部署以外 からの認識 特にありません。 【既存ユースケース】:ユースケース1 【詳細】:実証期間が短く、適用可能なユースケースが限られるために十分な成果を得ることができ なかったが、継続することで更なる成果を得ることができると考えているため。 【新規ユースケース】:生成AIを用いた会議録作成 【詳細】:所内や関係機関との会議や協議において出された意見や協議内容を会議録として要約 するとともに、会議場面においてリアルタイムで視覚的に表示する。 セキュリティ対策を実施し個人情報を扱うことができること 音声の文字化や要約が高い精度で出力できること 既存システムとの連携・導入が容易にできること 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 187 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/2) 入力イメージ 出力イメージ 188 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/2) 入力イメージ詳細 出力イメージ詳細 以下の会話文を指定された観点に基づいて要約と評価を行ってください。 会話は自治体のこどもセンターにおける職員と対象者(こども、保護者等)による相談です。 下記の【相談の種別と特徴】より、その特徴を考慮してください。 出力する文章は、以下(【出力書式】)に従って統一して出力してください。 【全体の注意事項】 事実に基づく記述:特に指定がない限り 、生成AIによる所感や推測を含めず 、事実のみを記載してくださ い。 【用語の定義】 本児:相談の対象となっているこども 相談者:~~~~~~~~~~~ 【重要事項】 禁止事項: -個人情報やプライバシーに関わる詳細は記述しないでください。 倫理的配慮: -センシティブな内容を扱う際は、適切な言葉遣いと配慮を持って記述してください。 【相談の種別と特徴】 在宅: タイムリーな様子が聞き取れる。 施設入所: ~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~: 【出力書式】 1.要約 ・150文字要約:会話の要点を150文字前後でそれぞれ要約してください。 2.主訴 ・本面談の主訴:対象者が最も強調したい問題や懸念を特定し、記述してください。 3.会話の内容 ・ 【テーマ】:「職員が対象者に」若しくは、「対象者が職員に」質問した内容をもとに、テーマ分けすること ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 会話文「※サンプルダミーデータ」 ※サンプルダミーデータ 相談名:相談ダミーデータ_1回目 相談日時:YYYY/MM/DD レポート作成日時:YYYY/MM/DD 使用テンプレート:サンプルテンプレート レポート作成者:〇〇 〇〇 1.要約 - 要約: 〇〇くんは施設で日課に慣れつつあるが 、夜間に不安定になり泣くことがあり、家の話題で感情 的になる。特に父親の名前を聞くと強い拒否反応を示し、 父親の厳しい叱り方( 部屋に閉じ 込める、ベルトで叩く)が原因とされる。母親も家庭内で暴力を受けており 、父親は今回の一 時保護に激怒している。母親は経済的理由や親族との関係悪化から離れることが難しいと感じ ている。職員は母親自身の安全確保と生活の安定を提案し、 シェルター利用やカウンセリングを 勧めたが、母親は決断を迷っている 。母親は面会を強く希望しているが 、職員は〇〇くんの状 態を見て判断する意向。次回の面談は来週の同じ時間に予定されている。 2.主訴 - 本面談の主訴: 母親は父親の暴力と厳しいしつけに対する不安と 、〇〇くんを早く家庭に戻したいという強い希 望を訴えている。 3.会話の内容 - 【テーマ】①:〇〇くんの現状 - 職員は施設での〇〇くんの様子について説明し、 「施設では徐々に日課に慣れてきている が、夜間に不安定になることがある 」と述べた。相談者は「やっぱり家に帰りたがってますか ?」と 質問し、職員は「家のことを話題にすると感情的になる」と答えた。 189 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 音声の取得に抵抗感を抱き同意を得ることができない課題があったが、説明資料の準備し丁寧に説明する対応をした。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 音声取得に際し、対象者から同意を得ることができない課 題 面接場面の音声には個人情報が多分に含まれることから、 実証の趣旨を説明し同意を得る必要があったが、対象者は 音声を取得されることについて抵抗感を抱く場合が想定され た。結果として本来面接で聞き出したいことを十分に話され ない可能性があった。 対象者が実証の趣旨を視覚的に理解しやすい説明資料を準備し、職員は丁寧な説 明を心掛けた。 体制・オペレーション 本来の面接の目的が達成できないリスク 児童相談の面接場面においては、こどもや保護者の生育歴、 養育においての悩み、家族間の関係性等について丁寧な聞 き取りを行うことによってその家庭における課題や強みを見立 てていくが、音声を取得することについて同意が得られたとし ても、対象者が安心して正直な思いを語ることができず、結 果として面接の目的を達成することができない可能性があっ た。 職員と一定の信頼関係が構築されており 、かつ実証に協力してもらえそうな対象者を 抽出して打診することとした。 190 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは2件見られた。 録音品質により録音データのテキスト化の精度が低くなるリスクがあったが、雑音・ノイズや音割れの原因を確認し対応をした。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 モデル再検討による実証開始の延期する課題 マスキング処理をしているとはいえ日本の個人情報データを 海外で処理する可能性がある点について懸念があり、モデル の変更を検討しその影響で実証開始が延期となった。 マスキング処理されたテキスト化データは録音データを参考に作成したダミーデータとな るため、予定していたモデルで実証再開した 。遅延分は実証期間見直しにより、実証 結果に影響がないように再調整した。 実証環境 設置環境によるネットワーク不具合が起こるリスク 機器設置場所の電波状況が悪く、ネットワークに接続できな い可能性があった。 事前に電波状況の現地確認を実施し、電波良好な環境にて機器設置を行った。 実証環境 録音品質の整備が不足しているリスク 期待される高音質での録音ができず、録音データのテキスト 化の精度に影響がでた。 実際の録音環境にて、疑似面談による事前検証を実施した 。雑音・ノイズや音割れ の原因を確認し対応した 。実証では、換気OFFやICレコーダーの置き方(机の反響 音があったため、ハンカチなどの上に置いた)にてリスク回避した。 191 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 個人情報のマスキング確認に時間を要する課題があったが、録音品質の改善や音声認識ソフトのパラメータの調整により文字起こし精度が改善する かの検証を行った。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 前処理に時間を要する課題 個人情報のマスキング確認について、確認作業に10~15 分程度の時間を要した。文字起こしの際、特に名前が複数 の形式(例:たか、たかちゃん、たかしら、おかしなど)で出 力され、マスキングされることがあり、この確認作業が手間と なった。 実際に発話された名前(例:たかし、たかちゃんのみ)で文字起こしできれば、問題 は緩和されると思われた。音質の影響が文字起こしに影響するため、雑音やバックグラ ウンドノイズの除去や話者の声量や発音の明瞭さの改善が必要だった 。試行しながら よりよい形を模索するとともに(例.IC レコーダーを面談者よりに置いて音を拾いやすくし、 職員はいつもより少し声量や発音の明瞭さを意識するなど検証)、 音声認識ソフトの パラメータの調整を実施し検証した。 体制・オペレーション アンケート集計業務の負荷が係るリスク アンケート集計において業務負荷が係る恐れがあった。 Webフォームによるデジタル集計にて業務負荷軽減を図った。 企画 実証前 準備 実証 192 3.実証団体ユースケースの成果 3.9. 奈良市 4.セキュリティ概要 奈良市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施しました。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 富士通Japan SaaS共通基盤(Microsoft Azure) 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-4o (グローバル標準デプロイ) モデルリージョン:東日本 3.外部サービスの提供者の名称 富士通Japan株式会社(Microsoft社) 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性2情報相当 ※実証初期は自治体機密性3 情報を扱う予定だったが 、自治体機密性2 情報(個人情報を含まないダミーデー タ)に変更した。 5.利用者の範囲 奈良市こども未来部こども支援課職員62名及びシステム開発担当者に限定 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 入力した要機密情報がクラウド事業者の学習データに転用され、情報漏えいとなるリスクに対して、API接続に限定し て利用するため、入出力された内容は学習データに使用されなかった。 利用者のプロンプトインジェクションによる情報の窃取・ 改ざんのリスクに対して、規定の入力情報チェック機能を使用し、 インジェクション攻撃を防止した。あわせてプロンプトによる情報搾取等の攻撃を防止した。 間違った情報(ハルシネーション )を利用してしまうリスクに対して 、結果データを職員が確認した 。また、ハルシネー ション発生確率を低下させるために、プロンプトの改善を実施した。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 本事業の目的・概要・実証事業での活用などをわかりやすく文書化し、 適用するサービスの対象者に事前に文書で 提示かつ説明し、同意を得た場合のみ対象とした。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 本事業での生成AIの出力情報の二次利用は行わなかった。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評価 プロンプト入力や音声等の情報をセットした時には、端末、時間等を記録して保存する。管理職が定期・不定期に記 録の確認を行った。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバックを 受ける仕組み プロンプト入力や音声等の情報をセットした時には、端末、時間等を記録して保存する。管理職が定期・不定期に記 録の確認を行った。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 協力事業者内におけるセキュリティ監査を実施し、外部からの攻撃及び内部からの悪意ある行為に対するセキュリティ 対策の検証を行い、協力事業者のセキュリティ基準に沿ったシステム構築を行った。 セキュリティ概要 193 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 1.実証概要 課題と解決イメージ 漠然と悩む保護者に 「寄り添い、困りごとを整理し 、解決案を提案する 」機能を備える大規模言語 モデルを用いた生成 AI型チャットボットを活用することで 、下記の変化をもたらす 。 相談支援につながらない障壁の解消:共働き等により平日昼間に時間的ゆとりがない子育て 世帯に対して 24時間365日寄り添いながら相談支援を実施することができる 。 効率的な業務遂行:比較的軽微な相談はチャットボットが回答し 、窓口職員はこどものセンシ ティブな相談や強い育児不安など 、より専門的な相談に集中することができる 。 サービスマッチングの向上:生成 AIを活用したチャットボットの実装により 、悩み相談から外部の 子育て支援サービスへのアクセスが向上し 、時間的なゆとりをもって仕事も育児も両立できる環 境づくりに寄与することができる。 ①相談支援につながらない様々な障壁 豊中市では 、妊婦・子育て世帯に対し 、「出産子育て応援給付金に伴う伴走型相談支援 」、 「利用者支援事業 」等の業務を通じて 、様々なニーズに即した必要な子育て支援サービスにつ なぐ取り組みを行っている 。 しかし、共働きが前提の子育て世帯等において 、平日昼間に相談窓口に行く暇がなく 、また、自 分で調べようとしても子育て支援サービスの情報がインターネット等において散在しており 、自分に あったサービスにたどり着くために時間がかかりすぎるという課題があり 、相談支援につながらない 潜在的ニーズが存在していると考えている。 ②孤立する子育て環境 核家族化が進み 、地域のつながりも希薄になる中で 、孤独感や不安感を抱える子育て世帯等 が増加しており 、豊中市が設置する 「こども総合相談窓口 (電話相談)」には、昔であれば親 や友人、近隣の知人などに相談できていたと思われる相談 (寝かしつけ 、離乳食の与え方 、し かり方等)も多く寄せられており 、寄り添って聞いてもらえるだけで解決する一般的な相談が増え ている。 現状の課題 解決イメージ 豊中市 大阪府豊中市 人口約40.2万人 15歳未満人口約5.5万人 ※e-statの2020年度人口から取得 194 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 チャットボットを用いた住民の子育て相談支援 住民 (妊婦・子育て家 庭) 実証に参加した住民(妊婦・子育て家庭)からの入力情報に対し、協力事業者のHP(子育て相談 ドットコムに寄せられた相談・回答データ)と豊中市の情報誌(とよなか子育ち・子育て応援BOOKみん なで)をもとに生成AIが回答を作成した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC 195 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー こども未来部はぐくみセンターこども支援課 事業全般の管理、事務局・協力事業者との連絡調整等 (3人) 実証担当者 こども未来部はぐくみセンターこども支援課、 子育て支援センターほっぺ 「とよなか子育ち・子育て応援BOOKみんなで」のデータ提 供、実証、ヒアリングの協力等(3人) システム担当者 都市経営部デジタル戦略課 市システム環境の管理 ・助言、実証フィールドの提供等 (2人) 協力事業者 株式会社AI Shift 実証用チャットボットの要件定義及び開発の全体管理等 協力事業者 株式会社サイバーエージェント インタビュー、アンケート調査、実証、結果レポート作成等 協力事業者 株式会社メリル 「子育て相談ドットコム 」に寄せられた相談・ 回答データの 提供等(1人) 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 1.実証概要 実証体制 実証体制 196 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 協力事業者主担当 実証団体主担当 197 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 1.実証概要 実証イメージ図 住民 ユースケース 1:子育てに関する相談内容 入力情報 ユースケース 1: 参照情報をもとに子育て相談へ回答 出力情報 参照情報 実証イメージ図 留意事項 1 2 イベントに参加した住民が、イベントブース内で自治体職員の サポートを受けながら利用した。 子育て相談・回答情報や豊中市子育て観点の情報誌といっ た公開されている情報のみを参照情報をとして利用した。 1 子育て相談・回答情報 豊中市子育て関連の情 報誌 2 198 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 利用者数:生成AIシステムを利用した人数 利用回数:各機能の入力回数 Bad評価という機能は実装されていないため 、集まった回答を事後 に人力で評価した 。結果、入力情報に対して 「見つかりませんでし た」といった回答が 18件中15件見られた。これは、参照情報の網 羅性(RAGに登録した情報が必要な回答を生成するのに不十分 であるという意味)に該当すると解釈した。例えば、「豊中市の夜間 の病院はどこ?」や「この辺りでオムツ交換ができるところは ?」といっ た質問があった 。今後RAGの登録情報を拡張することで 、回答が 可能になる。 「回答結果の網羅性」について、事前準備した入力情報に対しては 9割以上という非常に高い正答率での回答ができていた。ただし、個 別の施設に関する細かい情報などについては課題が残った 。それら の入力情報に対してチャットボットで回答できるようにするには、個別 の施設情報について RAGへの登録方法を工夫することで 、回答が 可能になる。 返答生成機能の「回答に対する懸念」について、特に大きな問題は 見られず、 安全性が高いシステムだと言えた 。 一方、 「<DOCUMENT>内には回答が見つかりませんでした 」といった利 用者向けとしては不適切な表現を使った回答が部分的に見られた 。 今後、ユーザビリティの観点から、このような細かい部分の制御を行う 必要がある。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× 返答生成機能+ よりそい機能 基礎情報 利用者数 人数 88 利用回数 回 211 Bad評価 回 18 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 0 回答結果の網羅性 回 0 参考情報の正確性 回 0 参考情報の網羅性 回 15 質問の聞き方や 入力方法が悪い 回 3 回答に対する懸念 倫理違反を含む回答 回 0 虚偽の情報を含む回答 回 0 権利侵害を含む回答 回 0 199 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 2.ユースケース結果 ユースケース1(1/2) 住民からの質問に対する問い合わせ対応業務において、生成AIの情報検索・文章作成機能が、相談者の満足度や職員の業務効率化といった業務効率性や利用者満足度に寄与することが示され た。【 ① ② 】考察 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①相談者の満足度が向上 利便性に関する満足度高評価割合 満足度は高い 利便性に関する満足度高評価割合:63% チャットボット利用前後で、「チャットボットに入力する ことに感じる抵抗感」が小さくなったことから、利用意 向は高いと考えられた。 入力情報の内容から 、検索エンジンへのキーワー ドのような聞き方が多く 、生成AIの利用に慣れて いない人が多いことが伺えた 。 利用者向けとしては不適切な表現を使った回答 が見られた 。 ②職員の業務効率が向上 問い合わせ対応時間 対応時間は削減 問い合わせ対応時間:20分→4分 情報の正確性や、アイデアの数と質が重要になる回 答は高く評価された。 感情的な配慮が必要な質問に対して 、解決策を 羅列するような回答や 、断言口調である回答が 見られた。 よりそい機能による返答速度の遅延に対して、返答速度に影響を与えないようにプロンプトの調整を行うことが考えられる。【 ① ③ 】 生成AIの回答が相談者に対する配慮に欠けていることに対して、言葉選びを慎重にし柔らかい表現で相談者に寄り添う形で回答できるように改善を行うことが考えられる。【 ② ⑥ 】 改善案 KGI 1 チャットボットを用いた住民の子育て相談支援 住民を利用者として、問い合わせ回答を生成AIが支援するユースケースを実証した。 職員立ち合いのもと住民からの質問に対し、協力事業者のHPと豊中市の情報誌をもとに生成AIが回答を作成した。 実証に参加した住民に対する5段階評価アンケート結果及びインタビュー結果によって評価した。 KGI 住民 文章 200 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 2.ユースケース結果 ユースケース1(2/2) 住民からの質問に対する問い合わせ対応業務において、生成AIの情報検索・文章作成機能が、相談者の満足度や職員の業務効率化といった業務効率性や利用者満足度に寄与することが示され た。【 ① ② 】考察 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③よりそい機能の有用性 有用性評価 よりそい機能により有用性は低下 有用性評価:よりそい機能なし 95%→ よりそい機能あり 77% よりそい機能があることにより回答に対する印象は良 くなった。 よりそい機能は 、利用者のチャットボットへの印象 を高める 一方、 回答生成に必要な時間が若⼲ 増えることで返答速度に対する利用者のストレス を感じる可能性があることがわかった 。 ④回答内容の信頼度 信頼のある回答割合 回答内容の信頼度は高い 信頼のある回答割合:95% プロンプトの調整段階で 、生成AIの回答信頼度テ ストを実施し、高い評価を得たうえで実証を実施す ることができた。 参照情報に含まれていない情報を求める質問が あったため 、回答として不適切な内容を出力した 。 ⑤相談者の満足度 チャットボット利用に関する満足度の高評価割 合 相談者の満足度は高い チャットボット利用に関する満足度の高評価割 合:95% チャットボット利用前後で、「チャットボットに質問する ことに感じる抵抗感」が小さくなったことから、利用意 向は高いと考えられた。 ネガティブな意見や原因はない 。 ⑥平均対応時間 問い合わせ対応時間 対応時間は削減 問い合わせ対応時間:20分→4分 情報の正確性や、アイデアの数と質が重要になる回 答は高く評価された。 感情的な配慮が必要な質問に対して、 解決策を 羅列するような回答や 、断言口調である回答が 見られた。 よりそい機能による返答速度の遅延に対して、返答速度に影響を与えないようにプロンプトの調整を行うことが考えられる。【 ① ③ 】 生成AIの回答が相談者に対する配慮に欠けていることに対して、言葉選びを慎重にし柔らかい表現で相談者に寄り添う形で回答できるように改善を行うことが考えられる。【 ② ⑥ 】 改善案 KPI 1 チャットボットを用いた住民の子育て相談支援 住民を利用者として、問い合わせ回答を生成AIが支援するユースケースを実証した。 職員立ち合いのもと住民からの質問に対し、協力事業者のHPと豊中市の情報誌をもとに生成AIが回答を作成した。 実証に参加した住民に対する5段階評価アンケート結果及びインタビュー結果によって評価した。 KPI KPI KPI 住民 文章 201 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 生成AIが回答する個別の施設に関する細かい情報 ( 「豊中市の夜 間の病院はどこ?」や「この辺りでオムツ交換ができるところは?」 )など については課題が残る。 生成AIを用いたチャットボットのユースケースの内 、子育て相談という幅 広いテーマに対して、一定満足のいく回答ができた。 国内リージョンに限定したため、生成AIの製品・性能に制限を与えたが、 会話の楽しさ、情報の正確さ、使いやすさ、信頼、寄り添っていると感じ るかどうか、などいずれの項目も高い評価を得ることができた。生成AIへの認識 特にない。 実証に参加して生成AIチャットボットを体験した職員も数名いた。思い のほか、きちんと回答してくれると評価があった。担当部署以外 からの認識 コストに対する効果の見えなさから 「生成AIを導入する費用対効果が 評価できない」といったネガティブな声が上がった。 【既存ユースケース】:ユースケース1 【詳細】:設定した課題を解決するために必要不可欠な手段であるため。 漠然とした悩みに寄り添いながら整理し、必要な情報を提案できること 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 202 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ 入力イメージ 出力イメージ 203 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 企画フェーズ及び実証前準備フェーズにおける課題とリスクは見られなかった。 実証フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 市職員の知識・経験不足によりプロジェクトマネジメントが上手くいかない課題があったが、協力事業者との打ち合わせを行うことで対応した。 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション プロジェクトマネジメントが上手くいかない課題 市職員にプロジェクトマネジメントの知識・ 経験がなかった 。 複数の協力事業者が関わるため 、進捗の共有やスケジュー ル管理が不慣れな市職員では困難だった。 協力事業者からの声掛けにより打合せを行う場を設定することで、乗り越えられた。 体制・オペレーション スケジュールが遅れるリスク 設計、プロンプトの調整など技術的なプロセスについて 、いつ までに何ができていないといけないか、 知識・経験不足により 判断できなかった。 ABeamの管理により、ペースをつかむことができた。 企画 実証前 準備 実証 204 3.実証団体ユースケースの成果 3.10. 豊中市 4.セキュリティ概要 豊中市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 Azure OpenAI 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure、Google Cloud Platform モデル詳細:GPT-4o (PTU利用) モデルリージョン:東日本 3.外部サービスの提供者の名称 Microsoft 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性1情報相当 自治体の基準における機密性1情報相当 5.利用者の範囲 豊中市住民 (ただしイベントブースで職員が横でサポートしながら利用した。) 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 自治体機密性1情報のみを取扱うため対応不要とした。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 自治体機密性1情報のみを取扱うため対応不要とした。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 自治体機密性1情報のみを取扱うため対応不要とした。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 自治体機密性1情報のみを取扱うため対応不要とした。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み 自治体機密性1情報のみを取扱うため対応不要とした。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 住民が実証を行う際は同意を取得した上で、職員同伴のもと生成AIサービスを利用した。 セキュリティ概要 205 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 1.実証概要 課題と解決イメージ 生成AIによる記録作成の効率化支援 職員負担を減らす手段として 、相談対応や他機関との連携における電話やり取りの記録をつけ る作業を生成 AIで効率化を図る 。具体的には 、通話内容を自動で文字起こししできる環境を 整備したうえで 、生成AIによって記録フォーマットに転記できる形式で要約することで 、記録に係 る時間短縮を図る 。その業務軽減によって 、職員はこどもや保護者等へのケアなどといった直接 業務に集中できる 。 ①児童相談所職員の相談業務に掛かる業務負荷が大きい 実証フィールドである西部児童相談所の受付部門職員は 1人1日当たり平均 、受信数20本・ 着信数16本の計 36本の相談が対応をしており 、対応時間は 3時間ほど。受付部門全体でみ ると、職員7人合計で受信・ 着信数252本、対応時間21時間。また、相談対応以外にも様々 な関係機関から連絡を受けるので 、全体の電話対応時間は更に長くなり 、大きな負荷が生じて いる。 ②当事者・家族等からの相談記録業務に係る時間が長い 在職歴の長短によって 、記録に係る時間と負担は異なる 。現在、名古屋市の児童相談所では 在職歴3年未満の職員は全体の半数であり 、ゆえに全体として記録に要する時間は長い状況。 記録業務は主に 、電話対応・面接・家庭訪問の 3つにおいて発生する 。記録の件数は電話対 応が月当たり平均 40回の職員が多く 、面接と家庭訪問では月当たり 20回未満の職員が多い 。 記録時間として 、面接と家庭訪問が 1回当たり平均 0.5~1時間かかる場合が多い (家庭訪 問の際の移動時間を含まず )。電話対応は1回当たり平均5~15、 15~30わかかる場合が 多く、職員にとって時間がかかる作業となっている 。 ③他機関との調整・ 連携業務の負担が大きい 児童相談所での対応業務はこども ・家庭からの相談だけでなく 、他機関との連絡・ 調整も含まれ る。ただでさえ相談対応や面接等に係る記録業務の負担が大きい中で 、職員には他機関との 連絡を記録に起こす業務も求められている 。それが職員にとって負担となっており 、記録時間の 確保が難しい状況 。 現状の課題 解決イメージ 名古屋市 愛知県名古屋市 人口約233.2万人 15歳未満人口約27.5万人 ※e-statの2020年度人口から取得 206 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 児童相談所職員の当事者からの相談対応記録 の作成業務支援 自治体職員 (相談受付部門の 職員) 児童相談所職員が当事者からの相談対応に当たる際に 、電話でのやり取りの内容を録音し、リアルタイ ムで文字起こしした。その後、PC上のブラウザから相談内容のテキストデータを保存し、そのまま生成AIへ 入力することで、生成AIによって会話の内容を文章化した 。職員が、生成AIが作成した文章をコピーし て経過記録フォーマットへ貼り付け、提出した。 2 児童相談所職員の関係機関との連絡対応記録 の作成業務支援 自治体職員 (相談受付部門の 職員) 児童相談所職員が関係機関からの連絡対応に当たる際に、電話でのやり取りの内容を録音し、リアルタ イムで文字起こしした。その後、PC上のブラウザから連絡内容のテキストデータを保存し、そのまま生成AI へ入力することで、生成AIによって会話の内容を文章化した 。職員が、生成AIが作成した文章をコピー をして記録フォーマットへ貼り付け、提出した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:PC、IP電話機 207 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー 中央児童相談所 実証事業全体の統括(1人) 実証の実施 西部児童相談所 実証リーダー(1人) 相談部門職員(3人) 事業設計・効果検証支援 株式会社NTTデータ経営研究所 事業設計・効果検証の実施支援 システム・環境構築支援 西日本電信電話株式会社 文字起こし環境の整備や、システム全体の活用サポート 生成AI提供 NTTスマートコネクト株式会社 生成AIサービスの提供 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 1.実証概要 実証体制 実証体制 208 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 協力事業者主担当 実証団体主担当 209 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 1.実証概要 実証イメージ図 自治体職員 ユースケース 1:住民からの相談内容 ユースケース 2:関係機関からの連絡内容 入力情報 ユースケース 1:相談内容が要約された文章 ユースケース 2:相談内容が要約された文章 出力情報 事前情報 実証イメージ図 留意事項 文字起こしデータ 1 2 1 実証であるため入力情報データはそのまま活用はしていない。 また、リスク評価を実施した。 2 実証であるため出力情報データはそのまま活用はしていない。 また、リスク評価を実施した。 210 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 利用者数:生成AIシステムの利用者数 利用回数:各機能の入力回数 特にユースケース2においてGoodの割合が改善した。文字起こしシ ステムのパラメータの調整やプロンプトの修正の結果、システムの精 度改善が考えられた。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× 要約機能 ユースケース2× 要約機能 基礎情報 利用者数 人数 4 4 利用回数 回 153 362 Good/Bad評価 回/回 97/56 168/218 Badの評価 理由 回答結果の正確性 回 39 174 回答結果の網羅性 回 24 77 参考情報の正確性 回 9 26 参考情報の網羅性 回 6 26 回答に対する懸 念 倫理違反を含む回答 回 40 181 虚偽の情報を含む回答 回 0 0 権利侵害を含む回答 回 0 0 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 211 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 2.ユースケース結果 ユースケース1 通話内容からの相談対応の記録作成業務において、生成AIの文章要約機能が、記録作成時間といった業務効率性に寄与することが示された。【 ① 】 通話内容からの相談対応の記録作成業務において、生成AIの文章要約機能が、記録作成件数といった生成AIの有効性にあまり効果を発揮しないことが示された。【 ② 】 児童相談所での相談記録といった生成AIにセンシティブな内容を入力する場合、コンテンツフィルタによって生成結果が出力されないケースがあることがわかった。【② 】 考察 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①記録生成時間の削減 平均時間の割合、最大時間の割合 記録作成時間は短縮 平均時間の割合:5-15分 43%→70%、 15-30分 35%→29% 最大時間の割合:15-30分 32%→14%、 30-60分 45%→85% 特に長いやり取りの記録作成の手間が削減してい ることが推測された。 箇条書き機能により相談内容を記録としてまとめや すくなった。 同一人物の会話のみ文字起こしする機能により 、 要約がしやすくなった。 文字起こしシステムで出力された内容が大幅に 間違っている場合、 生成された内容の修正に要 する時間が増えま 。 保留音を検知すると文字起こしシステムが通話 記録を分けてしまうため 、その統合に時間を要し た。 ②生成AIを用いた記録作成件数の割 合 記録作成件数の割合 ※生成AIを用いた記録作成件数 / 実証期 間を通して業務内で作成した記録件数 によっ て算出した。 記録作成件数は伸び悩んだ 記録作成件数の割合:13% ポジティブな意見や原因はない。 センシティブな内容に生成 AI のコンテンツフィルタ が作動してしまい要約が出せない状況となり 、対 象となりそうな相談内容を実証対象から省いたた め、利用割合が伸び悩んだ。 文字起こしシステムの出力が誤っている際に修正に時間を要することに対して、文字起こし精度の向上や使い勝手を改善することが考えられる。【 ① 】改善案 1 児童相談所職員の当事者からの相談対応記録の 作成業務支援 児童相談所職員を利用者として、通話内容からの相談対応の記録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 児童相談所職員からの入力情報に対し、相談者との通話内容の文字起こしデータをもとに生成AIが相談対応記録を出力した。 実証に参加した自治体職員に対するアンケート結果と作業時間の変化によって評価した。 自治体 音声 文章KGI KPI 212 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 2.ユースケース結果 ユースケース2 通話内容からの連絡対応の記録作成業務において、生成AIの文章要約機能が、記録作成時間や記録作成件数といった業務効率性や生成AIの有効性に寄与することが示された。【 ① ② 】考察 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①記録生成時間の削減 平均時間の割合、最大時間の割合 記録作成時間は短縮 平均時間の割合:0-5分 25%、5-15分 75% 最大時間の割合:15-30分 33%、30-60 分 50% 実証前に関係機関との連絡対応の記録作成に要 した時間データをとっていないため、実証前後の比較 はできなかったが、内容が箇条書きでまとめられてお り、記録を確認・修正しやすいことが意見としてあっ た。 箇条書き機能により相談内容を記録としてまとめや すくなった。 連絡主や連絡の内容を正確に記録として残すこと ができ確認の手間が減った。 曖昧な情報を省き要約しすぎてしまうことがあった 。 ②生成AIを用いた記録作成件数の割 合 記録作成件数の割合 ※生成AIを用いた記録作成件数 / 実証期 間を通して業務内で作成した記録件数によっ て算出した。 記録作成件数は伸び悩んだ 記録作成件数の割合: 12% 5分以上のやり取りのみを対象としたため約1割に留 まったものの、全体的には5分未満の短いやり取りも 多いことを踏まえると 、実際にはより高い割合である ことが考えられた。 ネガティブな意見や原因はない 。 要約の際に曖昧な情報を省いてしまうことに対して、生成AIによる要約の程度を調整することが考えられる。【 ① 】改善案 2 児童相談所職員の関係機関との連絡対応記録の 作成業務支援 児童相談所職員を利用者として、通話内容からの連絡対応の記録作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 児童相談所職員からの入力情報に対し、関係機関との通話内容の文字起こしデータをもとに生成AIが連絡対応記録を作成した。 実証に参加した自治体職員に対するアンケート結果と作業時間の変化よって評価した。 自治体 音声 文章KGI KPI 213 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 5分未満の短いやり取りでの生成AI による文字起こし・記録作成では 作成時間の短縮効果はあまりなかった。 より専門的な用語が含まれるケースややり取りが長時間になるケースで は、文字の修正が多く発生しないことや要約が上手く実施されないこと があった。 生成AIを活用することによって 、(特に5分以上の長いやり取りについ て)記録の作成時間が短縮した。 実証前は生成AIのことがわからず、専門性の高い児童相談所業務で の記録作成に寄与するような要約は難しいと感じていたが、適切なプロ ンプトを入力することで業務効率化に寄与する可能性があることがわ かった。 生成AIへの認識 質問を入力すればある程度思った通りの回答を出力してくれるという期 待もあったが、実証を通してプロンプトをうまく調整しなければ思った通り の結果が得られないことを理解し、万能な機械ではないという認識に変 化した。 庁内で生成AIを導入したことはなく総じて生成AI への期待値が高かっ たため、「自分たちの部署で利用するにはどのようなケースが考えられる か」「今後は自分たちの部署で今実施している生成AIサービスを利用し たい」といったポジティブな反応が得られており 、実際にヒアリングの相談 があった。 担当部署以外 からの認識 特にない。 【既存ユースケース】:ユースケース1、2 【詳細】:一定の改善効果が見られたため、本格実装も検討している。 【新規ユースケース】:電話以外での対面面接等での自動文字起こし・要約の実施 【詳細】:対面の面接時の内容を、持ち込みのノートPC、タブレット、ICレコーダー又は会議システム 等で録音したうえで、自動で文字起こしされ、生成AI記録フォーマットに要約する。 文書内の文章の記載粒度を調整できること 修正した用語の登録ができること 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 214 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ 入力イメージ 出力イメージ 相談履歴 215 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は1件、リスクは1件見られた。 予算や精度の条件を満たす文字起こしサービスを選定する課題があったが、児童相談所に特化した文字起こしサービスを活用した。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 文字起こしサービスを選定する課題 決められた条件(実証予算、コールセンターのようなPC型は 不可等)で実現できる文字起こしサービスの選定が必要 だった。 文字起こしの精度が重要であるため、児童相談所に特化した文字起こしサービスを活 用した。 実証環境 AI要約の前提となる電話の文字起こし精度が低いリスク 実証フィールドである西部児童相談所の電話回線がアナロ グ回線であったため、文字起こしの精度が低く、生成AIで要 約しても記録に耐えられる品質ではなくなってしまうことが想 定された。 実証に必要な最低減の構成でIP電話機の設置を行い、文字起こし精度を改善した。 216 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は4件、リスクは2件見られた。 生成AIの生成文を評価する課題があったが、簡易記録表での評価や回答に対するGood/Badボタンで評価を行った。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 生成メッセージの評価する課題 メッセージの評価がシステム的に実施できないため、新たな実 施方法の検討が必要だった。 簡易記録表を作成してメッセージの評価を実施する方向で検討した 。生成AI上での Good/Bad ボタンを追加したうえで、理由等については紙の簡易アンケートで確認した。 体制・オペレーション セキュリティ部門と調整する(文字起こしシステム利用につ いての質問対応)課題 名古屋市デジタル改革推進課からの確認事項への対応が 必要だった。 協力事業者にて確認後、名古屋市内で調整した。 体制・オペレーション 利用申請を行う課題 西部児童相談所にて生成AIの利用申請が必要だった。 名古屋市で外部サービス利用基準の中に利用申請書のフォーマットがあるため 、内容 を記述し必要な手続きを実施した。 体制・オペレーション 個人情報の取扱いにあたっての委託契約を行う課題 文字起こしサービスのパラメータの調整にあたって個人情報 の取扱いが発生するため、委託契約又は覚書の締結が必 要だった。 名古屋市・協力事業者での無償での委託契約を締結した。 体制・オペレーション 簡易記録表を運用するリスク メッセージの評価機能が活用する生成AIサービスにないため、 手動での記録が運用負担になることが考えられた。 なるべく簡易な評価シートを作成して運用した。 実証環境 生成AIサービスの利用可否があるリスク 約款型クラウドサービスの場合は自治体機密性2情報以上 の情報が取扱えない可能性があった。 利用する生成AIが約款型ではなく契約型サービスであることを確認した。 217 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ(1/2) 実証フェーズにおける課題は4件、リスクは2件見られた。 コンテンツフィルタによって生成AIが回答を出力しない課題があったが、コンテンツフィルタが作動したものは実証対象外としつつ一部はプロンプトの修正 により対応した。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 文字起こしシステムの課題 文字起こしシステムとして 、固有名詞や名前の間違いが多 発することや、フィラーワードを切り取る際にその後に続く単語 まで切り取られること、保留音を検知して文字起こしが途切 れてしまい結果として1つの電話でもいくつかのやり取りに分け られたことがあった。 文字起こしシステムのパラメータを調整して対応した。 実証環境 実際とは異なる内容が生成AIで出力される課題 職員の目からは危険な相談なのに「危険性なし」と分類され ることや、デフォルトのフォーマットを使用した際にやり取りにな い内容が出力されることがあった。 複数回のプロンプトの修正により対応した。 実証環境 長いやり取りの場合に生じる課題 長いやり取りだと結果が出てこずフリーズすることや、 長いやり 取りを圧縮してしまい、内容が消えた(おそらく文字起こしが 意味不明に出力した部分を生成 AIが省いてしまった )こと があった。 原因として、文字起こしが意味不明に出力した部分を生成AI が省いてしまったと考え られた。文字起こしのパラメータを調整して対応した。 実証環境 コンテンツフィルタの課題 非常にセンシティブな内容に関するやり取りの内容を 、コンテ ンツフィルタが「不適切」を判断し出力しないケースがあった。 コンテンツフィルタの対象となるリスクカテゴリにセンシティブな内容が含まれてしまった 。し かし、コンテンツフィルタを利用者単位で外すことはできないため 、コンテンツフィルタが作 動した分は今回の実証対象から外す方針としつつ 、プロンプトの修正により一部対応 した。 企画 実証前 準備 実証 218 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ(2/2) 実証フェーズにおける課題は4件、リスクは2件見られた。 デフォルトのプロンプトテンプレートでは実際の内容とは異なる内容が出力される課題があったが、プロンプトテンプレートを更新して対応した。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 デフォルトのプロンプトの精度が低いリスク デフォルトのプロンプトテンプレートを使用した際、実際の内容 と異なる内容が出力される可能性があった。 プロンプトを更新して対応した。 実証環境 月単位のトークン数※が不足するリスク GPT-3.5で利用可能な月単位のトークン数上限は1,200 万トークン、GPT-4で500万トークンだった 。利用開始約2 週間半経った段階で累積トークン (GPT-3.5)が346万 1,992トークンであり、実証期間中にトークン数上限を超え る可能性があった。 上限に近くなったタイミングでGPT-4のトークン数をGPT-3.5へ移動し対応した。基本 はGPT-3.5の利用を想定していたため(GPT3.5の精度が低い場合にGPT4の利用 を想定)、事前に移動した。 企画 実証前 準備 実証 ※生成AIモデルに入力した、もしくは生成AIから出力される文字数 219 3.実証団体ユースケースの成果 3.11. 名古屋市 4.セキュリティ概要 名古屋市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 NTTスマートコネクト生成AI 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Microsoft Azure モデル詳細:GPT-4 モデルリージョン:東日本 3.外部サービスの提供者の名称 NTTスマートコネクト株式会社 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性3情報相当 5.利用者の範囲 名古屋市西部児童相談所の受付部門職員3名。 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 生成AIに係る固有のリスクとして、①ハルシネーション(いわゆる嘘をつく)のリスク、②出力情報に関する権利 問題のリスクが挙げられた。 セキュリティ懸念への対応として 、生成したものを公表しない ・外に出さないことや 、出力情報は必ず確認する (100%信用しない)などといった行動をとった。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 サービス利用画面に「生成AI」利用である旨を表示した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 二次利用の責任について約款で対応した。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 実証であるためデータをそのまま活用することはせず、必要に応じてリスク評価を実施した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み システム機能上、フィードバックを受ける仕組みに対応していないが、別途記録帳票を作成のうえフィードバック情 報を収集することで対応した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 一般利用者は対象外とした。 セキュリティ概要 220 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①保育ICTシステムにおける「おたより、連絡帳、帳票」の文章作成サポート 保育者が日々作成する書類のうち、保育ICT システムを導入している「おたより、連絡帳、帳 票」について、ルクミー AIアシスト(たよれるくん)を活用し、以下(1 )~(4)の機能を使う ことで、業務時間や業務量の変化、生成された文章内容の精度を確認する。 (1) 箇条書きからの文章提案(おたより、連絡帳) (2) 誤字脱字のチェックと修正(おたより、連絡帳) (3) 外国語翻訳(おたより、連絡帳) (4) 保育記録等帳票の作成 ②不適切写真チェックと園児ごとの写真枚数バラつきチェックによる園児個別写真整理 保育者が撮影した園児の写真チェック・写真整理の業務改善を目的とし、ルクミーフォト AI(β 版)を導入し、保育者が写真を撮影した後の事務負担を軽減する。 1.クラス分け・管理画面へのアップロード、 2.不適切写真のチェック・園児ごとの写真枚数バ ラつきチェックの自動化による業務時間や業務量の変化、写真チェックの精度を検証する。 ①帳票類など、日常的に記録が必要な書類事務の労力や事務負担が大きい 保育の実施状況 、こどもごとの様子などを保育者自身ですべて記憶 ・想起することは難しく 、想 起した内容を保育記録等としての整理・ 文章化、手書きによる記入 ・管理するために、保育者 は多くの労力を費やしている 。 また、文書作成は、保育中に入力作業を行えない状況や 、同じような内容の文章を複数の書 類へ転記 、近年増えている外国籍園児 (保護者)への対応として外国語翻訳する際の非 効率が存在する 。保護者連絡帳や帳票など 、日常的に記録することが求められる書類が多く 、 書類作成できる時間は保育中は午睡 (お昼寝)時間の2時間から3時間程度に集中し 、業 務効率化/事務負担の軽減は常に課題。 ②写真データ活用における写真チェック作業の負担が大きい (労力や時間) 保育の質・ウェルビーイング向上には 、多様なこどもごとの興味関心や関わりを発見、 想起・把握 し記録することが重要なプロセス 。このプロセスは保護者とのコミュニケーションや保護者支援をす る上でも欠かせない 。そこで、狛江市では保育者による発見、 想起・把握・記録や保護者支援 などの為に保育中に撮影した写真データを活用している 。写真データを保護者へ共有することは こどもごとの姿 ・成長の発見などに非常に有効だが 、保育者による 「不適切な写真が撮影されて いないか」、「園児ごとに写真枚数のバラつきがないか 」など1か月で数百枚~千枚以上の写真 チェック作業が発生しており 、その事務負担は非常に大きい状況。 現状の課題 解決イメージ 狛江市 東京都狛江市 人口約8.5万人 15歳未満人口約1万人 ※e-statの2020年度人口から取得 221 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 保育園職員の保育ICTシステムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した 。また、保育者が作成した文章の誤字脱字修正を自動 で行った。 2 保育園職員の保育ICTシステムを用いた連絡帳 文章の作成業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した 。また、保育者が作成した文章の誤字脱字修正を自動 で行った。 3 保育園職員の保育ICTシステムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した。また、外国語翻訳等を自動で行った。 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個 別写真の整理業務支援 保育施設職員 保育者がルクミー撮影アプリで保育の様子などを撮影し 、写真のクラス分けと写真管理画面へのアップ ロードを自動で行った 。そして、アップロードされた写真を、 ルクミーフォトAI(β版)機能を用いて、不適 切写真(ブレ・ピンぼけ、暗い、顔が写っていない写真)の自動チェック・分類を行った。 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェッ クによる園児個別写真の整理業務支援 保育施設職員 保育者がルクミー撮影アプリで保育の様子などを撮影し 、写真のクラス分けと写真管理画面へのアップ ロードを自動で行った。そして、アップロードされた写真を、ルクミーフォトAI(β版)機能を用いて、園児ご とに写真を整理した。また、園児ごとに写真に写っている枚数をカウントし管理画面上に表示した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:タブレット、スマートフォン 実証前より使用していたサービス:ルクミーサービス 222 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー こども家庭部 部長 実証事業全体の統括責任者(1人) プロジェクトマネージャー こども家庭部児童育成課 実証事業の全体管理(1人) プロジェクトリーダー こども家庭部児童育成課 協力事業者との連絡調整、 作業担当者への指示出しな ど(1人) 担当者 こども家庭部児童育成課 実証事業における作業担当(1人) 実証協力施設 駄倉保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証協力施設 虹のひかり保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証環境構築 ユニファ株式会社 実証環境構築や実証サポート(15人程度) 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 1.実証概要 実証体制 実証体制 223 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 協力事業者主担当 実証団体主担当 2024年8月 2024年9月 2024年10月 2024年11月 2024年12月 2025年1月 2025年2月 2025年3月 5 12 19 26 2 9 16 23 30 7 14 21 28 4 11 18 25 2 9 16 23 6 13 20 27 3 10 17 24 3 10 17 24 ①実証環境整 備 ②効果検証設 計 ③効果検証 マイルストン 年月 週 ▼中間報告 デバイス納品 AI機能の付与設定 実証施設へのAI機能操作説明 ▼中間検証▼実証開始 モニタリング設計 中間・最終検証設計 次フェーズ計画 国内リージョンへの切替対応(主に開発) 国内リージョンでの運用開始 次フェーズ計画 次フェーズ計画 中間検証_ アンケート調査の実施 中間報告書作成 検証設計サポート 現状の測定 中間検証_ インタビュー調査の実施 実証施設へ個人情報の 取扱い変更周知・同意 実証開始 利用促進勉強会の実施 ▼最終報告▼最終検証開始 活用事例収集・共有 追加機能開発の検討・推進 最終検証 アンケート内容の見直しなど 最終検証_ アンケート調査の実施 最終検証_ インタビュー調査の実施 検証設計見直しサポート 最終結果報告書作成 検証サポート 最終結果報告書 追記・加筆修正 224 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 1.実証概要 実証イメージ図 実証イメージ図 留意事項 保育施設職員 ユースケース 1:おたよりの文章案(箇条書き等) ユースケース 2:連絡帳の文章案(箇条書き等) ユースケース 3:翻訳対象のおたより・連絡帳の文章案 ユースケース 4:保育の様子などのこどもの写真 ユースケース 5:保育の様子などのこどもの写真 入力情報 ユースケース 1:文章化・校正されたおたより文章 ユースケース 2:文章化・校正された連絡帳文章 ユースケース 3:翻訳されたおたより・連絡帳 ユースケース 4:不適切写真が除かれた写真 ユースケース 5:こどもごとの写真枚数 出力情報 1 こどもの写真 事前情報 2 1 ユースケース4、5では、保護者から同意を取得したうえで 撮影を行った。 ユースケース4 、5では、性的姿態等撮影罪への対策を 行ったうえで撮影を行った。2 225 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(1/2) 利用者数:システムの利用者数 Good/Bad評価:4段階評価 ユースケース1、2、3共通 虚偽の情報が含まれている可能性について 実際に活動していない保育中のシーンが文章に含まれていることが あった。(入力する箇条書き文章が少ない場合、AIが実際に活動 していない保育中のシーンも含めて内容を膨らませた形で文章を生 成するため、対応策としては入力する箇条書き文章を追加するなど の運用上の工夫が必要と考えられた。) Bad評価の理由について Bad評価の数に比べ、Bad評価の理由が多く記録されていた。 Bad評価の理由は複数回答が可能なため、同一回答者が複数回 答している可能性も考えられた。 若しくは、Goodと回答した利用者の中にBadの評価理由にも回答 している利用者がいる可能性がある。 【外国語翻訳_おたより、連絡帳共通】 外国籍の園児が在籍しておらず、現場での運用が発生しなかった。 最終検証でテスト利用を実施し、最終結果報告書に結果と考察を 記載した。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× おたより 箇条書き入力 からの文章提案 AI機能 ユースケース2× 連絡帳 箇条書き入力 からの文章提案 AI機能 ユースケース3× 外国語翻訳機 能 基礎情報 利用者数 人数 33 30 取得なし 利用回数 回 取得なし 取得なし 取得なし Good/Bad評価 回/回 32/1 29/1 取得なし Badの評価 理由 結果の正確性が低い 回 0 0 取得なし 結果の網羅性が低い 回 0 1 取得なし 結果の利便性が低い 回 1 3 取得なし その他 回 0 0 取得なし 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 0 0 取得なし 虚偽の情報を含む回答 回 7 4 取得なし 権利侵害を含む回答 回 0 0 取得なし 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 226 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(2/2) 利用者数:システムの利用者数 Good/Bad評価:4段階評価 ユースケース4、5共通 Bad評価の理由について Bad評価の数に比べ、Bad評価の理由が多く記録されていた。 Bad評価の理由は複数回答が可能なため、同一回答者が複数回 答している可能性も考えられた。 若しくは、Goodと回答した利用者の中にBadの評価理由にも回答 している利用者がいる可能性がある。 分類 集計項目 単位 ユースケース4× 園児ごとの写真枚 数のバラつきチェッ ク機能 ユースケース5× 不適切(NG)写 真チェック機能 基礎情報 利用者数 人数 21 22 写真枚数 枚数 3,495 3,495 Good/Bad評価 回/回 21/0 22/0 Badの評価 理由 結果の正確性が低い 回 1 1 結果の網羅性が低い 回 0 0 結果が出る速度が低い 回 2 1 その他 回 未取得 未取得 回答に対する懸 念 倫理違反を含む回答 回 未取得 未取得 虚偽の情報を含む回答 回 未取得 未取得 権利侵害を含む回答 回 未取得 未取得 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 227 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 「おたより、連絡帳における文章作成 AIサポート機 能」について、どのような使い方をすればどのような結 果が得られるのかを具体的に示す AI活用勉強会 (動画視聴併用)を行った。 保育者ごとにAIの使いやすいスタイルの習得促進を 目的に 、同じユースケースを実証する他自治体 (狛江市含め合計3自治体/10保育施設)の文 章生成AI活用事例を収集し、実証現場となるすべ ての保育施設へ共有を行ったことで 、利用者のAI 活用スキルが向上した。 業務が手一杯で 、AIのような新しい機能を使う 余裕がなく 、試せていないという意見が一定数存 在した。 文書の種類を問わず 、自分の言葉で表現したい 、 人となりが伝わる文章にしたいので AIは使わない という意見のほか 、生成文案に意図しない内容、 違和感のある表現・ 言い回しがあり手直しに時 間がかかるというコメントも一定数存在した 。 「文章が肉付けされすぎて自分で考えないと保護 者と直接話した際に何を書いたかわからなくな る。」という意見もあった。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(1/4) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳、帳票等の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した箇条書き情報の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KGI 228 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ②保育施設職員の満足度 文章作成AIサポート機能に対しての満足度 高評価割合、週案作成における連絡帳から の文章提案AI機能に対しての満足度高評価 割合 満足度は高い 文章作成AIサポート機能に対しての満足度 高評価割合:おたより 84.0%(アンケート 回答者数=25)、連絡帳 76.2%(アン ケート回答者数=20) 週案作成における連絡帳からの文章提案AI 機能に対しての満足度高評価割合: 77.8%(アンケート回答者数=18) おたより、連絡帳、週案における文章作成AIサポー ト機能について、 肯定的な回答をした割合が非常 に高いという意見が多数あった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(2/4) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳、帳票等の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した箇条書き情報の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI 229 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③生成AIの利便性 文章作成AIサポート機能に対しての利便性 高評価割合、週案作成における連絡帳から の文章提案AI機能に対しての利便性高評価 割合 利便性に関する評価は高い 文章作成AIサポート機能に対しての利便性 高評価割合:おたより 97.0%(アンケート 回答者数=33)、連絡帳 96.7%(アン ケート回答者数=30) 週案作成における連絡帳からの文章提案AI 機能に対しての利便性高評価割合: 78.9%(アンケート回答者数=19) おたより、連絡帳、週案における文章作成AIサポー ト機能について、 肯定的な回答をした割合が非常 に高いという結果が多数あった。 おたよりや近隣挨拶の手紙の素案づくり 、保護者の クレーム対応などフォーマルな場面のほか、日常の文 章作成でも表現・言い回しに迷った時や肉付けした いときなどの原案として参考にでき、多用しているとい うコメントが一定数存在した。 自分(職員)の作った文章のダブルチェック(誤字 脱字や文章表現など )が簡単にできる点も評価さ れており、保育者の文章スキルの向上と、管理職の 先生方の業務削減への期待がされた。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(3/4) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳、帳票等の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した箇条書き情報の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI 230 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ④保育施設職員の業務負荷 文章作成AIサポート機能に対しての業務負 荷軽減高評価割合、週案作成における連絡 帳からの文章提案AI機能に対しての業務負 荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 文章作成AIサポート機能に対しての業務負 荷軽減高評価割合:おたより80.0%(アン ケート回答者数=25)、連絡帳 84.2% (アンケート回答者数=19) 週案作成における連絡帳からの文章提案AI 機能に対しての業務負荷軽減高評価割合: 64.7%(アンケート回答者数=17) おたより、連絡帳、週案における文章作成AIサポー ト機能の業務負荷の変化について、肯定的な回答 をした割合が非常に高いという意見が多数あった。 保育者ごとに自身のAIの使いやすいスタイルで運用 することで、AI機能の効果的な利用が促進された。 園児一人当たりの連絡帳作成に係る時間を削減 できたというコメントもあった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(4/4) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳、帳票等の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した箇条書き情報の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI 231 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 外国語翻訳機能について 、今後外国語翻訳サ ポートが必要な保護者に対応する際、 重要なお知 らせを伝える場面もあり、また普段は保育に手いっぱ いなため、ぜひ活用したいという声が多数あった。 業務効率化はもとより 、業務システムとして既に利 用していた保育 ICT(ルクミー)に外国語翻訳機 能が実装されたことで 、業務フロー化するイメージが 具体化された。 日本語は主語が省かれることが多いため 、外国 語翻訳した場合、 間違った代名詞が使用される ケースがあった 。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース3(1/2) 3 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳の翻訳を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の外国語翻訳を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた外国語翻訳作業において、生成AIによる外国語翻訳機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 文章 日本語の主語が省かれることにより誤った翻訳となることに対して、主語の特定のために必要な情報を入力することが考えられる。 【 ① 】改善案 KGI 232 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ②自治体職員の満足度 満足度高評価割合 ※外国籍の保護者を模した自治体職員による 評価 満足度は高い 満足度高評価割合:100%(アンケート回 答者数=1) 満足度について肯定的な回答をした割合が非常に 高いという意見があった。 ネガティブな意見や原因はない。 ③保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:83.3%(アン ケート回答者数=18) 業務負荷の変化について 、肯定的な回答をした割 合が非常に高いという意見が多数あった。 ネガティブな意見や原因はない。 ④生成AIの利便性 利便性高評価割合、有用性高評価割合 ※外国籍の保護者を模した自治体職員による 評価 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:100%(アンケート回 答者数=1) 有用性高評価割合:90.0%(アンケート回 答者数=20) 利便性について肯定的な回答をした割合が非常に 高いという意見があった。 外国語翻訳サポート機能は 、実際に「外国籍の保 護者の方とのやり取りを深めることができた 」という意 見があった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース3(2/2) 3 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳の翻訳を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の外国語翻訳を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた外国語翻訳作業において、生成AIによる外国語翻訳機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 日本語の主語が省かれることにより誤った翻訳となることに対して、主語の特定のために必要な情報を入力することが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI KPI KPI 233 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 不適切(NG)写真チェック機能の実装により 、ブ レ/ピンボケ・暗いなど、保護者への提供に向かない 写真を除く手間が削減された。 チェックするシーン(ブレ/ピンボケ・暗い・顔が写って いない写真)について、シーンごとにOn/Off機能が 追加されたことで 、保育者自身が除く写真のシーン を選択できるようになり、保育者のニーズに合わせた 運用が実現したことで利便性が向上した。 一部ではあるが、写真の検出結果について利用者 の意に沿わないケースがあった。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース4(1/2) 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個別 写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、不適切写真チェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真が不適切写真かAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる不適切写真のチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KGI 234 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ②保育施設職員の満足度 満足度高評価割合 満足度は高い 満足度高評価割合:90.9%(アンケート回 答者数=22) 園児ごとの写真バラつきチェック機能 、不適切 (NG)写真チェック機能ともに、全体として肯定的 な意見が多く、総合的な満足度は高くなった。 ネガティブな意見や原因はない。 ③フォトAIの利便性 利便性高評価割合 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:100.0%(アンケート 回答者数=22) 保護者への提供に向かない写真を自動で除けるこ とでチェックする手間が削減された。 ぶれ/ピンぼけ・暗い・顔が写っていない写真を分類 する不適切写真チェック機能に 、分類するシーンの On/Off機能を追加実装し 、保育者が分類( 排 除)するシーンを選べるようにしたことで、より実態に 即した運用が可能になった。 ネガティブな意見や原因はない。 ④保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:76.2%(アン ケート回答者数=21) 「休憩できる時間が増えた」という回答が多く、職場 環境の改善につながる可能性も確認された。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース4(2/2) 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個別 写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、不適切写真チェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真が不適切写真かAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる不適切写真のチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KPI KPI KPI 235 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 園児ごとの写真バラつきチェック機能の実装により 、 園児ごとの写真枚数の確認 ・整理などにかかってい た手間が削減された。 アンケートから、「チェックスピードが早い」、「一枚ずつ チェックしなくてもよくなった 」、「機能が使いやすかっ た」、「横向きや小さい顔もしっかりと判別できていた」、 「一目で園児ごとの写真枚数が把握できる 」という 効果を実感しているコメントが多数あった。 一部ではあるが、写真の検出結果について利用者 の意に沿わないケースがあった。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース5(1/2) 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェック による園児個別写真の整理業務支援 写真整理業務作業において、AIによる園児ごとの写真枚数のチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KGI 保育施設職員を利用者として、写真枚数バラつきチェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真の園児ごとの写真枚数のバラつきをAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 236 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ②保育施設職員の満足度 満足度高評価割合 満足度は向上 満足度高評価割合:95.0%(アンケート回 答者数=20) 園児ごとの写真バラつきチェック機能 、不適切 (NG)写真チェック機能ともに、全体として肯定的 な意見が多く、総合的な満足度は高くなった。 ネガティブな意見や原因はない。 ③フォトAIの利便性 利便性高評価割合 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:100.0%(アンケート 回答者数=21) 園児ごとの写真枚数を数え 、園児ごとの写真整理 が自動的にできるようになった。 ネガティブな意見や原因はない。 ④保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:83.3%(アン ケート回答者数=18) 「休憩できる時間が増えた」という回答が多く、職場 環境の改善につながる可能性も確認された。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 ユースケース5(2/2) 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェック による園児個別写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、写真枚数バラつきチェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真の園児ごとの写真枚数のバラつきをAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる園児ごとの写真枚数のチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KPI KPI KPI 237 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 文章作成AIサポート機能について 、生成文案の確認・ 修正を手間に 感じて、時間削減効果が実感しづらい保育者もいた。 利便性及び業務負担軽減の効果は、現場から高い評価を得た。 外国語翻訳機能については 、外国籍の保護者はいつ入園するかわか らず、いつでも機能として用意されていることで施設側の安心感も高ま ると思われた。 中間検証結果からの考察をもとにシステムや運用面の改善を行ったこと により、期待していた業務削減効果だけではなく、保育者の学びにつな がるなど想定範囲以上の効果が得られ 、AI導入のメリットを多面的に 理解することができた。 生成AIへの認識 近年、AIの技術革新は著しく、業務における活用範囲の拡大が進む 中、実証前はAI機能を導入すれば自ずと業務効率が促進すると思っ ていたが、中間検証段階では思うような結果を得ることができなかった。 庁内で生成AIは既に導入していたが、あくまで内部向けの文書の利用 に限定していた。実証を通して外部向けに導入したことで、運用面と実 用面で実績を積めたこと、一定のノウハウを構築できたことで、今後の全 庁的な活用や導入に向けて一歩前進した。 担当部署以外 からの認識 特にない。 【新規ユースケース】:写真データからのテキスト作成 【詳細】:こどもの姿・興味関心などの発見・把握、その情報の記録・共有など、写真データを保育 の質・こどものウェルビーイング向上に資するよう活用用途を拡張する効果を検証する。 ハルシネーション軽減に向けた継続的な改善をできる体制があること 外国語翻訳サポートの機能が搭載されていること 園児ごとの写真枚数の確認・整理できること チェックするシーン(観点)のOn/Offを設定できること 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 238 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/2) 入出力イメージ(ユースケース1、2、3) 239 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/2) 入出力イメージ(ユースケース4、5) 240 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は3件、リスクは1件見られた。 保育施設職員の理解を得た上で実証を企画するため、保育施設職員に対し実証事業の目的や意義などについて、事前の説明や調整が必要だった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 保育施設職員への事前説明の課題 保育施設職員の理解を得た上で、予算などの制約の範囲 で実現可能性の高い実証環境を企画するため、保育施設 職員に対し実証事業の目的や意義、ユースケースにおける AI機能や実証環境、保育施設の協力範囲などについて、 事前の説明や調整が必要だった。 保育施設職員に対して、説明会やAI機能のデモンストレーションを行うなど、きめ細や かなコミュニケーションを実施した 。また、保育施設職員の意見や要望を踏まえ 、実証 環境について協力事業者と協議した。 体制・オペレーション セキュリティリスク低減の課題 庁内セキュリティポリシーに準拠する形で実証環境が整備で きるかどうかを、実証事業計画を策定する際に確認を行うこ とで、セキュリティリスクの低減を図った。 庁内関連部署や協力事業者との協議・調整を行った。 体制・オペレーション セキュリティリスク低減の課題 実証環境の構築や効果検証設計の具体化が遅延したり、 中間検証結果をもとにした改善対応が不十分な場合、スケ ジュールが遅延する可能性があった。 進捗管理を適切に行い、スケジュールや対応方針などを適宜見直した。 体制・オペレーション ユースケース中断のリスク ユースケースの実証において、実証施設における保護者から 意見や異議が申し立てられ、それを解消できなかった場合に、 計画を変更・中断する可能性があった。 保護者向けの周知や問い合わせ対応を、保育施設職員や協力事業者と連携し、保 護者理解が得られるよう丁寧に対応した。 241 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは2件見られた。 関連するガイドラインの変更に伴い、セキュリティポリシーに準拠できない状況が発生する可能性があった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 個人情報の保存場所に関する課題 サーバに個人情報データなどが保管される場合、日本の法 令の範囲内で運用できるデータセンタを選択する必要があっ た。 個人情報が取扱われる可能性を考慮し、国内リージョンのサーバへ切替え、情報は学 習データとして取扱われない設定とした。 体制・オペレーション ガイドライン変更に伴うセキュリティポリシーに準拠できない リスク 庁内セキュリティポリシーに準拠することを確認した上で実証 環境整備を進める中、関連するガイドラインの変更などにより、 セキュリティポリシーに準拠できない状況が発生する可能性 があった。 庁内セキュリティポリシー準拠を優先し 、リスクが発生する場合は利用データの運用変 更やシステム改修などの対応を検討した。 体制・オペレーション 性的姿態等撮影罪のリスク 保育の目的以外で未成年の園児の性的姿態を撮影すると 性的姿態等撮影罪に抵触する可能性があった。 下記4つを定め対応した。 <①撮影行為に至る経緯及び目的> 狛江市では、保育者による発見、想起・把握・記録や保護者への支援などの為に、す べての公立保育園にて保育中に撮影した写真データを活用した。 <②性的姿態等の具体的な内容> 万が一写り込む可能性のある性的姿態として、園児の下着などが想定された。 <③撮影方法などの様態> 写真を撮影した後、写真データを施設職員がチェックする 。万が一性的姿態が写り込 んでいた場合は削除し、削除後のデータを利用・活用した。 写真データを保護者に閲覧頂く際は、閲覧期間を設けた上で、不特定・関係者以外 の者がアクセス可能な状態にはしなかった。 <④保護者への説明・同意取得の実施> 実証事業へ参画するにあたり、写真データを取扱う旨の周知・同意取得を実施した。 242 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件、リスクは1件見られた。 検証項目が不足、又は実態と乖離しており、効果検証が十分に得られない可能性があったため、中間検証後にアンケート項目等の見直しを行った。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 フォトAI機能追加の課題 中間検証結果から、より現状の業務フローに合致するよう追 加機能を開発することができれば、AI機能の利用促進に寄 与すると考察した。例えば、保育施設職員が撮影した写真 データから、ぶれ/ピンぼけ・暗い・顔が写っていない写真を自 動的に分類する不適切写真(NG写真)チェック機能の場 合、保育者によっては顔が写っていない写真は分類( 排 除)せずに利用したいというニーズが一定以上存在したため 、 このニーズを満たす機能を開発できれば利便性が向上し 、 利用促進が図られる可能性が高いと考えた。 実現可能性を考慮しつつ AI機能の追加開発を検討した 。具体的には、ぶれ/ピンぼ け・暗い・顔が写っていない写真を分類する不適切写真(NG写真)チェック機能に、 分類するシーンのOn/Off機能を追加することで、保育者が分類(排除)するシーン を選べるようにした。 体制・オペレーション 文章生成AIのスキル向上の課題 中間検証結果から、AIから効果的な生成文を引き出せるよ う合理的なプロンプトを作成するためには 、明確な目的や要 求を持つ必要があった。また、生成文の活用範囲を保育者 自身が見極める・見出すことが必要であると考察した 。AIの 効果的な利用を促進するため 、どのような使い方をすればど のような結果が得られるのかを具体的に示し、AI活用スキル 向上を目指した。 単にAI機能の利用方法を説明するだけではなく 、どのような使い方をすればどのような 結果が得られるのかを具体的に示すAI 活用勉強会(動画視聴併用)を行った。ま た、保育者ごとにAIの使いやすいスタイルの習得促進を目的に、同じユースケースを実 証する他自治体( 狛江市含め合計3 自治体/10保育施設)の文章生成AI活用 事例を収集し、実証現場となるすべての保育施設へ共有を行った。 体制・オペレーション 検証効果が得られないリスク 検証項目(アンケート項目等)が不足、又は実態と乖離し ているため、効果検証が十分に得られない可能性があった。 中間検証後に、アンケート項目等の見直しを行った。 企画 実証前 準備 実証 243 3.実証団体ユースケースの成果 3.12. 狛江市 4.セキュリティ概要 狛江市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 ルクミー 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Google Cloud Platform モデル詳細:Gemini-1.5-Flash モデルリージョン:東京 3.外部サービスの提供者の名称 ユニファ株式会社 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性3情報相当 5.利用者の範囲 こども家庭部児童育成課及び駄倉保育園職員(25人程度) 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 生成AIサービスについてはGoogle Cloud PlatformのVertexAIを使用し、全ての処理を国内のデータセンタで完 結させた。またVertexAIではデフォルトでデータ(プロンプト・レスポンス・パラメータ)を学習に使用しなかった。 運用にあたっては利用者ID・パスワードの管理や通信の暗号化をはじめとした情報セキュリティ対策を行うとともに 、業 務で使用する端末自体もMDM(MobileDevice Management)で管理することで、不正なアプリインストールや ウイルス感染を防止し、紛失した場合は、端末遠隔ロックや遠隔データ消去により不正利用を防止した。 「狛江市情報セキュリティポリシー」及び「狛江市文章生成AI利活用ガイドライン」に従いリスク管理した。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 ユニファ株式会社が提供するルクミーAI アシスト(たよれるくん)、ルクミーフォトAI(β版)、ルクミー(連絡帳、おた より、文書)というサービスにおける生成AI技術を利用した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 二次利用時の責任は全て狛江市が負うこととした。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評価 自治体機密性2、3情報を取扱うため、「狛江市情報セキュリティポリシー」及び「狛江市文章生成AI利活用ガイドラ イン」で定める取扱い制限に準拠した内容で実証を行い 、入力されるプロンプト及び出力情報による社会的影響が 発生しないような対策を実施した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバックを 受ける仕組み 入力されたプロンプト及び出力情報のロギングは行い 、アンケート調査による利用者及び保護者からのフィードバックを 実施した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 保護者に対して実証事業の実施内容の説明と同意を得たうえで 、限定した職員のみを対象に実証を行うことを周知 した。 セキュリティ概要 244 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①保育向け生成AIを用いた文書の自動作成サービスの導入( 課題①に対応): ルクミーAI アシスト(たよれるくん )機能を用いて 、保護者へのお知らせ ・連絡事項を伝えるた めの書類や 、保育の状況や園児の様子を記録する書類( おたより・連絡帳・帳票)の作成を サポートし 、文書作成における入力作業 、文章の作成 ・添削・校正、外国語翻訳などの業務 負荷を軽減することで 、保育者が保育の本質に関わる業務により専念できるようになる 。 ②保育向けフォト AIを用いた自動写真チェックサービスの導入( 課題②に対応): ルクミーフォト AI(β版)機能を用いて 、保育者が保育の様子などを撮影した写真のチェックや 、 園児ごとの個別写真整理業務の負担を軽減する 。また、園児ごとの写真枚数が可視化される ため、園児との関わり度合いの目安を把握することができ 、満遍なくすべての園児に目が向けや すくなることで 、1週間、1ヶ月単位での保育の振り返りや 、保護者への写真共有もしやすくなる 。 ①保育施設職員の文書作成業務の負荷: 北上市の公立保育園では 、令和4年から保育ICT システムを導入し 、保護者はアプリから登降 園の記録、欠席連絡を行うことができるようになったほか 、保護者と保育者の間の連絡帳、 園や クラスのおたよりも DX化された 。また、保護者との接点がDX 化されたことで 、保育者の仕事も DX化が進み 、DX化で生み出された時間により保育に関わる時間が増えてきている 。これらの 保育DXは、保護者の満足度向上が図られるとともに 、保育の質の向上をもたらしている 。 一方で、DX化されても文章作成がなくなるわけではなく 、保育の実施状況やこどもごとの様子を 全て把握し 、文章化・資料化・管理をする必要があるため 、保育者は資料作成などに労力を 費やしている 。また、保育中に資料作成などに充てられる時間は限られているため 、業務効率 化/事務負担の軽減は常に課題といえる 。 ②写真データ活用における写真チェック作業の負担軽減の両立: 保育の質・ウェルビーイング向上には 、多様なこどもごとの興味関心や関わりを発見、 想起・把握 し記録するプロセスが重要であり 、このプロセスは保護者とのコミュニケーションや保護者への支援 をする上でも欠かせない 。 そこで、北上市では 、保育者による発見 、想起・把握・記録や保護者への支援などの為に 、す べての公立保育園にて保育中に撮影した写真データを活用している 。ただ、写真データを保育 記録に活用したり 、保護者へ共有したりすることは 、こどもごとの姿 ・成長の発見などに非常に有 効だが、1か月に撮影される写真は各園で数百枚 ~千枚以上にのぼるため 、「園児ごとに写真 枚数のバラつきがないか 」などの写真チェック作業に係る保育者の事務負担は大きく 、これを解 消していく必要がある 。 現状の課題 解決イメージ 北上市 岩手県北上市 人口約9.3万人 15歳未満人口約1.1万人 ※e-statの2020年度人口から取得 245 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 保育園職員の保育ICTシステムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した 。また、保育者が作成した文章の誤字脱字修正を自動 で行った。 2 保育園職員の保育ICTシステムを用いた連絡帳 文章の作成業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した 。また、保育者が作成した文章の誤字脱字修正を自動 で行った。 3 保育園職員の保育ICTシステムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した。また、外国語翻訳等を自動で行った。 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個 別写真の整理業務支援 保育施設職員 保育者がルクミー撮影アプリで保育の様子などを撮影し 、写真のクラス分けと写真管理画面へのアップ ロードを自動で行った 。そして、アップロードされた写真を、 ルクミーフォトAI(β版)機能を用いて、不適 切写真(ブレ・ピンぼけ、暗い、顔が写っていない写真)の自動チェック・分類を行った。 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェッ クによる園児個別写真の整理業務支援 保育施設職員 保育者がルクミー撮影アプリで保育の様子などを撮影し 、写真のクラス分けと写真管理画面へのアップ ロードを自動で行った。そして、アップロードされた写真を、ルクミーフォトAI(β版)機能を用いて、園児ご とに写真を整理した。また、園児ごとに写真に写っている枚数をカウントし管理画面上に表示した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:スマートフォン、タブレット 実証前より使用していたサービス:ルクミーサービス 246 役割 所属 詳細 プロジェクトオーナー 健康こども部子育て支援課 実証事業の統括責任者(1人) プロジェクトマネージャー兼 プロジェクトリーダー 健康こども部子育て支援課 ・実証事業の全体管理 ・協力事業者との連絡調整、 作業担当者への指示出し 等 ・実証事業の作業担当(1人) 知見提供者 健康こども部子育て支援課 保育業務の知見提供(1人) 実証協力施設 企画部都市プロモーション課 業務改善における有識者(1人) 実証協力施設 北上市立大通り保育園 ユースケースの運用(複数人) 北上市立二子保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証協力施設 北上市立口内保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証協力施設 北上市立南保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証協力施設 北上市立江釣子保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証協力施設 北上市立鳩岡崎保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証環境構築 ユニファ株式会社 実証環境構築や実証サポート(15人程度) 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 1.実証概要 実証体制 実証体制 247 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 1.実証概要 実証スケジュール 2024年8月 2024年9月 2024年10月 2024年11月 2024年12月 2025年1月 2025年2月 2025年3月 5 12 19 26 2 9 16 23 30 7 14 21 28 4 11 18 25 2 9 16 23 6 13 20 27 3 10 17 24 3 10 17 24 ③効果検証 マイルストン ①実証環境整 備 ②効果検証設 計 年月 週 ▼中間報告 AI機能の付与設定 実証施設へのAI機能操作説明 ▼中間検証▼実証開始 モニタリング設計 中間・最終検証設計 次フェーズ計画 国内リージョンへの切替対応(主に開発) 実証施設へ個人情報の 取扱い変更通知 国内リージョンでの運用開始 次フェーズ計画 次フェーズ計画 検証実施 中間報告書作成 検証設計サポート (実施計画書の変更) 現状の測定 中間検証_ インタビュー調査の実施 利用促進勉強会の実施 ▼最終報告▼最終検証開 活用事例収集・共有 追加機能開発の検討・推進 最終検証 アンケート内容の見直しなど 最終検証_ アンケート調査の実施 最終報告書作成 最終検証_ インタビュー調査の実施 検証設計見直しサポート 検証サポート スケジュール 協力事業者主担当 実証団体主担当 248 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 1.実証概要 実証イメージ図 実証イメージ図 留意事項 保育施設職員 ユースケース 1:おたよりの文章案(箇条書き等) ユースケース 2:連絡帳の文章案(箇条書き等) ユースケース 3:翻訳対象のおたより・連絡帳の文章案 ユースケース 4:保育の様子などのこどもの写真 ユースケース 5:保育の様子などのこどもの写真 入力情報 ユースケース 1:文章化・校正されたおたより文章 ユースケース 2:文章化・校正された連絡帳文章 ユースケース 3:翻訳されたおたより・連絡帳 ユースケース 4:不適切写真が除かれた写真 ユースケース 5:こどもごとの写真枚数 出力情報 1 こどもの写真 事前情報 2 1 ユースケース4、5では、保護者から同意を取得したうえで 撮影を行った。 ユースケース4 、5では、性的姿態等撮影罪への対策を 行ったうえで撮影を行った。2 249 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(1/2) 利用者数:システムの利用者数 Good/Bad評価:4段階評価 ユースケース1、2、3共通 Bad評価の理由について Bad評価の数に比べ 、Bad評価の理由 が多く記録されていた 。 Bad評価の理由は複数回答が可能なため、同一回答者が複数回 答している可能性も考えられた。 若しくは、Goodと回答した利用者の中にBadの評価理由にも回答 している利用者がいる可能性がある。 虚偽の情報が含まれている可能性について 実際に活動していない保育中のシーンが文章に含まれていることが あった。(入力する箇条書き文章が少ない場合、 AIが、実際に活 動していない保育中のシーンも含めて内容を膨らませた形で文章を 生成するため、対応策としては、入力する箇条書き文章を追加する などの運用上の工夫が必要と思われた。) 【外国語翻訳_おたより、連絡帳共通】 外国籍の園児が在籍しておらず、現場での運用が発生しなかった。 最終検証でテスト利用を実施し、結果と考察を記載した。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× おたより 箇条書き入力 からの文章提案 AI機能 ユースケース2× 連絡帳 箇条書き入力 からの文章提案 AI機能 ユースケース3× 外国語翻訳機 能 基礎情報 利用者数 人数 29 23 取得なし 利用回数 回 取得なし 取得なし 取得なし Good/Bad評価 回/回 28/1 21/2 取得なし Badの評価 理由 結果の正確性が低い 回 3 3 取得なし 結果の網羅性が低い 回 0 0 取得なし 結果の利便性が低い 回 5 3 取得なし その他 回 0 0 取得なし 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 0 0 取得なし 虚偽の情報を含む回答 回 14 8 取得なし 権利侵害を含む回答 回 0 0 取得なし 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 250 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(2/2) 利用者数:システムの利用者数 Good/Bad評価:4段階評価 Bad評価の理由について Bad評価の数に比べ、Bad評価の理由が多く記録されていた。 Bad評価の理由は複数回答が可能なため、同一回答者が複数回 答している可能性も考えられた。 若しくは、Goodと回答した利用者の中にBadの評価理由にも回答 している利用者がいる可能性がある。 分類 集計項目 単位 ユースケース4× 園児ごとの写真枚 数のバラつきチェッ ク機能 ユースケース5× 不適切(NG)写 真チェック機能 基礎情報 利用者数 人数 26 32 写真枚数 枚数 5,751 5,751 Good/Bad評価 回/回 19/6 27/5 Badの評価 理由 結果の正確性が低い 回 0 3 結果の網羅性が低い 回 3 0 結果が出る速度が低い 回 3 1 その他 回 0 0 回答に対する懸 念 倫理違反を含む回答 回 取得なし 取得なし 虚偽の情報を含む回答 回 取得なし 取得なし 権利侵害を含む回答 回 取得なし 取得なし 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 251 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、業 務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 文章作成AIサポート機能 満足度高評価割合:高い(KPI指標参照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指標 参照) 連絡帳からの文章提案AI機能 満足度高評価割合:低い(KPI指標参照) 利便性高評価割合:低い(KPI指標参照) 業務負荷軽減高評価割合:低い(KPI指標 参照) 「おたより、連絡帳における文章作成 AIサポート機 能」について、どのような使い方をすればどのような結 果が得られるのかを具体的に示す AI活用勉強会 (動画視聴併用 )を行った。また、保育者ごとに AIの使いやすいスタイルの習得促進を目的に、同じ ユースケースを実証する他自治体(北上市含め合 計3自治体/10保育施設)の文章生成AI活用事 例を収集し 、実証現場となるすべての保育施設へ 共有を行ったことで、利用者のAI活用スキルが向上 した。 生成文案に 、意図しない内容や表現・ 言い回し があるというコメントが一定数存在し 、生成文を 修正する手間が発生した 。 自分の考え 、想いで文章を作成したい 、自分で 文章を考える方が早いため 、あまり AI機能を活 用しなかったというケースが複数あった 。 週案について AI機能の用途や利用方法が 、おた よりや連絡帳と異なることもあり 、利用が促進され なかった 。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(1/4) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳、帳票等の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KGI 252 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ②保育施設職員の満足度 文章作成AIサポート機能に対しての満足度 高評価割合、週案作成における連絡帳から の文章提案AI機能に対しての満足度高評価 割合 満足度は高い 文章作成AIサポート機能に対しての満足度 高評価割合:おたより 60.7%(アンケート 回答者数=28)、連絡帳 55.0%(アン ケート回答者数=20) 週案作成における連絡帳からの文章提案AI 機能に対しての満足度高評価割合: 33.3%(アンケート回答者数=9) おたより、連絡帳における文章作成AIサポート機能 について肯定的な回答をした割合が高いという結果 となった。一方、連絡帳の内容から週案に関する文 章提案を行う機能の満足度については 、肯定的な 回答をした割合が3割強に留まった。 おしらせ、連絡帳の文章作成AIサポート機能につい て、全体として肯定的な意見が多く 、総合的な満 足度は高くなった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(2/4) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳、帳票等の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI 253 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③生成AIの利便性 文章作成AIサポート機能に対しての利便性 高評価割合、週案作成における連絡帳から の文章提案AI機能に対しての利便性高評価 割合 利便性に関する評価は高い 文章作成AIサポート機能に対しての利便性 高評価割合:おたより 96.6%(アンケート 回答者数=29)、連絡帳 91.3%(アン ケート回答者数=23) 週案作成における連絡帳からの文章提案AI 機能に対しての利便性高評価割合: 40.0%(アンケート回答者数=10) キーワードによる文案作成自体が便利なだけではな く、自分で作った文章の多角的な視点での肉付け・ 表現、読みやすい文章 ・より丁寧な文章 (柔らか い・優しい表現)の作成において、生成された文章 案が参考になるという意見が多数あった。 職員の作った文章のダブルチェック (誤字脱字や文 章表現等)がしやすい、という意見も多数あった。 元々文書の作成課題がない保育者にはニーズがな いと想定していた施設から 、「”文書としてこういう表 現ができるとわかった”という声が多かった」「本人がど う使うか次第と言えそう」というコメントがあった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(3/4) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳、帳票等の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI 254 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ④保育施設職員の業務負荷 文章作成AIサポート機能に対しての満足度高 評価割合、週案作成における連絡帳からの文 章提案AI機能に対しての満足度高評価割合 業務負荷は軽減 文章作成AIサポート機能に対しての満足度高 評価割合:おたより 50.0%(アンケート回答 者数=30)、連絡帳 60.0%(アンケート回 答者数=20) 週案作成における連絡帳からの文章提案AI機 能に対しての満足度高評価割合:40.0% (アンケート回答者数=10) 保育者ごとが自身のAIの使いやすいスタイルで運用 することで、AI機能の効果的な利用が促進された。 週案作成における連絡帳からの文章提案AI 機 能については 、保護者向けの連絡帳の内容をも とに生成する機能であるため 、帳票に記載するに は適していない表現 ・内容が生成される 、あるい は帳票作成を想定して連絡帳を作成しなければ 使いこなせない 、という意見があった 。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(4/4) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳、帳票等の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI 255 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 業務効率化はもとより 、業務システムとして既に利 用していた保育 ICT(ルクミー)に外国語翻訳機 能が実装されたことで 、業務フロー化するイメージが 具体化された。 日本語は主語が省かれることが多いため 、外国 語翻訳した場合、 間違った代名詞が使用される ケースがあった 。 ②自治体職員の満足度 満足度高評価割合 ※外国籍の保護者を模した自治体職員による 評価 満足度は高い 満足度高評価割合:100%(アンケート回 答者数=1) 外国語翻訳機能の満足度について肯定的な回答 をした割合が非常に高いという結果となった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース3(1/2) 3 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳の翻訳を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の外国語翻訳を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた外国語翻訳作業において、生成AIによる外国語翻訳機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 日本語の主語が省かれることにより誤った翻訳となることに対して、主語の特定のために必要な情報を入力することが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KGI KPI 256 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:100%(アン ケート回答者数=6) 外国語翻訳機能の業務負荷の変化について 、肯 定的な回答をした割合が高いという結果となった。 外国語翻訳機能について 、独自に翻訳アプリ等を 使うより、既に業務システムとして利用している保育 ICT(ルクミー)に機能が搭載されていることで、翻 訳作業する敷居が低くなり活用できる可能性が高 いという意見があった。 ネガティブな意見や原因はない。 ④生成AIの利便性 利便性高評価割合、有用性高評価割合 ※外国籍の保護者を模した自治体職員による 評価 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:100%(アンケート回 答者数=1) 有用性高評価割合:88.9%(アンケート回 答者数=9) 外国語翻訳機能の利便性について 、肯定的な回 答をした割合が高いという結果となった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース3(2/2) 3 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳の翻訳を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の外国語翻訳を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた外国語翻訳作業において、生成AIによる外国語翻訳機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 日本語の主語が省かれることにより誤った翻訳となることに対して、主語の特定のために必要な情報を入力することが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI KPI 257 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 不適切(NG)写真チェック機能の実装により 、ブ レ/ピンボケ・暗いなど、保護者への提供に向かない 写真を除く手間が削減された。 チェックするシーン(ブレ/ピンボケ・暗い・顔が写って いない写真)について、シーンごとにOn/Off機能が 追加されたことで 、保育者自身が除く写真のシーン を選択できるようになり、保育者のニーズに合わせた 運用が実現したことで利便性が向上した。 一部ではあるが、写真の検出結果について利用者 の意に沿わないケースがあった。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース4(1/2) 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個別 写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、不適切写真チェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真が不適切写真かAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる不適切写真のチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KGI 258 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ②保育施設職員の満足度 満足度高評価割合 満足度は高い 満足度高評価割合:75.0%(アンケート回 答者数=32) 園児ごとの写真バラつきチェック機能 、不適切 (NG)写真チェック機能ともに、全体として肯定的 な意見が多く、総合的な満足度は高くなった。 ネガティブな意見や原因はない。 ③フォトAIの利便性 利便性高評価割合 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:84.4%(アンケート回 答者数=32) 保護者への提供に向かない写真を自動で除けるこ とでチェックする手間が削減された。 ぶれ/ピンぼけ・暗い・顔が写っていない写真を分類 する不適切写真チェック機能に 、分類するシーンの On/Off機能を追加実装し 、保育者が分類( 排 除)するシーンを選べるようにしたことで、より実態に 即した運用が可能になった。 ネガティブな意見や原因はない。 ④保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:62.5%(アン ケート回答者数=32) 「休憩できる時間が増えた」という回答が多く、職場 環境の改善につながる可能性も確認された。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース4(2/2) 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個別 写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、不適切写真チェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真が不適切写真かAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる不適切写真のチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KPI KPI KPI 259 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上した 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 園児ごとの写真バラつきチェック機能の実装により 、 園児ごとの写真枚数の確認 ・整理などにかかってい た手間が削減された。 アンケートから「園児が多い保育施設ほどありがたい だろう」というコメントもあり規模の大きな施設ほど導 入効果が見込まれた。 一部ではありましたが、写真の検出結果について利 用者の意に沿わないケースがあった。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース5(1/2) 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェック による園児個別写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、写真枚数バラつきチェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真の園児ごとの写真枚数のバラつきをAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる園児ごとの写真枚数バラつきチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KGI 260 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ②保育施設職員の満足度 満足度高評価割合 満足度は向上 満足度高評価割合:65.4%(アンケート回 答者数=26) 園児ごとの写真バラつきチェック機能 、不適切 (NG)写真チェック機能ともに、全体として肯定的 な意見が多く、総合的な満足度は高くなった。 ネガティブな意見や原因はない。 ③フォトAIの利便性 利便性高評価割合 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:76.0%(アンケート回 答者数=25) 園児ごとの写真枚数を数え 、園児ごとの写真整理 が自動的にできるようになった。 ネガティブな意見や原因はない。 ④保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:65.4%(アン ケート回答者数=26) 「休憩できる時間が増えた」という回答が多く、職場 環境の改善につながる可能性も確認された。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 ユースケース5(2/2) 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェック による園児個別写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、写真枚数バラつきチェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真の園児ごとの写真枚数のバラつきをAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる園児ごとの写真枚数バラつきチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KPI KPI KPI 261 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 おたより・連絡帳の文章案作成機能について、生成文案の確認・修正 を手間に感じて、時間削減効果が実感しづらい保育者もいた。 帳票(週案)作成機能は、他の機能と比べると利便性を感じにくかっ たと考えられた。 利便性及び業務負担軽減の効果は、現場からおおむね高い評価を得 た。また、機能追加がなされたことで、保育者ごとのニーズに合わせた使 い分けができるなど利便性が高まった。 誤字脱字チェック機能は、管理者(園長など)の管理業務の負担軽 減にもつながり、施設全体の業務効率化に寄与すると考えられた。 中間検証結果からの考察をもとに、システムや運用面の改善を行ったこ とにより、期待していた業務削減効果だけではなく 、保育者の学びにつ ながるなど想定範囲以上の効果が得られ 、AI導入のメリットを多面的 に理解することができた。 生成AIへの認識 近年、AIの技術革新は著しく、業務における活用範囲の拡大が進む 中、実証前はAI機能を導入すれば自ずと業務効率が促進すると思っ ていたが、中間検証段階では思うような結果を得ることができなかった。 今回の実証事業が、北上市のAI利用のモデルケースとなることを期待 する声があった。担当部署以外 からの認識 特にない。 【新規ユースケース】:写真データからのテキスト作成 【詳細】:こどもの姿・興味関心などの発見・把握、その情報の記録・共有など、写真データを保育 の質・こどものウェルビーイング向上に資するよう活用用途を拡張する効果を検証する。 ブレ/ピンボケ・暗いなど、保護者への提供に向かない写真を除く不適切(NG)写真チェックがで きること チェックするシーン(観点)のOn/Offを設定ができること ハルシネーション軽減に向けた継続的な改善をできる体制があること 外国語翻訳サポートの機能が搭載されていること 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 262 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/2) 入出力イメージ(ユースケース1、2、3) 263 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/2) 入出力イメージ(ユースケース4、5) 264 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は3件、リスクは1件見られた。 保育施設職員の理解を得た上で実証を企画するため、保育施設職員に対し実証事業の目的や意義などについて、事前の説明や調整が必要だった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 保育施設職員への事前説明を行う課題 保育施設職員の理解を得た上で 、予算などの制約の範囲 で実現可能性の高い実証環境を企画するため 、保育施設 職員に対し実証事業の目的や意義、 ユースケースにおける AI機能や実証環境 、保育施設の協力範囲などについて 、 事前の説明や調整が必要だった。 保育施設職員に対して、説明会やAI機能のデモンストレーションを行うなど、きめ細や かなコミュニケーションを実施した 。また、保育施設職員の意見や要望を踏まえ 、実証 環境について協力事業者と協議した。 体制・オペレーション セキュリティリスクを低減する課題 庁内セキュリティポリシーに準拠する形で実証環境が整備で きるかどうかを、実証事業計画を策定する際に確認を行うこ とでセキュリティリスクの低減を図った。 庁内関連部署や協力事業者との協議・調整を行った。 体制・オペレーション セキュリティリスクを低減する課題 実証環境の構築や効果検証設計の具体化が遅延したり、 中間検証結果をもとにした改善対応が不十分な場合、スケ ジュールが遅延する可能性があった。 進捗管理を適切に行い、スケジュールや対応方針などを適宜見直した。 体制・オペレーション ユースケースを中断するリスク ユースケースの実証において、実証施設における保護者から 意見や異議が申し立てられ、それを解消できなかった場合に、 計画を変更・中断する可能性があった。 保護者向けの周知や問い合わせ対応を、保育施設職員や協力事業者と連携し、保 護者理解が得られるよう丁寧に対応した。 265 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは2件見られた。 関連するガイドラインの変更に伴い、セキュリティポリシーに準拠できない状況が発生する可能性があった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 個人情報の保存場所に関する課題 サーバに個人情報データなどが保管される場合、 日本の法 令の範囲内で運用できるデータセンタを選択する必要があっ た。 個人情報が取扱われる可能性を考慮し、国内リージョンのサーバへ切替え、情報は学 習データとして取扱われない設定とした。 体制・オペレーション ガイドライン変更に伴うセキュリティポリシーに準拠できない リスク 庁内セキュリティポリシーに準拠することを確認した上で実証 環境整備を進める中、関連するガイドラインの変更などにより 、 セキュリティポリシーに準拠できない状況が発生する可能性 があった。 庁内セキュリティポリシー準拠を優先し 、リスクが発生する場合は利用データの運用変 更やシステム改修などの対応を検討した。 体制・オペレーション 性的姿態等撮影罪のリスク 保育の目的以外で未成年の園児の性的姿態を撮影すると 性的姿態等撮影罪に抵触する可能性があった。 下記4つを定めて対応した。 <①撮影行為に至る経緯及び目的> 北上市では、保育者による発見、想起・把握・記録や保護者への支援などの為に、す べての公立保育園にて保育中に撮影した写真データを活用した。 <②性的姿態等の具体的な内容> 万が一写り込む可能性のある性的姿態として、園児の下着などが想定された。 <③撮影方法などの様態> 写真を撮影した後、写真データを施設職員がチェックする 。万が一性的姿態が写り込 んでいた場合は削除し、削除後のデータを利用・活用した。 写真データを保護者に閲覧頂く際は、閲覧期間を設けた上で、不特定・関係者以外 の者がアクセス可能な状態にはしなかった。 <④保護者への説明・同意取得の実施> 実証事業へ参画するにあたり、写真データを取扱う旨の周知・同意取得を実施した。 266 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件、リスクは1件見られた。 検証項目が不足、又は実態と乖離している ことにより効果検証が十分に得られない可能性があったが 、中間検証後にアンケート項目等の見直しを 行った。 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 フォトAI機能を追加する課題 中間検証結果から、より現状の業務フローに合致するよう追 加機能を開発することができれば、AI機能の利用促進に寄 与すると考察した。 例えば、保育施設職員が撮影した写真データから 、ぶれ/ピ ンぼけ・暗い・顔が写っていない写真を自動的に分類する不 適切写真(NG写真)チェック機能の場合、 保育者によっ ては顔が写っていない写真は分類(排除)せずに利用した いというニーズが一定以上存在したため、 このニーズを満たす 機能を開発できれば利便性が向上し、利用促進が図られる 可能性が高いと考えた。 実現可能性を考慮しつつAI機能の追加開発を検討しました。具体的には、ぶれ/ピン ぼけ・暗い・顔が写っていない写真を分類する不適切写真(NG写真)チェック機能に、 分類するシーンのOn/Off機能を追加することで、保育者が分類(排除)するシーン を選べるようにした。 体制・オペレーション 文章生成AIのスキル向上の課題 中間検証結果から、AIから効果的な生成文を引き出せるよ う合理的なプロンプトを作成するためには 、明確な目的や要 求を持つ必要があった。また、生成文の活用範囲を保育者 自身が見極める・見出すことが必要であると考察した。 AIの効果的な利用を促進するため、どのような使い方をすれ ばどのような結果が得られるのかを具体的に示し 、AI活用ス キル向上を目指した。 単にAI機能の利用方法を説明するだけではなく 、どのような使い方をすればどのような 結果が得られるのかを具体的に示すAI 活用勉強会(動画視聴併用)を行った。ま た、保育者ごとにAIの使いやすいスタイルの習得促進を目的に、同じユースケースを実 証する他自治体( 北上市含め合計3 自治体/10保育施設)の文章生成AI活用 事例を収集し、実証現場となるすべての保育施設へ共有を行った。 体制・オペレーション 検証効果が得られないリスク 検証項目(アンケート項目等)が不足、又は実態と乖離し ている為、効果検証が十分に得られない可能性があった。 中間検証後に、アンケート項目等の見直しを行った。 企画 実証前 準備 実証 267 3.実証団体ユースケースの成果 3.13. 北上市 4.セキュリティ概要 北上市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 ルクミー 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Google Cloud Platform モデル詳細:Gemini-1.5-Flash モデルリージョン:東京 3.外部サービスの提供者の名称 ユニファ株式会社 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性3情報相当 5.利用者の範囲 保育施設の職員(主に保育者) 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 不正ログイン対策として、リスク度に応じて多要素認証による不正ログイン対策を行った。 個人情報漏えいの対策として、海外リージョンを利用する場合、自治体機密性3情報の取扱いを禁止した上で、 要機密情報の学習防止も合わせて行った 。自治体機密性3情報(主に写真や氏名などの個人情報)を取 扱う場合は国内リージョンを利用した。 生成AIサービスについてはGoogle Cloud PlatformのVertexAI(Gemini1.5 Flashモデルのアジアパシ フィック東京リージョン)を使用し、全ての処理を国内のデータセンタで完結させた。またVertexAIではデフォルト でデータ(プロンプト・レスポンス・パラメータ)を学習に使用しなかった。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 ユニファ株式会社が提供するルクミーの生成AI機能を利用した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 二次利用時の責任は全て北上市が負うこととした。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 自治体機密性2、3情報を取扱うため、北上市情報セキュリティ対策基準( セキュリティポリシーガイドライン ) で定める取扱い制限に準拠した内容で実証を行い、適切な出力情報になるよう対策を実施した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み アンケート調査による利用者からのフィードバックを実施した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 保護者に対して実証事業の実施内容について周知し同意を求めた。 セキュリティ概要 268 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 1.実証概要 課題と解決イメージ ①保育向け生成AIを用いた文書の自動作成サービスの導入 ルクミーAI アシスト(たよれるくん )機能を用いて 、保護者へのお知らせ ・連絡事項を伝えるた めの書類や 、保育の状況や園児の様子を記録する書類 (おたより・連絡帳)の作成をサポー トし、文書作成における入力作業 、文章の作成 ・添削・校正、外国語翻訳などの業務負荷を 軽減することで 、保育者が保育の本質に関わる業務により専念できるようになる 。 ②保育向けフォト AIを用いた自動写真チェックサービスの導入 ルクミーフォト AI(β版)機能を用いて 、保育者が保育の様子などを撮影した写真のチェックや 、 園児ごとの個別写真整理業務の負担を軽減する 。また、園児ごとの写真枚数が可視化される ため、園児との関わり度合いの目安を把握することができ 、満遍なくすべての園児に目が向けや すくなることで 、1週間、1ヶ月単位での保育の振り返りや 、保護者への写真共有もしやすくなる 。 ①保育施設職員(保育者)の文書作成業務の負荷: 横須賀市では 、園やクラスのおたより ・保護者連絡帳などの文書作成に保育 ICTシステムを導 入しているが、保育ICTシステムによる文書作成は 、入力作業の手間や、 外国語翻訳する際の 非効率が存在する 。また、保育の実施状況やこどもごとの様子などを 、保育者自身ですべて記 憶・想起することは難しく 、想起した内容を保育記録等としての整理・ 文章化、入力、管理する ために、保育者は多くの労力を費やしている 。更に、保育中に資料作成などに充てられる時間 は限られているため 、業務効率化/事務負担の軽減は常に課題といえる 。 ②写真データ活用における保育の質向上に向けた取り組みと 、写真チェック作業の負担軽減の両 立: 保育の質・ウェルビーイング向上には 、多様なこどもごとの興味関心や関わりを発見、 想起・把握 し記録するプロセスが重要であり 、このプロセスは保護者とのコミュニケーションや保護者への支援 をする上でも欠かせない 。 そこで、横須賀市では 、保育者による発見、 想起・把握・記録や保護者への支援などの為に 、 すべての公立保育園にて保育中に撮影した写真データを活用している 。ただ、写真データを保 育記録(帳票など )に活用したり 、保護者へ共有したりすることは 、こどもごとの姿 ・成長の発 見などに非常に有効だが 、1か月に撮影される写真は各園で数百枚~ 千枚以上にのぼるため 、 「不適切な写真が撮影されていないか 」、「園児ごとに写真枚数のバラつきがないか 」などの写真 チェック作業に係る保育者の事務負担 (労力や時間 )は大きく、 これを解消していく必要があ る。 現状の課題 解決イメージ 横須賀市 神奈川県横須賀市 人口約38.8万人 15歳未満人口約4万人 ※e-statの2020年度人口から取得 269 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 1.実証概要 ユースケース概要 ユースケース概要 ユースケース 利用者 内容 1 保育園職員の保育ICTシステムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した 。また、保育者が作成した文章の誤字脱字修正を自動 で行った。 2 保育園職員の保育ICTシステムを用いた連絡帳 文章の作成業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した 。また、保育者が作成した文章の誤字脱字修正を自動 で行った。 3 保育園職員の保育ICTシステムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員 ルクミー保育ICTシステムに搭載されているAIアシスト(たよれるくん)機能を用いて、保育者による箇条 書き入力した内容から文章案を自動作成した。また、外国語翻訳等を自動で行った。 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個 別写真の整理業務支援 保育施設職員 保育者がルクミー撮影アプリで保育の様子などを撮影し 、写真のクラス分けと写真管理画面へのアップ ロードを自動で行った 。そして、アップロードされた写真を、 ルクミーフォトAI(β版)機能を用いて、不適 切写真(ブレ・ピンぼけ、暗い、顔が写っていない写真)の自動チェック・分類を行った。 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェッ クによる園児個別写真の整理業務支援 保育施設職員 保育者がルクミー撮影アプリで保育の様子などを撮影し 、写真のクラス分けと写真管理画面へのアップ ロードを自動で行った。そして、アップロードされた写真を、ルクミーフォトAI(β版)機能を用いて、園児ご とに写真を整理した。また、園児ごとに写真に写っている枚数をカウントし管理画面上に表示した。 ICT機器・サービス等の前提条件 実証で用いたICT機器:タブレット、スマートフォン 実証前より使用していたサービス:ルクミーサービス 270 役割 所属 詳細 プロジェクトマネージャー兼 プロダクトリーダー 子育て支援課 実証事業の全体管理・ 統括、 協力事業者との連絡調 整・作業、担当者への指示出しなど(1人) 担当者 子育て支援課 実証事業における作業担当(1人) 知見提供者 横須賀市立追浜保育園 保育業務の知見提供 実証協力施設 横須賀市立森崎保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証協力施設 横須賀市立ハイランド保育園 ユースケースの運用(複数人) 実証環境構築 ユニファ株式会社 実証環境構築や実証サポート(15人程度) 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 1.実証概要 実証体制 実証体制 271 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 1.実証概要 実証スケジュール スケジュール 2024年8月 2024年9月 2024年10月 2024年11月 2024年12月 2025年1月 2025年2月 2025年3月 5 12 19 26 2 9 16 23 30 7 14 21 28 4 11 18 25 2 9 16 23 6 13 20 27 3 10 17 24 3 10 17 24 ③効果検証 マイルストン 年月 週 ①実証環境整 備 ②効果検証設 計 ▼中間報告 デバイス納品 AI機能の付与設定 実証施設へのAI機能操作説明 ▼中間検証▼実証開始 モニタリング設計 中間・最終検証設計 次フェーズ計画 国内リージョンへの切替対応(主に開発) 実証施設へ個人情報の 取扱い変更通知 国内リージョンでの運用開始 次フェーズ計画 次フェーズ計画 検証実施 中間報告書作成 検証設計サポート (実施計画書の変更) 現状の測定 利用促進勉強会の実施 ▼最終報告▼最終検証開 活用事例収集・共有 追加機能開発の検討・推進 最終検証 アンケート内容の見直しなど 最終検証_ アンケート調査の実施 中間報告書作成 最終検証_ インタビュー調査の実施 検証設計見直しサポート 検証サポート 協力事業者主担当 実証団体主担当 272 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 1.実証概要 実証イメージ図 実証イメージ図 留意事項 保育施設職員 ユースケース 1:おたよりの文章案(箇条書き等) ユースケース 2:連絡帳の文章案(箇条書き等) ユースケース 3:翻訳対象のおたより・連絡帳の文章案 ユースケース 4:保育の様子などのこどもの写真 ユースケース 5:保育の様子などのこどもの写真 入力情報 ユースケース 1:文章化・校正されたおたより文章 ユースケース 2:文章化・校正された連絡帳文章 ユースケース 3:翻訳されたおたより・連絡帳 ユースケース 4:不適切写真が除かれた写真 ユースケース 5:こどもごとの写真枚数 出力情報 1 ユースケース4、5では、保護者から同意を取得したうえで 撮影を行った。 ユースケース4、5では、性的姿態等撮影罪への対策を 行ったうえで撮影を行った。 1 こどもの写真 2 事前情報 2 273 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(1/2) 利用者数:システムの利用者数 Good/Bad評価:4段階評価 ユースケース1、2、3共通 Bad評価の理由について Bad評価の数に比べ、Bad評価の理由が多く記録されていた。 Bad評価の理由は複数回答が可能なため、同一回答者が複数回 答している可能性も考えられた。 若しくは、Goodと回答した利用者の中にBadの評価理由にも回答 している利用者がいる可能性がある。 虚偽の情報が含まれている可能性について 実際に活動していない保育中のシーンが文章に含まれていることが あった。(入力する箇条書き文章が少ない場合、AIが実際に活動 していない保育中のシーンも含めて内容を膨らませた形で文章を生 成するため、対応策としては入力する箇条書き文章を追加するなど の運用上の工夫が必要と思われた) 【外国語翻訳_おたより、連絡帳共通】 外国籍の園児が在籍しておらず、現場での運用が発生しなかった。 最終検証でテスト利用を実施し、結果と考察を記載した。 分類 集計項目 単位 ユースケース1× おたより 箇条書き入力 からの文章提案 AI機能 ユースケース2× 連絡帳 箇条書き入力 からの文章提案 AI機能 ユースケース3× 外国語翻訳機 能 基礎情報 利用者数 人数 20 14 取得なし 利用回数 回 取得なし 取得なし 取得なし Good/Bad評価 回/回 18/2 13/1 取得なし Badの評価 理由 結果の正確性が低い 回 3 4 取得なし 結果の網羅性が低い 回 1 2 取得なし 結果の利便性が低い 回 4 4 取得なし その他 回 0 0 取得なし 回答に対する 懸念 倫理違反を含む回答 回 0 0 取得なし 虚偽の情報を含む回答 回 10 6 取得なし 権利侵害を含む回答 回 0 0 取得なし 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 274 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 1.実証概要 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック(2/2) 利用者数:システムの利用者数 Good/Bad評価:4段階評価 【園児ごとの写真枚数のバラつきチェック機能】 Bad評価の理由_その他について、園児数が少なく効果が実感でき ない/現在の業務では活用する場面が無いなどの意見があった。 利用者の生成AIシステムに対するフィードバック 結果の考察 分類 集計項目 単位 ユースケース4× 園児ごとの写真枚 数のバラつきチェッ ク機能 ユースケース5× 不適切(NG)写 真チェック機能 基礎情報 利用者数 人数 15 12 写真枚数 枚数 4,081 4,081 Good/Bad評価 回/回 7/6 10/1 Badの評価 理由 結果の正確性が低い 回 0 1 結果の網羅性が低い 回 3 1 結果が出る速度が低い 回 1 0 その他 回 3 0 回答に対する懸 念 倫理違反を含む回答 回 取得なし 取得なし 虚偽の情報を含む回答 回 取得なし 取得なし 権利侵害を含む回答 回 取得なし 取得なし 275 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、業 務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指標 参照) 「おたより、連絡帳における文章作成 AIサポート機 能」について、どのような使い方をすればどのような結 果が得られるのかを具体的に示す AI活用勉強会 (動画視聴併用 )を行った。また、保育者ごとに AIの使いやすいスタイルの習得促進を目的に、同じ ユースケースを実証する他自治体(横須賀市含め 合計3自治体/10保育施設)の文章生成AI活用 事例を収集し、実証現場となるすべての保育施設 へ共有を行ったことで、利用者のAI活用スキルが向 上した。 生成文案に 、意図しない内容や表現・ 言い回し があるというコメントが一定数存在し 、生成文を 修正する手間が発生した 。 自分で文章を考える方が早いと感じるなど 、出力 情報の精度や指示出しの難しさにより 、業務削 減効果は感じないという意見も存在した。 「短い文章なら自分で作った方が早い 」という声も あり、AI機能を場面に応じて使い分けをするには 一定の習熟が必要と考えられた。 ②保育施設職員の満足度 満足度高評価割合 満足度は高い 満足度高評価割合:おたより 60.0%(アン ケート回答者数=20)、連絡帳 54.5% (アンケート回答者数=11) 全体として肯定的な意見が多く 、総合的な満足度 は高くなった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(1/2) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KGI KPI 276 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③生成AIの利便性 利便性高評価割合 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:おたより 90.0%(アン ケート回答者数=20)、連絡帳 92.9% (アンケート回答者数=14) 自分で作った文章の多角的な視点での肉付け ・表 現、読みやすい文章、より丁寧な文章(柔らかい・ 優しい表現)の作成において 、生成された文章案 が参考になるという意見が多数あり文書の質向上の 観点で評価された。 行事や身体計測など全体へのお知らせなど、ある程 度決められた文書を作成する際の利便性を評価す る声が比較的多数あった。 ネガティブな意見や原因はありません。 ④保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:おたより 66.7.0%(アンケート回答者数=18)、連 絡帳 58.3%(アンケート回答者数=12) 保育者ごとに自身のAIの使いやすいスタイルで運用 することで、AI機能の効果的な利用が促進された。 ネガティブな意見や原因はありません。 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 ユースケース1、2(2/2) 1 2 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより 文章の作成業務支援 保育園職員の保育ICT システムを用いた連絡帳文 章の作成業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳の作成を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の文章化と誤字脱字チェック作業を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた文章生成作業において、生成AIによる文章化と誤字脱字チェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが 示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 文書の用途・内容・トーンが利用者の意図と異なることに対して、多様なテンプレート、生成文案のトーンや加工レベルを選択できるようにすることが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI KPI 277 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 業務効率化はもとより 、業務システムとして既に利 用していた保育 ICT(ルクミー)に外国語翻訳機 能が実装されたことで 、業務フロー化するイメージが 具体化された可能性が高くなった。 日本語は主語が省かれることが多いため 、外国 語翻訳した場合、 間違った代名詞が使用される ケースがあった 。 ②自治体職員の満足度 満足度高評価割合 ※外国籍の保護者を模した自治体職員による 評価 満足度は高い 満足度高評価割合:100%(アンケート回 答者数=1) ポジティブな意見や原因はない。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 ユースケース3(1/2) 3 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳の翻訳を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の外国語翻訳を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた外国語翻訳作業において、生成AIによる外国語翻訳機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 日本語の主語が省かれることにより誤った翻訳となることに対して、主語の特定のために必要な情報を入力することが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KGI KPI 278 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:88.9%(アン ケート回答者数=9) 外国語翻訳機能における業務負荷の変化について、 肯定的な回答をした割合が高くなった。 「外国語翻訳を使用して入園式のお知らせを作成 してみたところ便利でした 。今後、沢山利用する事 になりそうです 」というコメントがあり 、今後必要な場 面にすぐに利用できるという安心感を提供できている と考えられた。 ネガティブな意見や原因はない。 ④生成AIの利便性 利便性高評価割合、有用性高評価割合 ※外国籍の保護者を模した自治体職員による 評価 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:100%(アンケート回 答者数=1) 有用性高評価割合:100.0%(アンケート 回答者数=14) 外国語翻訳機能の利便性について 、肯定的な回 答をした割合が高いという結果となった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 ユースケース3(2/2) 3 保育園職員の保育ICT システムを用いたおたより・ 連絡帳の外国語翻訳業務支援 保育施設職員を利用者として、おたより、連絡帳の翻訳を生成AIが支援するユースケースを実証した。 保育施設職員が入力した文章の外国語翻訳を生成AIが行った。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 保育施設 生成AIチャットボットを用いた外国語翻訳作業において、生成AIによる外国語翻訳機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 日本語の主語が省かれることにより誤った翻訳となることに対して、主語の特定のために必要な情報を入力することが考えられる。 【 ① 】改善案 文章 KPI KPI 279 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 不適切(NG)写真チェック機能の実装により 、ブ レ/ピンボケ・暗いなど、保育記録などの活用に向か ない写真を除く手間が削減された。 チェックするシーン(ブレ/ピンボケ・暗い・顔が写って いない写真)について、シーンごとにOn/Off機能が 追加されたことで 、保育者自身が除く写真のシーン を選択できるようになり、保育者のニーズに合わせた 運用が実現したことで利便性が向上した。 今回の実証施設では 、写真の保護者販売は行っ ておらず、写真は文書やおたよりでの使用のみだった。 このため写真関連業務の負荷が写真販売をしてい る保育施設ほど高くなかった可能性があった。 ②保育施設職員の満足度 不適切(NG)写真チェック機能に対する満 足度高評価割合 満足度は高い フォトAI機能全般に対する満足度高評価割 合:53.8%(アンケート回答者数=13) 不適切(NG)写真チェック機能に対する満 足度高評価割合:75.0%(アンケート回答 者数=12) 園児ごとの写真バラつきチェック機能 、不適切 (NG)写真チェック機能ともに、全体として肯定的 な意見が多く、総合的な満足度は高くなった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 ユースケース4(1/2) 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個別 写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、不適切写真チェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真が不適切写真かAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる不適切写真のチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KGI KPI 280 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ③AIの利便性 利便性高評価割合 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:90.9%(アンケート回 答者数=11) ブレ/ピンボケ・暗いなど、保護者への提供に向かな い写真を自動で除けることでチェックする手間が削減 された。 ぶれ/ピンぼけ・暗い・顔が写っていない写真を分類 する不適切写真(NG写真)チェック機能に、分類 するシーンのOn/Off機能を追加実装し、保育者が 分類(排除)するシーンを選べるようにしたことで 、 より実態に即した運用が可能になった。 ネガティブな意見や原因はない。 ④保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:58.3%(アン ケート回答者数=12) AI機能を使って削減された時間により「こどもとのコン タクトタイム( 関わりや見守り等 )が増えた」、「写 真の撮影枚数が増えた」という回答が多数あった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 ユースケース4(2/2) 4 保育園職員の不適切写真チェックによる園児個別 写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、不適切写真チェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真が不適切写真かAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる不適切写真のチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KPI KPI 281 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ①保育施設職員の作業効率の向上 満足度高評価割合、利便性高評価割合、 業務負荷軽減高評価割合 作業効率が向上 満足度高評価割合:高い(KPI指標参 照) 利便性高評価割合:高い(KPI指標参 照) 業務負荷軽減高評価割合:高い(KPI指 標参照) 園児ごとの写真バラつきチェック機能の実装により 、 園児ごとの写真枚数の確認 ・整理などにかかってい た手間が削減された。 チェック対象とする期間を設定できる機能が追加さ れたことで、さらに利便性が向上した。 今回の実証施設では 、写真の保護者販売は行っ ておらず、写真はドキュメンテーションやおたよりでの 使用のみだった 。このため写真関連業務の負荷が 写真販売をしている保育施設ほど高くなかった可能 性があった。 一部ではあるが、写真の検出結果について利用者 の意に沿わないケースがあった。 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 ユースケース5(1/2) 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェック による園児個別写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、写真枚数バラつきチェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真の園児ごとの写真枚数のバラつきをAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる園児ごとの写真枚数バラつきチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】改善案 保育施設 画像 文章KGI 282 改善案 KGI/KPI 結果 ポジティブな意見や原因 ネガティブな意見や原因 ②保育施設職員の満足度 フォトAI機能全般に対する満足度高評価 割合、満足度高評価割合 満足度は低い フォトAI機能全般に対する満足度高評価割 合:53.8%(アンケート回答者数=13) 満足度高評価割合:42.9%(アンケート回 答者数=14) 園児ごとの写真バラつきチェック機能 、不適切 (NG)写真チェック機能ともに、全体として肯定的 な意見が多く、総合的な満足度は高くなった。 すべてのフォトAI機能における総合満足度について 、 肯定的な回答をした割合が高いという結果となった が、機能ごとの評価においては一部肯定的な回答 が4割強となった。 ③フォトAIの利便性 利便性高評価割合 利便性に関する評価は高い 利便性高評価割合:53.8%(アンケート回 答者数=13) 「園児ごとの写真のばらつきが一目でわかり 、確認し やすくなった」、「写真枚数がグラフ化されてわかりや すい」、「チェック対象とする期間が選べるようになって 便利になった」など利便性について好意的なコメント がみられた。 ネガティブな意見や原因はない。 ④保育施設職員の業務負荷 業務負荷軽減高評価割合 業務負荷は軽減 業務負荷軽減高評価割合:53.3%(アン ケート回答者数=15) AI機能を使って削減された時間により「こどもとのコン タクトタイム( 関わりや見守り等 )が増えた」、「写 真の撮影枚数が増えた」という回答が多数あった。 ネガティブな意見や原因はない。 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 ユースケース5(2/2) 5 保育園職員の園児ごとの写真枚数バラつきチェック による園児個別写真の整理業務支援 保育施設職員を利用者として、写真枚数バラつきチェックによる園児個別写真の整理を支援するユースケースを実証した。 保育施設職員がアップロードした写真の園児ごとの写真枚数のバラつきをAIが確認することで園児個別写真の整理業務を支援した。 保育施設職員のアンケート結果により評価した。 写真整理業務作業において、AIによる園児ごとの写真枚数バラつきチェック機能が、職員の満足度や利便性、業務負荷軽減といった利用者満足度や業務効率性に寄与することが示された。 【 ① ② ③ ④ 】考察 写真の検出結果が利用者の意に沿わないことに対して、利用者からのフィードバックを基に検出精度を適切化することが考えられる。 【 ① 】 保育施設 画像 文章KPI KPI KPI 283 ポジティブな所感 ネガティブな所感 今後生成AIを活用する中で満たしたい要件 次年度以降取り組みたいユースケース ユースケースに 対する所感 保護者への写真販売を実施していないことから 、業務削減効果につい て実感しづらい保育者もいた。 文章作成AIサポート機能について 、指示出し、生成文案の確認・ 修 正を手間に感じて、時間削減効果が実感しづらい保育者もいた。 キーワードによる文案作成などは、業務効率化だけではなく、質的な向 上にも効果があると考えた。 業務削減時間をこどもとのコンタクトタイムに充当したという回答も一定 数あり、保育の質向上に効果を生む可能性もあった。 中間検証結果からの考察をもとに、システムや運用面の改善を行ったこ とにより、期待していた業務削減効果だけではなく 、保育者の学びにつ ながるなど想定範囲以上の効果が得られ 、AI導入のメリットを多面的 に理解することができた。 生成AIへの認識 近年、AIの技術革新は著しく、業務における活用範囲の拡大が進む 中、実証前はAI機能を導入すれば自ずと業務効率が促進すると思っ ていたが、中間検証段階では思うような結果を得ることができなかった。 全庁的にDX化を進めている中、専門性が必要な保育部分の業務負 担軽減に取り組むことに対しての期待は高かった。担当部署以外 からの認識 特にない。 【新規ユースケース】:写真データからのテキスト作成 【詳細】:こどもの姿・興味関心などの発見・把握、その情報の記録・共有など、写真データを保育 の質・こどものウェルビーイング向上に資するよう活用用途を拡張する効果を検証する。 ブレ/ピンボケ・暗いなど、保護者への提供に向かない写真を除く不適切(NG)写真チェックがで きること チェックするシーン(観点)のOn/Offを設定ができること おたより、連絡帳の作成業務について継続的な改善をできる体制があること 外国語翻訳サポートの機能が搭載されていること 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 実証に対する所感 284 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(1/2) 入出力イメージ(ユースケース1、2、3) 285 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 2.ユースケース結果 生成AI入力・出力イメージ(2/2) 入出力イメージ(ユースケース4、5) 286 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 3.実証における課題とリスク 企画フェーズ 企画フェーズにおける課題は3件、リスクは1件見られた。 保育施設職員の理解を得た上で実証を企画するため、保育施設職員に対し実証事業の目的や意義などについて、事前の説明や調整が必要だった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション 保育施設職員へ事前説明する課題 保育施設職員の理解を得た上で 、予算などの制約の範囲 で実現可能性の高い実証環境を企画するため 、保育施設 職員に対し実証事業の目的や意義、 ユースケースにおける AI機能や実証環境 、保育施設の協力範囲などについて 、 事前の説明や調整が必要だった。 保育施設職員に対して、説明会やAI機能のデモンストレーションを行うなど、きめ細や かなコミュニケーションを実施した 。また、保育施設職員の意見や要望を踏まえ 、実証 環境について協力事業者と協議した。 体制・オペレーション セキュリティリスクを低減する課題 庁内セキュリティポリシーに準拠する形で実証環境が整備で きるかどうかを、実証事業計画を策定する際に確認を行うこ とで、セキュリティリスクの低減を図った。 庁内関連部署や協力事業者との協議・調整を行った。 体制・オペレーション セキュリティリスクを低減する課題 実証環境の構築や効果検証設計の具体化が遅延したり、 中間検証結果をもとにした改善対応が不十分な場合、スケ ジュールが遅延する可能性があった。 進捗管理を適切に行い、スケジュールや対応方針などを適宜見直した。 体制・オペレーション ユースケースを中断するリスク ユースケースの実証において、実証施設における保護者から 意見や異議が申し立てられ、それを解消できなかった場合に、 計画を変更・中断する可能性があった。 保護者向けの周知や問い合わせ対応を、保育施設職員や協力事業者と連携し、保 護者理解が得られるよう丁寧に対応した。 287 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 3.実証における課題とリスク 実証前準備フェーズ 実証前準備フェーズにおける課題は1件、リスクは2件見られた。 関連するガイドラインの変更に伴い、セキュリティポリシーに準拠できない状況が発生する可能性があった。 企画 実証前 準備 実証 分類 課題とリスク 対応策 実証環境 個人情報の保存場所に関する課題 サーバに個人情報データなどが保管される場合、 日本の法 令の範囲内で運用できるデータセンタを選択する必要があっ た。 個人情報が取扱われる可能性を考慮し、国内リージョンのサーバへ切替え、情報は学 習データとして取扱われない設定とした。 体制・オペレーション ガイドライン変更に伴うセキュリティポリシーに準拠できない リスク 庁内セキュリティポリシーに準拠することを確認した上で実証 環境整備を進める中、関連するガイドラインの変更などにより 、 セキュリティポリシーに準拠できない状況が発生する可能性 があった。 庁内セキュリティポリシー準拠を優先し 、リスクが発生する場合は利用データの運用変 更やシステム改修などの対応を検討した。 体制・オペレーション 性的姿態等撮影罪のリスク 保育の目的以外で未成年の園児の性的姿態を撮影すると 性的姿態等撮影罪に抵触する可能性があった。 下記4つを定めて対応した。 <①撮影行為に至る経緯及び目的> 横須賀市では、保育者による発見、想起・把握・記録や保護者への支援などの為に 、 すべての公立保育園にて保育中に撮影した写真データを活用した。 <②性的姿態等の具体的な内容> 万が一写り込む可能性のある性的姿態として、園児の下着などが想定された。 <③撮影方法などの様態> 写真を撮影した後、写真データを施設職員がチェックする 。万が一性的姿態が写り込 んでいた場合は削除し、削除後のデータを利用・活用した。 また、写真データを保護者に閲覧頂く際は、閲覧期間を設けた上で、不特定・関係者 以外の者がアクセス可能な状態にはしなかった。 <④保護者への説明・同意取得の実施> 実証事業へ参画するにあたり、写真データを取扱う旨の周知・同意取得を実施した。 288 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 3.実証における課題とリスク 実証フェーズ 実証フェーズにおける課題は2件、リスクは1件見られた。 検証項目が不足、又は実態と乖離している ことにより効果検証が十分に得られない可能性があったが 、中間検証後にアンケート項目等の見直しを 行った。 分類 課題とリスク 対応策 体制・オペレーション フォトAI機能を追加する課題 中間検証結果から、より現状の業務フローに合致するよう追 加機能を開発することができれば、AI機能の利用促進に寄 与すると考察した。 例えば、保育施設職員が撮影した写真データから 、ぶれ/ピ ンぼけ・暗い・顔が写っていない写真を自動的に分類する不 適切写真(NG写真)チェック機能の場合、 保育者によっ ては顔が写っていない写真は分類(排除)せずに利用した いというニーズが一定以上存在したため、 このニーズを満たす 機能を開発できれば利便性が向上し、利用促進が図られる 可能性が高いと考えた。 実現可能性を考慮しつつ AI機能の追加開発を検討した 。具体的には、ぶれ/ピンぼ け・暗い・顔が写っていない写真を分類する不適切写真(NG写真)チェック機能に、 分類するシーンのOn/Off機能を追加することで、保育者が分類(排除)するシーン を選べるようにした。 体制・オペレーション 文章生成AIのスキル向上の課題 中間検証結果から、AIから効果的な生成文を引き出せるよ う合理的なプロンプトを作成するためには 、明確な目的や要 求を持つ必要があった。また、生成文の活用範囲を保育者 自身が見極める・見出すことが必要であると考察した。 AIの効果的な利用を促進するため、どのような使い方をすれ ばどのような結果が得られるのかを具体的に示し 、AI活用ス キル向上を目指した。 単にAI機能の利用方法を説明するだけではなく 、どのような使い方をすればどのような 結果が得られるのかを具体的に示すAI 活用勉強会(動画視聴併用)を行った。ま た、保育者ごとにAIの使いやすいスタイルの習得促進を目的に、同じユースケースを実 証する他自治体( 横須賀市含め合計3 自治体/10保育施設)の文章生成AI活 用事例を収集し、実証現場となるすべての保育施設へ共有を行った。 体制・オペレーション 検証効果が得られないリスク 検証項目(アンケート項目等)が不足、又は実態と乖離し ている為、効果検証が十分に得られない可能性があった。 中間検証後に、アンケート項目等の見直しを行った。 企画 実証前 準備 実証 289 3.実証団体ユースケースの成果 3.14. 横須賀市 4.セキュリティ概要 横須賀市は下記セキュリティ概要のもと実証を実施した。 項目 概要・対応方針 1.外部サービスの名称 ルクミー 2.生成AIサービスの詳細 クラウドサービス:Google Cloud Platform モデル詳細:Gemini-1.5-Flash モデルリージョン:東京 3.外部サービスの提供者の名称 ユニファ株式会社 4.取扱う情報の機密性 国の基準における機密性2情報相当 自治体の基準における機密性3情報相当 5.利用者の範囲 保育施設の職員(主に保育者) 6.生成AIに係る固有のリスクやセキュリティ懸念への対応 不正ログイン対策として、リスク度に応じて多要素認証による不正ログイン対策を行った。 個人情報漏えいの対策として、海外リージョンを利用する場合、自治体機密性3情報の取扱いを禁止した上で、 要機密情報の学習防止も合わせて行った 。自治体機密性3情報(主に写真や氏名などの個人情報)を取 扱う場合は国内リージョンを利用した。 生成AIサービスについてはGoogle Cloud PlatformのVertexAI(Gemini1.5 Flashモデルのアジアパシ フィック東京リージョン)を使用し、全ての処理を国内のデータセンタで完結させた。またVertexAIではデフォルト でデータ(プロンプト・レスポンス・パラメータ)を学習に使用しなかった。 7.サービスにおいて生成AIを利用していることを明示 ユニファ株式会社が提供するルクミーの生成AI機能を利用した。 8.生成AIの出力情報を二次利用する場合の責任 二次利用時の責任は全て横須賀市が負うこととした。 9.学習に利用するデータ、入力され得るプロンプト、出力情報の社会的影響に係るリスク評 価 自治体機密性2、3情報を取扱うため、個人情報保護法で定める取扱制限に準拠した内容で実証を行い 、 適切な出力情報になるよう対策を実施した。 10.入力されたプロンプト及び出力情報のロギングを行った上で、必ず利用者からフィードバッ クを受ける仕組み アンケート調査による利用者からのフィードバックを実施した。 11.一般利用者を対象とする場合は検証段階であることの明示とテスト参加の同意の取得 保護者に対して実証事業の実施内容について周知し同意を求めた。 セキュリティ概要 Appendix 291 Appendix 中間報告会意見交換のサマリ(1/2) 特に生成AIの利用促進とセキュリティ対応について質問・相談内容が多く、中間報告会の目的である今後の実証事業を促進する意見交換の場とし て活用してもらった。 カテゴリ 質問数 質問内容 生成AI利用促進 9 • 生成AIが作成した文章を加工するための職員の能力形成の方法についてお伺いしたい。 • 職員の生成AI利用促進の観点で、生成AIを積極的に利用する職員と、そうでない職員の特徴をお伺いしたい。また、利用促進にあたっ て工夫しているポイントがあればお伺いしたい。 • 現場(保育施設)への生成AI利用促進はどのように行っているかお伺いしたい。 • 生成AI等の新しい技術に拒否感がある職員に対して、使用してもらうために工夫していることがあればお伺いしたい。 • 生成AIに入力情報を正確に把握するための工夫(技術面も含め)があればお伺いしたい。 • 生成AIに回答させる入力情報と回答イメージをお伺いしたい。 • 生成AIのプロンプトについて、どのような前提条件や回答方法の指示等工夫をしているのかお伺いしたい。 • 生成AIをうまく使うコツなどあるかお伺いしたい。 • 保育施設職員が生成AIに直接文章を入力した場合、保育施設職員の主観が生成AIからの出力に含まれることとなる。生成AIに主観 的な内容を含まないようにすることは可能かお伺いしたい。 セキュリティ対応 7 • 実証において、途中でガイドライン等が変わった場合のセキュリティ対応方法・方針について、どのような動き方をしているのかお伺いしたい。 • 室内カメラ導入に際し、保護者への説明や同意をはじめ、職員に対しての考慮で苦労した点などお伺いしたい。 • 音声を取得する際に、事業についての説明や同意の意思確認をどのように工夫しているかお伺いしたい。 • 実証後の運用においても個人情報のマスキングは想定しているかお伺いしたい。 • 本事業で利用されているネットワークを選択若しくは構築された理由とメリット・デメリットは何かお伺いしたい。 • 生成AI活用に関連するリスクに対してどのような対策を講じているかお伺いしたい。 • 生成AIの利用頻度に応じたレートリミット制限に対してどのような対策を講じているかお伺いしたい。 292 Appendix 中間報告会意見交換のサマリ(2/2) 音声情報ユースケース特有の質問やチャットボットユースケース特有の質問もあり、類似ユースケースグループならではの意見交換の場としても活用して もらった。 カテゴリ 質問数 質問内容 ユースケース特有ー音声情報 4 • 音声の記録はどのメディアで記録されているかお伺いしたい。 • 音声情報の文字起こしはどのサービス/ソフトを利用しているかお伺いしたい。 • 録音環境はどのように整備しているかお伺いしたい。 • 対面でのやり取りの音声取得において、どのような良い点・悪い点があるかお伺いしたい。 ユースケース特有ーチャットボット 2 • 生成AIへの学習データの選定はどのように行ったかお伺いしたい。 • チャットボットユースケースにおいてRAGを利用することは適切か見解をお伺いしたい。 次年度以降の進め方 3 • 実証(中間報告)を踏まえた今後の展開について、本格実施の予定や新年度予算措置等の有無についてお伺いしたい。 • 次年度以降の計画の予定(規模、原資、継続年度)はあるかお伺いしたい。 • 生成AIの外部利用は実証では限定されていると認識している。次年度以降の取組み予定についてお伺いしたい。 目標設定 3 • 生成AIの正確性や回答制御に関する評価指標について目標精度をどのように設定されているかお伺いしたい。 • 今回生成AIを導入した業務について、どの程度業務負担の削減が見込めれば導入ラインと考えているかお伺いしたい。業務量や負担を 数値データとして所有している場合、データ収集の方法についてもお伺いしたい。 • KGI・KPIの計測に係る現状値の取得方法について工夫があればお伺いしたい。(電子申請の活用やWGの開催等) 庁内外・現場職員との合意形成 2 • 生成AIに対する職員の期待値や、期待値にギャップがあった部分についてお伺いしたい。また、期待値コントロールで工夫しているポイント があればお伺いしたい。 • 実証を進める中で、組織を跨いだ生成AI利用の案内に対する合意形成をする際の工夫・取り組みについてお伺いしたい。 運用フェーズでの想定工夫 2 • チャットボットと職員で対応すべき内容の線引き及び利用者の導線等についてどう考えているかお伺いしたい。 • 住民の方に生成AIのチャットボットを利用していただくために、どのような工夫・取り組みをしているかお伺いしたい。 293 Appendix 中間報告会意見交換のサマリ 個別テーマ(1/5) 生成AI利用促進テーマでは①自治体職員・保育施設職員の利用促進と②プロンプト工夫による利用促進の議論があった。 ①への対応として、庁内でのルール・研修整備、説明会・聞き取り会の実施、生成AIのUI改善、生成AI取り組みモデル職員・保育士によるサポートが あげられた。 ②への対応として、入力情報を正確に把握のする生成AI側の工夫とプロンプト教育コンテンツの作成・共有による利用者側の改善があげられた。 議論内容 団体からの回答サマリ ①自治体職員・保育施設職員の利用促進 • 生成AIが作成した文章を加工するための職員の能力形成の方法についてお伺いしたい。 • 職員の生成AI利用促進の観点で、生成AIを積極的に利用する職員と、そうでない職員の特 徴をお伺いしたい。また、利用促進にあたって工夫しているポイントがあればお伺いしたい。 • 現場(保育施設)への生成AI利用促進はどのように行っているかお伺いしたい。 • 生成AI等の新しい技術に拒否感がある職員に対して、使用してもらうために工夫していること があればお伺いしたい。 庁内での利用方法・ルール・研修を整備 想定期待していた出力情報にならない場合の対応方法の整備 庁内や現場への説明会・聞き取り会を実施 現場へ生成AIの説明会を実施 生成AI導入後に現場からの意見を聞き取る場の設置 生成AIのUIを改善 利用端末の入力方法を音声入力に対応 利用端末の種類の変更 生成AI取り組みモデル職員・保育士によるサポート運用 導入に積極的な若年層職員からサポートを受けられるように運用 既に生成AI取り組んだ実績のある保育士を今後生成AIを活用する保育園に紹介 ②プロンプト工夫による利用促進 • 生成AIに入力情報を正確に把握するための工夫(技術面も含め)があればお伺いしたい。 • 生成AIに回答させる入力情報と回答イメージをお伺いしたい。 • 生成AIのプロンプトについて、どのような前提条件や回答方法の指示等工夫をしているのかお 伺いしたい。 • 生成AIをうまく使うコツなどあるかお伺いしたい。 • 保育施設職員が生成AIに直接文章を入力した場合、保育施設職員の主観が生成AIから の出力に含まれることとなる 。生成AIに主観的な内容を含まないようにすることは可能かお伺 いしたい。 入力情報を正確に把握する生成AI側の工夫 RAGに取り組むナレッジの整備 システムプロンプトの整備 RAG検索処理の調整 プロンプト教育コンテンツの作成・共有による利用者側の改善 プロンプトテンプレートやサンプル(仮の相談内容と回答)の作成 研修動画コンテンツの作成 生成AI利用促進(9) 294 Appendix 中間報告会意見交換のサマリ 個別テーマ(2/5) セキュリティ対応テーマでは①ガイドライン等変更対応②同意取得対応③個人情報のマスキング④生成AI特有のセキュリティ対策の議論があった。 ④への対応として、特に異常系テストによる回答チェック・自治体職員サポートによるハルシネーション対応・複数リージョンでの分割処理によるレート リミット回避があげられた。 議論内容 団体からの回答サマリ ①ガイドライン等変更対応 • 実証において、途中でガイドライン等が変わった場合のセキュリティ対応方法・方針について、ど のような動き方をしているのかお伺いしたい。 対応部署と協議し対応方針を検討 ②同意取得対応 • 室内カメラ導入に際し、保護者への説明や同意をはじめ、職員に対しての考慮で苦労した点 などお伺いしたい。 • 音声を取得する際に、事業についての説明や同意の意思確認をどのように工夫しているかお 伺いしたい。 保育施設職員からの地道な説明@保育施設 相談者が理解しやすい資料を作成@自治体 イラストを用いた資料で相談者がどのような趣旨での同意取得かを理解しやすいように説明 HPにサービス概要を記載し音声取得の周知を実施 ③個人情報のマスキング方針 • 実証後の運用においても個人情報のマスキングは想定しているかお伺いしたい。 個人情報マスキングはシステム/目検による確認を今後も実施 電話対応の文字起こしはマスキング処理しない LGWAN接続系・生成AIモデルが国内サーバ・庁内での許可を得たうえでセキュリティが担保されていると しマスキングは実施しない ④生成AI特有のセキュリティ対策 • 本事業で利用されているネットワークを選択若しくは構築された理由とメリット・デメリットは何か お伺いしたい。 • 生成AI活用に関連するリスクに対してどのような対策を講じているかお伺いしたい。 • 生成AIの利用頻度に応じたレートリミット制限に対してどのような対策を講じているかお伺いし たい。 団体セキュリティポリシー・ユースケースに合わせたネットワーク選択 オンプレミス環境、LGWAN接続系、インターネット接続系と様々存在 異常系テストによる出力情報チェック 生成AIのプロンプトの調整時に異常系テストを実施 自治体職員サポートによるハルシネーションリスクへの即座対応 検証同意していただいた住民の方にのみ利用依頼 職員が傍についてサポート・フォローを実施 複数リージョンでの分割処理でのレートリミット回避 セキュリティ上の問題がクリアになれば 、リージョンを固定せず海外リージョンも使用して複数リージョンで分 割処理する施策を検討 セキュリティ対応(7) 295 議論内容 団体からの回答サマリ チャットボットユースケース特有の課題 • 生成AIへの学習データの選定はどのように行ったかお伺いしたい。 • チャットボットユースケースにおいてRAGを利用することは適切か見解をお伺いしたい。 オープン&高品質&直近データを選定 出自が明確で信頼できる情報を探し、子育て相談.comを選定 自治体内部で保有しておりHPに記載している直近2年半のデータを選定 チャットボットユースケースでは回答制御が可能なRAGは有効であると評価 チャットボットではハルシネーションリスクを排除する上で、回答制御が可能となるRAGが有効 議論内容 団体からの回答サマリ 音声取得ユースケース特有の課題 • 音声の記録はどのメディアで記録されているかお伺いしたい。 • 音声情報の文字起こしはどのサービス/ソフトを利用しているかお伺いしたい。 • 録音環境はどのように整備しているかお伺いしたい。 • 対面でのやり取りの音声取得において、どのような良い点・悪い点があるかお伺いしたい。 音声記録メディア・文字起こしサービスは団体によって異なる ICレコーダー×オープンソースライブラリ PC オンプレミスサーバ 録音環境はなるべく雑音が入らないよう工夫 空調音がある部屋は空調を切断 ICレコーダーの下にクッションを設置 対面音声取得のメリット 担当者を固定配置することでノウハウが累積 職員間の情報共有が円滑化 対面音声取得のデメリット 児童相談所では呼び出しで来る人もいるため同意取得のお願いが困難 Appendix 中間報告会意見交換のサマリ 個別テーマ(3/5) 音声取得ユースケースでは音声環境改善や対話音声取得のメリット・デメリットについて議論された。 チャットボットユースケースでは学習・RAGデータ選定軸、RAGの適切性が議論された。 学習・RAGデータ選定軸としてはオープンデータであるか・品質が高いか(出自が明確で信頼できる情報)・直近データであるかを重視することがあげら れた。 ユースケース特有ー音声情報(4) ユースケース特有ーチャットボット(2) 296 議論内容 団体からの回答サマリ 目標設定における生成AI本番導入時に求める精度の基準と取得方法について • 生成AIの正確性や回答制御に関する評価指標について目標精度をどのように設定されてい るかお伺いしたい。 • 今回生成AIを導入した業務について 、どの程度業務負担の削減が見込めれば導入ラインと 考えているかお伺いしたい 。業務量や負担を数値データとして所有している場合 、データ収集 の方法についてもお伺いしたい。 • KGI・KPIの計測に係る現状値の取得方法について工夫があればお伺いしたい。(電子申請 の活用やWGの開催等) 生成AI本番導入時に求める精度の基準は未設定 生成AI本番導入時に求める精度の基準は未設定 一般的に生成AI回答の正解率が8割あれば十分な精度だが、行政が情報発信する際にはより高い精 度が必要 目標設定数値の取得方法 職員業務量や負担を定量化したデータ取得は検討中 数値を取得できるタイミングがイベント時であるため、複数回イベントを実施することで数値を取得 庁内職員への聞き取りやアンケートを用いて取得 議論内容 団体からの回答サマリ 次年度以降の計画について • 実証(中間報告)を踏まえた今後の展開について、本格実施の予定や新年度予算措置等 の有無についてお伺いしたい。 • 次年度以降の計画の予定(規模、原資、継続年度)はあるかお伺いしたい。 • 生成AIの外部利用は実証では限定されていると認識している。次年度以降の取組み予定に ついてお伺いしたい。 次年度に向け予算確保や補助金の活用を検討中 市費での予算確保/補助金の活用を検討中 実証結果を基に検討中 規模拡大 複数年の計画として利用箇所を拡大予定 Appendix 中間報告会意見交換のサマリ 個別テーマ(4/5) 次年度以降の進め方について、多くの団体が次年度に向けて予算確保/補助金の活用を検討されていた。 目標設定について、生成AI本番導入時に求める精度の基準の議論と目標設定数値の取得方法について議論があった。 特に行政が情報発信に活用する場合には一般的に求められる精度の基準よりも基準を高く設定する必要があるといった議論があった。 次年度以降の進め方(3) 目標設定(3) 297 Appendix 中間報告会意見交換のサマリ 個別テーマ(5/5) 庁内外・現場職員との合意形成について、自治体職員と保育現場職員の生成AIへの理解認識のギャップがある前提で、説明会や密なコミュニケー ションで合意形成していった等の議論があった。 主にチャットボットユースケースの運用フェーズで想定される工夫について、出産・子育てに関心がある利用者が来訪するサイトへの導線作りや、生成 文の参照HPリンク表示によるハルシネーション対策といった工夫があげられた。 議論内容 団体からの回答サマリ 運用フェーズでの想定工夫(チャットボット) • チャットボットと職員で対応すべき内容の線引き及び利用者の導線等についてどう考えているか お伺いしたい。 • 住民の方に生成AIのチャットボットを利用していただくために、どのような工夫・取り組みをしてい るかお伺いしたい。 出産・子育てに関心がある利用者が来訪するサイトへの導線作り 出産・子育て応援交付金クーポンが使用できるカタログサイトに配置 既存の市HPのチャットボットの代替として配置 子育てポータルサイトに配置 生成文の参照HPリンク表示によるハルシネーション対策 生成AI回答文の下に生成文の参考としたHPリンクを表示 議論内容 団体からの回答サマリ 庁内外・現場職員との合意形成 • 生成AIに対する職員の期待値や、期待値にギャップがあった部分についてお伺いしたい。また、 期待値コントロールで工夫しているポイントがあればお伺いしたい。 • 実証を進める中で、組織を跨いだ生成AI利用の案内に対する合意形成をする際の工夫・取 り組みについてお伺いしたい。 自治体職員と保育現場職員の生成AIへの理解認識のギャップ 生成AIで何ができるかわからないため漠然とした期待値が存在 利用前後でギャップが存在 活用への抵抗・負担感が存在 説明会や密なコミュニケーションによる合意形成 月1の園長会で実証内容の共有 実証に協力してもらえそうな園へのアプローチ 市町村へ説明会の実施 庁内外・現場職員との合意形成(2) 運用フェーズでの想定工夫(2) 298 Appendix 最終報告会意見交換のサマリ(1/2) 実証を通じた生成AI活用の所感として、生成AIの利用促進やセキュアで個人情報が扱える生成AI環境及び人間と生成AIの協業といったコメン トが多く、最終報告会の目的である今後の生成AI活用を促進するためのヒントを得る場として活用してもらった。 カテゴリ 詳細 生成AIの利用促進についての所感 生成AIのUIUX改善やプロンプト作成方法の共有し、生成AIを利用するハードルを下げること が肝要といった所感がありました。 初期は利用者から反発もあったが 、業務効率化を実感してから利用頻度が増えたといった所 感がありました。 セキュアで個人情報が扱える生成AI環境についての所感 個人情報をマスキング・削除しての利用だと実業務に即しておらず、オペレーションも増えてしまう ため、セキュアで自治体の個人情報が扱える生成AI 環境があるとよいといった所感がありました 。 人間と生成AIの協業についての所感 生成AIを全く使わないと業務効率化は始まらず 、また全て生成AIも完璧ではないので人間が 頼り切ることも良くない、0か100かではなく人間と生成AIが協業することが肝要といった所感が ありました。 299 Appendix 最終報告会意見交換のサマリ(2/2) 他団体取組みへの質問として、プロンプト作成に関しての工夫や生成AIに限らずDX・ICT導入に対して苦労した点等があった。最終報告会の目 的である今後の今後の生成AI活用を促進するためのヒントを得る場として活用してもらった。 カテゴリ 詳細 プロンプト作成に関してどのような工夫をしていたか 欲しいイラストが出てくるまで何度も入力する等の工夫を行いました。想定する画像を生成する 場合には詳細に記載する必要があるため、抽象的な画像ではなく出力したい画像のイメージを 文章化して入力することで対応しました。 その際は対話型生成AIを用いてイラスト作成のためのプロンプトの書き方についてやり取りを行 い、作成できたプロンプトを画像生成AIのプロンプトとして利用しました。 保育施設への生成AI・DX・ICT導入に際してどのような工 夫をしていたか 保育施設の中でもリテラシが高く、生成AI導入に理解のある施設に実証の協力依頼をしまし た。 導入の際は背景から丁寧に説明し、伴走型で進めました。 一つの施設における好事例を他の施設へ横展開することでDX化やICT化を推進しました。 現場となる保育施設でも現在のひっ迫した状態を打破したいという気持ちは同じであり、理念を 一致させることを重視して事業を進めました。